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イチゴ苗の養成方法、及びイチゴ栽培方法

国内特許コード P110002503
掲載日 2011年4月28日
出願番号 特願2009-215820
公開番号 特開2011-062138
登録番号 特許第5152869号
出願日 平成21年9月17日(2009.9.17)
公開日 平成23年3月31日(2011.3.31)
登録日 平成24年12月14日(2012.12.14)
発明者
  • 沖村 誠
  • 山下 正隆
出願人
  • 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構
発明の名称 イチゴ苗の養成方法、及びイチゴ栽培方法
発明の概要

【課題】極少量の培土を使用して効率良く育苗することができ、低コストを達成できるイチゴ苗の養成方法と、イチゴ栽培方法を提供する。
【解決手段】イチゴ苗の養成方法は、生分解性、透根性、及び透水性を有する不織布で形成した(バッグ2)に培土を収容して根域制限体4を形成し、この培土にイチゴ苗1を植え、かん水チューブ5を用いてかん水、又はかん水同時施肥して育苗する。イチゴ苗は複数本がバッグ2に一列に植付けられ、植えられた直後に所定期間、所定条件下で遮光され、かん水チューブ5を介して散水され、その後に施肥され、その後はかん水のみとする。イチゴの栽培方法は、透根性、透水性を有する非生分解性の不織布製のシート上に培土14を入れて根域制限栽培槽15を形成し、イチゴ苗が植え込まれた根域制限体4を培土の上に置いて定植し、かん水チューブ16を介してかん水と同時に施肥する。
【選択図】図2

従来技術、競合技術の概要


栽培槽を地面から離した高設栽培は、既存のイチゴ栽培方法の一つであり、地床での土耕栽培に比べて省力・軽労化が可能であることから、進行しつつある栽培農家の高齢化や減少を補って生産を維持していくために不可欠な技術である。しかしながら、導入面積は全国で約15%(2003年)と普及が進展していない。これは主に、収益性が導入コストに対して低いことによるものである。したがって、導入コストを低減すると共に収量性を大幅に向上させ、充分な収益性を確保できる新たな高設栽培システムの開発が求められている。



現在、民間や公立試験研究機関で様々なタイプの高設栽培システムが考案されている。いずれもポリポットなどを用いて養成された苗を高設栽培装置に定植し、栽培する方式で、基本的には地床栽培を踏襲した栽培形態である。代表的な高設栽培システムは、金属パイプなどで枠組を作り、枠の上部にプラスチック製や透水シート製の栽培槽(隔離ベッド)を取付けて畦を構成する。



使用する培土量は株当たり3~5リットル程度で、培土には予め元肥を混和する。追肥には固形肥料を用い、かん水には簡易なかん水チューブを用いて行う。かん水を兼ねて液肥を施用する方法もある。培土は繰り返し使用されるため、栽培終了後には太陽熱消毒等の病害防除対策を必要とする。通常、苗は一畦に2条植えされ、条間は25cm程度、株間は20~25cmとしている。病害虫防除、温度管理、電照、収穫等の基本的な作業は地床栽培とほぼ共通する。苗の定植時期は9月上旬、収穫開始時期は11月下旬で、平均的な年内収量は約1トン、年明け後5月いっぱいまで収穫して総収量は3~4トン程度である。この収量水準は平均的な地床栽培に比べて同等ないしは低いものである。



従来の先行技術文献として、イチゴ等の植物育成方法は、植物を植えた培地に、給液パイプ内の養液を供給して植物を育成する養液栽培による植物育成方法であって、前記給液パイプを前記培地の上方に配置させるとともに、上端側を前記給液パイプ内の前記養液に浸して下端側を前記給液パイプ上部から下方へ垂らすように吸水性資材を配設し、該吸水性資材の下端から前記養液を前記培地に滴下して、前記植物を養液栽培することを特徴としている(例えば、特許文献1参照)。



また、前記の特許文献1では、植物を植えた培地に、給液パイプ内の養液を供給して植物を育成する養液栽培による植物育成方法であって、前記培地を、前記植物の1株当り、200~500mlとするとともに、前記植物の複数株の単位を1ユニットとして、1ユニット毎の培地を、防根シートにより形成する育成ポットで区画して育成することを特徴としている。

産業上の利用分野


本発明は、イチゴ苗の養成方法、及びイチゴ栽培方法に係り、特に、極少量の培土を使用し、根域を制限するイチゴ苗の養成方法と、根域制限されたイチゴ苗を用いて、単位面積当たりの収量性を向上させることができるイチゴ栽培方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
生分解性、透根性、及び透水性を有する不織布にイチゴ苗1株当たり、0.5リットル以下の培土を収容して根域制限体を形成し、該培土にイチゴ苗を挿し苗で植え込み、挿し苗で植えられた直後に所定期間、約80%の遮光下で遮光され、給液手段を介してイチゴ苗の上方から日中1時間間隔で数分間の葉水散水がされ、前記給液手段を用いてかん水、又は希釈調整した液肥を少量多頻度でかん水同時施肥しイチゴ苗の根系発達を促して育苗することを特徴とするイチゴ苗の養成方法。

【請求項2】
前記施肥は、所定期間とし、その後はかん水のみとし、高温期の培地温を30℃程度に維持し、体内窒素濃度を低下させることを特徴とする請求項1に記載のイチゴ苗の養成方法。

【請求項3】
前記不織布製の根域制限体には、複数本のイチゴ苗を一列に植え付けることを特徴とする請求項1又は2に記載のイチゴ苗の養成方法。

【請求項4】
生分解性、透根性、及び透水性を有する不織布に培土を収容して根域制限体を形成し、該培土にイチゴ苗を植え込み、給液手段を用いてかん水、又はかん水同時施肥して育苗するイチゴ苗の養成方法で養成したイチゴ苗を用いたイチゴの栽培方法であって、
透根性、透水性を有する非生分解性の不織布製のシート上に培土を入れて根域制限栽培槽を形成し、前記イチゴ苗が植え込まれた前記根域制限体を、前記培土の上に置いて定植し、給液手段を介してかん水と同時に施肥することを特徴とするイチゴの栽培方法。

【請求項5】
前記不織布製の根域制限体を前記栽培槽の上に置いて竹串等の固定具で固定することを特徴とする請求項に記載のイチゴの栽培方法。

【請求項6】
前記イチゴ苗は、挿し苗で植えられた直後に所定期間、所定条件下で遮光され、前記給液手段を介して散水されることを特徴とする請求項4又は5に記載のイチゴの栽培方法。

【請求項7】
前記施肥は、所定期間とし、その後はかん水のみとすることを特徴とする請求項4~6のいずれかに記載のイチゴの栽培方法。

【請求項8】
前記不織布製の根域制限体内の培土は、前記イチゴ苗1株当たり0.5リットル以下に設定し、前記根域制限体内でイチゴ苗の根系発達を促すことを特徴とする請求項4~7のいずれかに記載のイチゴの栽培方法。

【請求項9】
前記不織布製の根域制限体には、複数本のイチゴ苗を一列に植え付けることを特徴とする請求項4~8のいずれかに記載のイチゴの栽培方法。

【請求項10】
透根性、及び透水性を有する不織布製のシート上に、根域制限が可能なように培土を特定量に制限して収容した栽培槽を形成し、該栽培槽の前記培土上に、生分解性、透根性、及び透水性を有する不織布内の培土で養成されたイチゴ苗を、前記不織布付の状態で載置し、前記栽培槽の前記培土で、前記イチゴの根を成長させると共に前記栽培槽の前記不織布の外部に露出した前記根を自然枯死させて根域制限をすることで、前記栽培槽の不織布内に多数の新たな細根を成長させて栽培する、ことを特徴とするイチゴの栽培方法。

【請求項11】
前記イチゴ苗は、生分解性、透根性、及び透水性を有する不織布に、根域制限が可能なように培土を特定量に制限して収容し、該培土にイチゴ苗を植え込み、該イチゴ苗の根を成長させると共に前記不織布の外部に露出した前記根を自然枯死させて根域制限をすることで、前記不織布内に新たな多数の細根を成長させる、イチゴ苗の養成方法で養成された前記イチゴ苗であることを特徴とする請求項10に記載のイチゴの栽培方法。
産業区分
  • 農林
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2009215820thum.jpg
出願権利状態 権利存続中


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