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トランスポゾン転移酵素および遺伝子改変方法 実績あり

国内特許コード P110002780
整理番号 Y99-P311
掲載日 2011年6月8日
出願番号 特願2000-109033
公開番号 特開2001-218588
登録番号 特許第4609869号
出願日 平成12年4月11日(2000.4.11)
公開日 平成13年8月14日(2001.8.14)
登録日 平成22年10月22日(2010.10.22)
優先権データ
  • 特願1999-345508 (1999.12.3) JP
発明者
  • 川上 浩一
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 トランスポゾン転移酵素および遺伝子改変方法 実績あり
発明の概要 【課題】 メダカトランスポゾン様因子にコードされている新規な蛋白質、それをコードするポリヌクレオチドの提供。また、当該蛋白質を用いて細胞、好ましくは脊椎動物の遺伝子構造を改変する方法、それによる細胞機能を改変する方法、及びその細胞の提供。さらに、遺伝子の転移に必要なシスエレメント構造を解明、提供する。
【解決手段】 特定のアミノ酸配列、又はその類似アミノ酸配列を有するトランポザーゼ様活性を有する蛋白質、前記の蛋白質からなるトランスポゾン転移酵素。また、前記の蛋白質をコードする特定の塩基配列を有するDNA若しくは当該DNAにハイブリダイズし得るDNA、又は対応するRNA。さらに、当該蛋白質又はこれを産生し得る核酸の存在下で、細胞内の遺伝子の一部を切り出し又は切り出して他の箇所に挿入することからなる遺伝子構造を改変させる方法。
従来技術、競合技術の概要


メダカ(Oryzias latipes)は東アジアに生息する魚であり、脊椎動物の遺伝の研究に使用されてきた。メダカのi遺伝子座の変異は、メラニン欠乏症及び赤目を生じさせる。このi遺伝子座はチロシナーゼの遺伝子をコードしていることが知られている。このi遺伝子座のアレル変異体のひとつであるiから約4.7kbのDNAがクローニングされ、トランスポゾン様の配列を有しているとされていた。即ち、ショウジョウバエのhobo、トウモロコシの実のAcやキンギョソウのTam3などのhATファミリーのトランスポゾンのトランスポザーゼ(transposases)に類似したオープンリーディイングフレームや短い逆転した配列の繰り返し(terminal inverted repeats)を有していた。メダカのこのエレメントは、Tol2と命名された。実験室で使用されるメダカは、一倍体(haploid)のゲノム当たり約10コピー有している。
チロシナーゼの遺伝子座に存在したTol2エレメントは、i変異体の魚では胚発生の間に標的遺伝子座から切り出されることがPCRにより示された(Koga等、1996)。



一方、ゼブラフィッシュ(Danio rerio)もメダカ(Oryzias latipes)と同様に小型の硬骨魚であり、脊椎動物の遺伝現象及び発生の研究のためのモデル動物として開発されてきた(Takeuchi, 1996 ; Yamamoto, 1967 ; Streisinger 等、1981)。ゼブラフィッシュにおいては、大量の化学的突然変異誘発スクリーンが行なわれ(Driever等、1996 ; Haffter 等、1996)、突然変異した遺伝子のクローニングを容易にするため、シュードタイプ(pseudotyped)のレトロウィルスを用いた挿入突然変異誘発法が開発され実行されてきた(Line 等、1994 ; Gaiano等、1996 ; Amsterdam等、1997)。また、エンハンサートラップ及び遺伝子トラップスクリーンが行なわれるようにするトランスポゾン技術の開発の試みの中で、魚類におけるTcl/marinierファミリーのトランスポゾンの転位が調べられ、明らかにされてきた(Ivics等、1997 ; Raz等、1997 ; Fadool等、1998)。これらの結果は励みになるものではあるが、トランスポゾンを用いた非常に効率のよいトランスジェネシス又は挿入突然変異誘発法はまだ開発されていない。



本発明者らは、Tol2因子を用いた新規なトランスポゾン技術の開発に興味をもってきた。この目標に向かう最初のステップとして、本発明者らはゼブラフィッシュ胚を用いて、ゼブラフィッシュの受精卵に、Tol2因子を含んでいるプラスミドDNAを注入する一過性胚エクシジョンアッセイを開発し、注入されたプラスミドからTol2因子を切り出すことができることを示し、Tol2因子が自律的なメンバーでありかつゼブラフィッシュにおいても活性があることを示した(Kawakami等、(1998) Gene 225, 17-22)。Tol2因子のDNA配列はhATファミリーのトランスポゾンのトランスポザーゼと類似しているが、活性のあるトランスに機能することができる酵素も、切り出し反応に必須なシスエレメントも同定されていない。Tol2因子をトランスジェネシス及び挿入突然変異誘発に有用な道具とするためには、シス及びトランスの必要条件を細かく調べ、特性を明らかにしなければならない。Tol2因子によってコードされている活性のあるトランスポザーゼはまだ同定されていない。

産業上の利用分野


本発明は、トランスポザーゼ様活性を有する新規な蛋白質、当該蛋白質からなるトランスポゾン転移酵素、これを用いた細胞内の遺伝子の遺伝子構造を改変させる方法、この方法による細胞の機能を改変させる方法、この方法による遺伝子の導入方法、このためのプラスミド、及びこの方法により機能が改変された細胞に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
配列表の配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるトランポザーゼ活性を有する蛋白質。

【請求項2】
請求項1に記載の蛋白質からなるトランスポゾン転移酵素。

【請求項3】
請求項1に記載の蛋白質をコードする核酸。

【請求項4】
核酸が、配列表の配列番号1に示される塩基配列を有するDNAである請求項3に記載の核酸。

【請求項5】
核酸がRNAである請求項3又は4に記載の核酸。

【請求項6】
請求項1に記載の蛋白質又は当該蛋白質を産生し得る核酸存在させて、細胞内のゲノム中に、両端に1対の短い逆転した配列の繰り返し配列を含むDNAを組み込ませて、細胞内のゲノムの構造を改変させる方法。

【請求項7】
請求項1に記載の蛋白質又は当該蛋白質を産生し得る核酸を存在させて、細胞内のプラスミド中に、両端に1対の短い逆転した配列の繰り返し配列を含むDNAを組み込ませて、細胞内のプラスミドの構造を改変させる方法。

【請求項8】
当該蛋白質を産生し得る核酸が、mRNAである請求項6又は7に記載の方法。

【請求項9】
細胞が脊椎動物の細胞である請求項6から8のいずれかに記載の方法。

【請求項10】
請求項6~のいずれかに記載の方法を用いて、細胞の遺伝子に外来遺伝子を導入する方法。

【請求項11】
請求項6~のいずれかに記載の方法を用いて、細胞の遺伝子の発現に基づく機能を改変する方法。

【請求項12】
請求項11に記載の方法により機能が改変された細胞。

【請求項13】
プラスミドが、請求項1の記載の蛋白質又は当該蛋白質を産生し得る核酸の存在下で切り出され得る両端に1対の短い逆転した配列の繰り返し配列を含む外来遺伝子(ただし、当該遺伝子が請求項1に記載の蛋白質をコードする塩基配列を含有している場合を除く。)を含有してなるプラスミド。

【請求項14】
脊椎動物のゲノムDNA中に、外来遺伝子を挿入する方法において、請求項1に記載の蛋白質のトランスポザーゼ活性を用いて当該外来遺伝子を挿入する方法。

【請求項15】
脊椎動物が、魚類である請求項14に記載の方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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