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薄膜共振子

国内特許コード P110002713
掲載日 2011年5月31日
出願番号 特願2010-270539
公開番号 特開2012-116736
登録番号 特許第5747318号
出願日 平成22年12月3日(2010.12.3)
公開日 平成24年6月21日(2012.6.21)
登録日 平成27年5月22日(2015.5.22)
発明者
  • 柳谷 隆彦
  • 鈴木 雅視
  • 渡辺 好章
出願人
  • 国立大学法人 名古屋工業大学
  • 学校法人同志社
発明の名称 薄膜共振子
発明の概要 【課題】垂直配向型及び平行配向型以外の配向を有するウルツ鉱圧電体薄膜であって、その配向により従来にない特性が得られるウルツ鉱圧電体薄膜を提供する。
【解決手段】ウルツ鉱型の結晶構造を有する材料から成る薄膜であって、該薄膜に対する法線とc軸が成す角である傾斜角が、縦波に関する圧電定数e33がゼロになる臨界傾斜角よりも大きく、且つ90°未満であることを特徴とする。この薄膜は、垂直配向のウルツ鉱型結晶薄膜とは逆位相の縦波振動が生じるという、従来にない特性を有する薄膜共振子に用いることができる。この薄膜は、ウルツ鉱型の結晶構造を有する材料Mを基板Sの表面に堆積させつつ、基板Sの表面に対して10°を超え40°以下の角度αで入射するようにイオンビームIBを照射することにより製造することができる。
【選択図】図3
従来技術、競合技術の概要


ウルツ鉱型の結晶構造は、図1に示すように、六方晶の単位格子を持ち、An+から成る層(A層)とBn-から成る層(B層)が交互に積層し、B層がその上下にある2枚のA層から等距離の位置よりもc軸方向にずれた位置に配置されたものである。上記の構造を有することにより、ウルツ鉱型の構造を有する結晶(以下「ウルツ鉱型結晶」とする)は外部電界が印加されなくともc軸に平行な方向の分極ベクトルPを持つ圧電体となる。



このようなウルツ鉱型結晶から成るウルツ鉱圧電体薄膜は、交流の電気信号を入力すると機械的振動が生じ、機械的振動を入力すると交流の電気信号が生じる。ここでの機械的振動は、ウルツ鉱型結晶のc軸がウルツ鉱圧電体薄膜に対して垂直に配向(以下「垂直配向」とする)している場合には縦波であり、c軸がウルツ鉱圧電体薄膜に対して平行な1方向に配向(平行配向)している場合には横波である。



従来より、ウルツ鉱圧電体薄膜は垂直配向しやすいことが知られている。それに対して本願発明者はこれまでに、基板に温度勾配を形成しつつ該基板にウルツ鉱圧電体薄膜の材料を堆積させること(特許文献1)、該薄膜材料から成るプラズマの密度勾配を形成し、該プラズマ内に基板を配置すること(特許文献2)、あるいは基板にほぼ平行(10°以下)にイオンビームを照射しつつ該薄膜材料を該基板に堆積させること(特許文献3)により、平行配向したウルツ鉱圧電体薄膜が得られることを見出してきた。



ウルツ鉱圧電体薄膜は、上記の特性を活かして、主に薄膜共振子に用いられてきた。薄膜共振子は、広帯域の信号から特定の周波数の信号を抽出する周波数フィルタとしての機能を有する。従来、このような薄膜共振子では多くの場合、製造が容易である垂直配向型のウルツ鉱圧電体薄膜が用いられてきた。一方、特許文献4には、薄膜共振子に平行配向型のウルツ鉱圧電体薄膜を用いることが記載されている。このような平行配向型のものを用いると、垂直配向型のものを用いる場合よりも機械的振動の音速が遅くなるため、所定の周波数で共振させるための膜厚をより薄くすることができる。これにより、所定のインピーダンス(通常は50Ω)にするために必要な膜の面積を小さくすることができ、素子を小型化することができる。また、横波は空気中を伝播しないため、平行配向型のウルツ鉱圧電体薄膜を用いることにより、機械的振動のエネルギーが薄膜共振子の外部に漏れることを防ぐことができる。

産業上の利用分野


本発明は酸化亜鉛(ZnO)や窒化アルミニウム(AlN)、窒化ガリウム(GaN)、炭化シリコン(SiC)、窒化スカンジウムアルミニウム(ScAlN)等のウルツ鉱型の結晶構造を有する材料から成る薄膜(以下「ウルツ鉱圧電体薄膜」とする)、該薄膜向けの製造方法及び装置、並びに該薄膜を用いて作製することが可能な薄膜共振子に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
ウルツ鉱型の結晶構造を有する材料から成る薄膜であって、該薄膜に対する法線とc軸が成す角である傾斜角が、縦波に関する圧電定数e33がゼロになる臨界傾斜角よりも大きく、且つ90°未満であるウルツ鉱圧電体薄膜と、
前記ウルツ鉱圧電体薄膜の両面に設けられた電極と
を備えることを特徴とする薄膜共振子

【請求項2】
前記ウルツ鉱圧電体薄膜がエピタキシャル成長法以外の方法により作製されたものであることを特徴とする請求項1に記載の薄膜共振子

【請求項3】
第1の圧電体層と第2の圧電体層を重ねて上下電極の間に設けたものであって、
a) 前記第1圧電体層の分極ベクトルである第1分極ベクトル及び前記第2圧電体層の分極ベクトルである第2分極ベクトルが該第1圧電体層及び該第2圧電体層に平行な面の法線に対して傾斜するように配向しており、
b) 前記第1分極ベクトルの前記面への射影が前記第2分極ベクトルの前記面への射影と逆方向であって且つ横波に関する圧電定数の正負が前記第1圧電体層と前記第2圧電体層で同じであるか、又は前記第1分極ベクトルの前記面への射影が前記第2分極ベクトルの前記面への射影と同方向であって且つ横波に関する圧電定数の正負が前記第1圧電体層と前記第2圧電体層で逆であり、
c) 前記第1分極ベクトルの前記法線への射影が前記第2分極ベクトルの前記法線への射影と同方向であり且つ縦波に関する圧電定数の正負が前記第1圧電体層と前記第2圧電体層で逆である
ことを特徴とする薄膜共振子。

【請求項4】
第1圧電体層と第2圧電体層のうちの一方が、該層に対する法線とc軸が成す角である傾斜角が、縦波に関する圧電定数e33がゼロになる臨界傾斜角よりも大きく且つ90°未満であるウルツ鉱圧電体薄膜であり、他方が、前記臨界傾斜角よりも小さい傾斜角を有するウルツ鉱圧電体薄膜であることを特徴とする請求項3に記載の薄膜共振子。
産業区分
  • 処理操作
  • 表面処理
  • 伝送回路空中線
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2010270539thum.jpg
出願権利状態 登録
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