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タンパク質の可逆的デュアルラベリング法

国内特許コード P110002742
整理番号 E078P05
掲載日 2011年6月6日
出願番号 特願2010-000705
公開番号 特開2011-139640
登録番号 特許第5709098号
出願日 平成22年1月5日(2010.1.5)
公開日 平成23年7月21日(2011.7.21)
登録日 平成27年3月13日(2015.3.13)
発明者
  • 柳田 勇人
  • 松浦 友亮
  • 四方 哲也
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 タンパク質の可逆的デュアルラベリング法
発明の概要 【課題】「タグ」部分が小さく、可逆的、かつ、特異的であり、1標的分子あたりの標識が制御可能であり、デュアルラベルが可能な標的タンパク質・ポリペプチドの標識のための「タグ」を単離する方法、および、そのような特徴を有する「タグ」を提供することを、本発明の課題とする。
【解決手段】上記課題は、3種のPYペプチド、ePY、P4S、および、P4Wをリガンドとして、これらに結合するタグペプチドを、リボソームディスプレイを用いて単離することによって解決した。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


タンパク質やポリペプチドを特異的に標識することは、生化学的解析および生理学的解析にとって重要である。標識は、標的分子であるタンパク質・ポリペプチドに対して特異的でなければならない。また、標的分子に解析のためには、標的分子あたりの標識分子に数を制御することが好ましい。



標的分子に対する抗体は、標的分子に標識を結合される「タグ」を必要としない点において優れているが、その調製が困難である。標識分子内に放射性同位体を導入する技術もあるが、標識分子の調製が困難であり、また、デュアルラベル(二重標識)も困難である。



タンパク質を標識する従来技術としては、例えば、特定の官能基と結合を形成できる活性基と蛍光物質などの標識試薬とが結合した標識試薬活性基と、標識する標的タンパク質とを混合してランダムに標識する方法が存在する。この場合、前記活性基と、それと反応できるタンパク質の官能基とが結合することで、結果として標識試薬がタンパク質に導入され標識が達成される。前記活性基として、アミノ基と反応するN-ヒドロキシル スクシンイミド(NHS;N-hydroxyl succinimide)やスルフヒドリル基と反応するマレイミド(maleimide)などが公知である。また同様の活性基をその両端に具備する各種のクロスリンカーを用いて、標識試薬と標的タンパク質とをクロスリンカーを介して架橋することで標識する方法などが知られている。しかしながら、これらの方法は何れもランダムにタンパク質を標識する非制御的な方法であり、そのため、1標的分子あたりの標識数が制御できない。



特異的結合対の「タグ」配列を導入する方法も存在するが(例えば、マルトース結合タンパク質(MBP)、NAPタグ、Haloタグ、ならびに、非特許文献1および2)、これらの「タグ」は、非常にサイズが大きく、標的タンパク質・ポリペプチド自体の活性などに悪影響を与えかねないという問題点がある。



標的タンパク質・ポリペプチドの標識には、「タグ」部分が小さく、可逆的、かつ、特異的であり、1標的分子あたりの標識が制御可能であり、デュアルラベルが可能なものが求められている。しかしながら、従来は、そのような要求を満たすラベリング法は存在していなかった。

産業上の利用分野


本願発明は、タンパク質の可逆的ラベリング法の分野に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
ガンドに対して特異的に結合する変異タグペプチドをコードするmRNAを、出発タグペプチドをコードする核酸配列から生成する方法であって、以下:
(a)出発タグペプチドをコードする核酸配列に変異を導入して、複数の変異タグペプチドをコードするmRNA集団を生成する工程;
(b)インビトロでの翻訳によって、
(i)変異導入によって生成されたmRNA集団に含まれるmRNA、
(ii)該mRNAによってコードされる候補変異タグペプチド、および
(iii)リボソーム、
の複合体を生成する工程;
(c)配列番号2に示されるアミノ酸配列を含む第1のリガンドを、(b)の複合体と接触させて、該第1のリガンドと該複合体との第1の結合体を生成する工程;
(d)該第1の結合体を固相に固定化する工程:
(e)固相に固定化した該第1の結合体を単離する工程;
(f)固相に固定化した該第1の結合体に含まれるmRNAを単離する工程、
(g)上記(f)によって単離されたmRNAに変異を導入して、複数の変異タグペプチドをコードするmRNA集団を生成する工程;および、
(h)上記工程(b)~(g)を繰り返した後、上記工程(b)~(f)を行う工程、
を包含する方法。

【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、さらに、以下:
(c2)配列番号1に示されるアミノ酸配列を含む第2のリガンドを、(b)の前記複合体と接触させて、該第2のリガンドと該複合体との第2の結合体を生成する工程;
(d2)該第2の結合体を固相に固定化する工程:
(e2)固相に固定化した該第2の結合体を単離する工程;
(f2)固相に固定化した該第2の結合体に含まれるmRNAを単離する工程、
(g2)上記(f2)によって単離されたmRNAに変異を導入して、複数の変異タグペプチドをコードするmRNA集団を生成する工程;および、
(h2)上記工程(b)、(c2)、(d2)、(e2)、(f2)、および、(g2)を繰り返した後、上記工程(b)、(c2)、(d2)、(e2)、および、(f2)を行う工程、
を包含する方法。

【請求項3】
ガンドに対して特異的に結合する変異タグペプチドをコードするmRNAを、該候補タグペプチドをコードする候補mRNAの集団から単離する方法であって、以下:
(b’)候補タグペプチド、該候補タグペプチドをコードするmRNA,および、リボソームを含む複合体を生成する工程;
(c)配列番号2に示されるアミノ酸配列を含む第1のリガンドを、(b’)の複合体と接触させて、該第1のリガンドと複合体との第1の結合体を生成する工程;
(d)該第1の結合体を固相に固定化する工程:
(e)固相に固定化した該第1の結合体を単離する工程;および、
(f)固相に固定化した該第1の結合体に含まれるmRNAを単離する工程、
を包含する方法。

【請求項4】
請求項3に記載の方法であって、さらに、以下:
(c2)配列番号1に示されるアミノ酸配列を含む第2のリガンドを、(b’)の前記複合体と接触させて、該第2のリガンドと該複合体との第2の結合体を生成する工程;
(d2)該第2の結合体を固相に固定化する工程:
(e2)固相に固定化した該第2の結合体を単離する工程;および、
(f2)固相に固定化した該第2の結合体に含まれるmRNAを単離する工程、
を包含する方法。

【請求項5】
ガンドに対して特異的に結合する変異タグペプチドをコードするmRNAを、出発タグペプチドをコードする核酸配列から生成する方法であって、以下:
(a)出発タグペプチドをコードする核酸配列に変異を導入して、複数の変異タグペプチドをコードするmRNA集団を生成する工程;
(b)インビトロでの翻訳によって、
(i)変異導入によって生成されたmRNA集団に含まれるmRNA、
(ii)該mRNAによってコードされる候補変異タグペプチド、および
(iii)リボソーム、
の複合体を生成する工程;
(c’)固相に固定化した配列番号2に示されるアミノ酸配列を含む第1のリガンドを、(b)の複合体と接触させて、固相上で該第1のリガンドと該複合体との第1の結合体を生成する工程;
(e)固相に固定化した該第1の結合体を単離する工程;
(f)固相に固定化した該第1の結合体に含まれるmRNAを単離する工程、
(g)上記(f)によって単離されたmRNAに変異を導入して、複数の変異タグペプチドをコードするmRNA集団を生成する工程;および、
(h)上記工程(b)~(g)を繰り返した後、上記工程(b)~(f)を行う工程、
を包含する方法。

【請求項6】
請求項5に記載の方法であって、さらに、以下:
(c2’)固相に固定化した配列番号1に示されるアミノ酸配列を含む第2のリガンドを、(b)の前記複合体と接触させて、固相上で該第2のリガンドと該複合体との第2の結合体を生成する工程;
(e2)固相に固定化した該第2の結合体を単離する工程;
(f2)固相に固定化した該第2の結合体に含まれるmRNAを単離する工程、
(g2)上記(f2)によって単離されたmRNAに変異を導入して、複数の変異タグペプチドをコードするmRNA集団を生成する工程;および、
(h2)上記工程(b)、(c2’)、(e2)、(f2)、および、(g2)を繰り返した後、上記工程(b)、(c2’)、(e2)、および、(f2)を行う工程、
を包含する方法。

【請求項7】
ガンドに対して特異的に結合する変異タグペプチドをコードするmRNAを、該候補タグペプチドをコードする候補mRNAの集団から単離する方法であって、以下:
(b’)候補タグペプチド、該候補タグペプチドをコードするmRNA,および、リボソームを含む複合体を生成する工程;
(c’)固相に固定化した配列番号2に示されるアミノ酸配列を含む第1のリガンドを、(b’)の複合体と接触させて、該第1のリガンドと複合体との第1の結合体を生成する工程;
(e)固相に固定化した該第1の結合体を単離する工程;および、
(f)固相に固定化した該第1の結合体に含まれるmRNAを単離する工程、
を包含する方法。

【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、さらに、以下:
(c2’)固相に固定化した配列番号1に示されるアミノ酸配列を含む第2のリガンドを、(b’)の前記複合体と接触させて、該第2のリガンドと該複合体との第2の結合体を生成する工程;
(e2)固相に固定化した該第2の結合体を単離する工程;および、
(f2)固相に固定化した該第2の結合体に含まれるmRNAを単離する工程、
を包含する方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) ERATO 金子複雑系生命プロジェクト 領域
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