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脳梗塞抑制剤 コモンズ 外国出願あり

国内特許コード P110002679
掲載日 2011年5月26日
出願番号 特願2005-308949
公開番号 特開2007-119347
登録番号 特許第3876325号
出願日 平成17年10月24日(2005.10.24)
公開日 平成19年5月17日(2007.5.17)
登録日 平成18年11月10日(2006.11.10)
発明者
  • 西堀 正洋
  • 森 秀治
  • 高橋 英夫
  • 友野 靖子
  • 足立 尚登
  • 劉 克約
出願人
  • 学校法人岡山大学
  • 学校法人愛媛大学
発明の名称 脳梗塞抑制剤 コモンズ 外国出願あり
発明の概要


【課題】本発明は、実際の脳梗塞に沿う長時間にわたる虚血後の脳組織ネクローシスに対して有効であり、且つ副作用の少ない脳梗塞抑制剤を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明に係る脳梗塞の抑制剤は、抗HMGB1モノクローナル抗体を有効成分とすることを特徴とする。
【選択図】なし

従来技術、競合技術の概要


脳梗塞とは、脳血管における動脈硬化や、脳以外の血管でできた血栓が脳に運搬されることなどを原因として、脳血管が閉塞したり細くなることによって、脳の血流が不足して血流障害組織が壊死に陥る疾病をいう。いったん脳梗塞が生じると、壊死した脳組織は元通りにはならないため、たとえ生命を取り留めた場合でも、運動麻痺や感覚障害や言語障害のみならず痴呆症状が残る場合が多い。その一方で、近年、高血圧、心臓病、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病といわれる疾病が増加しており、それに伴って脳梗塞の危険性が増している。我が国において、脳梗塞を中心とする脳血管障害は癌や虚血性心疾患に次いで死因の第3位を占めており、このことは欧米先進諸国でも同様である。従って、効果的な脳梗塞の処置手段が切望されている。



ところが、これまでのところ真に有効な治療手段は未だ見出されていない。例えば、脳梗塞の原因となった血栓を溶解して血流を再開させるために、組織型プラスミノーゲンアクチベータなどの血栓溶解剤が使用されている。しかし、血流再開により生じるフリーラジカルを原因とする障害も脳梗塞の病態に深く関与しており、血栓溶解剤のみでは、脳組織の壊死に対する根本的な解決方法とはならない。



また、脳組織障害の原因となるフリーラジカルから脳組織を保護するためのフリーラジカルスカベンジャーであるエダラボンが市販されている。しかし、当該薬剤には肝機能障害や腎機能障害等の副作用が見られ、特に、肝機能検査値異常など臨床検査値の異常変動は、投与患者の実に21.4%にも及ぶというデータもある。いかに致死的な疾患である脳梗塞に対する治療手段といえども、この様な高い副作用発生率には問題がある。



その他、グルタミン酸受容体アンタゴニストやエストロゲン受容体関連薬、電位依存性カルシウムチャンネル阻害薬などの応用が検討されているが、これらの効果は十分とはいえない。



薬剤以外の治療手段としては、低体温療法がある。しかし、その実施に要する費用が高額である上に、免疫力の低下による感染症や出血傾向などがあり、一般的な実施は困難である。



ところで、HMG1(High Mobility Group box 1。以下、「HMGB1」という)は、げっ歯類からヒトまで95%以上のアミノ酸配列が等しいタンパク質である。このHMGB1は正常細胞にも存在するが、敗血症(全身性炎症反応症候群)において放出される菌体内毒素であるLPS(リポ多糖)による刺激によって血中濃度が上昇し、最終的な組織障害をもたらす。よって、特許文献1記載の技術では、炎症性サイトカインカスケードの活性化を特徴とする症状を治療するために、HMGアンタゴニストを投与している。また、この症状の一例として虚血再灌流障害が挙げられており、HMGアンタゴニストとしてHMGB1タンパク質と結合する抗体が例示されている。



しかし特許文献1に記載されている虚血再灌流障害は、全身性炎症反応症候群に含まれる症状や疾患として例示されている約100種の疾患のうちの1つにしか過ぎず、また、いかなる臓器における障害であるかの記載はない。さらに当該文献の実施例では、TNFやLPS等による刺激によりHMGB1が誘導されることや、抗HMGB1抗体を投与することによりLPSによるマウスの死亡率が低減したこと、敗血症や多臓器不全(MOF)のヒトにおいて血清HMGB1レベルが上昇すること等が示されているが、抗HMGB1抗体が虚血再灌流障害に対する効果を示すことは、具体的に実証されていない。少なくとも、特許文献1の技術が対象としているのは全身性の炎症性疾患の治療であり、脳梗塞の抑制は志向されていない。

【特許文献1】特表2003-520763号公報(特許請求の範囲、段落[0008]、[0009]、実施例)

産業上の利用分野


本発明は、脳虚血により引き起こされる脳梗塞を抑制するための薬剤に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
抗HMGB1モノクローナル抗体を有効成分とすることを特徴とする脳梗塞抑制剤。

【請求項2】
1時間以上の長時間虚血による脳梗塞を抑制するためのものである請求項1に記載の脳梗塞抑制剤。

【請求項3】
虚血再灌流中または虚血再灌流後に投与するものである請求項1または2に記載の脳梗塞抑制剤。

【請求項4】
複数回投与するものである請求項1~3のいずれかに記載の脳梗塞抑制剤。

【請求項5】
虚血再灌流中または虚血再灌流直後と、その後6~12時間ごとに投与するものである請求項4に記載の脳梗塞抑制剤。

【請求項6】
抗HMGB1モノクローナル抗体を、1回当たり0.2~5mg/kg投与するものである請求項4または5に記載の脳梗塞抑制剤。

【請求項7】
虚血再灌流中または虚血再灌流後、持続的に投与するものである請求項1~3のいずれかに記載の脳梗塞抑制剤。
産業区分
  • 薬品
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
特許内容に関しての問い合せ窓口は岡山大学連携機構知的財産部門です。

技術移転に関しては岡山TLOが窓口になります。


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