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HIV薬剤耐性試験方法 実績あり

国内特許コード P110002914
整理番号 Y01-P062
掲載日 2011年6月8日
出願番号 特願2001-311793
公開番号 特開2002-191399
登録番号 特許第4011881号
出願日 平成13年10月9日(2001.10.9)
公開日 平成14年7月9日(2002.7.9)
登録日 平成19年9月14日(2007.9.14)
優先権データ
  • 特願2000-319189 (2000.10.19) JP
発明者
  • 巽 正志
  • 蜂谷 敦子
  • 岡 慎一
出願人
  • 国立感染症研究所長
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 HIV薬剤耐性試験方法 実績あり
発明の概要 【課題】 HIV-1感染価測定細胞株を用いた迅速簡便な薬剤耐性試験方法、特に多検体を迅速に処理することができる薬剤耐性試験方法を提供すること。
【解決手段】 HIV-1感染により分泌型レポータータンパク質を発現することができる動物細胞を被験薬剤の存在下においてHIV-1を含む試料と接触ささせ、HIV-1感染により培養上清に分泌されるレポータータンパク質を検出することを特徴とする、HIVの薬剤耐性の試験方法。
従来技術、競合技術の概要


Human Immunodeficiency Virus type 1(HIV-1)はLentivirusに属するRetrovirusで、後天性免疫不全症候群AIDSの病原体である。その発見から既に十数年を経て、当初は不可抗力的に感染宿主の免疫系を破壊し、感染者の殆どは免疫不全に陥り死に至る感染症として認識されていた。しかしながら近年に至り、HIV―1のLife Cycleに必須な逆転写酵素とウイルス粒子形成に必要な成熟蛋白の開裂に関わるプロテアーゼに対する阻害剤が種々開発され、それらの組み合わせによる強力な抗HIV-1薬剤の投与(いわゆる、HAART療法(Highly Active AntiRetrovirus Therapy))により、感染者体内のウイルス量を高感度なPCR法による検出限界以下に抑えることが可能になり、一部の患者にとって、もはやHIV-1感染症は慢性感染症とみなされる程度までに至っている。



しかしながら、多剤投与を中止するとHIV-1の速やかな増殖を来し、さらにこのウイルスの特性である逆転写酵素の変異導入率の高さから、投与薬剤に対する耐性ウイルスが容易に出現し、不用意な薬剤の選択により、同一作用機序に基づく複数の薬剤に耐性のウイルスを惹起し、以後の治療に困難をきたすことも多く報告されている。



根治治療法が近い将来に得られる見込みが得られない現況では、抗HIV―1療法戦略は如何に迅速に耐性ウイルスの出現を捉え、個々の患者のウイルスに最も効果的な薬剤を組み合わせ、患者のウイルス量を低い定常状態に保つかに、重心が移ってくるものと考えられる。新たに開発される抗HIV-1薬剤を含め、多種多様な薬剤を用いて多様化するHIV治療法において、有効な薬剤選択の判定基準としてGenotypingとPhenotypingの薬剤耐性試験が挙げられる。



GenotypingはPrimer DesignとPCR法によるHIV-1 pol遺伝子領域の増幅とその塩基配列解析が既にキット化され、技術的に確立し普及している。しかしながら検体中のウイルスゲノムの逆転写酵素あるいはプロテアーゼをコードする遺伝子のアミノ酸変異による薬剤耐性変異と、患者ウイルスの生物学的な薬剤耐性に関する成績との乖離がしばしば指摘されている。



一方、Phenotypingは実際のウイルス耐性を反映するものの、現在標準法として用いられている末梢血単核球(PBMC)を用いた方法は、その標準化においていまだ解決すべき問題点が多々あることが指摘されている。例えば、ヒトPBMCを用いた耐性試験では結果が得られるのにしばしば数ヶ月を要し、PBMCのDonorのロットによるHIV感受性にばらつきが認められることから得られた結果の相互比較が困難であること、労力を要することから多検体を処理するには不向きであること、またHIV-1 gag蛋白p24 ELISAによるウイルス増殖の測定のため耐性試験に要する費用が嵩むことなどから限られた研究室でしかなされていないのが現況である。しかしながら、Phenotyping法はウイルスの生物学的耐性を反映していることから、薬剤選択の判断基準として欠かすべからざる情報を提供するものである。



これらの問題点を克服するため、本発明者らは迅速簡便なHIV-1感染価測定細胞株MAGIC-5Aを用いた薬剤耐性試験について報告してきた(蜂谷敦子、相沢佐織、田中真理、高橋由紀子、平林義弘、井田節子、巽 正志、岡 慎一、CCR5発現HeLa/CD4-LTR-βGal細胞(MAGIC5 clone 1-10)を用いた抗HIV薬耐性検査に関する検討 第13回日本エイズ学会 1999年12月 東京、Hachiya, A., Aizawa-Matsuoka,S., Tanaka, M., Takahashi, Y., Ida, S., Gatanaga, H., Hirabayashi, Y., Kojima, A., Tatsumi,M. and Oka, S. : Rapid and simple phenotypic assay for drug susceptibility of human immunodeficiency virus type 1 by using CCR5-expressing HeLa/CD4 cell clone 1-10 (MAGIC-5) Antimicrob. Agents Chemother. 45: 495 - 501, 2001.)。この細胞株MAGIC-5AはHIV-1のレセプターであるCD4とコレセプターCXCR4およびCCR5をヒト子宮頚癌細胞株HeLaに安定に発現させるように形質転換し、感染したHIV-1の産生するTat蛋白により、組み込まれたLTR下流のSV40核移行シグナルを付け加えたβ-Galactosidaseを駆動し、X-Gal染色により迅速簡便に試料検体中のHIV-1の感染価を測定するように工夫したIndicator Cellである。この細胞株を用いることにより、患者血清からの迅速なウイルス分離と、それに引き続く、抗逆転写薬剤および抗プロテアーゼ薬剤に対する耐性株を2週間以内に検出しうることが報告されている。



またこの細胞株はHIV-1の感染価測定という基本的技術をなすことから多くのHIV-1研究領域に応用されうる可能性がある。現在までの所、薬剤耐性Phenotype Assayおよび抗HIV薬剤スクリーニングなどにも応用されてきている。一般に用いられているHIV-1 gag蛋白p24のELISAによる測定もしくは逆転写酵素の活性測定に基づくものに比較して迅速、簡便、かつ経済的であるものの、この細胞株によるHIV感染価測定は顕微鏡下におけるX-galにより青染した細胞核の計数に基づくので、多検体迅速処理には向いていなかった。今後、抗HIV-1薬剤の開発が進展し、多くの薬剤が臨床応用されることが予測されることから、より迅速簡便な測定系が求められていた。

産業上の利用分野


本発明は、HIVの薬剤耐性の試験方法に関する。より詳細には、本発明は、被験薬剤の存在下においてHIV―1を感染させた標的細胞が培養上清に分泌するレポータータンパク質を検出することによるHIVの薬剤耐性の試験方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
ヒトHeLa細胞に、HIV-1レセプターであるCD4とコレセプターCXCR4及びCCR5を安定に発現できるように形質転換した動物細胞に、HIV-1 LTR配列の下流に、分泌型レポータータンパク質として分泌型アルカリホスファターゼSEAPをコードする遺伝子を有する発現ベクターを導入して形質転換することによって樹立された、HIV―1感染により分泌型レポータータンパク質を発現することができるヒトHeLa細胞由来動物細胞株FERM P-18078を、被験薬剤の存在下においてHIV-1を含む試料と接触させ、HIV-1感染により培養上清に分泌される
レポータータンパク質を検出することを特徴とする、HIVの薬剤耐性の試験方法。

【請求項2】
分泌型レポータータンパク質である分泌型アルカリホスファターゼSEAPの検出を、比色反応、蛍光発光又は化学発光の何れか1種以上の測定系で行なうことを特徴とする請求項1に記載のHIVの薬剤耐性の試験方法。

【請求項3】
被験薬剤が、逆転写酵素阻害剤又はプロテアーゼ阻害剤を含む抗HIV薬剤であることを特徴とする請求項1又は2に記載のHIVの薬剤耐性の試験方法。

【請求項4】
被験薬剤として2種類以上の薬剤の組み合わせを使用することを特徴とす請求項1~3の何れかに記載のHIVの薬剤耐性の試験方法。

【請求項5】
培養上清に分泌されるレポータータンパク質を比色反応、蛍光発光又は化学発光の何れか1種以上の測定系で検出することを特徴とす請求項1~4の何れかに記載のHIVの薬剤耐性の試験方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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