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マイコプラズマ由来リポタンパク/リポペプチド不応答性モデル非ヒト動物 実績あり

国内特許コード P110002791
整理番号 A031P65
掲載日 2011年6月8日
出願番号 特願2000-232451
公開番号 特開2002-045086
登録番号 特許第4100595号
出願日 平成12年7月31日(2000.7.31)
公開日 平成14年2月12日(2002.2.12)
登録日 平成20年3月28日(2008.3.28)
発明者
  • 審良 静男
  • 竹内 理
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 マイコプラズマ由来リポタンパク/リポペプチド不応答性モデル非ヒト動物 実績あり
発明の概要 【課題】 マイコプラズマ由来リポタンパク/リポペプチド不応答性モデル非ヒト動物や、これらを用いたマイコプラズマ由来リポタンパクに対する応答の抑制物質又は促進物質のスクリーニング方法を提供すること。
【解決手段】 TLR6等のマイコプラズマ由来リポタンパクを特異的に認識するタンパク質をコードする遺伝子機能が染色体上で欠損したモデル非ヒト動物、例えばTLR6ノックアウトマウスを作製する。このマイコプラズマ由来リポタンパク不応答性モデル非ヒト動物あるいは該モデル非ヒト動物に由来するマクロファージ等の免疫細胞と、被検物質と、マイコプラズマ由来リポタンパクとを用いて、前記モデル非ヒト動物あるいは免疫細胞におけるマイコプラズマ由来リポタンパクに対する応答を測定・評価し、それに対する応答の抑制物質又は促進物質をスクリーニングする。
従来技術、競合技術の概要


トール(Toll)遺伝子は、ショウジョウバエの胚発生中の背腹軸の決定(Cell 52,269-279, 1988、Annu. Rev. Cell Dev. Biol. 12, 393-416, 1996)、また成体における抗真菌性免疫応答に必要であることが知られている(Cell 86,973-983, 1996)。かかるTollは、細胞外領域にロイシンリッチリピート(LRR)を有するI型膜貫通受容体であり、この細胞質内領域は、哺乳類インターロイキン-1受容体(IL-1R)の細胞質内領域と相同性が高いことが明らかとなっている(Nature 351, 355-356, 1991、Annu.Rev. Cell Dev. Biol. 12, 393-416, 1996、J. Leukoc. Biol. 63, 650-657, 1998)。



近年、Toll様受容体(TLR)と呼ばれるTollの哺乳類のホモログが同定され、TLR2やTLR4など現在までに6つのファミリーが報告されている(Nature 388, 394-397, 1997、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 95, 588-593, 1998、Blood 91, 4020-4027, 1998、Gene 231, 59-65, 1999)。このTLRファミリーは、上記IL-1Rと同様にアダプタータンパク質であるMyD88を介し、IL-1R結合キナーゼ(IRAK)をリクルートし、TRAF6を活性化し、下流のNF-κBを活性化することが知られている(J. Exp. Med. 187, 2097-2101, 1998、Mol. Cell 2, 253-258, 1998、Immunity 11, 115-122, 1999)。また、哺乳類におけるTLRファミリーの役割は、細菌の共通構造を認識するパターン認識受容体(PRR:pattern recognition receptor)として、先天的な免疫認識に関わっているとも考えられている(Cell 91, 295-298, 1997)。



上記PRRにより認識される病原体会合分子パターン(PAMP:pathogen-associated molecular pattern)の一つは、グラム陰性菌の外膜の主成分であるリポ多糖(LPS)であって(Cell 91, 295-298, 1997)、かかるLPSが宿主細胞を刺激して宿主細胞にTNFα、IL-1及びIL-6等の各種炎症性サイトカインを産生させること(Adv. Immunol. 28, 293-450, 1979、Annu. Rev. Immunol. 13, 437-457, 1995)や、LPS結合タンパク質(LBP:LPS-bindingprotein)により捕獲されたLPSが細胞表面上のCD14に引き渡されることが知られている(Science 249, 1431-1433, 1990、Annu. Rev. Immunol. 13, 437-457, 1995)。本発明者らは、TLR4のノックアウトマウスを作製し、TLR4ノックアウトウスが上記グラム陰性菌の外膜の主成分であるLPSに不応答性であること(J. Immunol. 162, 3749-3752, 1999)や、TLR2ノックアウトマウスを作製し、TLR2ノックアウトマウスのマクロファージがグラム陽性菌細胞壁やその構成成分であるペプチドグリカンに対する反応性が低下すること(Immunity, 11, 443-451, 1999)を報告している。



他方、マイコプラズマは自己増殖可能な最小の微生物で生物学的には細菌に分類されるが、他の細菌と異なり細胞壁を欠くため多形態性を示し、ペニシリン、セフェム等の細胞壁合成阻害剤には感受性を示さない。ヒトからよく分離されるマイコプラズマは7種あるが、このうち病原性が明らかなのはマイコプラズマ・ニューモニエ(M.pneumoniae)のみであり上気道炎、気管支炎、肺炎などの呼吸器感染症を起こすことが知られている。最近、本発明者らは、マイコプラズマ由来リポタンパク/リポペプチドなどの細菌菌体成分が、TLR2及びMyD88シグナル伝達経路を介して生体反応を引き起こしていることを明らかにしている(J.Immunol. 164, 554-557, 2000)が、マイコプラズマ由来リポタンパク/リポペプチドを特異的に認識するタンパク質は知られておらず、そのためマイコプラズマ由来リポタンパク/リポペプチドが免疫細胞を活性化する分子メカニズムはよくわかっていなかった。

産業上の利用分野


本発明は、マイコプラズマ由来リポタンパク/リポペプチドを特異的に認識するTLR6等のタンパク質をコードする遺伝子機能が染色体上で欠損した、マイコプラズマ由来リポタンパク/リポペプチド不応答性モデル非ヒト動物や、またこれらモデル非ヒト動物を用いたマイコプラズマ由来リポタンパク/リポペプチドに対する応答の抑制物質又は促進物質のスクリーニング方法等に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
マイコプラズマ由来リポタンパク/リポペプチドを特異的に認識するタンパク質であるTLR6をコードする遺伝子機能が染色体上で欠損したマイコプラズマ由来リポタンパク/リポペプチド特異的不応答性モデル非ヒト動物に由来する免疫細胞と、被検物質と、マイコプラズマ由来リポタンパク/リポペプチドとを用いて、前記免疫細胞におけるマイコプラズマ由来リポタンパク/リポペプチドに対する応答を測定・評価することを特徴とするマイコプラズマ由来リポタンパク/リポペプチドに対する応答の抑制物質又は促進物質のスクリーニング方法。

【請求項2】
マイコプラズマ由来リポタンパク/リポペプチドを特異的に認識するタンパク質であるTLR6をコードする遺伝子機能が染色体上で欠損したマイコプラズマ由来リポタンパク/リポペプチド特異的不応答性モデル非ヒト動物と、被検物質と、マイコプラズマ由来リポタンパク/リポペプチドとを用いて、前記非ヒト動物におけるマイコプラズマ由来リポタンパク/リポペプチドに対する応答を測定・評価することを特徴とするマイコプラズマ由来リポタンパク/リポペプチドに対する応答の抑制物質又は促進物質のスクリーニング方法。

【請求項3】
マイコプラズマ由来リポタンパク/リポペプチドに対する応答を測定・評価するに際し、対照としての野生型非ヒト動物との比較・評価を行うことを特徴とする請求項又は記載のマイコプラズマ由来リポタンパク/リポペプチドに対する応答の抑制物質又は促進物質のスクリーニング方法。

【請求項4】
マイコプラズマ由来リポタンパク/リポペプチドに対する応答の抑制物質又は促進物質が、マイコプラズマ感染症に対する免疫応答の抑制物質又は促進物質であることを特徴とする請求項のいずれか記載のマイコプラズマ由来リポタンパク/リポペプチドに対する応答の抑制物質又は促進物質のスクリーニング方法。

【請求項5】
マイコプラズマ由来リポタンパク/リポペプチドに対する応答の抑制物質又は促進物質が、TLR6に対するアゴニスト又はアンタゴニストであることを特徴とする請求項のいずれか記載のマイコプラズマ由来リポタンパク/リポペプチドに対する応答の抑制物質又は促進物質のスクリーニング方法。

【請求項6】
非ヒト動物が齧歯目動物であることを特徴とする請求項のいずれか記載のマイコプラズマ由来リポタンパク/リポペプチドに対する応答の抑制物質又は促進物質のスクリーニング方法。

【請求項7】
齧歯目動物がマウスであることを特徴とする請求項記載のマイコプラズマ由来リポタンパク/リポペプチドに対する応答の抑制物質又は促進物質のスクリーニング方法。

【請求項8】
マウスが、マウス遺伝子ライブラリーからマウスESTクローン由来のプローブを用いてスクリーニングすることにより得られたTLR6遺伝子の細胞内領域及び膜貫通領域を含む遺伝子部位の全部又は一部の遺伝子フラグメントを、ポリAシグナルとマーカー遺伝子をもつプラスミドに置換してターゲッティングベクターを構築し、該ターゲッティングベクターを線状化した後胚幹細胞に導入し、TLR6遺伝子機能を欠損した標的胚幹細胞を、マウスの胚盤胞中にマイクロインジェクションしキメラマウスを作製し、このキメラマウスと野生型マウスとを交配させてヘテロ接合体マウスを作製し、かかるヘテロ接合体マウスをインタークロスすることによって得られるTLR6ノックアウトマウスであることを特徴とする請求項記載のマイコプラズマ由来リポタンパク/リポペプチドに対する応答の抑制物質又は促進物質のスクリーニング方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) CREST 生体防御のメカニズム 領域
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