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ノックアウト非ヒト動物

国内特許コード P110002620
整理番号 S2010-0075-N0
掲載日 2011年5月16日
出願番号 特願2009-246551
公開番号 特開2011-092026
登録番号 特許第5822248号
出願日 平成21年10月27日(2009.10.27)
公開日 平成23年5月12日(2011.5.12)
登録日 平成27年10月16日(2015.10.16)
発明者
  • 野出 孝一
  • 吉田 裕樹
  • 原 博満
  • 平瀬 徹明
  • 宮崎 義之
出願人
  • 国立大学法人佐賀大学
発明の名称 ノックアウト非ヒト動物
発明の概要 【課題】糖尿病治療薬、心不全治療薬等のスクリーニングに使用できる糖尿病、心不全等モデル非ヒト動物などが求められていた。
【解決手段】EBI3遺伝子、IL27-p28遺伝子及びWSX-1遺伝子からなる群から選択される少なくとも1つの遺伝子の全部又は一部の機能が失われたノックアウト非ヒト動物又はその一部からなる、糖尿病、心不全等モデル動物又はその一部。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


糖尿病は生活習慣病のひとつであり、わが国でも推定罹患者数が1600万人ともいわれている。糖尿病は、インシュリン作用の不足、つまりインシュリンの供給不足と、インシュリン標的臓器での感受性の低下が原因となり、血液中のブドウ糖が増えすぎて(高血糖)尿の中に糖が溢れてきた状態(糖尿)をいう。実際は血液中のブドウ糖の量(血糖値)を測定することにより診断される。さらに、糖尿病は、神経障害、網膜症、腎症などの合併症を引き起こすことも知られており、また、他の生活習慣病である、肥満、高脂血症及び高血圧などと重複した代謝症候群(metabolic syndrome)は、心筋梗塞、脳梗塞などの心血管疾患の主要な原因になるといわれている。したがって、糖尿病の原因解明とそれに立脚した根本的な予防法や治療法の確立がきわめて重要であり、糖尿病のモデル動物の作製が望まれてきた。



また、心不全は、心臓が各臓器の需要に見合う血液を拍出できないために生じる症候群の総称であり、5年生存率が約50%という極めて予後不良の疾患である。現在、利尿薬・ジギタリス・カテコラミン・アンジオテンシン変換酵素阻害薬・β遮断薬等が心不全治療に用いられているものの、病態の進行を完全に抑制し、あるいは完全な健康体へと快復させる治療法は心移植術以外に存在せず、より有用な新しい心不全治療薬の発見が望まれている。新たな心不全治療薬の発見には、心不全モデル動物を用いたスクリーニングが重要であり、心不全モデル動物の作製が望まれていた。



ところでインターロイキン27(IL27)は、IL27-p28とEpstein-Barr virus(EBV)-induced gene 3(EBI3)の2つの異なるサブユニットを含むサイトカインである。一方、IL27受容体(IL27R)は、WSX-1とglycoprotein 130とのヘテロダイマーで構成される。IL27は、例えば、単球、マクロファージ及び樹状細胞のような抗原提示細胞で発現する。抗原提示細胞で発現したIL27は、CD4ナイーブT細胞の増殖を促す。また、IL27は、IL12と共にCD4ナイーブT細胞に作用し、TH1型サイトカインであるインターフェロン-γ(IFNγ)の産生を促す。さらに、IL27は、TH1型免疫応答に特異的な転写因子であるT-betをアップレギュレートさせ、これにより、TH2型免疫応答に特異的な転写因子であるGATA-3をダウンレギュレートさせる。IL27は、免疫細胞の増殖に必要なIL2の産生を抑制し、また炎症が関わる疾患の病態形成に重要な役割を果たすTH17型細胞の分化を抑制する。また、IL27は、様々な炎症性サイトカインの産生を抑制する作用を有している。したがって、IL27は、様々な免疫・炎症反応を抑制する作用を有する。



ここで、特許文献1:特表2007-523169号公報には、IL27Rノックアウトマウスは、TH1型免疫応答が失われており、例えば、(a)IFNγの産生量が減少する、(b)Leishmania、Listeria、及びTrypanosomaのような細胞内病原体に対して過敏になる、(c)TH1型T細胞依存性抗体(IgG2aサブタイプ)の産生量が少なくなる、(d)Bacillusに応答して異常な肉芽腫を形成する、などの症状が見られることが記載されている。さらに、IL27Rに対するアンタゴニストを投与することにより、皮膚の炎症状態、関節炎、クローン病、気道過敏性、気道の炎症、アテローム性動脈硬化症などが改善できることも記載されている。



特許文献2:特表2007-525415号公報には、IL27Rに対するリガンドを使用することにより、免疫疾患又はヘルパーT細胞媒介性疾患を治療できることが記載されている。



非特許文献1:Immunity 15, 569-78には、IL27の作用が失われたマウスにおいて、Leishmania major感染後のTh1型免疫反応の低下が記載されている。



非特許文献2:Immunity 19, 657-667には、IL27の作用が失われたマウスにおいて、Trypanosoma cruzi感染後に炎症性サイトカインの過剰生産が生じることが記載されており、非特許文献3:J Immunol 177, 5377-85には、IL27がリンパ球に作用して、様々なサイトカインの産生を抑制することが記載されている。

産業上の利用分野


本発明は、ノックアウト非ヒト動物の疾患モデル動物としての使用などに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
EBI3遺伝子、IL27-p28遺伝子及びWSX-1遺伝子からなる群から選択される少なくとも1つの遺伝子の全部又は一部の機能が失われたノックアウト非ヒト動物又はその一部を、心不全モデルとして使用する方法

【請求項2】
IL27及び/又はIL27R遺伝子の発現量が、野生型と比較して低下しているノックダウン非ヒト動物又はその一部を、心不全モデルとして使用する方法

【請求項3】
心不全治療薬のスクリーニング方法であって、
(a)請求項1又は2記載の動物又はその一部に被検物質を接触させ、
(b)被検物質を接触させた動物又はその一部における心不全の状態と、対照の心不全の状態とを比較し、
(c)(b)の比較結果に基づき、被検物質の心不全改善効果を評価し、
(d)心不全改善効果を有すると評価された被検物質を選択する
ことを含む、前記方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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