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浮遊分離装置及び方法並びにその利用製品の製造方法 新技術説明会

国内特許コード P110002739
整理番号 B35P06
掲載日 2011年6月6日
出願番号 特願2009-168346
公開番号 特開2011-020070
登録番号 特許第4802305号
出願日 平成21年7月17日(2009.7.17)
公開日 平成23年2月3日(2011.2.3)
登録日 平成23年8月19日(2011.8.19)
発明者
  • 松藤 泰典
  • 高巣 幸二
  • 達見 清隆
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
  • 公益財団法人北九州産業学術推進機構
発明の名称 浮遊分離装置及び方法並びにその利用製品の製造方法 新技術説明会
発明の概要 【課題】分離除去対象の不純物を含む被処理物を懸濁した被処理液について、不純物と被処理物との表面濡れ性の差を利用して短時間に高効率でフロスとテールとに短時間に浮選分離でき、簡素な構成でかつ省エネルギーでコンパクト・低コストの、浮遊分離装置及び方法を提供する。
【解決手段】処理槽本体10に被処理液を収容し、被処理液の一部を循環液出口12から取り出して循環ポンプ20で循環液入口13より帰還させかつ処理槽本体10内の下部へ気泡を注入することで、処理槽本体10内の被処理液全体に渦流を生じさせかつ気泡を被処理液に分散させて不純物に付着させることで気泡付着不純物を浮遊させ渦流の中心に集め、気泡付着不純物の集合であるフロスの浮遊堆積が進行した時点で処理槽本体10内の循環液出口12よりも下側へ加水し液面レベルを上昇させて浮遊堆積するフロスを溢流除去し、処理槽本体10内に残る不純物を低減したテールを回収する。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


火力発電所の微粉炭燃焼ボイラから副産品として大量に産出される石炭灰(フライアッシュ)は、セメント原料のほか、多くの分野で利用されている。コンクリート用フライアッシュは、JIS A 6201でI種~IV種の規格が決められている。I種は未燃カーボンが3wt%以下で、II種は未燃カーボンが5wt%以下と決められている。



I種のフライアッシュは種々の利点を有するため、フライアッシュセメント、その他の有用な利用が行われているが、I種以外のフライアッシュは、その価値を減じた利用が行われている。



従来、I種以外のフライアッシュを改質して利用価値を高めるために、フライアッシュの改質処理方法が複数提案されている。特に、フライアッシュスラリー中の未燃カーボンと灰分との表面濡れ性の差を利用し浮選分離する方法が複数提案されている。



たとえば、特許文献1に記載された、コンクリート用石炭灰の安定化処理方法及び装置は、特許文献1の図3に示された円筒型スラリーミキサー(浮選機)を用いる。このミキサーは、石炭灰を供給する供給管と、注水管と、泡排出管と、空気圧送管と、灰分排出管と、鉄分を排出する移出管と、電磁石を内蔵した有孔回転板からなる攪拌板とを備え、各管には、それぞれ制御弁を備えてなる。



この装置では、石炭灰と水(界面活性剤を含む)をミキサー内に注入し、起泡させ、円筒型スラリーミキサー内に空気を圧送しながら磁石を内蔵した攪拌板を、磁石をオンの状態で回転させ、空気中の二酸化炭素で高アルカリ性石炭灰を塩基性を下げた後、泡状灰分を排出し未燃カーボンを泡状の排出灰分に連行させ、かつ鉄分を酸化鉄として分離し、次いで、未燃カーボン含有程度の低い安定化処理されたスラリー状の残留灰分をコンクリートミキサーへ排出した後、攪拌板の磁石をオフにして鉄分を排出する。



特許文献2に記載された、原料のフライアッシュ中に含まれている未燃カーボンを除去する方法は、表面親油化(表面改質)による浮選法を用いてフライアッシュ中の未燃カーボンを除去するに当たり、灰分の回収率を向上させ、捕集剤である油の添加量を低減させて、回収灰分中の未燃カーボン量をより少なくするものである。



この方法では、まず、フライアッシュに水を加えてスラリー化する。このスラリーを、高速で回転する攪拌羽根を有する表面改質機に供給し、攪拌羽根の剪断力によってフライアッシュ中に含まれている未燃カーボンの表面に活性エネルギーを生じさせて、親油性を付与する。次いで、活性エネルギーにより親油化した未燃カーボンを含むスラリーに捕集剤及び起泡剤を添加して、捕集剤を親油化した未燃カーボンに付着させると共に、発生した気泡に未燃カーボンを付着させて浮選するものである。



特許文献2の図4、図5に示された浮選機は、気泡に未燃カーボンを付着させて浮上させ、未燃カーボン(フロス)と、未燃カーボンが除去されたフライアッシュ(テール)とに分離する。この浮選機は、直方形の槽内に隔壁で仕切られた複数の部屋を有し、各部屋内に攪拌機を備え、攪拌機の回転軸の外側に空気導入管とフードとを有する外管を有し、槽の両側に傾斜した底部を有するフロス払い出し路を有し、その谷側に双方のフロス払い出し路に接続するフロス集合路を有し、フロス払い出し路を持つ側壁の上部にモーターと回転軸と複数の水車とからなるフロス掻き出し機を備えている。浮選機は、上流側の端面にスラリー入口を有し、下流側の端面にテール取出口を有し、フロス集合路にフロス(カーボン)取出口を有している。また、各隔壁に連通口を有している。



この浮選機によれば、上流側の端面にスラリー入口より供給されたスラリーは、攪拌機で攪拌されるが、空気導入管から空気が吸い込まれて気泡が発生し、気泡の表面に捕集剤を介して未燃カーボンが付着して気泡とともに浮上し、フロス掻き出し機によって槽外に掻き出され、フロス払い出し路内に流下してフロス集合路を経て機外に排出される。槽内に残ったテール(フライアッシュ)は、下流側の端面から水と共に取出口から機外に排出される。この浮選機を4段に接続使用することで、改質フライアッシュ中の未燃カーボンを改質している。

産業上の利用分野


本発明は、フライアッシュの改質に好適な浮遊分離装置及び方法並びにその利用製品の製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
下向きに縮小した底部を有し、未燃カーボンを含むフライアッシュ粒子が分散した被処理液を収容する処理槽本体と、
液面付近の該液面より低い位置から上記被処理液を取り出して下向きに縮小する上記底部に帰還させることで該被処理液を循環させると共に、該底部に帰還させる該被処理液を該底部の内周面に沿って流入させることで上記処理槽本体内に渦流を形成する循環手段と、
上記処理槽本体の下部から気泡を上記被処理液に供給する気泡発生装置と、を備え、
上記循環手段により上記渦流を形成しつつ循環させた上記被処理液に上記気泡発生装置により上記気泡を供給することで、上記処理槽本体内で表面濡れ性の差により上記フライアッシュ粒子の未燃カーボンが上記気泡に付着して液面にフロスとして浮上する、浮遊分離装置。


【請求項2】
前記循環手段は前記処理槽本体の上部と下向きに縮小する前記底部とに接続された循環路を備え、前記気泡発生装置は上記循環路に設けられ、循環させる被処理液に気泡を供給してから上記処理槽本体へ帰還させる、請求項1に記載の浮遊分離装置。

【請求項3】
前記気泡発生装置はエゼクタからなる、請求項2に記載の浮遊分離装置。

【請求項4】
前記気泡発生装置はマイクロバブルを発生し得る、請求項1乃至3の何れかに記載の浮遊分離装置。

【請求項5】
前記処理槽本体の上部に前記被処理液を取り出すための循環用出口を備え、前記処理槽本体の下向きに縮小する前記底部には上記循環用出口から取り出した上記被処理液を帰還させるための循環用入口を備え、該循環用入口は被処理液を該処理槽本体の内周面に沿って流入させるように開設されている、請求項1乃至4の何れかに記載の浮遊分離装置。

【請求項6】
前記処理槽本体はフロスを溢流させる手段を備え、該フロスを溢流させる手段は、前記処理槽本体の上部に設けられた上向きに縮小する縮小部と、該縮小部の上端に設けられたフロス溢流口とを備える、請求項1乃至5の何れかに記載の浮遊分離装置。

【請求項7】
前記処理槽本体に加水する手段が設けられ、該加水する手段から該処理槽本体内に加水することで前記被処理液の液面レベルが調整可能である、請求項1乃至6の何れかに記載の浮遊分離装置。

【請求項8】
処理槽本体に、未燃カーボンを含むフライアッシュ粒子が分散した被処理液を収容し、被処理液の一部を循環用出口から取り出して循環用入口より帰還させかつ上記処理槽本体内へ気泡を注入することを継続することで、被処理液を循環させると共に上記処理槽本体内の被処理液に渦流を生じさせかつ上記気泡を被処理液に分散させ、上記気泡を上記未燃カーボンに付着させることで気泡付着未燃カーボンを浮遊させて上記渦流の中心に集め、気泡付着未燃カーボンの集合であるフロスの浮遊堆積を進行させて溢流除去し、上記処理槽本体内に残る上記未燃カーボンを低減した改質フライアッシュを回収するようにした、浮遊分離装置であって、
上記被処理液を貯留し上記渦流を生じさせうる縦円筒槽壁部を有し、かつ下向きに縮小した上記底部を有する上記処理槽本体と、
上記処理槽本体の上端に備えられた上記気泡付着未燃カーボンの集合であるフロスの溢流口と、
上記処理槽本体の上部に液面付近の該液面より低い位置となるように備えられた上記循環用出口と、
上記処理槽本体の下向きに縮小する上記底部に備えられ、上記処理槽本体に貯留する被処理液に渦流を生じさせるように、上記循環用出口から取り出した被処理液を上記処理槽本体の内周面に沿って流入させる上記循環用入口と、
上記循環用出口と上記循環用入口とに接続した被処理液の循環路と、
上記循環路の中途に備えられた循環ポンプと、
上記処理槽本体の上記循環用出口よりも下レベルに備えられ、水源と接続されて被処理液の液面レベルを調整すると共に上記処理槽本体内に残る上記フロスを溢流させるように加水する水入口と、
上記処理槽内の下部へ気泡を供給する気泡発生装置と、
を有してなる、浮遊分離装置。

【請求項9】
前記気泡発生装置は、前記循環路の前記循環ポンプよりも下流側の中途に介設したマイクロバブル発生器と、該マイクロバブル発生器の吸気口に接続した給気量調整弁とからなる、請求項8に記載の浮遊分離装置。

【請求項10】
未燃カーボンを含むフライアッシュ粒子が分散した被処理液を、下向きに縮小した底部を有する処理槽本体に収容し、
液面付近の該液面よりも低い位置から上記被処理液を取り出して下向きに縮小する上記底部に帰還させることで被処理液を循環させると共に、該底部に帰還させる該被処理液を該底部の内周面に沿って流入させることで処理槽本体内に渦流を形成し、
該渦流を形成しつつ循環させた被処理液に上記処理槽本体の下部から気泡を供給することで、該処理槽本体内で表面濡れ性の差により、上記フライアッシュ粒子の未燃カーボンが上記気泡に付着して液面にフロスとして浮上
該フロスに含まれる未燃カーボンと、上記被処理液に含まれる改質フライアッシュとを分離する、浮遊分離方法。


【請求項11】
下向きに縮小した底部を有する処理槽本体に、未燃カーボンを含むフライアッシュ粒子が分散した被処理液を液面レベルが循環用出口よりも高くなるように収容し、上記被処理液の一部を液面付近の該液面より低い位置に配置された上記循環用出口から取り出して循環ポンプで下向きに縮小する上記底部の循環用入口より帰還させかつ上記処理槽本体内の下部へ気泡を注入することを継続することで、被処理液を循環させると共に、該底部に帰還させる該被処理液を該底部の内周面に沿って流入させることで上記処理槽本体内の上記被処理液に渦流を生じさせかつ上記気泡を上記被処理液に分散させ、上記気泡上記未燃カーボンが付着した気泡付着未燃カーボンを浮遊させて上記渦流の中心に集め、上記気泡付着未燃カーボンの集合であるフロスの浮遊堆積を進行させて溢流除去し、上記処理槽本体内に残る未燃カーボンを低減した改質フライアッシュを回収する、浮遊分離方法。


【請求項12】
前記フロスの浮遊堆積による溢流が終了した時点で、前記循環ポンプの稼動と並行し、上記処理槽本体内の上記循環用出口よりも下側へ加水し液面レベルを上昇させて処理槽本体に残留するフロスを溢流除去する、請求項11に記載の浮遊分離方法。

【請求項13】
前記フロスの浮遊堆積による溢流が終了した時点で、前記循環ポンプの稼動を停止し、上記処理槽本体内の上記循環用出口よりも下側へ加水し液面レベルを上昇させて処理槽本体に残留するフロスを溢流除去する、請求項11に記載の浮遊分離方法。

【請求項14】
前記処理槽本体から取り出して該処理槽本体に帰還させる中途において前記被処理液に前記気泡を供給する、請求項10乃至13の何れかに記載の浮遊分離方法。

【請求項15】
前記被処理液に供給される前記気泡にはマイクロバブルが含まれる、請求項10乃至14の何れかに記載の浮遊分離方法。

【請求項16】
請求項10乃至15の何れかに記載の浮遊分離方法により分離された前記改質フライアッシュを少なくとも水及びセメントと混練する、利用製品の製造方法。

【請求項17】
少なくともセメント、水、及び骨材を混練してセメント組成物を製造する製造方法であり、請求項10乃至15の何れかに記載の浮遊分離方法により分離され前記改質フライアッシュを上記骨材の少なくとも一部として混練する、利用製品の製造方法。

【請求項18】
下向きに縮小した底部を有する処理槽本体に、未燃カーボンを含むフライアッシュ粒子が分散した被処理液を液面レベルが循環用出口よりも高くなるように収容し、上記被処理液の一部を液面付近の該液面より低い位置に配置された上記循環用出口から取り出して循環ポンプで下向きに縮小する上記底部の循環用入口より帰還させかつ上記処理槽本体内の下部へ気泡を注入することを継続することで、上記被処理液を循環させると共に、該底部に帰還させる該被処理液を該底部の内周面に沿って流入させることで上記処理槽本体内の上記被処理液に渦流を生じさせかつ上記気泡を上記被処理液に分散させ、上記気泡上記未燃カーボンが付着した気泡付着未燃カーボンとして浮遊させて上記渦流の中心に集め、気泡付着未燃カーボンの集合であるフロスの浮遊堆積を進行させて溢流除去し、上記処理槽本体内に残る未燃カーボンを低減したテールを回収し、水分を調整した高濃度テールとし、該高濃度テールを骨材としフライアッシュを含まないセメントと砂と砂利と水とを混練したフライアッシュコンクリートの製造方法。


【請求項19】
下向きに縮小した底部を有する処理槽本体に、未燃カーボンを含むフライアッシュ粒子が分散した被処理液を液面レベルが循環用出口よりも高くなるように収容し、上記被処理液の一部を液面付近の該液面より低い位置に配置された上記循環用出口から取り出して循環ポンプで下向きに縮小する上記底部の循環用入口より帰還させかつ上記処理槽本体内の下部へ気泡を注入することを継続することで、上記被処理液を循環させると共に、該底部に帰還させる該被処理液を上記底部の内周面に沿って流入させることで上記処理槽本体内の上記被処理液に渦流を生じさせかつ上記気泡を上記被処理液に分散させ、上記気泡上記未燃カーボンが付着した気泡付着未燃カーボンとして浮遊させて上記渦流の中心に集め、気泡付着未燃カーボンの集合であるフロスの浮遊堆積を進行させて溢流除去し、上記処理槽本体内に残る未燃カーボンを低減したテールを回収し、水分を調整した高濃度テールとし、該高濃度テールを骨材としフライアッシュを含まないセメントと砂と水とを混練したフライアッシュモルタルの製造方法。
国際特許分類(IPC)
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出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) SORST 平成14年度採択課題
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