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ニッケル含有水溶液からのニッケルならびに亜燐酸の回収方法とその装置

国内特許コード P110002680
掲載日 2011年5月26日
出願番号 特願2007-298680
公開番号 特開2009-120920
登録番号 特許第5315537号
出願日 平成19年11月16日(2007.11.16)
公開日 平成21年6月4日(2009.6.4)
登録日 平成25年7月19日(2013.7.19)
発明者
  • 岡 徹雄
  • 寺澤 俊久
出願人
  • 国立大学法人 新潟大学
  • 株式会社イムラ材料開発研究所
発明の名称 ニッケル含有水溶液からのニッケルならびに亜燐酸の回収方法とその装置
発明の概要

【課題】使用済みめっき液からニッケルを効率よく回収することができ、回収したニッケルを再利用することのできる、新規のニッケル含有水溶液からのニッケルならびに亜燐酸の回収方法とその装置を提供する。
【解決手段】亜燐酸を含有するニッケル含有水溶液の水素イオン濃度を調整することで亜燐酸ニッケルを析出させる反応水槽2と、反応水槽2で析出した亜燐酸ニッケルを磁場に吸着させて分離する沈殿水槽6と、沈殿水槽6において亜燐酸ニッケルを吸着させる磁場を発生する磁場発生手段7とを備えた。
【選択図】図1

従来技術、競合技術の概要


電子部品、精密機械部品などの表面処理に用いられる無電解ニッケルめっき液は、ニッケル供給源としての硫酸ニッケル、還元剤としての次亜燐酸ナトリウム及び乳酸やクエン酸などの錯化剤から構成される。めっき工程では、次亜燐酸ナトリウムは酸化されて亜燐酸ナトリウムとなり、これとともにニッケルが消費されるため、随時硫酸ニッケル、次亜燐酸ナトリウム及びpH調節剤として水酸化ナトリウムを補充しながら使用している。しかし、めっき液を繰り返し使用するうちに、硫酸イオン、ナトリウムイオン、亜燐酸イオン、被めっき物の表面から溶出する亜鉛や鉄などがめっき液中に蓄積し、めっき皮膜の品質を維持することが難しくなるので、ある程度まで使用しためっき液は廃液として処分されている。近年の環境保全及び資源保護の観点から、使用済みめっき液の再利用法の開発が期待されている。



めっき液中に生成する亜燐酸イオンを除去することができれば、ニッケルイオンを添加することでめっき液の再利用が可能なことから亜燐酸イオンの回収除去が有効である。
そこで、使用済み無電解ニッケルめっき液を再利用する方法として、例えば、2-ヒドロキシ-5-ノニルアセトフェノンオキシムなどのニッケル抽出剤を用いて、廃液から無電解ニッケル補充液を調製する方法が開示されている(特許文献1参照)。しかし、上記の方法を工業規模の連続抽出装置や多段抽出装置などに適用した場合、ニッケルの抽出速度が低いために、ニッケルを効率よく回収することができなかった。



上記のような課題を解決するためになされ、ニッケル含有水溶液からニッケルを効率よく抽出し、回収することを目的とした方法が開示されている(特許文献2参照)。この方法は、β-ヒドロキシオキシム系抽出剤及び酸性有機リン化合物を含有する有機溶媒を、ニッケル含有水溶液と接触させ、ニッケルを有機溶媒相中に抽出することを特徴とする。しかし、この方法では有機溶媒の使用あるいは廃棄処理に大きなコストがかかることと、その廃棄に際しての環境負荷がかかるという社会的な問題点があった。



このほかの従来技術としては、ニッケルイオンをキレート樹脂に反応させて吸着沈殿によって除去し、後にニッケルを酸で溶離して回収する方法が開示されている(特許文献3)。しかし、この方法は、反応に反応凝集水槽を用いており、沈殿物の回収に大型の水槽が必要であって、沈降分離に掛かる時間が長いことから、工程に時間とコストが掛かるという問題があった。



また、カルシウムを含む消石灰などを添加することによってアルカリ性にし、溶存するニッケルを不溶性の水酸化ニッケルに変えて、その沈殿をろ過する方法が開示されている(特許文献4)。しかし、この方法は、沈殿のろ過に時間とコストが掛かることに加え、消石灰などの処理薬品を必要としており、これらはすべて再利用できない廃棄物となるという問題があった。



また、めっき廃液にパラジウムなど析出促進剤を添加して金属ニッケルの沈殿を作り、これをフィルタプレスで濾しとって固形化する方法が開示されている(特許文献5)。この方法では、析出する沈殿の性質は良好だが、フィルタプレスなどの沈殿物の固形化工程に大きな設備費とスペースが必要となるという問題があった。



さらに、めっき液中のニッケルを銅電極による電解によって、電極表面に直接、金属ニッケルを析出させる方法が開示されている(特許文献6)。この方法では、ニッケルの回収に効果が大きいと考えられるが、ニッケル析出に大電力を要し、設備が大規模となってコスト高になるという問題があった。

【特許文献1】特開2001-192846号公報

【特許文献2】特開2004-307983号公報

【特許文献3】特開平11-226596号公報

【特許文献4】特開平10-066998号公報

【特許文献5】特開平10-180266号公報

【特許文献6】特開平11-124679号公報

産業上の利用分野


本発明は、ニッケル含有水溶液からのニッケルならびに亜燐酸の回収方法とその装置に関し、特に、無電解ニッケルめっき及び電解ニッケルめっきの廃液からニッケルならびに亜燐酸を効率よく抽出し、回収する方法とその装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
亜燐酸を含有するニッケル含有水溶液の水素イオン濃度を調整することで亜燐酸ニッケルを析出させる析出工程と、この析出工程で析出した亜燐酸ニッケルを磁場に吸着させて分離する分離工程とを備えたことを特徴とするニッケル含有水溶液からのニッケルならびに亜燐酸の回収方法。

【請求項2】
前記分離工程において、亜燐酸ニッケルを吸着させる磁場の強度が3T以上であることを特徴とする請求項1記載のニッケル含有水溶液からのニッケルならびに亜燐酸の回収方法。

【請求項3】
前記析出工程又は前記分離工程において磁性粉末を添加することを特徴とする請求項1又は2記載のニッケル含有水溶液からのニッケルならびに亜燐酸の回収方法。

【請求項4】
亜燐酸を含有するニッケル含有水溶液の水素イオン濃度を調整することで亜燐酸ニッケルを析出させる反応水槽と、この反応水槽で析出した亜燐酸ニッケルを磁場に吸着させて分離する沈殿水槽と、この沈殿水槽において亜燐酸ニッケルを吸着させる磁場を発生する磁場発生手段とを備えたことを特徴とするニッケル含有水溶液からのニッケルならびに亜燐酸回収装置。

【請求項5】
前記磁場発生手段が超伝導バルク磁石であることを特徴とする請求項4記載のニッケル含有水溶液からのニッケルならびに亜燐酸の回収装置。

【請求項6】
前記磁場発生手段が超伝導ソレノイド磁石又は電磁石であることを特徴とする請求項4記載のニッケル含有水溶液からのニッケルならびに亜燐酸の回収装置。

【請求項7】
前記磁場発生手段が永久磁石であることを特徴とする請求項4記載のニッケル含有水溶液からのニッケルならびに亜燐酸の回収装置。

【請求項8】
前記沈殿水槽中における前記磁場発生手段の近傍に磁性メッシュを配したことを特徴とする請求項4~7のいずれか1項記載のニッケル含有水溶液からのニッケルならびに亜燐酸の回収装置。

【請求項9】
前記沈殿水槽中における前記磁場発生手段の近傍に永久磁石を備えた円板を配し、この円板は回転可能に構成されたことを特徴とする請求項4~7のいずれか1項記載のニッケル含有水溶液からのニッケルならびに亜燐酸の回収装置。
産業区分
  • 冶金、熱処理
  • 処理操作
  • 混合分離
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2007298680thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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