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光学材料及びその製造方法 コモンズ

国内特許コード P110002719
掲載日 2011年6月2日
出願番号 特願2010-251183
公開番号 特開2012-102221
登録番号 特許第5565731号
出願日 平成22年11月9日(2010.11.9)
公開日 平成24年5月31日(2012.5.31)
登録日 平成26年6月27日(2014.6.27)
発明者
  • 不動寺 浩
  • 澤田 勉
  • 早川 知克
  • 筒井 雄史
出願人
  • 国立研究開発法人物質・材料研究機構
  • 国立大学法人 名古屋工業大学
発明の名称 光学材料及びその製造方法 コモンズ
発明の概要 【課題】ナノ粒子からなる集積体の局在表面プラズモン共鳴(LSPR)による消光スペクトルのピーク波長を変動可能な光学材料及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明の光学材料は、被覆材料で被覆される金属又は合金のナノ粒子を複数集積させた集積体と、前記集積体の前記各ナノ粒子間に充填される光透過性エラストマーとを有する。また、本発明の光学材料の製造方法は、金属又は合金のナノ粒子を被覆材料で被覆し、該ナノ粒子を溶媒に分散させてコロイドサスペンション溶液を調製する工程と、前記コロイドサスペンション溶液を基板上に塗布して、前記コロイドサスペンション溶液の液膜層を形成してから、前記液膜層中の前記溶媒を揮発させて、前記ナノ粒子からなる集積体を形成する工程と、前記ナノ粒子の間に光透過性エラストマー前駆体を充填し、前記光透過性エラストマー前駆体を重合して光透過性エラストマーを形成する工程と、を有する。
【選択図】図1(a)
従来技術、競合技術の概要



近年、金属ナノ粒子間の表面プラズモン共鳴に関する研究が活発に行われている。表面プラズモン共鳴とは、複数のAu、Ag、Pt等の金属ナノ粒子からなる集積体が示す光学量子効果の一つであり、各金属ナノ粒子間の相互作用により定まる光学特性である。表面プラズモン共鳴により、集積体は透過光のうちの一部の波長領域の光を吸収及び散乱する。

金属ナノ粒子間の表面プラズモン共鳴に関する研究としては、次のようなものがある。





非特許文献1には、ゲル中にAuナノ粒子を分散固定した構造が示され、pH変化によるゲルの膨潤・伸縮を利用し、Auナノ粒子による局在表面プラズモン共鳴(Localized Surface Plasmon Resonance、以下、LSPR)の波長をリバーシブルに変化させたことが記載されている。





また、非特許文献2には、基板上にアイランド上のAuを形成し、そのAu表面にポリマーを形成してから、その末端にAuナノ粒子を結合させた構造が示され、Auナノ粒子とAuアイランドのナノレベルの間隔をpH変化によって変化させることでLSPR波長をリバーシブルに変化できることが記載されている。

また、非特許文献3にも、同様の記載がある。





特許文献1は、化粧品用着色ナノ粒子及びその製造方法に関するものであり、貴金属ナノ粒子はLSPR特性を有しており、粒子径や形状、配列状態によってそのLSPR波長が変化し、ナノ粒子が分散しているサスペンションの色も変化することが示され、このLSPRを利用した色材、化粧品等が開示されている。

非特許文献4には、LSPRの波長が、ナノ粒子の周囲の材料の屈折率によって制御できることが記載されている。





特許文献2は、分析用チップとその製造方法及び分析方法に関するものであり、ナノ粒子表面にさまざまな分子を結合させることにより、プラズモン共鳴の波長をシフトさせ、センシングするセンサーが開示されている。なお、この波長シフトは、主にナノ粒子表面の分子が特定の分子と結合することで、ナノ粒子の周囲の屈折率が変化する現象に起因している。





非特許文献5、6には、貴金属ナノ粒子のLSPRの研究の歴史的経緯が記載されており、貴金属ナノ粒子はLSPRによって特定の可視光を吸収/散乱すること、また、ナノ粒子の物質、形状、配列状態などでLSPRが大きく変化させることが記載されている。

非特許文献7には、ナノ粒子間隔を接近させることでプラズモン同士のカップリングによりLSPRが変化することが記載されている。





また、ナノ粒子の集積方法については下記の文献に記載がある。

非特許文献8には、2次元の単粒子膜を液・液界面を利用するLB法により形成することが記載されている。

また、非特許文献9には、ヘテロ凝集によるレイヤー・バイ・レイヤー(Layer by Layer)積層法が記載されている。

しかし、非特許文献8、9に記載の方法は、特別な製膜装置や特殊技術を必要とする問題がある。

これに対して、非特許文献10に記載の方法は、懸濁液に分散したコロイド粒子が簡便な器具のみで自己集積現象によって自発的に3次元の規則配列構造を形成するプロセスに関するものであり、特別な製膜装置や特殊技術を必要としない。





また、Auコロイドの調製方法については、非特許文献11、特許文献3に記載されている。この方法を用いることにより、単分散で粒子径を制御したAuコロイドを簡便に調製できる。





更に、構造物の色調変化を、外部応力やガスなどのセンシングに用いた例としては下記の文献に記載がある。

特許文献4は、引張応力により構造色が変化する周期構造を有する弾性体材料とその製造方法に関するものであり、コロイド結晶のフォトニックバンドをチューナブルに制御することが記載されている。

非特許文献12には、量子効果以外の電気抵抗変化を利用した導電センサー、ガスセンサーなどが開示されている。





このような研究を通して、金属ナノ粒子の局在表面プラズモン共鳴(吸収/散乱)のピーク波長の位置は、金属ナノ粒子の形状及び金属ナノ粒子間の距離によって制御されることが分かってきた。

しかし、何らかの外的要因を光学材料に印加・付加することにより、金属ナノ粒子間の距離を変化させ、局在表面プラズモン共鳴に係る光学特性を可逆的に変化させることができる光学材料(以下、チューナブルプラズモニクス光学材料という。)についての報告はない。

これまで、チューナブルプラズモニクス光学材料に適した形で、光透過性エラストマー中にナノ粒子を密に集積させるプロセス技術がなかったためである。

産業上の利用分野



本発明は、光学材料及びその製造方法に関する。特に、チューナブルプラズモニクス光学材料に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
金属又は合金のナノ粒子を被覆材料で被覆し、該ナノ粒子を溶媒に分散させてコロイドサスペンション溶液を調製するコロイドサスペンション溶液調製工程と、
前記コロイドサスペンション溶液を基板上に塗布して、前記コロイドサスペンション溶液の液膜層を形成してから、前記液膜層中の前記溶媒を揮発させて、前記ナノ粒子からなる集積体を形成する集積体形成工程と、
前記ナノ粒子の間に光透過性エラストマー前駆体を充填し、前記光透過性エラストマー前駆体を重合して光透過性エラストマーを形成する光透過性エラストマー形成工程と、
を有し、前記集積体形成工程が、前記液膜層の前記基板と反対側の面にカバー層を形成してから、前記基板を加熱して、前記液膜層中の前記溶媒を揮発させる工程であることを特徴とする光学材料の製造方法。

【請求項2】
カバー層が、オイルで形成される請求項1に記載の光学材料の製造方法。

【請求項3】
光透過性エラストマー前駆体が、シリコーンオリゴマーである請求項1から2のいずれかに記載の光学材料の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2010251183thum.jpg
出願権利状態 登録
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