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クッパー細胞の効率的増殖方法およびその利用 新技術説明会

国内特許コード P110002717
掲載日 2011年6月2日
出願番号 特願2010-228639
公開番号 特開2011-097934
登録番号 特許第5720980号
出願日 平成22年10月8日(2010.10.8)
公開日 平成23年5月19日(2011.5.19)
登録日 平成27年4月3日(2015.4.3)
優先権データ
  • 特願2009-235052 (2009.10.9) JP
発明者
  • 木谷 裕
  • 竹之内 敬人
  • 山中 典子
  • 吉岡 都
出願人
  • 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
発明の名称 クッパー細胞の効率的増殖方法およびその利用 新技術説明会
発明の概要 【課題】 簡便な方法で大量のクッパー細胞を効率的に製造することを可能とする方法を提供すること。
【解決手段】 本発明により、肝臓由来の細胞集団の初代培養において、クッパー細胞を活発に増殖させることができる混合培養系を確立するとともに、この混合培養系を利用して大量の高純度クッパー細胞を効率的に製造する新規製造方法を確立することに成功した。
【選択図】 なし
従来技術、競合技術の概要


クッパー細胞は、肝臓に特異的に存在する組織マクロファージの一種であり、異物の認識や免疫応答の誘導など重要な生体防御機能を担う細胞である。また、クッパー細胞は、肝機能障害、肝炎、肝硬変などの誘発や発症と密接に関連しており、肝臓病態の解明やその治療薬の開発などにおいて極めて重要な標的と考えられている。このため、クッパー細胞を肝臓から単離する試みや、単離したクッパー細胞を試験管内で培養して増殖させるための試みが、これまでに数多くなされてきた。



その結果、クッパー細胞の単離方法として、コラゲナーゼなどの消化酵素による肝灌流と細胞分散を経て得られた細胞懸濁液を低速度で遠心して肝実質細胞を取り除き、上清中の非実質細胞をエルトリエーション遠心分離装置により、細胞密度を指標にクッパー細胞分画を採取する方法が確立されるに至った(非特許文献1~3)。しかしながら、このクッパー細胞の単離には、特殊な機器を必要とし、しかも、熟練技術に依存した複雑な工程を経ねばならないという解決すべき課題があった。また、クッパー細胞の単離の都度、動物を犠牲にして、それらの肝臓からクッパー細胞を単離しなければならないため、簡便に大量のクッパー細胞を得ることは困難であった。



また、クッパー細胞のプラスチックディッシュへの付着性を利用して、肝細胞からクッパー細胞を分離する方法も知られている(非特許文献4)。しかしながら、この方法もまた、得られるクッパー細胞の量が、出発材料である肝臓の量に依存するため、簡便に大量のクッパー細胞を得ることは困難であった。また、クッパー細胞は増殖能力が低いことが知られており、この方法によりクッパー細胞を分離することが出来たとしても、簡便に大量のクッパー細胞を製造することは困難であった。



さらに、肝臓由来の細胞を限界希釈した後、種々のサイトカインなどの存在下でインビトロで培養し、クッパー細胞のクローンを得る方法も知られている(特許文献1)。しかしながら、この方法では、大量のクッパー細胞を取得するまでに120日間という極めて長期間の培養が必要となる。また、クッパー細胞は増殖能力が低いことが知られており、クッパー細胞だけでは増殖しない。従って、この方法によりクッパー細胞のクローンを得ることが出来たとしても、簡便な方法で大量のクッパー細胞を効率的に製造することは困難であった。

産業上の利用分野


本発明は、クッパー細胞の効率的増殖方法およびその利用に関し、より詳しくは、混合培養系によるクッパー細胞の効率的増殖方法、当該増殖方法を利用したクッパー細胞の製造方法、クッパー細胞の増殖に影響を与える化合物のスクリーニング方法およびクッパー細胞の生物学的活性に影響を与える化合物のスクリーニング方法、並びに、当該製造方法により製造されたクッパー細胞の用途に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
哺乳動物の肝臓由来の細胞を遠心して沈降物として得られた肝実質細胞画分を初代培養し、肝実質細胞が実質的に存在しなくなった後も初代培養を継続することを特徴とする、クッパー細胞の増殖方法。

【請求項2】
5日以上、初代培養を行う、請求項1に記載の増殖方法。

【請求項3】
クッパー細胞の増殖が停止するまでの任意の期間初代培養を行う、請求項1または2に記載の増殖方法。

【請求項4】
初代培養を行っている培養器を振とうし、振とうにより培養液中に浮遊してくるクッパー細胞を回収し、回収したクッパー細胞からプラスチック容器に付着性のクッパー細胞を選抜し回収した場合において、選抜したクッパー細胞の純度が90%以上になる期間、初代培養を行う、請求項1からのいずれかに記載の増殖方法。

【請求項5】
被検化合物がクッパー細胞の増殖に影響を与えるか否かを評価する方法であって、
(a)培養液中に被検化合物が存在する条件下で、請求項1からのいずれかに記載の増殖方法を実施する工程、および
(b)クッパー細胞の増殖を検出する工程、を含む方法。

【請求項6】
クッパー細胞の製造方法であって、
(a)請求項1からのいずれかに記載の増殖方法を実施する工程、および
(b)増殖したクッパー細胞を回収する工程、を含む方法。

【請求項7】
クッパー細胞の製造方法であって、初代培養を行っている培養器を振とうし、振とうにより培養液中に浮遊してくるクッパー細胞を回収することにより、工程(b)におけるクッパー細胞の回収を行う、請求項に記載の方法。

【請求項8】
クッパー細胞の製造方法であって、さらに、回収したクッパー細胞からプラスチック容器に付着性の細胞を選抜し回収する工程を含む、請求項またはに記載の方法。

【請求項9】
クッパー細胞の製造方法であって、クッパー細胞が増殖した後にクッパー細胞の回収を行う、請求項からのいずれかに記載の方法。

【請求項10】
クッパー細胞の製造方法であって、初代培養開始後5日目以降にクッパー細胞の回収を行う、請求項からのいずれかに記載の方法。

【請求項11】
クッパー細胞の製造方法であって、クッパー細胞が増殖した後クッパー細胞の増殖が停止するまでの間またはクッパー細胞の増殖が停止した後にクッパー細胞の回収を行う、請求項から1のいずれかに記載の方法。

【請求項12】
クッパー細胞の製造方法であって、初代培養開始後5日目から20日目の間に、クッパー細胞の回収を行う、請求項から1のいずれかに記載の方法。

【請求項13】
不死化されたクッパー細胞の製造方法であって、
(a)請求項から1のいずれかに記載の方法によりクッパー細胞を製造する工程、および
(b)製造されたクッパー細胞に対して、不死化処理を行う工程、を含む方法。

【請求項14】
被検化合物がクッパー細胞の生物学的活性に影響を与えるか否かを評価する方法であって、
(a)請求項から1のいずれかに記載の方法によりクッパー細胞を製造する工程、
(b)製造されたクッパー細胞に被検化合物を接触させる工程、および
(c)クッパー細胞の生物学的活性を検出する工程、を含む方法。

【請求項15】
肝臓に所望の薬物を送達させるためのDDS製剤の製造方法であって、
(a)請求項から1のいずれかに記載の方法により、DDS製剤のキャリアーとしてのクッパー細胞を製造する工程、および
(b)製造されたクッパー細胞に、肝臓に送達させたい所望の薬物を保持させる工程、を含む方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録


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