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電着砥粒ワイヤ工具の作製方法及び電着砥粒ワイヤ工具の作製装置

国内特許コード P110002646
整理番号 PA21-013
掲載日 2011年5月23日
出願番号 特願2009-128215
公開番号 特開2010-274355
登録番号 特許第5387895号
出願日 平成21年5月27日(2009.5.27)
公開日 平成22年12月9日(2010.12.9)
登録日 平成25年10月18日(2013.10.18)
発明者
  • 諏訪部 仁
出願人
  • 学校法人金沢工業大学
発明の名称 電着砥粒ワイヤ工具の作製方法及び電着砥粒ワイヤ工具の作製装置
発明の概要

【課題】 砥粒の電着効率を高めることによって短時間で電着することができ、装置の小型化が容易な電着砥粒ワイヤ工具の作製方法と作製装置を提供する。
【解決手段】 砥粒電着槽が回転式ドラム槽31と固定式ドラム槽34から構成され、回転式ドラム槽31の下方に形成された鍔部上に砥粒を沈殿させて砥粒溜まりを作り、この鍔部上に所定間隔で立設して配された搬送ローラにワイヤ201を沿わせて前記砥粒溜まりにワイヤ201を入れ、ワイヤ巻取り機90にて巻き取ることによって前記鍔部上でワイヤ201を周回走行させながら、ほぼ同時に回転式ドラム槽31を回転させ、周回走行中のワイヤ201と砥粒電着槽内に配されたアノード電極との間を通電してワイヤ201表面に砥粒を電着させる。
【選択図】 図1

従来技術、競合技術の概要


近年、クリーンエネルギーとしての太陽電池や、省電力としてのLEDが脚光を浴びている。太陽電池はシリコン基板を材料としており、LEDはサファイア基板を材料としている。これら電子材料の基材となるシリコン、サファイア、水晶、ガラス、セラミックス等は、硬質脆性材料とも呼ばれ、硬くて割れ欠けが生じやすく、特にインゴットをウエハ状に切り出す等の切断加工が困難である。そこで、上記硬質脆性材料の切断工具として、砥粒をピアノ線(高炭素鋼線)、ステンレス線、又はタングステン線等からなる金属製ワイヤの単線(又は撚り線)の表面に固定(固着)させた固定砥粒ワイヤ工具が用いられている。上記砥粒の種類としては、褐色アルミナ系砥粒(A)、白色アルミナ系砥粒(WA)、単結晶アルミナ系砥粒(HA)、黒色炭化ケイ素系砥粒(C)、緑色炭化ケイ素系砥粒(GC)、ジルコニアアルミナ砥粒(Z)、ダイヤモンド砥粒、CBN(Cubic Boron nitride)等が挙げられる。



固定砥粒ワイヤ工具では、連続した長尺ワイヤの表面に所定の密度にて砥粒を均一に固着させる必要がある。砥粒を金属製ワイヤ表面に固着させる固着方法としては、樹脂コーティング法と電着法が知られている。樹脂コーティング法は、樹脂を接着剤として砥粒をワイヤ表面に固着(接着)させる方法であり、短時間で砥粒をワイヤに固着できるが、樹脂が柔らかいこと等から砥粒の固着力が弱く信頼性に乏しい。
電着法は、メッキ液中に砥粒を分散させて混合液(懸濁液)とし、この懸濁液中で電気メッキすることによって、ニッケルやコバルト等の金属をワイヤ表面に析出させ、砥粒をワイヤ表面に固着(電着)させる方法であり、砥粒の固着力が強く信頼性が高い。その反面、砥粒を電着させるためには所定時間メッキを析出させなければならず、メッキの析出に時間を要しワイヤ工具の製作時間が長くなるという問題点がある。



電着法によって砥粒をワイヤ表面に電着させる製造方法(製造装置)としては、特許文献1から3が文献公知となっている。また、本願出願人らは、電着法によって砥粒のワイヤへの強い固着力や高い信頼性を活かしつつ、ワイヤ工具の製作時間を短縮する作製方法を鋭意研究している(非特許文献1、2を参照)。



図18は、電着砥粒ワイヤ工具を例示する図であり、(a)は側面図であり、(b)はA-A線断面図である。電着砥粒ワイヤ工具とは、例えば砥粒(ダイヤモンド砥粒)203を、ワイヤ(ピアノ線)201の表面に、メッキ層(ニッケルメッキ層)205によって電着させた工具である。

産業上の利用分野


本発明は、電着砥粒ワイヤ工具の作製方法、並びに電着砥粒ワイヤ工具の作製装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
液供給ポンプにてメッキ液と砥粒からなる懸濁液を砥粒電着槽に供給し、砥粒電着槽内に配された回転式ドラム槽の下方に形成された鍔部上に砥粒を沈殿させて砥粒溜まりを作り、この鍔部上に所定間隔で立設して配された搬送ローラにワイヤを沿わせて前記砥粒溜まりにワイヤを入れ、ワイヤ巻取り機にてワイヤを巻き取ることによって前記鍔部上でワイヤを周回走行させながら、駆動手段にて回転式ドラム槽を回転させ、周回走行中のワイヤと砥粒電着槽内に配されたアノード電極との間を通電してワイヤ表面に砥粒を電着させることを特徴とする電着砥粒ワイヤ工具の作製方法。
【請求項2】
前記ワイヤと前記鍔部をほぼ同時に周回走行させることを特徴とする請求項1記載の電着砥粒ワイヤ工具の作製方法。
【請求項3】
前記鍔部の周回速度を前記ワイヤの周回速度とほぼ等しい速度に設定することを特徴とする請求項1または2記載の電着砥粒ワイヤ工具の作製方法。
【請求項4】
前記鍔部の外側に固定式ドラム槽が同心配置され、この固定式ドラム槽内に設けられた前記回転式ドラム槽へのワイヤ出入口で前記ワイヤが立体交差することを特徴とする請求項1記載の電着砥粒ワイヤ工具の作製方法。
【請求項5】
前記液供給ポンプが前記固定式ドラム槽の内壁に沿わせて前記懸濁液を周期的に供給することを特徴とする請求項4記載の電着砥粒ワイヤ工具の作製方法。
【請求項6】
前記回転式ドラム槽と前記固定式ドラム槽の下方側の側面にそれぞれ所定間隔で貫通孔が形成され、前記回転式ドラム槽の上方からメッキ液を追加供給して、前記固定式ドラム槽の底部に堆積した前記砥粒をメッキ液とともに排出することを特徴とする請求項5記載の電着砥粒ワイヤ工具の作製方法。
【請求項7】
前記砥粒電着槽から取り出したワイヤを後メッキ槽に入れて、連続的に後メッキ処理を施すことを特徴とする請求項1ないし6のうちいずれか1項記載の電着砥粒ワイヤ工具の作製方法。
【請求項8】
前記砥粒電着槽と前記後メッキ槽との間で、前記懸濁液を循環使用することを特徴とする請求項7記載の電着砥粒ワイヤ工具の作製方法。
【請求項9】
前記鍔部の外側と前記鍔部の内側の両側から通電することを特徴とする請求項1記載の電着砥粒ワイヤ工具の作製方法。
【請求項10】
砥粒電着槽と、砥粒電着槽内に配されて駆動手段により回転する回転式ドラム槽と、砥粒電着槽内にメッキ液と砥粒との懸濁液を供給する液供給ポンプと、砥粒電着槽内に配されたアノード電極と、ワイヤを沿わせる搬送ローラと、ワイヤを巻き取るワイヤ巻取り機を備え、
前記回転式ドラム槽の下方に形成された鍔部上に砥粒を沈殿させて砥粒溜まりを作り、この鍔部上に所定間隔で立設して配された搬送ローラにワイヤを沿わせて前記砥粒溜まりにワイヤを入れ、ワイヤ巻取り機にてワイヤを巻き取ることによって前記鍔部上でワイヤを周回走行させながら、駆動手段にて回転式ドラム槽を回転させ、周回走行中のワイヤと砥粒電着槽内に配されたアノード電極との間を通電してワイヤ表面に砥粒を電着させることを特徴とする電着砥粒ワイヤ工具の作製装置。
【請求項11】
前記ワイヤ巻取り機と前記駆動手段とを同期運転することを特徴とする請求項10記載の電着砥粒ワイヤ工具の作製装置。
【請求項12】
前記ワイヤ巻取り機が前記駆動手段を兼ねており、タイミングベルトによって前記鍔部の周回速度と前記ワイヤの周回速度とを僅かに異ならせることを特徴とする請求項11記載の電着砥粒ワイヤ工具の作製装置。
【請求項13】
前記鍔部の外側に固定式ドラム槽が同心配置され、この固定式ドラム槽に設けられた前記回転式ドラム槽へのワイヤ出入口で、前記ワイヤの進入高さと前記ワイヤの取り出し高さを異ならせることを特徴とする請求項10記載の電着砥粒ワイヤ工具の作製装置。
【請求項14】
前記液供給ポンプの配液口が前記固定式ドラム槽の内壁に向けて配され、前記回転式ドラム槽が所定回転する毎に、前記液供給ポンプが前記固定式ドラム槽の内壁に沿わせて前記懸濁液を供給することを特徴とする請求項13記載の電着砥粒ワイヤ工具の作製装置。
【請求項15】
前記回転式ドラム槽と前記固定式ドラム槽の下方側の側面にそれぞれ所定間隔で貫通孔が形成され、前記回転式ドラム槽の内側からメッキ液を追加供給し、前記回転式ドラム槽が1回転する毎に、前記回転式ドラム槽の下面に配されたカキ板にて前記固定式ドラム槽の底に堆積した前記砥粒をメッキ液とともに排出することを特徴とする請求項14記載の電着砥粒ワイヤ工具の作製装置。
【請求項16】
前記砥粒電着槽から取り出した前記ワイヤに連続的に後メッキ処理を施すための後メッキ槽を設置することを特徴とする請求項10記載の電着砥粒ワイヤ工具の作製装置。
【請求項17】
前記後メッキ槽内に懸濁液攪拌槽が配置され、この懸濁液攪拌槽から前記液供給ポンプにより前記砥粒電着槽に前記懸濁液を供給し、前記固定式ドラム槽の底部に形成された前記懸濁液の排出口からの排液を前記懸濁液攪拌槽に戻すことを特徴とする請求項16記載の電着砥粒ワイヤ工具の作製装置。
【請求項18】
前記アノード電極が前記回転式ドラム槽の内側と前記鍔部の外側とにそれぞれ配されていることを特徴とする請求項10記載の電着砥粒ワイヤ工具の作製装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2009128215thum.jpg
出願権利状態 登録
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