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光学系の薄層斜光照明法 実績あり

国内特許コード P110002927
整理番号 Y01-P332
掲載日 2011年6月8日
出願番号 特願2001-380967
公開番号 特開2003-185930
登録番号 特許第3828799号
出願日 平成13年12月14日(2001.12.14)
公開日 平成15年7月3日(2003.7.3)
登録日 平成18年7月14日(2006.7.14)
発明者
  • 徳永 万喜洋
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 光学系の薄層斜光照明法 実績あり
発明の概要 【課題】 顕微鏡と同等の光学系を用いて光を使って物質や分子の高感度検出と光学顕微鏡における低背景・高感度観察が可能な薄層斜光照明法を提供する。
【解決手段】 試料における照明光の厚さをd、試料における照明光の入射角をθ、対物しンズ後焦点面における照明光の中心軸からの距離をX、照明光の対物レンズへの入射角をφ、照明光の対物レンズ入射の開き角の半分をδφとすると、試料における照明光の厚さをdを与える式 d=2r・cosθにおいて、試料への照明光の入射角θはXとφによって決まり、試料観察面での照射半径rはδφによって決まる値であることがわかる。従って、照明光の厚さdを薄くすることは、cosθおよびrを小さくすることにより実現できる。
従来技術、競合技術の概要


従来、物質や分子を光を使って高感度検出する光学顕微鏡の照明技術は種々のものが提案されており、その内の幾つかを以下に説明する。図9は、蛍光顕微鏡の照明として、現在一般的に使われている落射照明方法の概略図である。図に示すように、光源からの光を、照射光は反射し、蛍光は透過させるダイクロイックミラーで反射させて、対物レンズ中央に入射し、試料観察面を照射するものである。



また、ガラス表面近傍のみを局所的に照明する方法として、全反射照明法がある。全反射した際に生じるエバネッセント光(深さ100200nm程度)を使って照明するものである。プリズムを使う方法と対物レンズを使う方法があるが、図10に対物レンズ型全反射照明法の概略図を示す。対物レンズの開口数をNA、試料溶液の屈折率をnとしたとき、開口数(NA)がNA>nの式を満たす対物レンズにより全反射照明が可能となる。この方法は、従来、極く限られた利用のみであったが、蛍光色素1分子を蛍光顕微鏡で観察する方法として有用であることが判明し、最近1分子イメージング用に使用され始めている。



更に、本発明者が提案し、特許第3093145号として既に特許されている光照射切り替え方法の概略を図11に示す。1は試料溶液、2はカバーガラス、3はオイル、4は対物レンズ(レンズ群)、5は照射光、6は照射光、7はダイクロイックミラーである。落射照明から全反射照明の状態への変更を、ミラー等の光学部品を図11(A)→11(B)→図11(C)へと移動することのみで実現することができ、余分な光学系を必要とせず、簡単な原理で照射の切替を行えることができる。また、この方法では、入射光位置又は光源位置(例えば光ファイバーの出射位置)をずらすことによっても同等の状態変更を実現することができる。



また、他の方法として、通常の光学顕微鏡や落射照明法による蛍光顕微鏡において、セクショニング像や3次元画像を得る方法としては、焦点を連続的に変化させて得た連続画像からデコンボリューションによって計算する方法が用いられている。これは、試料上の1点から出た光の像が、焦点からはずれた時にどうなるかを予め知っておくことにより、計算によって元の3次元像を計算するものであるが、厚みのある試料や、明るい中にある暗い部分を観察する場合には、この方法では限界がある。



また、他の方法として、セクショニング像や3次元画像を用いる方法としては、現在、共焦点顕微鏡法が広く普及している。この方法は、高感度カメラに比べると感度が劣っており、特に蛍光試料の観察においては、レーザー光を1点に集光して照射するために、蛍光色素の退色が早くなったり、生物試料に損傷を与えるなどの難点がある。

産業上の利用分野


本発明は、物質や分子を光を使って高感度検出する顕微鏡と同等の光学系の薄層斜光照明法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
対物レンズを用いたレンズ光学系の斜光照明において、試料観察面での照射半径をr、試料における照明光の厚さをd、試料における照明光の入射角(又は、照明光と対物レンズ光軸とのなす角)をθとすると、d=2r・cosθの式により計算される 試料における照明光の厚さdが20μm以下になるように、対物レンズの縁に光を入射し、試料への照明光入射角度を対物レンズ光軸に垂直に近い角度にし、照明光の対物レンズ入射の開き角の半分δφを小さくして、照射領域を絞ることにより、薄い層状の光で試料を照明することを特徴とする光学系の薄層斜光照明法。

【請求項2】
試料の屈折率よりも開口数が大きい対物レンズを用いて、試料への照明光入射角度をさらに光軸に垂直に近くし、より薄い光で試料を照明することを特徴とする請求項1記載の光学系の薄層斜光照明法。

【請求項3】
対物レンズを用いたレンズ光学系の斜光照明であって、試料観察面での照射半径をr、試料における照明光の厚さをd、試料における照明光の入射角(又は、照明光と対物レンズ光軸とのなす角)をθとすると、d=2r・cosθの式により計算される 試料における照明光の厚さdが20μm以下になるように、対物レンズの縁に光を入射し、試料への照明光の入射角度を対物レンズ光軸に垂直に近い角度にし、照明光の対物レンズ入射の開き角の半分δφを小さくして、照射領域を絞ることにより、薄い層状の光で試料を照明する光学系の薄層斜光照明において、焦点位置を変えて異なる高さの試料面を観察する場合に、照明光の対物レンズへの入射角を変えることにより、試料観察面における照明光の入射角を一定に保つことを特徴とする光学系の薄層斜光照明法。

【請求項4】
対物レンズを用いたレンズ光学系の斜光照明であって、試料観察面での照 射半径をr、試料における照明光の厚さをd、試料における照明光の入射角(又は、照 明光と対物レンズ光軸とのなす角)をθとすると、d=2r・cosθの式により計算され る試料における照明光の厚さdが20μm以下になるように、対物レンズの縁に光を入射し、試料への照明光の入射角度を対物レンズ光軸に垂直に近い角度にし、照明光の対物レンズ入射の開き角の半分δφを小さくして、照射領域を絞ることにより、薄い層状の光で試料を照明する光学系の薄層斜光照明において、複数の入射光の使用や、回転等による入射位置の移動によって、偏りのない薄層斜光照明を行うことを特徴とする光学系の薄層斜光照明法。

【請求項5】
光学系が蛍光顕微鏡や暗視野顕微鏡などの光学顕微鏡、対物レンズを用いたレンズ光学系であることを特徴とする請求項1乃至請求項4記載の光学系の薄層斜光照明法。

【請求項6】
薄層光照明を用いた顕微鏡観察において、焦点位置を移動させながら連続画像を得て、デコンボリューションによってセクショニング画像及び3次元画像を得ることを特徴とする請求項5記載の光学系の薄層斜光照明法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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