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植物種子の病原菌検査方法 実績あり 外国出願あり

国内特許コード P110002510
掲載日 2011年4月28日
出願番号 特願2006-034755
公開番号 特開2007-209292
登録番号 特許第4633645号
出願日 平成18年2月13日(2006.2.13)
公開日 平成19年8月23日(2007.8.23)
登録日 平成22年11月26日(2010.11.26)
発明者
  • 佐藤 仁敏
出願人
  • 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
発明の名称 植物種子の病原菌検査方法 実績あり 外国出願あり
発明の概要 【課題】多量の種子のなかに微量に混入した種子伝染性病原菌汚染種子を、精確且つ効率的に検出する方法を提供する。
【解決手段】植物種子が配置された発芽用資材を密閉容器内に収納し、植物種子が発芽した後に、密閉容器内に抽出用液を添加して、発芽後植物種子の幼苗と発芽用資材と抽出用液を混合撹拌した混合液を検査材料とすることを特徴とする植物種子の検査方法であり、前記発芽用資材が吸水性の高い紙、及び/又は吸水性の高い紙の裁断片よりなるものが好ましく、さらに前記植物種子の発芽、及び幼苗の生育を、前記密閉容器内の空気を外気と交換させることにより、水、又は0.001~0.03Mのリン酸緩衝液を発芽用資材に吸水させることによることが好ましい。
【選択図】なし。
従来技術、競合技術の概要


植物の病原菌は、空気伝染、接触伝染、雨水伝染等により蔓延し、特に農作物において大きな被害をもたらす。中でも病害発生の第一次伝染源として重要な種子伝染性の病原菌は、汚染率が極わずかなロットの種子からも大きな被害をもたらし、特に多数の苗を養成する共同育苗や接木栽培等において、甚大な被害をもたらすことがある。これら種子伝染する植物病原菌としては、ウリ科植物の果実汚斑細菌病、イネの褐条病等極めて多数に及び、その被害も少なくない。



例えば前記ウリ科作物の果実汚斑細菌病は、グラム陰性の好気性細菌(Acidovorax avenae subsp. citrulli)で、主に種子伝染することが知られており、ウリ科植物全般に病原性を有している。本病の発生は、わずか0.01%の汚染率を示すロットの種子でも甚大な被害を引き起こし、ロット種子中に1個の生きた病原細菌が存在するだけでも病気が発生するとの報告もある。



又、前記イネの褐条病菌は、グラム陰性の好気性細菌(Acidovorax avenae subsp. avenae)で、主に種子伝染することが知られている。本病が育苗期のイネ苗に発生すると、鞘葉に暗褐色条斑が現れて生育が劣り、苗は不揃いになり、ひどいときには幼苗が腐敗する。本病原細菌は、他のイネ科作物であるアワやトウモロコシ等にも感染する。



これら種子伝染性病害の感染源は、主に当該病原菌に汚染された種子である。このため種苗会社では、種子を生産販売するにあたり、種子伝染性病害に感染した種子を回避するために、多数の種子ロットを主に海外の種子検査施設に依頼して、病原菌に汚染されていないことを確認しているが、その検査に要する経費は莫大である。



従来の汚染種子の検出方法としては、温室内、又はプラスチック箱内の培養土に播種して、発芽後の幼苗に現れる病徴で評価するgrow-out test、又はsweatboxgrow-out testがある。又、種子を溶液に浸して攪拌洗浄した種子洗浄液をそのまま、あるいは一定温度及び期間で培養した溶液を作製し、これを試料に用いた培養コロニーの鑑定、又は血清学的検出法、遺伝子診断法、又はこれら方法を幾つか組み合わせたものがある(例えば非特許文献1を参照。)。



前記grow-out testは、種子伝染性病原の生育に適した一定の温度並びに湿度の温室管理を適正に行う必要がある。又この方法を改良したsweatbox grow-outtestは、人工環境下で実施すため、常に適正な環境制御が行われているが、少なくとも10000粒以上の種子を検査する必要があるため、検査に要する施設は設備的に、又コスト的にも大きな負担であった。又、検査対象の種子は発芽率が常に100%とは限らず、汚染種子が発芽しない場合には、当該ロットは健全と評価されるという問題があった。



更に、種子伝染性病原菌は一般に作物種に対する病原性の強弱により幾つかの系統が存在するが、そのために汚染種子由来の発芽苗が無病徴の場合も、当該ロットの種子は健全と評価されるという問題があった。



一方、健全と評価された検査済みのロットから病害の発生が確認される場合や、検査施設によって同一ロットの判定結果が異なる場合も散見された。このため、精度の高い種子検査技術の開発、及び国内検査の早期実施等が強く要望されていたところである。



【非特許文献1】
農林水産省農林水産技術会議事務局編集「スイカ果実汚斑細菌病の防除技術の開発」2002年12月、農林水産省農林水産技術会議事務局発行

産業上の利用分野



本発明は、植物種子の病原菌検査方法に関し、更に詳細には植物種子が保有する種子伝染性病原菌の検査方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
種子伝染性病原菌を保有する植物種子の検出を発芽後の幼苗により多量に処理する検査において、植物種子が配置された発芽用資材を密閉容器内に収納し、植物種子が発芽した後に、密閉容器内に抽出用液を添加して、発芽後植物種子の幼苗と発芽用資材と抽出用液を混合撹拌した混合液を検査材料とすることを特徴とする植物種子の検査方法。

【請求項2】
前記発芽用資材が吸水性の高い紙、及び/又は吸水性の高い紙の裁断片よりなる請求項1に記載の植物種子の検査方法。

【請求項3】
前記植物種子の発芽、及び幼苗の生育を、前記密閉容器内の空気を外気と交換させることによる請求項1又は請求項2に記載の植物種子の検査方法。

【請求項4】
前記植物種子の発芽、及び幼苗の生育を、水、又は0.001~0.03Mのリン酸緩衝液を発芽用資材に吸水させることによる請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の植物種子の検査方法。

【請求項5】
前記抽出用液が、水、又は0.001~0.03Mのリン酸緩衝液である請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の植物種子の検査方法。

【請求項6】
前記検査材料を用いた病原菌の検出が、培養のコロニーの識別、及び/又は血清学的手法、及び/又は遺伝子診断法による請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の植物種子の検査方法。

【請求項7】
前記植物種子がウリ科植物である請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の植物種子の検査方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録


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