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組換えアデノウイルスベクターの作製方法 実績あり

国内特許コード P110002789
整理番号 Y00-P200
掲載日 2011年6月8日
出願番号 特願2000-215011
公開番号 特開2001-086986
登録番号 特許第4489257号
出願日 平成12年7月14日(2000.7.14)
公開日 平成13年4月3日(2001.4.3)
登録日 平成22年4月9日(2010.4.9)
優先権データ
  • 特願1999-205355 (1999.7.19) JP
発明者
  • 宮崎 純一
  • 田代 文
出願人
  • 独立行政法人科学技術振興機構
発明の名称 組換えアデノウイルスベクターの作製方法 実績あり
発明の概要 組換えアデノウイルスベクターを簡便かつ高効率で作製することのできる新しい方法を提供する。E1領域もしくはE1およびE3領域を欠失させたアデノウイルスゲノムDNAのいずれかの欠失部位に、レコンビナーゼ認識配列を両端に有するコスミド配列と発現カセットとを挿入結合して組換えコスミドアデノウイルスベクターを作製し、この組換えコスミドアデノウイルスベクターとレコンビナーゼ発現ベクターとをアデノウイルスE1タンパク質産生細胞にコトランスフェクションし、細胞中において組換えコスミドアデノウイルスベクターからコスミドベクター配列を除去することによって、アデノウイルスゲノムDNAおよび発現カセットからなるDNA配列を有する組換えアデノウイルスベクターを製造する。
従来技術、競合技術の概要
近年、分子生物学や分子遺伝学等における知識の蓄積や様々な技術開発により生命科学は大きく発展し、生命現象に関して多くの情報が得られるようになってきている。種々の分野において活発な研究開発が行われているが、中でも、遺伝子機能の解析は大きな比重を占めており、単離した遺伝子を細胞や生物個体に導入するための様々な技術やそのためのベクターが開発されている。
【0003】
哺乳類の細胞への遺伝子導入に用いられるベクターも数多く開発されているが、最近はウイルスを利用したベクター(ウイルスベクター)が注目されている。特に、アデノウイルスベクターは分裂する細胞だけでなく、非分列細胞にも感染し、高いウイルス価に調製することができ、しかも様々な組合せのエンハンサーおよびプロモーターの制御下で目的の遺伝子を発現させることができるため、遺伝子治療への応用も検討されている。
【0004】
これまでに、組換えアデノウイルスベクターの作製法として、in vivo相同組換えを利用した方法やin vitroでライゲーションする方法など、多くの方法が開発されている。また、アデノウイルスゲノムのE1領域を欠損させたベクターを用いると、導入した遺伝子は発現するが感染性ウイルス粒子は産生されないため、特に遺伝子治療等における有用な遺伝子導入手段として利用されている。
【0005】
このように、他のウイルスベクターと比較して多くの利点を持つアデノウイルスベクターではあるが、ウイルスゲノムが36kbと長いため、実際の組換えベクターの構築においては、手順が複雑であったり作製効率が低いといった問題がある。例えば、E1領域を置き換えた組換えアデノウイルスベクターの作製方法としては、2つのプラスミド間での哺乳動物細胞(例えば293細胞)におけるin vivo相同組換えを利用した方法(例えば、Virology 163:614-617, 1988;Nucleic Acids Res. 26:3687-3693, 1998)が知られている。これらの方法の場合、第1のプラスミドはアデノウイルスゲノムの5’端ITR(inverted terminal repeat)、パッケージングシグナル、目的の遺伝子およびウイルスゲノムの任意部分を含み、第2のプラスミドは、第1プラスミドと重なるウイルスゲノム部分と3’端ITRを含む残りのウイルスゲノムを保有している。しかしながら、哺乳動物細胞における相同組換えの起こる頻度はかなり低いため、これらの方法では哺乳動物細胞への両プラスミドのトランスフェクションを大量に行う必要がある。
【0006】
また、別の方法として、COS-TPC法が提案されている(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93:1320-1324, 1996)。これは、全長のアデノウイルスゲノムと目的遺伝子の発現ユニットとを含むコスミドベクターと、制限酵素で消化したウイルスDNA-TPC(terminal protein complex)を同時に哺乳動物細胞にトランスフェクションする方法である。この方法は、ウイルスDNA-TPCを用いることによって、目的の組換えアデノウイルスベクターを効率よく回収することができる。しかしながら、この方法の場合には、アデノウイルスゲノムを制限酵素で消化することによってアデノウイルス親株の出現を防止してはいるものの、その除去は完全でなく、安全性の点で問題がある。
【0007】
さらに別の方法としては、Cre-loxP組換えシステムを応用した組換えアデノウイルスベクターの作製法が報告されてもいる(J. Virol. 71:1842-1849, 1997)。この方法は、Creレコンビナーゼが働くことによって、ドナーとなるアデノウイルスと、発現カセットを持つシャトルプラスミドとの間での分子間組換えを生じさせる方法であり、効率よく組換えアデノウイルスベクターを作製することができる。しかしながら、この発明の場合には、ドナーウイルスを用意する必要があり、またドナーウイルスが最終的なウイルス試料に残存する可能性がある。
【0008】
その他にも、コスミドベクターを用いてin vitroで全アデノウイルスゲノムを再構築する試みがなされているが、哺乳動物細胞へのトランスフェクションの前に複雑なDNA作製過程が必要であり、実用的なものではない。
産業上の利用分野
この出願の発明は、組換えアデノウイルスベクターの作製方法に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、哺乳動物細胞への遺伝子導入に有用な組換えアデノウイルスベクターの作製方法と、この方法に用いる遺伝子操作材料に関するものである。
特許請求の範囲 【請求項1】E1領域もしくはE1およびE3領域を欠失させたアデノウイルスゲノムDNAのいずれかの欠失部位に、レコンビナーゼ認識配列を両端に有するコスミド配列と発現カセットとを挿入結合して組換えコスミドアデノウイルスベクターを作製し、この組換えコスミドアデノウイルスベクターとレコンビナーゼ発現ベクターとをアデノウイルスE1タンパク質産生細胞にコトランスフェクションし、細胞中において組換えコスミドアデノウイルスベクターからコスミドベクター配列を除去することによって、アデノウイルスゲノムDNAおよび発現カセットからなるDNA配列を有する組換えアデノウイルスベクターを作製することを特徴とする組換えアデノウイルスベクターの作製方法。
【請求項2】レコンビナーゼがCreレコンビナーゼであり、その認識配列がloxP配列である請求項1の作製方法。
【請求項3】レコンビナーゼがFLPレコンビナーゼであり、その認識配列がFRT配列である請求項1の作製方法。
【請求項4】アデノウイルスE1タンパク質産生細胞が、ヒト胎児腎細胞由来293細胞である請求項1から請求項3のいずれかの作製方法。
【請求項5】E1領域もしくはE1およびE3領域を欠失させたアデノウイルスゲノムDNAのいずれかの欠失部位に、レコンビナーゼ認識配列を両端に有するコスミド配列と発現カセットとを挿入結合して組換えコスミドアデノウイルスベクターを作製し、この組換えコスミドアデノウイルスベクターを、レコンビナーゼおよびアデノウイルスE1タンパク質産生細胞にトランスフェクションし、細胞中において組換えコスミドアデノウイルスベクターからコスミドベクター配列を除去することによって、アデノウイルスゲノムDNAおよび発現カセットからなるDNA配列を有する組換えアデノウイルスベクターを作製することを特徴とする組換えアデノウイルスベクターの作製方法。
【請求項6】レコンビナーゼがCreレコンビナーゼであり、その認識配列がloxP配列である請求項5の作製方法。
【請求項7】レコンビナーゼがFLPレコンビナーゼであり、その認識配列がFRT配列である請求項5の作製方法。
【請求項8】レコンビナーゼおよびアデノウイルスE1タンパク質産生細胞が、レコンビナーゼを産生するヒト胎児腎細胞由来293細胞である請求項5から7のいずれかの作製方法。
【請求項9】 E1領域もしくはE1およびE3領域を欠失させたアデノウイルスゲノムDNAの欠失部位に、レコンビナーゼ認識配列を両端に有するコスミド配列が挿入結合されていることを特徴とするコスミドアデノウイルスベクター。
【請求項10】レコンビナーゼがCreレコンビナーゼであり、その認識配列がloxP配列である請求項9のコスミドアデノウイルスベクター。
【請求項11】レコンビナーゼがFLPレコンビナーゼであり、その認識配列がFRT配列である請求項9のコスミドアデノウイルスベクター。
産業区分
  • 微生物工業
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
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