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有機無機複合生体材料およびその製造方法

国内特許コード P110002966
整理番号 A122P153
掲載日 2011年6月9日
出願番号 特願2002-065778
公開番号 特開2003-190271
登録番号 特許第4408603号
出願日 平成14年3月11日(2002.3.11)
公開日 平成15年7月8日(2003.7.8)
登録日 平成21年11月20日(2009.11.20)
優先権データ
  • 特願2001-322255 (2001.10.19) JP
発明者
  • 田中 順三
  • 菊池 正紀
  • 伊藤 典一
  • 萬代 佳宣
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
  • 国立研究開発法人物質・材料研究機構
  • 新田ゼラチン株式会社
発明の名称 有機無機複合生体材料およびその製造方法
発明の概要 【課題】 コラーゲンとハイドロキシアパタイトからなる複合体において、自己組織化を促進するための最適な条件を見出し、生体骨類似の優れた有機無機複合生体材料を提供する。
【解決手段】 出発物質濃度および送液速度を制御することにより、反応容器内におけるカルシウムイオンおよびリン酸イオン濃度を最適化し、平均繊維長60μm以上のハイドロキシアパタイトとコラーゲンを含む複合体から構成される有機無機複合生体材料を製造する。さらに、該生体材料に架橋を導入することにより、人工骨材に適した機械的強度と生体内分解速度を有する有機無機複合生体材料を製造する。
従来技術、競合技術の概要


現在、骨欠損部の再生医療には患者自身の腸骨や脾骨等が使用される場合が多い。しかし、自家骨の使用は患者への負担が大きく、採取量も限られるため、人工骨や人工補填材による補充が必要となる。こうした人工生体材料に求められる性質は、生体骨に近い強度や弾性等の機械的性質と生体適合性、骨伝導性等の生理学的性質である。



元々脊椎動物の骨は無機物のハイドロキシアパタイト(HAp)と有機物のコラーゲンからなる複合体である。これらは、生体骨中でHApがそのc軸方向にコラーゲン繊維に沿って配向した特有のナノコンポジット構造を形成(自己組織化)し、この構造が骨に特有の機械的性質を与えている。すなわち、単にHApとコラーゲンを組み合わせただけでは、生体骨同様の構造や特性を得ることはできない。



一方、こうした人工生体材料には生体への親和性に加えて、骨組織と融合し、骨再生を積極的に促す効果も必要である。つまり、生体適用後徐々に吸収され、骨再生サイクルに取り込まれて自身の骨に置換していくための、骨伝導性や生体活性が求められる。その点において、無機物であるHApは骨親和性に優れ、有機物であるコラーゲンは細胞接着性、細胞分化を促進する効果を有するため、両者の複合体には優れた人工生体材料としての性質が期待される。



そこで、ハイドロキシアパタイトとコラーゲンを用いて、より生体骨に近い有機無機複合生体材料を開発するための様々な検討がなされてきた。例えば、特開平7-101708号公報には、コラーゲン溶液とリン酸の混合溶液を水酸化カルシウムの懸濁液中に徐々に添加して、生体骨類似のヤング率を有する成形体を得るアパタイト・有機物複合体の製造方法が開示されている。また、特開平11-199209号公報には、反応時のpHと温度を制御しながら、コラーゲンを含有するリン酸水溶液とカルシウム塩を含有する水溶液を反応容器に同時滴下し、生じた共沈物を加圧成形することで生体骨類似の成形物を得る、有機無機配向性複合材料の製造方法が開示されている。さらに、特開平2000-5298号公報には、有機酸を用いてコラーゲン表面へのアパタイト形成を向上させる技術が開示されている。



しかしながら、これらの従来技術で得られる複合体の繊維長は数μm~20μm程度で、いまだ十分な自己組織化を実現するには至っていなかった。

産業上の利用分野


本発明は、コラーゲンとハイドロキシアパタイトを含む有機無機複合生体材料およびその製造方法に関する。さらに詳しくは、平均繊維長が60μm以上の自己組織化に優れた有機無機複合生体材料、該生体材料に架橋を導入して生体内分解性を改善した有機無機複合生体材料、およびそれらの製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
平均繊維長が60μm以上かつ7mm以下のハイドロキシアパタイトと酵素可溶化コラーゲンを含み、ハイドロキシアパタイトのc軸がコラーゲン繊維に沿うように配向した微小多孔質構造を有する複合体で構成される、有機無機複合生体材料。

【請求項2】
ハイドロキシアパタイトとコラーゲンの重量比が3:2~9:1であることを特徴とする、請求項1記載の有機無機複合生体材料。

【請求項3】
反応容器内におけるカルシウムイオン濃度を3.75mM以下、リン酸イオン濃度を2.25mM以下に維持するように、カルシウム塩水溶液の平均送液速度が5~25ml/minで、リン酸塩水溶液はカルシウム塩水溶液と同時に滴下し終わ送液速度で、400mM以下のカルシウム塩水溶液と酵素可溶化コラーゲンを含む120mM以下のリン酸塩水溶液を、純水を含む反応容器内に同時に導入するステップであって、反応容器中の濃度が、出発物質濃度×平均送液速度/反応容器中の純水の量で求められる上記ステップと、得られた複合体を加圧成形するステップを含む、請求項1または2記載の有機無機複合生体材料の製造方法。

【請求項4】
前記反応容器内の反応液のpHが7~11であることを特徴とする、請求項記載の製造方法。

【請求項5】
前記反応液の温度が35~40℃であることを特徴とする、請求項3または4記載の製造方法。

【請求項6】
さらに、前記方法で得られた有機無機複合生体材料中のコラーゲンに架橋を導入する工程を含む、請求項3~5のいずれか1項に記載の製造方法。

【請求項7】
前記架橋が、グルタールアルデヒドを用いた架橋反応によって導入されることを特徴とする、請求項記載の製造方法。

【請求項8】
前記グルタールアルデヒドが、有機無機複合生体材料中のコラーゲン1gに対して10μmol~10mmol用いられることを特徴とする、請求項記載の製造方法。

【請求項9】
コラーゲンが架橋されていることを特徴とする、請求項1または2記載の有機無機複合生体材料。

【請求項10】
シート状、スポンジ状、または多孔体状に成形された、請求項1、2および9から選ばれるいずれか1項に記載の有機無機複合生体材料。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) CREST 分子複合系の構築と機能 領域
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