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人工椎体

国内特許コード P110002834
整理番号 A121P73
掲載日 2011年6月8日
出願番号 特願2001-049493
公開番号 特開2002-248119
登録番号 特許第4790917号
出願日 平成13年2月23日(2001.2.23)
公開日 平成14年9月3日(2002.9.3)
登録日 平成23年7月29日(2011.7.29)
発明者
  • 四宮 謙一
  • 伊藤 聰一郎
  • 田中 順三
  • 菊池 正紀
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
  • 国立研究開発法人物質・材料研究機構
発明の名称 人工椎体
発明の概要 【課題】 これまでに開発された人工椎体は、いずれも、骨髄形成能、自己組織化(骨組織再建)能のある生体吸収材料ではない。そこで、本発明は、自家骨と同等の微細構造(ナノコンポジット構造)と組成および立体構造を持ち、新生血管、骨原性細胞の侵入等の優れた特性をもつ人工椎体の開発を目的とする。
【構成】 ヒドロキシアパタイト(HAp)とコラーゲン(Col)共沈物を加圧脱水して成形したものからなり、HAp粒子がCol線維の廻りに複合化されてCol線維方向にHAp粒子のc軸が配向したナノコンポジットのHAp/Col複合体に血管と骨原性細胞が侵入する穿孔された孔を形成した骨髄再生機能を有することを特徴とする人工椎体。また、溶融したポリ乳酸を射出成型後に押し出し成型することにより一軸方向に延伸配向させたポリ乳酸プレートからなり、プレートを椎骨に固定するためのスクリュー孔がプレートの四隅にあけられていることを特徴とする人工椎体固定用の生体内分解吸収性支持体。
従来技術、競合技術の概要


一般に、人工素材を骨の欠損部に埋入すると、材料は繊維性の膜で取り込まれ、周囲の組織から隔離される。これは、異物から自己を守る生体防御反応の結果である。しかし、ある種の材料は繊維性の皮膜を作ることなしに周囲の骨と直接結合することができる。その典型的な材料として、水酸化アパタイトCa10(PO4 6 (OH)2 やリン酸三カルシウムCa3 (PO4 2 が知られている。



そこで、このようなバイオセラミックスを基本とする有機・無機複合体からなる人工骨材が開発されつつある。例えば、特開平7-101708号公報には、結晶粒径が0.5μm以下のアパタイト粉体とコラーゲンなどの生体高分子有機物とを含有する組成物粉体に5~40重量%の水分を含有させ、200℃以下0℃以上の温度に保って50MPa以上の圧力を加えて成型体としたヤング率を2GPa~110MPaの範囲で調整できる人工骨、人工歯根などのインプラント材が記載されている。



本発明者等は、コラーゲンを含有するリン酸水溶液とカルシウム塩を含有する水溶液とを反応容器に同時に滴下してリン酸カルシウムとコラーゲンの共沈を行った後、得られた沈殿物を加圧成形するする方法によって、骨誘導および骨伝導能を有する生体骨置換型骨再建材などとして好適な曲げ強度、ヤング率、圧縮強度の優れたアパタイトとコラーゲンからなる配向性複合材料を開発した(特開平11-199209号公報、J BIOMEDICALS RESEARCH,54:445-453, Published online,4 December 2000)。



また、特開平8-336584号公報には、粒径2nm~0.2μmのアパタイト結晶粒を30重量%以上とコラーゲンなどの有機物を含み、径10μm~2mmの貫通孔が存在している人工骨髄用アパタイト多孔体が記載されている。また、特開平7-88174号公報には、バイオセラミックス材料支持体にrhBPMと担体からなる圧縮成形骨形成移植体を形成したものが開示されている。



さらに、従来、骨折部を固定、補助し整復するのに一般的に使用されている金属製の骨接合プレートやビスなどに代えてロッド状、プレート状、スクリュー状、ピン状などの生体内分解吸収性のポリ乳酸からなる溶融成形物や押し出し成型物が開発されている(特開平3-29663号公報、特開平5-168647号公報)。



椎体の骨欠損部を充填するための移植体はこれまで、主に自家骨採取が行われてきたが、金属製またはセラミック製の人工移植体も種々開発されている。人工移植体を用いる場合は、垂直荷重を受けるため、曲げ強さ、曲げ弾性、圧縮強度などの要件を十分に満たすとともに自家骨に代わる特性を備えていなければならない。



このため、例えば、特開平4-303444号公報(文献1)には、金属製またはセラミック製の多孔体の間にポリビニールアルコールハイドロゲルからなるブロック体を合体してなる種々のブロック形状の人工椎間板が開示されている。米国特許5702449号明細書・図面(文献2)には、側壁に多数の孔を有する円筒状金属スリーブからなる荷重支持部材を用いて、その内部にヒドロキシアパタイト/三リン酸カルシウムなどのバイオセラミックを備えた人工椎体が開示されている。



特開平10-33656号公報(文献3)には、骨伝導能を有する生体吸収性材料であるβ-リン酸三カルシウム(TCP)から多孔体と機械的強度を有する緻密体とを形成し、両者を複合させ、緻密体で初期強度を維持させ、多孔体で自家骨置換を進行させる種々のブロック形状の椎体固定部材が開示されている。



特表平11-513590号公報(文献4)には、不溶性のバイオポリマー繊維(原繊維コラーゲン)、バインダーおよび固定化リン酸カルシウム無機質(ヒドロキシアパタイト)の結合されたネットワークを含む骨置換のための多孔性で生体内分解性の脊椎固定、骨欠損の補填、骨折修復、歯周欠損移植用マトリックスが開示されており、コラーゲンのリン酸カルシウム無機質に対する重量比を8:2から1:1とするとよいこと、マトリックスをグルタールアルデヒドなどで架橋するとよいこと、さらに骨髄細胞、自家性骨、骨成長因子を含むとよいことなどが記載されている。



特表2000-507484号公報(文献5)には、荷重支持部材がバイオセラミックスマトリックスに骨成長成分を含浸させた骨移植片を含む脊柱スペーサが開示されている。



特表2000-508221号公報(文献6)には、細孔を有し、2~40容量%のヒドロキシアパタイト(HAp)および98~60容量%のリン酸三カルシウム(TCp)を有する二相リン酸カルシウムセラミックを含有するマトリックス本体とその内部に捕捉された骨成長誘導因子(TGF-β,BMP,プロスタグランディン他)を含んでなる円柱体状インプラントが開示されており、このセラミックは約200~600μmの大きさの細孔を有し、多孔度が約60~80%であることなどが記載されている。



特表2000-517221号公報(文献7)には、最高30容積%の気孔率を有し、その気孔が空気で充填されている孔径100μm未満の慣用のセラミック材料からなる角柱又は円筒形の椎間移植体が開示され、その圧縮強さが400~600MPaであること、セラミックス材料がレントゲン線に対して透明であることなどが記載されている。

産業上の利用分野


本発明は、人工椎体、特に、脊椎前方固定術に必要とされ、椎体の骨欠損部に充填された後に自己組織化するヒドロキシアパタイトとコラーゲン(HAp/Col)複合体からなる材料を用いた骨髄再生機能を有する人工椎体およびそれを椎体に固定するために好適なポリ乳酸プレートからなる支持体に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
ヒドロキシアパタイト(HAp)とコラーゲン(Col)共沈物を加圧脱水して成形した、共沈物が表面架橋されているものからなり、HAp粒子がCol線維の廻りに複合化されてCol線維方向にHAp粒子のc軸が配向したナノコンポジットのHAp対Colの重量比が骨と同等の70:30から80:20であるHAp/Col複合体に血管と骨原性細胞が侵入する穿孔された孔を長軸方向及び/又は人体の正面から見て前後方向および左右方向に、等間隔に複数個配列して形成した移植後に骨髄となる部分を有し、かつ骨形成因子を含浸させて該HAp/Col複合体を骨形成因子の担体とした移植後に皮質骨となる部分を有しており、骨髄再生機能を有するとともに自家骨へと置換されることを特徴とする人工椎体。

【請求項2】
人工椎体の形態は、長軸と直交方向断面が馬蹄形のブロックで、椎骨形状類似の彎曲面を人体の正面から見て前方側に有し、椎体内に挿入される部分は骨との接触面積を増加させるために角柱状の平面であることを特徴とする請求項1に記載の人工椎体。

【請求項3】
術後の初期荷重をHAp/Col複合体とポリ乳酸プレートで受けさせ、かつHAp/Col複合体は穿孔された孔に形成される新生骨から周辺に向かって自家骨へと置換される機能を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の人工椎体。

【請求項4】
(i)請求項2に記載の人工椎体と、(ii)溶融したポリ乳酸を射出成型後に押し出し成型することにより一軸方向に延伸配向させたポリ乳酸プレートからなり、人工椎体が挿入されるように切削され、該ブロックの上下面を挟む上下の椎骨に、スクリューによってプレートを固定するためのスクリュー孔が該プレートの四隅に斜め方向にあけられている人工椎体固定用の生体内分解吸収性支持体と、(iii)チタン又はチタン合金製スクリューと、の組み合わせからなることを特徴とする椎体の骨欠損の修復手術用物品
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2001049493thum.jpg
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) CREST 分子複合系の構築と機能 領域
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