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立体音響生成システム、その制御方法及び制御プログラム コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P110002641
掲載日 2011年5月20日
出願番号 特願2009-297581
公開番号 特開2011-139263
登録番号 特許第5472613号
出願日 平成21年12月28日(2009.12.28)
公開日 平成23年7月14日(2011.7.14)
登録日 平成26年2月14日(2014.2.14)
発明者
  • 黄 捷
出願人
  • 公立大学法人会津大学
発明の名称 立体音響生成システム、その制御方法及び制御プログラム コモンズ 新技術説明会
発明の概要 【課題】水平方向だけでなく、任意の垂直方向に定位する音像を簡単な方法により生成することが可能な平面配置スピーカを用いた立体音響生成システム、その制御方法及び制御プログラムを提供する。
【解決手段】音像定位設定部301は音像の定位位置(θ,α)を設定する。スピーカ選択部302は音像定位位置に基づいて、音源10からの音声信号を出力するスピーカ40を選択する。頭部伝達関数決定部303は音像定位に基づいて、各スピーカ40に対応する頭部伝達関数を頭部伝達関数テーブル305から読み出し決定する。エネルギー配分部304は、各スピーカ40から出力する音声信号のエネルギー量を算出する。畳込み処理部306は、選択されたスピーカ40により出力される音声信号に対して、決定された頭部伝達関数を畳み込み、加えて、演算されたスピーカ40毎の音声信号のエネルギーを配分する。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要



従来では、3Dの立体音響を再現する手法として、特許文献1に示されるように、全空間をカバーするように立体的にスピーカを配置し、各スピーカの音量比を操作して立体的な音像を生成するAP(Amplitude Panning)法がある。このようなAP法は、ターゲットとする音像方向の近傍のスピーカだけを利用するので、仰角方向の音像を再現するためには高い位置にスピーカを配置する必要がある。





しかしながら、一般的な家庭環境では、立体配置スピーカシステムのように高い位置にスピーカを配置することは困難であるため、この観点から、平面配置スピーカによる立体音響生成システムに関する提案が、例えば特許文献2や特許文献3に示すように従来からなされている。これらは、クロストークのない2チャンネルヘッドホン再生に近い状態をスピーカシステムで実現する方法である。代表的なものとしてクロストークを逆フィルターによってキャンセルするトランスノーラル法などがある。





また、特許文献4のように、FIRフィルタを適用することにより、同一平面に配置された2つのスピーカであっても音像を水平方向だけでなく上下方向にパンニング可能な3次元パンニング装置も提案されている。

産業上の利用分野



本発明は、平面配置スピーカを用いた立体音響生成システムに関するものであって、特に、立体音響を生成する時に頭部伝達関数(HRTF)を左右のスピーカグループに加えることによって立体効果を高めたシステムに係る。

特許請求の範囲 【請求項1】
センタースピーカと、左右側のそれぞれに置かれたスピーカグループによる立体音響システムであって、
音源と、
前記音源に対する、受聴者を基準にした音像の方位角θと、仰角αによる音像の定位位置を設定する音像定位設定部と、
前記音像定位設定部により設定された音像の定位に応じて使用するスピーカを選択するスピーカ選択部と、
前記音源からの音声信号に対して畳み込む、前記左右側のスピーカグループ毎の頭部伝達関数を前記音像定位設定部により設定された音像の定位位置に基づき決定する頭部伝達関数決定部と、
前記音像定位設定部により設定された音像の定位位置に基づき、前記スピーカ選択部により選択されたスピーカに対して、配分する音声信号のエネルギー量を演算するエネルギー配分部と、
前記音源からの音声信号に対して前記頭部伝達関数決定部により決定された頭部伝達関数を畳み込み、且つ前記エネルギー配分部により演算された音声信号のエネルギーを各スピーカに割り当てる畳み込み処理部を有する、
ことを特徴とする立体音響システム。

【請求項2】
請求項1において、
前記センタースピーカと、左右側のそれぞれに置かれたスピーカグループが、5チャンネルの平面配置スピーカであって、
前記音像定位設定部は、
音像の第1の基準方向として、受聴者を基準に、仰角が0度で各方位角をスピーカ位置とする方向と、仰角がαv(0度より大きく90度より小さければ任意に複数設定可能)で各方位角をセンタースピーカ以外の隣り合うスピーカの中間位置とする方向と、仰角が90度で各方位角を0度とする方向とを決定する第1の基準方向決定手段を有し、
前記エネルギー配分部は、
前記第1の基準方向のうち仰角が0度の場合には当該第1の基準方向のスピーカに前記音源からの音声信号の全音量を配分し、前記第1の基準方向のうち仰角がαvの場合には方位角の視点で当該第1の基準方向を挟む2つの各スピーカに1/2音量を配分し、前記第1の基準方向のうち仰角が90度の場合には受聴者を基準に前方に位置する3つの各スピーカに1/6音量を配分し、後方に位置する2つの各スピーカに1/4音量を配分する第1の音量配分手段と、
前記第1の基準方向のうちから、仰角、方位角の視点で、前記音像定位設定部により設定された音像を挟む4つの第2の基準方向を決定する第2の基準方向決定手段と、前記音像定位設定部により設定された音像の仰角が前記αv以下である場合に、[数1]に基づいて、前記第2の基準方向決定手段により決定された各第2の基準方向の音量配分と所定の結合係数とを乗算し、この値を決定された全ての前記第2の基準方向分で加算することで、スピーカ毎の音量配分を算出する第2の音量配分手段とを有する
ことを特徴とする立体音響システム。
【数1】



【請求項3】
請求項1において、
前記センタースピーカと、左右側のそれぞれに置かれたスピーカグループが、8チャンネルの平面配置スピーカであって、
前記音像定位設定部は、
音像の第1の基準方向として、受聴者を基準に、仰角が0度で各方位角をスピーカ位置とする方向と、仰角がαv(0度より大きく90度より小さければ任意に複数設定可能)で各方位角をセンタースピーカ以外の隣り合うスピーカの中間位置とする方向と、仰角が90度で各方位角を0度とする方向と、を決定する第1の基準方向決定手段を有し、
前記エネルギー配分部は、
前記第1の基準方向のうち仰角が0度の場合には当該第1の基準方向のスピーカに前記音源からの音声信号の全音量を配分し、前記第1の基準方向のうち仰角がαvの場合には方位角の視点で当該第1の基準方向を挟む2つの各スピーカに1/2音量を配分し、前記第1の基準方向のうち仰角が90度の場合には当該第1の基準方向の各スピーカに1/8音量を配分する第1のエネルギー配分手段と、
前記第1の基準方向のうちから、仰角、方位角の視点で、前記音像定位設定部により設定された音像を挟む4つの第2の基準方向を決定する第2の基準方向決定手段と、
前記音像定位設定部により設定された音像の仰角が前記αv以下である場合に、[数2]に基づいて、前記第2の基準方向決定手段により決定された各第2の基準方向の音量配分と所定の結合係数とを乗算し、この値を決定された全ての前記第2の基準方向分で加算することで、スピーカ毎の音量配分を算出する第2の音量配分手段と、を有することを特徴とする立体音響システム。
【数2】



【請求項4】
前記第2の音量配分手段は、前記音像定位設定部により設定された音像の仰角が前記αvを上回る場合に、[数3]に基づいて、前記第2の基準方向決定手段により決定された各第2の基準方向の音量配分と所定の結合係数とを乗算し、この値を決定された全ての前記第2の基準方向分で加算することで、スピーカ毎の音量配分を算出することを特徴とする請求項2又は3に記載の立体音響システム。
【数3】



【請求項5】
前記頭部伝達関数決定部は、受聴者を基準として左側のスピーカには左側用の頭部伝達関数を、右側のスピーカには右側用の頭部伝達関数を、正面のスピーカには左及び右側用の頭部伝達関数を決定することを特徴とする請求項2に記載の立体音響システム。

【請求項6】
前記頭部伝達関数決定部は、受聴者を基準として左側のスピーカには左側用の頭部伝達関数を、右側のスピーカには右側用の頭部伝達関数を、正面及び背面のスピーカには左及び右側用の頭部伝達関数を決定することを特徴とする請求項3に記載の立体音響システム。

【請求項7】
前記音像定位位置に応じたスピーカ毎の頭部伝達関数を格納する頭部伝達関数テーブルを備え、
前記頭部伝達関数決定部は、当該頭部伝達関数テーブルから所望の頭部伝達関数を読み出し決定することを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の立体音響システム。

【請求項8】
センタースピーカと、左右側のそれぞれに置かれたスピーカグループを使用して、音源からの音声信号に音像定位処理を施すことで音像を任意の位置に定位させ、当該スピーカを通じて立体音響を生成する立体音響生成システムの制御方法であって、
前記音源に対する、受聴者を基準にした音像の方位角θと、仰角αによる音像の定位位置を設定する音像定位設定ステップと、
前記音像定位設定ステップにより設定された音像の定位に応じて使用するスピーカを選択するスピーカ選択ステップと、
前記音源からの音声信号に対して畳み込む、前記左右側のスピーカグループ毎の頭部伝達関数を前記音像定位設定ステップにより設定された音像の定位位置に基づき決定する頭部伝達関数決定ステップと、
前記音像定位設定ステップにより設定された音像の定位位置に基づき、前記スピーカ選択ステップにより選択されたスピーカに対して、配分する音声信号のエネルギー量を演算するエネルギー配分ステップと、
前記音源からの音声信号に対して前記頭部伝達関数決定ステップにより決定された頭部伝達関数を畳み込み、且つ前記エネルギー配分ステップにより演算された音声信号のエネルギーを各スピーカに割り当てる畳み込み処理ステップを有する、
ことを特徴とする立体音響システムの制御方法。

【請求項9】
請求項8において、
前記センタースピーカと、左右側のそれぞれに置かれたスピーカグループが、5チャンネルの平面配置スピーカであって、
前記音像定位設定ステップは、
音像の第1の基準方向として、受聴者を基準に、仰角が0度で各方位角をスピーカ位置とする方向と、仰角がαv(0度より大きく90度より小さければ任意に複数設定可能)で各方位角をセンタースピーカ以外の隣り合うスピーカの中間位置とする方向と、仰角が90度で各方位角を0度とする方向と、を決定する処理を有し、
前記エネルギー配分ステップは、
前記第1の基準方向のうち仰角が0度の場合には当該第1の基準方向のスピーカに前記音源からの音声信号の全音量を配分し、前記第1の基準方向のうち仰角がαvの場合には方位角の視点で当該第1の基準方向を挟む2つの各スピーカに1/2音量を配分し、前記第1の基準方向のうち仰角が90度の場合には受聴者を基準に前方に位置する3つの各スピーカに1/6音量を配分し、後方に位置する2つの各スピーカに1/4音量を配分する処理と、
前記第1の基準方向のうちから、仰角、方位角の視点で、前記音像定位設定ステップで設定された音像を挟む4つの第2の基準方向を決定する処理と、
前記音像定位設定ステップで設定された音像の仰角が前記αv以下である場合に、[数4]に基づいて、決定された各第2の基準方向の音量配分と所定の結合係数とを乗算し、この値を決定された全ての前記第2の基準方向分で加算することで、スピーカ毎の音量配分を算出する処理と、を含むことを特徴とする立体音響システムの制御方法。
【数4】



【請求項10】
請求項8において、
前記センタースピーカと、左右側のそれぞれに置かれたスピーカグループが、8チャンネルの平面配置スピーカであって、
前記音像定位設定ステップは、
音像の第1の基準方向として、受聴者を基準に、仰角が0度で各方位角をスピーカ位置とする方向と、仰角がαv(0度より大きく90度より小さければ任意に複数設定可能)で各方位角をセンタースピーカ以外の隣り合うスピーカの中間位置とする方向と、仰角が90度で各方位角を0度とする方向と、を決定する処理を有し、
前記エネルギー配分ステップは、
前記第1の基準方向のうち仰角が0度の場合には当該第1の基準方向のスピーカに前記音源からの音声信号の全音量を配分し、前記第1の基準方向のうち仰角がαvの場合には方位角の視点で当該第1の基準方向を挟む2つの各スピーカに1/2音量を配分し、前記第1の基準方向のうち仰角が90度の場合には当該第1の基準方向の各スピーカに1/8音量を配分する処理と、
前記第1の基準方向のうちから、仰角、方位角の視点で、前記音像定位設定ステップで設定された音像を挟む4つの第2の基準方向を決定する処理と、
前記音像定位設定ステップで設定された音像の仰角が前記αv以下である場合に、[数5]に基づいて、決定された各第2の基準方向の音量配分と所定の結合係数とを乗算し、この値を決定された全ての前記第2の基準方向分で加算することで、スピーカ毎の音量配分を算出する処理と、を含むことを特徴とする立体音響システムの制御方法。
【数5】



【請求項11】
前記音量配分処理ステップは、前記音像定位設定ステップで設定された音像の仰角が前記αvを上回る場合に、[数6]に基づいて、決定された各第2の基準方向の音量配分と所定の結合係数とを乗算し、この値を決定された全ての前記第2の基準方向分で加算することで、スピーカ毎の音量配分を算出する処理を含むことを特徴とする請求項9又は10に記載の立体音響システムの制御方法。
【数6】



【請求項12】
センタースピーカと、左右側のそれぞれに置かれたスピーカグループを備え、コンピュータにより、音源からの音声信号に音像定位処理を施すことで音像を任意の位置に定位させ、当該スピーカを通じて立体音響を生成させる立体音響生成システムの制御プログラムであって、
このプログラムは前記コンピュータに、
前記音源に対する、受聴者を基準にした音像の方位角θと、仰角αによる音像の定位位置を設定する音像定位処理と、
前記音像定位設定部により設定された音像の定位に応じて使用するスピーカを選択するスピーカ選択処理と、
前記音源からの音声信号に対して畳み込む、前記左右側のスピーカグループ毎の頭部伝達関数を前記音像定位設定処理により設定された音像の定位位置に基づき決定する頭部伝達関数決定処理と、
前記音像定位設定処理により設定された音像の定位位置に基づき、前記スピーカ選択処理により選択されたスピーカに対して、配分する音声信号のエネルギー量を演算するエネルギー配分処理と、
前記音源からの音声信号に対して前記頭部伝達関数決定処理により決定された頭部伝達関数を畳み込み、且つ前記エネルギー配分処理により演算された音声信号のエネルギーを各スピーカに割り当てる畳み込み処理処理を実行させる
ことを特徴とする立体音響システムの制御プログラム。

【請求項13】
請求項12において、
前記センタースピーカと、左右側のそれぞれに置かれたスピーカグループが、5チャンネルの平面配置スピーカであって、
前記音像定位設定処理は、
音像の第1の基準方向として、受聴者を基準に、仰角が0度で各方位角をスピーカ位置とする方向と、仰角がαv(0度より大きく90度より小さければ任意に複数設定可能)で各方位角をセンタースピーカ以外の隣り合うスピーカの中間位置とする方向と、仰角が90度で各方位角を0度とする方向と、を決定するものであって、
前記エネルギー配分処理は、
前記第1の基準方向のうち仰角が0度の場合には当該第1の基準方向のスピーカに前記音源からの音声信号の全音量を配分し、前記第1の基準方向のうち仰角がαvの場合には方位角の視点で当該第1の基準方向を挟む2つの各スピーカに1/2音量を配分し、前記第1の基準方向のうち仰角が90度の場合には受聴者を基準に前方に位置する3つの各スピーカに1/6音量を配分し、後方に位置する2つの各スピーカに1/4音量を配分する処理と、
前記第1の基準方向のうちから、仰角、方位角の視点で、前記音像定位設定処理で設定された音像を挟む4つの第2の基準方向を決定する処理と、
前記音像定位設定処理で設定された音像の仰角が前記αv以下である場合に、[数7]に基づいて、決定された各第2の基準方向の音量配分と所定の結合係数とを乗算し、この値を決定された全ての前記第2の基準方向分で加算することで、スピーカ毎の音量配分を算出する処理と、を含むことを特徴とする立体音響システムの制御プログラム。
【数7】



【請求項14】
請求項12において、
前記センタースピーカと、左右側のそれぞれに置かれたスピーカグループが、8チャンネルの平面配置スピーカであって、
前記音像定位設定処理は、
音像の第1の基準方向として、受聴者を基準に、仰角が0度で各方位角をスピーカ位置とする方向と、仰角がαv(0度より大きく90度より小さければ任意に複数設定可能)で各方位角をセンタースピーカ以外の隣り合うスピーカの中間位置とする方向と、仰角が90度で各方位角を0度とする方向と、を決定するものであって、
前記エネルギー配分処理は、
前記第1の基準方向のうち仰角が0度の場合には当該第1の基準方向のスピーカに前記音源からの音声信号の全音量を配分し、前記第1の基準方向のうち仰角がαvの場合には方位角の視点で当該第1の基準方向を挟む2つの各スピーカに1/2音量を配分し、前記第1の基準方向のうち仰角が90度の場合には当該第1の基準方向の各スピーカに1/8音量を配分する処理と、
前記第1の基準方向のうちから、仰角、方位角の視点で、前記音像定位設定処理で設定された音像を挟む4つの第2の基準方向を決定する処理と、
前記音像定位設定処理で設定された音像の仰角が前記αv以下である場合に、[数8]に基づいて、決定された各第2の基準方向の音量配分と所定の結合係数とを乗算し、この値を決定された全ての前記第2の基準方向分で加算することで、スピーカ毎の音量配分を算出する処理と、を含むことを特徴とする立体音響システムの制御プログラム。
【数8】



【請求項15】
前記音量配分処理は、前記音像定位設定処理で設定された音像の仰角が前記αvを上回る場合に、[数9]に基づいて、決定された各第2の基準方向の音量配分と所定の結合係数とを乗算し、この値を決定された全ての前記第2の基準方向分で加算することで、スピーカ毎の音量配分を算出する処理を含むことを特徴とする請求項13又は14に記載の立体音響システムの制御プログラム。
【数9】


国際特許分類(IPC)
Fターム
  • 5D062BB10 その他
  • 5D162AA07
  • 5D162BA09
  • 5D162CA06
  • 5D162CD03
  • 5D162CD07
  • 5D162EC01
  • 5D162EG02
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出願権利状態 登録
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