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表面の生体適合性の改質方法

国内特許コード P110002572
整理番号 S2010-0021-N0
掲載日 2011年5月9日
出願番号 特願2009-235723
公開番号 特開2011-078706
登録番号 特許第5656241号
出願日 平成21年10月9日(2009.10.9)
公開日 平成23年4月21日(2011.4.21)
登録日 平成26年12月5日(2014.12.5)
発明者
  • 長崎 幸夫
  • 山口 雄
  • 吉冨 徹
  • 菊池 明彦
出願人
  • 国立大学法人 筑波大学
  • 学校法人東京理科大学
発明の名称 表面の生体適合性の改質方法
発明の概要 【課題】生体または生体に由来する物質と接触する表面の生体適合性を改質、特に、向上せしめる方法。具体的には、生体内の血液と人工物である材料とが接触した時に生じる血液の変性を低減乃至防止する方法の提供。
【解決手段】環状ニトロキシドラジカル部分を担持する反復単位よりなる群から選ばれるいずれか1種の単位を、少なくとも、ポリマー主鎖の反復単位の15%以上含んでなり、他の反復単位が存在する場合には、対応する単位の環状ニトロキシドラジカル部分が水素原子もしくは他の官能基を形成し得る基である反復単位または該反復単位と一緒になってコポリマーを形成しうる反復単位を含む、ポリマーを固定する工程を含んでなる、上記方法。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


近年の医療工学の発展に伴い医療現場では、人工血管や人工心肺などの人工臓器が使用されるようになってきた。現在使用されている人工臓器の多くは高分子材料からできており、血液や生体組織と直接接触するものについては、生体適合性、特に、血液適合性や組織適合性が要求される。例えば、材料に血液が接触すると生体液は活性化され、酸化ストレスの上昇、血液の凝固反応や炎症反応を引き起こす。このとき活性化された白血球などの食細胞は、活性酸素種(ROS)を産生すると伴に炎症性サイトカインを放出する。



現在までに血液の活性化を小さくするために親水性ポリマー、生体膜を模倣したポリマー、ミクロドメイン構造を持つポリマー、生理活性物質を固定化した表面など様々な研究がなされてきた(例えば、非特許文献1および非特許文献2参照)。最近ではアセチルコリン基を有する高分子(PMPC)やポリアクリル酸2-メトキシエチルなどの生体適合性の良い新規ポリマーが開発されて来ている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。これらの材料は比較的性能がよく、その一部は実用化されているものの、完全に問題が解決されているわけではない。たとえば親水性ポリマーは血小板の吸着は抑制するが血液の活性化反応については抑制することができないことが挙げられる。生理活性物質は動物由来物質であり安全面に問題があることや、生理活性の自然低下といった問題がある。最近、トコフェロールのような抗酸化剤を表面にコーティングしてROSの発生を抑える方法が一定の成果を上げているものの、高価で化学量論的反応のため、公算可能が継続しないという問題があった。また、医療用物品の表面を被覆するためのポリマー性キャリアとして、ポリ(ヒドロキアルカン酸エステル-co-エステルアミド)の側鎖に活性酸素をはじめとするフリーラジカルの捕捉剤としての2,2’,6,6’-テトラメチル-1-ピペリジニルオキシフリーラジカル(TEMPO)を担持させたポリマーも提案されている(特許文献3参照)。なお、特許文献3では、上記フリーラジカル捕捉剤の他に、多種多様な薬剤、例えば、増殖抑制薬、抗血小板薬もしくは抗凝固薬、診断用薬剤を該ポリマーの側鎖に担持させることが提案されている。しかし、これらの薬剤を担持するポリマーで被覆された表面が具体的にどのような挙動を示すかを明らかにするデータは何ら開示されていない。

産業上の利用分野


本発明は生体または生体に由来する物質と接触する表面の生体適合性を改質、特に、向上せしめる方法に関する。より具体的には、本発明は生体内の血液と人工物である材料とが接触した時に生じる血液の変性を低減乃至防止する方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
生体または生体に由来する物質と接触する表面の生体適合性質方法であって、該表面に下記式で表される、環状ニトロキシドラジカル部分を担持する反復単位よりなる群から選ばれるいずれか1種の単位を、少なくとも、ポリマー主鎖の反復単位の15%以上含んでなり、他の反復単位が存在する場合には、対応する単位の環状ニトロキシドラジカル部分が水素原子もしくは他の官能基を形成し得る基である反復単位または該反復単位と一緒になってコポリマーを形成しうる反復単位を含む、ポリマーを固定する工程を含んでなり、
前記生体または生体に由来する物質が血液であることを、かつ、
前記生体適合性の改質が、血液と接触する表面が未処理の場合に該接触により生じる血液中の血小板もしくは白血球減少の抑制または血液中の活性酸素産生の抑制であることを、
前記ポリマーが、下記式
【化1】


【化2】


【化3】


【化4】


上式中、Rは環状ニトロキシドラジカル部分を表し、
nは、5~10,000の整数である、
で示されることを、
特徴とする方法。

【請求項2】
環状ニトロキシドラジカル部分が、Rの環状ニトロキシラジカル部分は、必要により、連結基、-CH2CH2O-、-CH2CH2S-、-COCH2CH2O-、-COCH2CH2S-、-(CH23-O-、-(CH23-S-、-CO(CH23-O-、-(CH23-O-等を介して結合することができる、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシル-4-イル、2,2,5,5-テトラメチルピロリジン-1-オキシル-3-イル、2,4,4,-トリメチル-1,3-チアゾリジン-3-オキシル-2-イル、および2,4,4-トリメチル-イミダゾリジン-3-オキシ-2-イルよりなる群から選ばれる,請求項1記載の方法。

【請求項3】
生体適合性の改質が、血液と接触する表面が未処理の場合に該接触により生じる血液中の血小板減少の抑制であることを特徴とする、請求項1または2記載の方法。

【請求項4】
体適合性の改質が、血液と接触する表面が未処理の場合に該接触により生じる血液中の活性酸素産生の抑制であることを特徴とする、請求項1または2記載の方法。

【請求項5】
環状ニトロキシドラジカル部分を担持する反復単位が、ポリハロメチルスチレン(a):
【化5】


のいずれかであり、該単位が少なくとも、ポリマー主鎖の反復単位の25%以上含んでなり、他の反復単位が存在する場合の反復単位が,上記式(a)のRが水素原子で表される、請求項1~4のいずれかに記載の方法。

【請求項6】
環状ニトロキシドラジカル部分を担持する反復単位が、ポリハロメチルスチレン由来の反復単位(a):
【化6】


のいずれかであり、該単位が少なくとも、ポリマー主鎖の反復単位の25%以上含んでなり、他の反復単位が存在する場合の反復単位が下記式で表される反復単位よりなる群から選ばれる反復単位である、請求項1~4のいずれかに記載の方法:
【化7】


【化8】


【化9】


【化10】


(上式中、nは3~1,000の整数を表し、pは3~5,000の整数を表す。)。

【請求項7】
一般式I:
-A-B-
で表され、かつ、
Aが、式
【化11】


(式中、nは5~10,000の整数を表す。)
で表され、かつ、Rが式
【化12】


(式中、R’はメチル基である。)のいずれかで表される、反復単位よりなる群から選ばれ、そして
Bが、式
【化13】


【化14】


【化15】


【化16】


(上式中、nは3~1,000の整数を表し、pは3~5,000の整数を表す。)
で表される反復単位よりなる群から選ばれる反復単位
を含んでなるランダムコポリマー。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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