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電力供給システム、及びそのための可動体と固定体

国内特許コード P110002536
整理番号 S2010-0064-N0
掲載日 2011年5月6日
出願番号 特願2009-233909
公開番号 特開2011-083132
登録番号 特許第5170054号
出願日 平成21年10月7日(2009.10.7)
公開日 平成23年4月21日(2011.4.21)
登録日 平成25年1月11日(2013.1.11)
発明者
  • 船渡 寛人
  • 原川 健一
出願人
  • 国立大学法人宇都宮大学
発明の名称 電力供給システム、及びそのための可動体と固定体
発明の概要

【課題】固定体を小型化できると共に、電力周波数が限定されることのない非接触電力供給システムを提供する。
【解決手段】固定体30から可動体50を介して負荷53に電力供給する電力供給システムであって、固定体30は、交流電源31と、第1の送電電極32及び第2の送電電極33と、可動体50は、第1の受電電極51及び第2の受電電極52を備える。固定体又は可動体は、アクティブキャパシタ34とアクティブキャパシタ制御部40とを備える。アクティブキャパシタ制御部40により、第1の結合コンデンサ60と第2の結合コンデンサ61とアクティブキャパシタ34との合成キャパシタンスの送電周波数における交流インピーダンスが、第1の結合コンデンサ60と第2の結合コンデンサ61との合成キャパシタンスの送電周波数における交流インピーダンスに対して十分小さくなるように、アクティブキャパシタ34に負のキャパシタンスを発生させる。
【選択図】図4

従来技術、競合技術の概要


床面上に配置された各種の負荷に対して給電を行う電力供給システムは、一般に、床面に露出するように設けた電極を負荷の底面に設けた電極に接触させて給電する接触式の電力供給システムと、床の内部に非露出状に設けた電極を負荷の電極に接触させることなく給電する非接触式の電力供給システムとに大別できる。



このうち、従来の非接触式の電力供給システムは、例えば特許文献1に開示されている。このシステムは、走行路に沿って移動する負荷(地上可動体)に対して電力供給を行うもので、走行路に沿って誘導線を配置すると共に、地上可動体にはコイルが巻き付けられた鉄心を設けて構成されている。そして、誘導線に高周波電流を流し、この誘導線を一次側とすると共にコイルを二次側とする電磁誘導を行うことで、地上可動体に給電を行なう。



また、他の非接触式の電力供給システムとして、ワイヤレス電力伝送シートが非特許文献1に開示されている。このワイヤレス電力伝送シートは、送電用のコイル、電力制御用のMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)スイッチ、受電機器の位置検出用のコイル、及び位置検出用コイルを用いた位置検出を行う有機トランジスタを、印刷技術を用いてプラスチックフィルム上に形成することで構成されている。このワイヤレス電力伝送シートでは、当該シートに対する電子機器の接近に伴う位置検出用コイルのインダクタンスの変化を有機トランジスタによって検出することにより、電子機器の接近位置を特定する。そして、この特定された位置に対応する送電用コイルをMEMSスイッチで選択し、当該選択された送電用コイルから電力を伝送する。



しかしながら、このような従来の非接触式の電力供給システムでは、電力伝送効率を高めるためには、誘導線とコイルを相互に近接させたり、誘導線への通電によって生じる磁束をコイルの中心軸に通過させるようにこれら誘導線とコイルの位置合せを行う必要がある等、位置上の制約が多かった。従って、走行路の如き固定的な経路でしか給電を行うことができず、床面上を自由に移動する必要があるロボットの如き可動体に対して給電を行うことができないという問題があった。また、磁路を形成するために鉄心の如き磁性体を用いる必要があり、重量が大きくなると共に、磁性体を交流励磁したときに磁歪が生じることで騒音を発生させるという問題があった。また、従来のワイヤレス電力伝送シートでも、電力伝送効率を高めるためには、送電コイルの位置と電子機器の受電コイルの位置とを合わせる必要があり、やはり位置上の制約が多かった。さらに、スイッチを多用しているため、信頼性が低下する可能性があった。この他、非接触式の電力供給システムとしては、電磁波による給電を行うことも考えられるが、人体への悪影響や電子機器の誤作動を回避する観点から厳しい規制があり、オフィス空間のように人がいる場所への導入が困難であった。



このような点に鑑みて、本願発明者等は、電磁誘導や電磁波ではなく、直列共振を利用して非接触給電を行うことができる電力供給システムを提案した(特許文献2参照)。図12は、このような従来の電力供給システムの回路図である。この電力供給システムは、電力供給領域100に配置された固定体101から、電力被供給領域102に配置された可動体103を介して、負荷104に対して電力を供給するための電力供給システムである。固定体101は、電力供給領域100と電力被供給領域102との相互の境界面(例えば床面)111に対する近傍位置に配置される第1の送電電極105及び第2の送電電極106を備える。可動体103は、境界面に対する近傍位置に配置されるものであって、第1の送電電極105又は第2の送電電極106に対して対向状かつ非接触に配置される第1の受電電極107と第2の受電電極108を備える。そして、これら第1の送電電極105及び第2の送電電極106と第1の受電電極107及び第2の受電電極108とを組み合わせて結合コンデンサ109が構成されており、この結合コンデンサ109と、固定体101に設けたコイル110とにより直列共振回路を形成して、固定体101から可動体103へ高効率で電力供給を行う。



この電力供給システムでは、固定体101に、スイッチングによって周波数を制御可能な交流電源115を設けており、この交流電源115によって、所望の直列共振周波数の交流電力を第1の送電電極105と第2の送電電極106に供給している。この電力供給システムによれば、第1の送電電極105及び第2の送電電極106を電力被供給領域102に露出させる必要がないため、人がいる場所への導入が容易になる。また、第1の送電電極105及び第2の送電電極106と第1の受電電極107及び第2の受電電極108とを所望のキャパシタ容量が生じる程度の距離で対向配置させれば電力供給ができるため、電磁誘導方式のように厳密な位置合わせを行う必要がなくなり、ロボットの如き可動体103に対しても給電を行うことができる。

産業上の利用分野


この発明は、各種の負荷に対して電力供給を行うための電力供給システム、及びそのための可動体と固定体に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
電力供給領域に配置された固定体から、電力被供給領域に配置された可動体を介して、所定の負荷に対して電力を供給するための電力供給システムであって、
前記固定体は、
交流電源と、
前記電力供給領域と前記電力被供給領域との相互の境界面に対する近傍位置に配置されるものであって、前記交流電源から交流電力の供給を受ける第1の送電電極及び第2の送電電極と、を備え、
前記可動体は、
前記第1の送電電極又は前記第2の送電電極に対して前記境界面を挟んで対向状かつ非接触に配置される第1の受電電極及び第2の受電電極、を備え、
前記第1の送電電極に対向するように前記第1の受電電極又は第2の受電電極のいずれか一方が配置されることで第1の結合コンデンサが構成されると共に、前記第2の送電電極に対向するように前記第1の受電電極又は第2の受電電極のいずれか他方が配置されることで第2の結合コンデンサが構成され、
前記固定体又は前記可動体は、
前記第1の結合コンデンサ又は前記第2の結合コンデンサの少なくとも一方に直列接続されたアクティブキャパシタと、
前記アクティブキャパシタを制御するアクティブキャパシタ制御手段と、を備え、
前記アクティブキャパシタ制御手段は、前記第1の結合コンデンサと前記第2の結合コンデンサと前記アクティブキャパシタとの合成キャパシタンスの送電周波数における交流インピーダンスが、前記第1の結合コンデンサと前記第2の結合コンデンサとの合成キャパシタンスの送電周波数における交流インピーダンスに対して十分小さくなるように、前記アクティブキャパシタに負のキャパシタンスを発生させる、
電力供給システム。

【請求項2】
前記アクティブキャパシタと前記アクティブキャパシタ制御手段とを、前記固定体に設けた、
請求項1に記載の電力供給システム。

【請求項3】
前記固定体は、
前記交流電源から前記第1の結合コンデンサと前記第2の結合コンデンサを経て当該交流電源に帰還する線路上に、前記アクティブキャパシタ及びアクティブキャパシタ制御手段を備えると共に、当該線路を流れる電流を検出する電流検出手段を備え、
前記アクティブキャパシタ制御手段は、前記電流検出手段にて検出された電流が最大点近傍となるように、前記アクティブキャパシタを制御し、
前記可動体は、
前記第1の結合コンデンサと前記第2の結合コンデンサの間に接続された前記負荷を備える、
請求項2に記載の電力供給システム。

【請求項4】
前記固定体は、
前記交流電源から前記第1の結合コンデンサと前記第2の結合コンデンサを経て当該交流電源に帰還する線路に対して、調整用電流制限抵抗又は回路線路を選択的に接続する固定体側切替え手段と、
少なくとも、前記第1の結合コンデンサ、前記第2の結合コンデンサ、及び前記アクティブキャパシタの合成電圧を検出する電圧検出手段と、
前記可動体との間で通信を行う固定体側通信手段と、を備え、
前記可動体は、
前記第1の結合コンデンサと前記第2の結合コンデンサを接続する線路に対して、前記負荷又は調整用短絡線路を選択的に接続する可動体側切替え手段と、
前記固定体との間で通信を行う可動体側通信手段と、を備え、
前記アクティブキャパシタ制御手段は、
初期モードにおいては、前記固定体側切替え手段を介して前記調整用電流制限抵抗36を接続した後、前記固定体側通信手段と前記可動体側通信手段の通信を介して前記可動体側切替え手段により前記調整用短絡線路を接続し、
前記初期モード後の調整モードにおいては、前記電圧検出手段にて検出された電圧に基づいて、当該電圧が所定電圧以下となるように、前記アクティブキャパシタを制御し、
前記調整モード後の電力供給モードにおいては、前記固定体側通信手段と前記可動体側通信手段の通信を介して前記可動体側切替え手段により前記負荷を接続した後、前記固定体側切替え手段を介して前記回路線路を接続する、
請求項2に記載の電力供給システム。

【請求項5】
前記アクティブキャパシタ制御手段は、
前記初期モードにおいては、前記交流電源の電圧を所定の初期電圧値に制御し、
前記電力供給モードにおいては、前記交流電源の電圧を前記初期電圧値よりも大きな所定の充電電圧値に制御する、
請求項4に記載の電力供給システム。

【請求項6】
前記アクティブキャパシタ制御手段は、前記電力供給モードにおいて、所定の調整開始状態になった場合には前記調整モードの制御を行い、所定の電力供給不要状態になった場合には前記初期モードの制御を行う、
請求項4又は5に記載の電力供給システム。

【請求項7】
前記第1の結合コンデンサ又は前記第2の結合コンデンサの各々に、前記アクティブキャパシタが直列接続された、
請求項1から6のいずれか一項に記載の電力供給システム。

【請求項8】
前記アクティブキャパシタは、直流電源から供給された直流電流をスイッチングするスイッチング部、前記スイッチング部をパルス幅変調制御するパルス幅変調制御部、及び前記スイッチング部から出力されたパルス信号をアナログ信号に変換して出力するフィルタ部とを有するスイッチングアンプを備える、
請求項1から7のいずれか一項に記載の電力供給システム。

【請求項9】
電力被供給領域に配置され、電力供給領域に配置された固定体から供給された電力を所定の負荷に供給する可動体であって、
前記固定体に配置されたものであって交流電力が供給される第1の送電電極又は第2の送電電極に対して、境界面を挟んで対向状かつ非接触に配置される第1の受電電極及び第2の受電電極であって、前記第1の送電電極に対向するように前記第1の受電電極又は第2の受電電極のいずれか一方が配置されることで第1の結合コンデンサを構成されると共に、前記第2の送電電極に対向するように前記第1の受電電極又は第2の受電電極のいずれか他方が配置されることで第2の結合コンデンサが構成される、第1の受電電極及び第2の受電電極と、
前記第1の結合コンデンサ又は前記第2の結合コンデンサの少なくとも一方に直列接続されたアクティブキャパシタと、
前記アクティブキャパシタを制御するアクティブキャパシタ制御手段と、を備え、
前記アクティブキャパシタ制御手段は、前記第1の結合コンデンサと前記第2の結合コンデンサと前記アクティブキャパシタとの合成キャパシタンスの送電周波数における交流インピーダンスが、前記第1の結合コンデンサと前記第2の結合コンデンサとの合成キャパシタンスの送電周波数における交流インピーダンスに対して十分小さくなるように、前記アクティブキャパシタに負のキャパシタンスを発生させる、
可動体。

【請求項10】
電力供給領域に配置され、電力被供給領域に配置された可動体を介して所定の負荷に対して電力を供給する固定体であって、
交流電源と、
前記可動体に配置された少なくとも一組の受電電極に対して、前記電力供給領域と前記電力被供給領域との相互の境界面を挟んで対向状かつ非接触に配置されることにより、これら受電電極との間に第1の結合コンデンサ及び第2の結合コンデンサを構成する第1の送電電極及び第2の送電電極と、
前記第1の結合コンデンサ又は前記第2の結合コンデンサの少なくとも一方に直列接続されたアクティブキャパシタと、
前記アクティブキャパシタを制御するアクティブキャパシタ制御手段と、を備え、
前記アクティブキャパシタ制御手段は、前記第1の結合コンデンサと前記第2の結合コンデンサと前記アクティブキャパシタとの合成キャパシタンスの送電周波数における交流インピーダンスが、前記第1の結合コンデンサと前記第2の結合コンデンサとの合成キャパシタンスの送電周波数における交流インピーダンスに対して十分小さくなるように、前記アクティブキャパシタに負のキャパシタンスを発生させる、
固定体。
産業区分
  • 送配電
  • 工業用ロボット
  • 電線ケーブル
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 権利存続中
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