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複素型直交変調器、複素型直交復調器及びこれらに用いる直交ミキサ コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P110002643
掲載日 2011年5月20日
出願番号 特願2010-170828
公開番号 特開2012-034110
登録番号 特許第5574293号
出願日 平成22年7月29日(2010.7.29)
公開日 平成24年2月16日(2012.2.16)
登録日 平成26年7月11日(2014.7.11)
発明者
  • 束原 恒夫
出願人
  • 公立大学法人会津大学
発明の名称 複素型直交変調器、複素型直交復調器及びこれらに用いる直交ミキサ コモンズ 新技術説明会
発明の概要 【課題】無線通信等におけるキャリア信号に対するディジタル変調(及び復調)を行なうための高精度化を、実現できる複素型直交変調器、直交復調器及びこれらに適用可能の直交ミキサ回路を提供する。
【解決手段】ベースバンド信号の同相成分及び直交成分がそれぞれ入力される第1及び第2の直交ミキサを有し、前記第1及び第2の直交ミキサの出力に対する減算結果と、加算結果から直交出力を生成し、前記第1及び第2の直交ミキサのそれぞれは、第1及び第2の乗算器を有し、前記第1の乗算器は、前記複素ベースバンド信号の同相成分に前記ローカル信号の同相成分及び直交成分を乗算し、前記第2の乗算器は、前記ベースバンド信号の直交成分に前記ローカル信号の同相成分及び直交成分を乗算し、さらに、前記第1及び第2の乗算器は、それぞれ前記ローカル信号の1/4周期毎に活性化され、且つ同時に動作しない。
【選択図】 図6A
従来技術、競合技術の概要



携帯電話、無線LANなどディジタル無線通信における変調及び復調動作のための基本要素として、直交ミキサが用いられる。





かかる直交ミキサは、送信機の変調器においてベースバンド信号を無線周波数(RF: Radio Frequency)信号に変換し、一方、受信機の復調器において無線周波数(RF)信号をベースバンド信号に変換するために使用される。





ここで、ディジタル無線通信の送信機において、直交ミキサが用いられる直交変調器について考察する。図1は、かかる直交変調器の一般的な構成を説明する図である。





直交変調器で得られる一般化した変調波RFは、





【数1】




という式で表現出来る。





この式を展開すると、





【数2】




となる。





したがって、上記図1に示す直交変調器において、伝送したいディジタル信号から生成した同相成分に対応するI(In-phase)チャネル(ch),直交成分に対応するQ(Quadrature phase)チャネル(ch)のベースバンド (BB: Baseband)入力信号に、90°移相器10を通して得た互いに90度位相が異なるキャリア[ローカル(LO)]信号(ωLO)を、一対の直交ミキサ20,21のそれぞれにより乗算する。ついで、直交ミキサ20,21の出力を減算器30により減算することにより変調が実現され、変調波RFが得られる。





図2は、ベースバンド (BB: Baseband)入力信号(図2a)の周波数が、ローカル(LO)信号周波数(fLO)の帯域に変換され、周波数スペクトルがRF帯に移動した状態(図2b)を示している。





なお、直交復調器は、同様に一対の直交ミキサ20,21を有して構成され、上記の直交変調器の動作と逆方向に行われて、入力される無線周波数(RF)信号を、Ich, Qchのベースバンド (BB: Baseband)に変換する。





ここで、ディジタル無線通信における無線周波数(RF)信号は、GHz帯と高周波であるので、直交変調は、主としてアナログ回路により実現されている。図1において、乗算を行なう2つの直交ミキサ20,21には、アナログ乗算を実現できる図3に示す乗算器である、Gilbert型ダブルバランス・ミキサ(非特許文献1:Figure1)が広く用いられている。





Gilbert型ダブルバランス・ミキサを構成するトランジスタレベルの回路は、差動入出力の形式であり、ローカル(LO)信号と、ベースバンド (BB: Baseband)入力信号及びRF出力との関係は、RF=BB×LOである。





一方、無線通信用LSIの製造における性能テストを行うテスティングにおける低コスト化の要求が年々増大しており、テスタ用送信機に不可欠な高精度直交変調器をCMOSデバイス技術により、低コストで実現することが強く要求されている。





また、無線LAN、第4世代携帯電話、ディジタル・テレビを中心に、図4に示すように、より多くのビットで構成される信号に対応する多数の信号点配置(図4aは16個の信号点配置、図4bは64個の信号点配置、更に、図4cは256個の信号点配置)を持つ直交振幅変調(QAM: Quadrature Amplitude Modulation)方式が採用されるようになり、かかる多数の信号点配置のために、変調精度への要求も厳しくなる傾向にある。





なお、変調精度または変調誤差EVM(Error Vector Magnitude)(%)は、図5により次の様に説明できる。





変調精度を劣化させる主な要因は、I, Qローカル(LO)信号間の位相差90度からのずれφ(rad)と、I, Qローカル(LO信号間の振幅のミスマッチ誤差δである。δはローカル信号間の振幅比を1+δとしたときの誤差分を表す。





図5において、ある信号の実ベクトルBが、理想ベクトルAに対し、位相誤差Φ及び振幅誤差ΔAを有する時、変調精度または変調誤差EVM(Error Vector Magnitude)(%)は、次式で与えられる。





【数3】




例として、経験則に基づく一般的な値として、φ=0.0175rad (=1deg)、δ=0.01(=1%)とすると、EVM=2.3%となる。

産業上の利用分野



本発明は、複素型直交変調器、直交復調器及びこれらに用いる直交ミキサに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
ベースバンド信号の同相成分及び直交成分がそれぞれ入力される第1及び第2の直交ミキサを有し、前記第1及び第2の直交ミキサの出力に対する減算結果と、加算結果から直交出力を生成し、
前記第1及び第2の直交ミキサのそれぞれは、第1及び第2の乗算器を有し、
前記第1の直交ミキサの前記第1及び第2の乗算器は、前記ベースバンド信号の同相成分にそれぞれローカル信号の同相成分及び直交成分を乗算し、
前記第2の直交ミキサの前記第1及び第2の乗算器は、前記ベースバンド信号の直交成分にそれぞれ前記ローカル信号の同相成分及び直交成分を乗算し、
さらに、前記第1及び第2の乗算器は、それぞれ前記ローカル信号の1/4周期毎に活性化され、且つ同時に動作しない、
ことを特徴とする複素型直交変調器。

【請求項2】
請求項1において、
前記第1及び第2の直交ミキサのそれぞれは、
前記ベースバンド信号を差動電流信号に変換する差動対トランジスタと、
それぞれ前記ローカル信号の同相成分入力に対する第1の差動対トランジスタのペアと、前記ローカル信号の直交成分入力に対する第2の差動対トランジスタのペアを有し、
前記第1、第2の差動対トランジスタのペアが、前記ベースバンド信号を差動電流信号に変換する差動対トランジスタに並列に接続されている、
ことを特徴とする複素型直交変調器。

【請求項3】
請求項1において、
前記第1及び第2の直交ミキサのそれぞれは、
前記ベースバンド信号を差動電流信号に変換する差動対トランジスタと、
それぞれ前記ローカル信号の同相成分入力に対する第1の差動対トランジスタのペアと、前記ローカル信号の直交成分入力に対する第2の差動対トランジスタのペアを有し、
前記第1の差動対トランジスタのペアの一方の差動対トランジスタのソース(ドレイン)端子と、前記第2の差動対のペアの一方の差動対トランジスタのソース(ドレイン)端子を、前記ベースバンド信号を差動電流信号に変換する差動対トランジスタの一方のトランジスタのドレイン(ソース)端子に共通に接続され、
前記第1の差動対トランジスタのペアの他方の差動対トランジスタのソース(ドレイン)端子と、前記第2の差動対のペアの他方の差動対トランジスタのソース(ドレイン)端子を、前記ベースバンド信号を差動電流信号に変換する差動対トランジスタの他方のトランジスタのドレイン(ソース)端子に共通に接続されて構成される、
ことを特徴とする複素型直交変調器。

【請求項4】
請求項1において、
前記ローカル信号の同相成分と直交成分を比較して、前記ローカル信号の同相成分が直交成分より大きい時に、前記ベースバンド信号を前記第1の乗算器に接続するスイッチと、
前記ローカル信号の直交成分が同相成分より大きい時に、前記ベースバンド信号を前記第2の乗算器に接続するスイッチを有する、
ことを特徴とする複素型直交変調器。

【請求項5】
請求項4において、更に、
前記ローカル信号の同相成分を全波整流する第1の全波整流回路と、
前記ローカル信号の直交成分を全波整流する第2の全波整流回路を有し、
前記第1の全波整流回路の出力と、前記第2の全波整流回路の出力との差分を採ることにより前記ローカル信号の同相成分と直交成分の比較を行う、
ことを特徴とする複素型直交変調器。

【請求項6】
ーカル信号の同相成分入力に対する第1の差動対トランジスタのペアと、
前記ローカル信号の直交成分入力に対する第2の差動対トランジスタのペアを有し、更に
前記第1の差動対トランジスタのペアの一方とベースバンド信号の同相成分入力端子との間に設けられた第1のスイッチと、
前記第1の差動対トランジスタのペアの他方前記ベースバンド信号の直交成分入力端子との間に設けられた第2のスイッチと、
前記第2の差動対トランジスタのペアの一方前記ベースバンド信号の同相成分入力端子との間に設けられた第3のスイッチと、
前記第2の差動対トランジスタのペアの他方前記ベースバンド信号の直交成分入力端子との間に設けられた第4のスイッチを有し、
前記第1及び第3のスイッチは、前記ローカル信号の同相成分が直交成分より大きい時に導通し、
前記第及び第のスイッチは、前記ローカル信号の直交成分が同相成分より大きい時に導通する、
ことを特徴とする複素型直交変調器。

【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項において、
前記第1及び第2の直交ミキサの直交出力端子に接続された、正周波数と負周波数とで周波数応答が非対称となり不要波成分を抑圧する複素型フィルタを
有すること特徴とする複素型直交変調器。

【請求項8】
請求項7において、
前記複素型フィルタは、抵抗と容量素子の組が縦続されたポリフェーズ・フィルタである、
ことを特徴とする複素型直交変調器。

【請求項9】
請求項7において、
前記複素型フィルタとして所望の周波数のみが通過する複素バンドパス・フィルタである、
ことを特徴とする複素型直交変調器。

【請求項10】
無線周波信号を同相成分と直交成分に位相シフトする位相シフタと、
前記位相シフタからの無線周波信号の同相成分と直交成分がそれぞれ入力される第1及び第2の直交ミキサを有し、前記第1及び第2の直交ミキサの出力に対する減算結果と、加算結果から直交するベースバンド出力を生成し、
前記第1及び第2の直交ミキサのそれぞれは、第1及び第2の乗算器を有し、
前記第1の直交ミキサの前記第1及び第2の乗算器は、前記無線周波信号の同相成分にそれぞれローカル信号の同相成分及び直交成分を乗算し、
前記第2の直交ミキサの前記第1及び第2の乗算器は、前記無線周波信号の直交成分にそれぞれ前記ローカル信号の同相成分及び直交成分を乗算し、
さらに、前記第1及び第2の直交ミキサの前記第1及び第2の乗算器は、それぞれ前記ローカル信号の1/4周期毎に活性化され、且つ同時に動作しない、
ことを特徴とする複素型直交復調器。

【請求項11】
請求項10において、
前記第1及び第2の直交ミキサのそれぞれは、
前記無線周波信号を差動電流信号に変換する差動対トランジスタと、
それぞれ前記ローカル信号の同相成分入力に対する第1の差動対トランジスタのペアと、前記ローカル信号の直交成分入力に対する第2の差動対トランジスタのペアを有し、
前記第1、第2の差動対トランジスタのペアが、前記無線周波信号を差動電流信号に変換する差動対トランジスタに並列に接続されている、
ことを特徴とする複素型直交復調器。

【請求項12】
請求項10において、
前記第1及び第2の直交ミキサのそれぞれは、
前記無線周波信号を差動電流信号に変換する差動対トランジスタと、
それぞれ前記ローカル信号の同相成分入力に対する第1の差動対トランジスタのペアと、前記ローカル信号の直交成分入力に対する第2の差動対トランジスタのペアを有し、
前記第1の差動対トランジスタのペアの一方の差動対トランジスタのソース(ドレイン)端子と、前記第2の差動対のペアの一方の差動対トランジスタのソース(ドレイン)端子を、前記ベースバンド信号を差動電流信号に変換する差動対トランジスタの一方のトランジスタのドレイン(ソース)端子に共通に接続され、
前記第1の差動対トランジスタのペアの他方の差動対トランジスタのソース(ドレイン)端子と、前記第2の差動対のペアの他方の差動対トランジスタのソース(ドレイン)端子を、前記ベースバンド信号を差動電流信号に変換する差動対トランジスタの他方のトランジスタのドレイン(ソース)端子に共通に接続されて構成される、
ことを特徴とする複素型直交復調器。

【請求項13】
請求項10において、
前記ローカル信号の同相成分と直交成分を比較して、前記ローカル信号の同相成分が直交成分より大きい時に、前記無線周波信号を前記第1の乗算器に接続するスイッチと、
前記ローカル信号の直交成分が同相成分より大きい時に、前記無線周波信号を前記第2の乗算器に接続するスイッチを有する、
ことを特徴とする複素型直交復調器。

【請求項14】
請求項13において、更に、
前記ローカル信号の同相成分を全波整流する第1の全波整流回路と、
前記ローカル信号の直交成分を全波整流する第2の全波整流回路を有し、
前記第1の全波整流回路の出力と、前記第2の全波整流回路の出力との差分を採ることにより前記ローカル信号の同相成分と直交成分の比較を行う、
ことを特徴とする複素型直交復調器。

【請求項15】
ーカル信号の同相成分入力に対する第1の差動対トランジスタのペアと、
前記ローカル信号の直交成分入力に対する第2の差動対トランジスタのペアを有し、更に
前記第1の差動対トランジスタのペアの一方と無線周波信号の同相成分入力端子との間に設けられた第1のスイッチと、
前記第1の差動対トランジスタのペアの他方前記無線周波信号の直交成分入力端子との間に設けられた第2のスイッチと、
前記第2の差動対トランジスタのペアの一方前記無線周波信号の同相成分入力端子との間に設けられた第3のスイッチと、
前記第2の差動対トランジスタのペアの他方前記無線周波信号の直交成分入力端子との間に設けられた第4のスイッチを有し、
前記第1及び第3のスイッチは、前記ローカル信号の同相成分が直交成分より大きい時に導通し、
前記第及び第のスイッチは、前記ローカル信号の直交成分が同相成分より大きい時に導通する、
ことを特徴とする複素型直交復調器。
産業区分
  • 電信
  • 基本電子回路
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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