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有機光触媒を用いた水の電気分解方法 新技術説明会

国内特許コード P110002656
整理番号 PA04-24
掲載日 2011年5月24日
出願番号 特願2005-516568
登録番号 特許第3995051号
出願日 平成16年12月17日(2004.12.17)
登録日 平成19年8月10日(2007.8.10)
国際出願番号 JP2004018886
国際公開番号 WO2005063393
国際出願日 平成16年12月17日(2004.12.17)
国際公開日 平成17年7月14日(2005.7.14)
優先権データ
  • 特願2003-433623 (2003.12.26) JP
発明者
  • 長井 圭治
  • 阿部 敏之
出願人
  • 学校法人東京工業大学
  • 学校法人弘前大学
発明の名称 有機光触媒を用いた水の電気分解方法 新技術説明会
発明の概要

本発明は、可視光の全領域の光を有効利用できる有機光触媒を用いて、光照射下で水を電気分解し水素と酸素を効率的に製造する方法を提供する。本発明は、p型有機半導体とn型有機半導体を含む有機光触媒、該有機光触媒からなる水の電気分解用電極材料、該電極材料で被覆されてなる電極、該電極を用いた水の電気分解方法、及び水の電気分解装置等に関する。

従来技術、競合技術の概要

光を用いて水分子を水素と酸素に分解することは、潜在的な太陽エネルギーの変換や貯蔵システムとして大いに注目されてきており、中でも、可視光照射下で水を分解することができる光触媒の開発は、近年大きな話題となっている。


そして、二酸化炭素の発生を伴わずに水素発生を行なうことは、炭素循環に代わる水素循環型エネルギー社会を構築するうえでも必需な技術である。


従来のアルカリ水電気分解装置は、約60~80℃以上と高温下で、1.7~2.0Vと高い印加電圧を要する条件で実用化されている(非特許文献1を参照)。つまり、水の電気分解には、過剰の熱エネルギーの投入と、理論電圧1.23Vに対してさらに約0.5~0.8Vの過電圧が必要とされているのである。


しかし、これでは、エネルギーの有効利用や穏和な条件での水の電気分解という観点からは、大いに改善の余地がある。しかも、通常の水の電気分解では、その駆動力である電気は大量の二酸化炭素を排出しながら発電されるものであり、エネルギー効率、環境破壊、地球温暖化等の観点からも問題を有している。


これらの問題点を解決するため、自然エネルギー(例えば、光エネルギー)を積極的に利用する試みがなされてきている。例えば、非特許文献2には、光エネルギーを用いた無機半導体光触媒による水の分解反応が報告されている。


しかし、該光触媒は、紫外光或いは近紫外域の可視光を利用できる酸化チタン、その複合物、酸化タングステンなどの数種類にすぎず(非特許文献3等)、可視光領域の全域に渡る光を利用できる光触媒は知られていない。


また、これまで水の分解反応に用いられる光触媒は、無機光触媒がほとんどであり、有機光触媒、特に、水素と酸素の両方を発生させることができ、かつ、水の電気分解に不可欠な水中使用できる有機光触媒は報告例はなかった(非特許文献4)。


また、金属錯体等の水の酸化触媒と増感剤とを複合化させた水の光酸化触媒が検討されているが、光照射下における触媒活性は著しく低く、光エネルギーの有効利用にはほど遠いものであった(特許文献1を参照)。


さらに、非特許文献5には、アントラセン等の有機半導体を用いた単層系電極が記載されているが、充分な光電流は得られておらず、しかもこの有機材料では性能の良い光電池を組んで化学エネルギーを取り出すのに使うことは無理であることが記載されている。

【特許文献1】特開平9-234374号公報
【非特許文献1】電気化学と工業物理化学4月号、p278-282,2003年
【非特許文献2】Nature,414,pp.625-627(2001)
【非特許文献3】Chem.Commun.,150(1992)
【非特許文献4】J.Chem.Soc.Faraday Trans.,93,221(1997)
【非特許文献5】化学総説No.45機能性有機薄膜昭和59年11月25日発行

産業上の利用分野

本発明は、光、特に可視光により活性化される有機光触媒を電極材料に用いて、光照射下、水を水素と酸素に効率的に電気分解する方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】 フタロシアニン誘導体からなるp型有機半導体と、フラーレン類及びペリレン誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種のn型有機半導体とを含む有機光触媒からなる水の電気分解用電極材料。
【請求項2】 フラーレン類がC60C70C76C82、及びC84からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の水の電気分解用電極材料。
【請求項3】 ペリレン誘導体が、下記式(4A)~(4C):
【化学式1】
(式中、R1は、アルキル基又はアリール基を示す)
で表されるペリレン誘導体から選ばれる少なくとも1種である請求項1又は2に記載の水の電気分解用電極材料。
【請求項4】 フタロシアニン誘導体が、下記式(1A)又は(1B):
【化学式2】
(式中、M1は、周期律表414族からなる群から選ばれる金属原子又はその金属原子を含む原子団を示し、点線は配位結合を示す)
で表されるフタロシアニン誘導体である請求項1、2又は3に記載の水の電気分解用電極材料。
【請求項5】 p型有機半導体がフタロシアニン又はコバルトフタロシアニンであり、n型有機半導体がC60又は3,4,9,10-ペリレンテトラカルボキシル-ビスベンズイミダゾールである請求項1~4のいずれかに記載の水の電気分解用電極材料。
【請求項6】 電極基材の表面に請求項1~5のいずれかに記載の水の電気分解用電極材料を被覆してなる水の電気分解用電極。
【請求項7】 請求項6に記載の電極であって、電極基材の表面に、n型有機半導体からなる第1層及びp型有機半導体からなる第2層を被覆してなり、必要に応じ、第2層の上に遷移金属触媒を担持してなる水の電気分解用アノード電極。
【請求項8】 請求項6に記載の電極であって、電極基材の表面に、p型有機半導体からなる第1層及びn型有機半導体からなる第2層を被覆してなり、必要に応じ、第2層の上に遷移金属触媒を担持してなる水の電気分解用カソード電極。
【請求項9】 電極基材が、導電性透明ガラス基材、金属基材、又は炭素系基材である請求項6に記載の水の電気分解用電極。
【請求項10】 請求項7に記載のアノード電極と請求項8に記載のカソード電極とからなる電極、定電位電源、電解質水溶液、及び光源を備えた水の電気分解装置。
【請求項11】 前記アノード電極及び前記カソード電極が定電位電源に接続され、前記アノード電極及び前記カソード電極が電解質水溶液に浸漬されてなる請求項10に記載の水の電気分解装置。
【請求項12】 請求項11に記載の水の電気分解装置において、電極に光を照射しながら、定電位電源でアノード電極及びカソード電極に電圧を印加することを特徴とする水の電気分解方法。
【請求項13】 印加電圧が、0.3~1.2Vである請求項12に記載の水の電気分解方法。
【請求項14】 カソード電極と請求項7に記載のアノード電極とからなる電極、又はアノード電極と請求項8に記載のカソード電極とからなる電極、定電位電源、電解質水溶液、及び光源を備えた水の電気分解装置。
【請求項15】 前記アノード電極及び前記カソード電極が定電位電源に接続され、前記アノード電極及び前記カソード電極が電解質水溶液に浸漬されてなる請求項14に記載の水の電気分解装置。
【請求項16】 請求項15に記載の水の電気分解装置において、電極に光を照射しながら、定電位電源でアノード電極及びカソード電極に電圧を印加することを特徴とする水の電気分解方法。
【請求項17】 印加電圧が、1.0~1.4Vである請求項16に記載の水の電気分解方法。
【請求項18】 照射光が自然光である請求項12又は16に記載の水の電気分解方法。
【請求項19】 アノード電極から酸素を発生し、カソード電極から水素を発生することを特徴とする請求項12又は16に記載の水の電気分解方法。
【請求項20】 n型有機半導体からなる第1層の厚さが200~800nmであり、p型有機半導体からなる第2層の厚さが20~500nmである請求項7に記載の水の電気分解用アノード電極。
【請求項21】 p型有機半導体からなる第1層の厚さが20~500nmであり、n型有機半導体からなる第2層の厚さが200~800nmである請求項8に記載の水の電気分解用カソード電極。
産業区分
  • その他無機化学
  • 処理操作
  • 無機化合物
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
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