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遺伝子キャリヤー 実績あり

国内特許コード P110002933
整理番号 ITW-11-10
掲載日 2011年6月8日
出願番号 特願2001-536203
登録番号 特許第4064108号
出願日 平成12年11月9日(2000.11.9)
登録日 平成20年1月11日(2008.1.11)
国際出願番号 JP2000007875
国際公開番号 WO2001034207
国際出願日 平成12年11月9日(2000.11.9)
国際公開日 平成13年5月17日(2001.5.17)
優先権データ
  • 特願1999-319470 (1999.11.10) JP
  • 特願2000-142897 (2000.5.16) JP
発明者
  • 櫻井 和朗
  • 新海 征治
  • 木村 太郎
  • 田畑 ▲けん▼吾
  • 甲元 一也
  • グロンヴァルド オリバー
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
  • 三井製糖株式会社
  • クラシエホールディングス株式会社
発明の名称 遺伝子キャリヤー 実績あり
発明の概要 核酸と類似のコンホーションを有する高分子鎖、特にヘリックス構造の核酸と類似のヘリックスパラメーターを有する高分子鎖上に水素結合性サイトが形成されている水素結合性高分子から成る遺伝子キャリヤーが開示されている。好ましい態様の1つとして、水素結合性高分子は、シゾフィランのようなβ-1,3-グルカンから成る。DNAやRNAのような核酸と相互作用して核酸と複合体を形成することによって核酸を担持することができるので、核酸のベクターや分離剤などとして利用できる。
従来技術、競合技術の概要


ヒトゲノムの解読が21世紀初頭に一応の終了を迎えると言われている。この成果を応用するには、核酸を人工的に操作(核酸の搬送、配列認識、転写や翻訳のon-off、分離など)する技術の開発が不可欠である。核酸を操作するための材料として、最も重要と考えられるのは、DNAなどの核酸を担持して搬送するキャリヤー、すなわち、遺伝子ベクターである。しかし、従来、in vivoにおける人工材料を用いた遺伝子ベクターは、ヒトの臨床研究ではなんら有意な効果をもたらさなかった。その理由は、特に、低い遺伝子伝達(transfer)効率、遺伝子情報の制約された発現[cottonら、Meth.Enzymol.217:618-644(1993)]、および採用されるカチオン担体材料の不充分な生物学的適合性(biocompatibility)[Choksakulnimitrら、J.Control.Rel.34:233-241(1995)]に見出される。
レトロウイルス[Miller,Nature 357:455-460(1992)]またはアデノウイルス[Mulligan,Science 260:926-932(1993)]等は、遺伝子ベクターとしてin vitroでは極めて見込みのある結果を与えたが、これら天然由来のウイルスの炎症性、免疫原的性質、ならびに突然変異誘発および細胞ゲノム中への組み込みの危険性が特に原因してこれらのin vivoにおける使用は制限されている[Crystal,Science 270:404-410(1995)]。そこで、天然由来の遺伝子ベクターの代替物として、ウイルス系よりも取り扱いが簡単であるのみならず、細胞へDNAを確実に効率良く集中させることが可能な人工材料の非ウイルスベクターの使用が提示された[TomlinsonおよびRolland,J.Contr.Rel.39:357-372(1996)]。
最近のトランスフェクションの代替物として、ポリ-L-リシン(PLL)[WuおよびWu,Biotherapy 3:87-95(1991)]。DEAE-デキストラン[Gopal,Mol,Cell,Biol.5:1183-93(1985)]。デンドリマー(dendrimers)[HaenslerおよびSzoka,Bioconjugate Chem.4:372-379(1993)]またはカチオン性メタクリル酸誘導体[Wolfertら、Hum.Gene Ther.7:2123-2133(1996)]等の水溶性カチオンポリマーに基づく合成ベクター、すなわちカチオン脂質を用いる“リポフェクション(lipofection)”[GaoおよびHuang,Gene therapy 2:710-722(1995)]および両親媒性物質[Behr,Bioconjugate Chem.5:382-389(1994)]が案出された。カチオンポリマーを用いる“ポリフェクション(polyfection)”の決定的有利性は、ポリマーの物理化学的および生物学的特性に影響し得る構造的変形の可能性が無限にあることであり、さらに、プラスミドとポリマー複合体を形成し得ることにある。トランスフェリン[Qagnerら、Proc.Natl.Acad.Sci.87:3410-3414(1991)]。アシアログリコタンパク[WuおよびWu,J.Bio.Chem.262:4429-4432(1987)]、および各種抗体[Trubetskoyら、Bioconjugate Chem.3:323-327(1992)]および炭水化物[Midouxら、Nucleic Acid Research 21:871-878(1993)]等の細胞特異的リガンドを追加的に結合することにより、これらベクターの効率を増加することができた。
現在、非ウイルス性の人口ベクターとして最も検討されているのはポリエチレンイミン(PEI)である。多数の異なった付着細胞および浮遊細胞ライン中では、3次元的分岐構造のカチオンポリマーであるPEIは、ある場合には平均以上のトランスフェクション率を引き起こす結果になった[Boussifら、Gene Therapy 3:1074-1080(1996)]。例えば3T3繊維芽細胞の95%形質転換がin vitroで達成された。in vivoでの遺伝子のマウス脳中へのPEI仲介伝達では、ニューロンおよびグリア細胞中のリポーター遺伝子およびBcl2遺伝子の長期発現が起きる結果になり、アデノウイルスによる遺伝子伝達の場合と同じ程度のものであった[Abdallahら、Hum.Gene Ther.7:1947-1954(1996)]。
しかし、ポリエチルイミンなどのカチオン性高分子の安全性は確認されていない。カチオン性を有するには、アミノ基の存在が不可欠であるが、アミノ基は生理活性が高く、体内毒性等の危険がある。事実、今まで検討されたいかなるカチオン性ポリマーも未だ実用に供されておらず、事実「医薬品添加物辞典」(日本医薬品添加剤協会編集、薬事日報社)に記載されていない。
さらに、塩基配列を認識する化合物としては、ペプチド核酸、抗生物質カリケミシン、DNA結合タンパクの研究が精力的に行われている。さらに、人工タンパクを用いた遺伝子の認識と遺伝情報の翻訳制御に関する研究も最近急速に盛んになっている。このように、DNAやRNAなどの核酸と相互作用する化合物の研究は、重要な課題であるが、これらの研究の多くは各論段階に留まっており、どのような一般的特性を有する材料(化合物)が核酸と相互作用するかといった基本的見地に立った研究は少なく、それらの材料が実用に供されるには解決すべき課題も多く残されている。例えば、現在の研究の中心となっているポリエチルイミンなどのポリカチオンから成る材料は、(1)核酸と結合して複合体を形成するが、一度形成した複合体は静電的相互作用で結合しているために分離しにくいこと、(2)毒性が強いこと、(3)核酸に水溶性を付与しているリン酸とポリカチオンが結合するため、複合体は通常、不溶性であり、したがって、該材料を遺伝子を運搬する薬剤などとして利用するには極めて問題である。また、従来から知られた材料は、インターカレーターのように不可逆的に反応し、遺伝情報(核酸)を破壊してしまうような化合物が大半であった。

産業上の利用分野


本発明は、遺伝子キャリヤーに関し、詳述すれば、核酸と相互作用して複合体を形成することによって該核酸を担持することのできる新規な人工材料(化合物)に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
核酸と類似のコンホメーションを有する高分子鎖上に水素結合性サイトが形成されている水素結合性高分子該水素結合性サイト核酸が結合されている核酸・高分子複合体であって、前記水素結合性高分子が、β-1,3-グルカンまたはβ-1,3-キシランから構成されていることを特徴とする核酸・高分子複合体。

【請求項2】
β-1,3-グルカンが、シゾフィラン、カードラン、レンチナン、バーキマン、グリホランまたはスクレログルカンであることを特徴とする請求項1に記載の核酸・高分子複合体。

国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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