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送信装置、受信装置、送信方法、受信方法、プログラム、ならびに、情報記録媒体 実績あり

国内特許コード P110002846
整理番号 V314P001
掲載日 2011年6月8日
出願番号 特願2001-087480
公開番号 特開2002-290274
登録番号 特許第4210717号
出願日 平成13年3月26日(2001.3.26)
公開日 平成14年10月4日(2002.10.4)
登録日 平成20年11月7日(2008.11.7)
発明者
  • 梅野 健
  • 山口 明宏
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
  • 株式会社カオスウェア
  • 山口 明宏
発明の名称 送信装置、受信装置、送信方法、受信方法、プログラム、ならびに、情報記録媒体 実績あり
発明の概要 【課題】 擬似乱数列を生成するフィルタ装置等を提供する。
【解決手段】 所定の実インパルス定数r (-1<r<1)に対するFIRフィルタ301は、チップ長Dの拡散符号系列の入力信号の入力を端子305で受け付け、入力信号を、それぞれ0、D、2D、3D、…、(N-1)Dだけ遅延させた複数の信号を遅延回路302により出力し、遅延されて出力された複数の信号のそれぞれを、当該遅延時間がTである場合、増幅器303により(-r)1 + T/D倍して出力し、増幅されて出力された複数の信号の総和、すなわち、最適カオス型拡散符号系列を、加算器304により出力する。
従来技術、競合技術の概要


従来から、スペクトラム拡散通信、符号分割多重通信を実現する拡散符号として、線形帰還シフトレジスタ(Linear Feedback Shift Register;LFSR)によって作られる、M系列、嵩符号、ゴールド系列等が提案されている。これらの拡散符号系列には、以下の2つの特徴がある。



第1に、同じ符号同士の相関(自己相関)に一つのピークを持ち、異なる符号同士の相関(相互相関)は0である。これは、白色雑音(white noise)の性質に極めて類似している。



第2に、符号集合に含まれる異なる2つの拡散符号を選択した場合、いずれを選択してもその相互相関が0に近くなるように符号集合を構成した場合、符号集合に含まれる符号の数が、符号長Nに対してO(N)しかない。このため、符号の種類が少ない。



一方、古くからTDMA(Time Division Multiple Access;時分割多元接続)やFDMA(Frequency Division Multiple Access;周波数分割多元接続)も知られている。非同期CDMA通信システムは、これらと異なり、信号の同期を積極的にとらなくとも、用いられる符号の相関特性を利用して、復号ができるという特徴を有する。このため、秘話性、秘匿性、耐干渉・妨害性、などに優れる。



現在非同期CDMA通信システムは、実用化が進められており、IMT-2000(International Mobile Telecommunication 2000)という次世代無線通信のITU(International Telecommunication Union)標準規格として採用が決まっている。



近年の研究により、非同期CDMA通信システムでは、符号間干渉ノイズの分散σが、システムの性能を決めることがわかっている。この分散σは、ゴールド符号や嵩符号などの擬似白色雑音を拡散符号として用いる場合に、同時接続ユーザー数をKとし、符号長をNとすると、漸近的にσ = (K-1)/3Nであることが、たとえば以下の文献に開示されている。
M.B.Pursley,「Performance Evaluation for Phased-Coded Spread-Spectrum Multiple-Access Communication-Part I: System Analysis」(IEEE Trans.Communications,vol.25 (1977) pp.795-799.)



ここで、「漸近的」とは、ユーザー数Kと、符号長Nとを大きくとった場合、という意味である。



従来、非同期CDMA通信システムの性能の理論的限界は、このσ = (K-1)/3Nであると考えられていた。しかしながら、このような漸近的関係が成立するのは、拡散符号が、擬似白色雑音であるということに起因することもわかっていた。



したがって、拡散符号が擬似白色雑音でない場合、すなわち、異なる符号の間にいくらかの相関がある場合には、性能の理論的限界が向上する可能性もあった。



最近になって、拡散符号が擬似白色雑音である場合に比べて符号間干渉ノイズの分散σが減少するような自己相関関数を持つ拡散符号の存在が発見された。すなわち、自己相関関数が符号のシフト量に対して、[数7]のように指数関数的に減少する場合は、その干渉ノイズの分散σは、擬似白色雑音の場合よりも小さくなる。



【数7】




特に、実インパルス定数rが[数8]を満たす場合、[数9]のような最適相関関数の形をとる。



【数8】




【数9】




これは、同一ビット誤り率での同時接続ユーザー数Kが、擬似白色雑音を拡散符号として用いた場合の非同期CDMA通信システムのユーザー数の理論限界より15パーセントも増えるということである。この点については、以下の文献に開示されている。
G.Mazzini,R.Rovatti,and G.Setti「Interference Minimization by Auto-Correlation Shaping in Asynchronous DS-CDMA Systems: Chaos-Based Spreading is Nearly Optimal」(Electron.Lett.(1999) vol.35,pp.1054-1055)



また、同文献では、部分的傾きが極めて大きい多段線形写像を用いてカオス的拡散符号を構成することにより、[数7]を満足する相関関数を近似的に模式できることが示されている。

産業上の利用分野


本発明は、擬似乱数列の出力装置、送信装置、受信装置、通信システム、フィルタ装置、擬似乱数列の出力方法、送信方法、受信方法、フィルタ方法、プログラム、ならびに、情報記録媒体に関する。



特に、衛星通信、固定通信、携帯電話やPHS(Personal Handyphone System)などの陸上移動通信やGPS(Global Positioning System)などの測距分野で用いることができるスペクトラム拡散通信の非同期CDMA(Code Division Multiple Access;符号分割多元接続)方式の拡散符号として使用できる擬似乱数列を出力するのに好適な出力装置、出力方法と、これを用いた送信装置、受信装置、通信システム、フィルタ装置、送信方法、受信方法、フィルタ方法、これらを実現するためのプログラム、ならびに、当該プログラムを記録したコンピュータ読取可能な情報記録媒体に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
伝送信号の入力を受け付ける信号受付部と、
長さNの擬似乱数列を出力する出力装置と、
前記入力を受け付けられた伝送信号を、前記出力された長さNの擬似乱数列を拡散符号として、スペクトラム拡散する拡散部と、
前記スペクトラム拡散された結果の信号を送信する信号送信部と、
を備える送信装置であって、
前記出力装置は、
所定の実インパルス定数r (-1<r<1)と、所定の実数定数C (C≠0)と、に対して、長さN (N≧1)の擬似乱数列を出力し、
系列初期値として長さL (L≧1)の拡散符号z[1],z[2],…,z[L]の入力を受け付ける系列受付部と、
前記入力を受け付けたz[1],z[2],…,z[L]を、時間間隔Dで順に所定のフィルタに与えて、所定の時間経過後に当該フィルタから時間間隔Dで順に出力される
z'[1]z'[2],…,z'[N]
により、所定の整数M (1≦M≦N,M+N<L)に対して
z'[1] = CΣj=1M (-r)M+1-jz[j]
z'[2] = CΣj=1M (-r)M+1-jz[j+1]
…,
z'[N] = CΣj=1M (-r)M+1-jz[j+N-1]
を満たすz'[1],z'[2],…,z'[N]を計算する計算部と、
前記z'[1],z'[2],…,z'[N]を擬似乱数列として出力する出力部と、
を備え、
前記フィルタは、与えられた系列を、0D2D3D,…,(N-1)Dだけ遅延させ、当該遅延された系列のそれぞれを、C(-r)C(-r)2C(-r)3,…,C(-r)N-1のそれぞれの増幅率で増幅し、増幅された系列の総和を出力し、
当該系列初期値として与えられる長さLの拡散符号z[1],z[2],…,z[L]は、整数a (a2)を次数とするチェビシェフ多項式
T(a,cos(θ)) = cos(aθ)
により、初期値z[1]と、漸化式
z[i+1] = T(a,z[i])
と、を用いて計算されたもの、M系列、嵩符号、ゴールド符号、もしくは、ウォルシュ-アダマール直交符号であり、
前記所定の実インパルス定数rは、
2-31/2-0.1r2-31/2+0.1
を満足する
ことを特徴とする送信装置。

【請求項2】
信号を受信する信号受信部と、
長さNの擬似乱数列を出力する出力装置と、
前記受信された信号を、前記出力された長さNの擬似乱数列を拡散符号として、スペクトラム逆拡散する逆拡散部と、
前記スペクトラム逆拡散された結果の信号を伝送信号として出力する出力部と、
を備える受信装置であって、
前記出力装置は、
所定の実インパルス定数r (-1<r<1)と、所定の実数定数C (C≠0)と、に対して、長さN (N≧1)の擬似乱数列を出力し、
系列初期値として長さL (L≧1)の拡散符号z[1],z[2],…,z[L]の入力を受け付ける系列受付部と、
前記入力を受け付けたz[1],z[2],…,z[L]を、時間間隔Dで順に所定のフィルタに与えて、所定の時間経過後に当該フィルタから時間間隔Dで順に出力される
z'[1]z'[2],…,z'[N]
により、所定の整数M (1≦M≦N,M+N<L)に対して
z'[1] = CΣj=1M (-r)M+1-jz[j]
z'[2] = CΣj=1M (-r)M+1-jz[j+1]
…,
z'[N] = CΣj=1M (-r)M+1-jz[j+N-1]
を満たすz'[1],z'[2],…,z'[N]を計算する計算部と、
前記z'[1],z'[2],…,z'[N]を擬似乱数列として出力する出力部と、
を備え、
前記フィルタは、与えられた系列を、0D2D3D,…,(N-1)Dだけ遅延させ、当該遅延された系列のそれぞれを、C(-r)C(-r)2C(-r)3,…,C(-r)N-1のそれぞれの増幅率で増幅し、増幅された系列の総和を出力し、
当該系列初期値として与えられる長さLの拡散符号z[1],z[2],…,z[L]は、整数a (a2)を次数とするチェビシェフ多項式
T(a,cos(θ)) = cos(aθ)
により、初期値z[1]と、漸化式
z[i+1] = T(a,z[i])
と、を用いて計算されたもの、M系列、嵩符号、ゴールド符号、もしくは、ウォルシュ-アダマール直交符号であり、
前記所定の実インパルス定数rは、
2-31/2-0.1r2-31/2+0.1
を満足する
ことを特徴とする受信装置。

【請求項3】
伝送信号の入力を受け付ける信号受付工程と、
長さNの擬似乱数列を出力して生成する生成工程と、
前記入力を受け付けられた伝送信号を、前記生成された長さNの擬似乱数列を拡散符号として、スペクトラム拡散する拡散工程と、
前記スペクトラム拡散された結果の信号を送信する信号送信工程と、
を備える送信方法であって、
前記生成工程は、
所定の実インパルス定数r (-1<r<1)と、所定の実数定数C (C≠0)と、に対して、長さN (N≧1)の擬似乱数列を出力し、
系列初期値として長さL (L≧1)の拡散符号z[1],z[2],…,z[L]の入力を受け付ける系列受付工程と、
前記入力を受け付けたz[1],z[2],…,z[L]を、時間間隔Dで順に所定のフィルタに与えて、所定の時間経過後に当該フィルタから時間間隔Dで順に出力される
z'[1]z'[2],…,z'[N]
により、所定の整数M (1≦M≦N,M+N<L)に対して
z'[1] = CΣj=1M (-r)M+1-jz[j]
z'[2] = CΣj=1M (-r)M+1-jz[j+1]
…,
z'[N] = CΣj=1M (-r)M+1-jz[j+N-1]
を満たすz'[1],z'[2],…,z'[N]を計算する計算工程と、
前記z'[1],z'[2],…,z'[N]を擬似乱数列として出力する出力工程と、
を備え、
前記フィルタは、与えられた系列を、0D2D3D,…,(N-1)Dだけ遅延させ、当該遅延された系列のそれぞれを、C(-r)C(-r)2C(-r)3,…,C(-r)N-1のそれぞれの増幅率で増幅し、増幅された系列の総和を出力し、
当該系列初期値として与えられる長さLの拡散符号z[1],z[2],…,z[L]は、整数a (a2)を次数とするチェビシェフ多項式
T(a,cos(θ)) = cos(aθ)
により、初期値z[1]と、漸化式
z[i+1] = T(a,z[i])
と、を用いて計算されたもの、M系列、嵩符号、ゴールド符号、もしくは、ウォルシュ-アダマール直交符号であり、
前記所定の実インパルス定数rは、
2-31/2-0.1r2-31/2+0.1
を満足する
ことを特徴とする送信方法。

【請求項4】
信号を受信する信号受信工程と、
長さNの擬似乱数列を出力する生成工程と、
前記受信された信号を、前記生成された長さNの擬似乱数列を拡散符号として、スペクトラム逆拡散する逆拡散工程と、
前記スペクトラム逆拡散された結果の信号を伝送信号として出力する出力工程と、
を備える受信方法であって、
前記生成工程は、
所定の実インパルス定数r (-1<r<1)と、所定の実数定数C (C≠0)と、に対して、長さN (N≧1)の擬似乱数列を出力し、
系列初期値として長さL (L≧1)の拡散符号z[1],z[2],…,z[L]の入力を受け付ける系列受付工程と、
前記入力を受け付けたz[1],z[2],…,z[L]を、時間間隔Dで順に所定のフィルタに与えて、所定の時間経過後に当該フィルタから時間間隔Dで順に出力される
z'[1]z'[2],…,z'[N]
により、所定の整数M (1≦M≦N,M+N<L)に対して
z'[1] = CΣj=1M (-r)M+1-jz[j]
z'[2] = CΣj=1M (-r)M+1-jz[j+1]
…,
z'[N] = CΣj=1M (-r)M+1-jz[j+N-1]
を満たすz'[1],z'[2],…,z'[N]を計算する計算工程と、
前記z'[1],z'[2],…,z'[N]を擬似乱数列として出力する出力工程と、
を備え、
前記フィルタは、与えられた系列を、0D2D3D,…,(N-1)Dだけ遅延させ、当該遅延された系列のそれぞれを、C(-r)C(-r)2C(-r)3,…,C(-r)N-1のそれぞれの増幅率で増幅し、増幅された系列の総和を出力し、
当該系列初期値として与えられる長さLの拡散符号z[1],z[2],…,z[L]は、整数a (a2)を次数とするチェビシェフ多項式
T(a,cos(θ)) = cos(aθ)
により、初期値z[1]と、漸化式
z[i+1] = T(a,z[i])
と、を用いて計算されたもの、M系列、嵩符号、ゴールド符号、もしくは、ウォルシュ-アダマール直交符号であり、
前記所定の実インパルス定数rは、
2-31/2-0.1r2-31/2+0.1
を満足する
ことを特徴とする受信方法。

【請求項5】
コンピュータを、請求項1に記載の送信装置として機能させることを特徴とするプログラム。

【請求項6】
コンピュータを、請求項2に記載の受信装置として機能させることを特徴とするプログラム。

【請求項7】
請求項5または6に記載のプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読取可能な情報記録媒体(コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、または、半導体メモリを含む。)。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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