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マイコバクテリア由来リポタンパク/リポペプチド不応答性モデル動物 実績あり

国内特許コード P110003024
整理番号 B02P03
掲載日 2011年6月15日
出願番号 特願2002-173254
公開番号 特開2004-016051
登録番号 特許第3740094号
出願日 平成14年6月13日(2002.6.13)
公開日 平成16年1月22日(2004.1.22)
登録日 平成17年11月11日(2005.11.11)
発明者
  • 審良 静男
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 マイコバクテリア由来リポタンパク/リポペプチド不応答性モデル動物 実績あり
発明の概要 【課題】TLR1のインビボにおける役割を明らかにする上で有用な、マイコバクテリア由来リポタンパク/リポペプチドを特異的に認識するTLR1ノックアウトマウスや、これらを用いたマイコバクテリア由来リポタンパク/リポペプチドに対する応答の促進物質又は抑制物質のスクリーニング方法を提供すること。
【解決手段】TLR1の遺伝子を、マウス遺伝子ライブラリーから単離し、このTLR1遺伝子の細胞内領域及び膜貫通領域を含む遺伝子部位を、ネオマイシン耐性遺伝子に置き換え、またそれぞれの3’末端側にチミジンキナーゼをコードする遺伝子であるHSV-tk遺伝子を導入させて、G418とガンシクロビアに対して2重に抵抗力のあるES細胞クローンをスクリーニングし、このES細胞クローンをC57BL/6のマウスの胚盤胞中に注入し、その生殖系列をとおして出生してくるTLR1ノックアウトマウスを作製する。
従来技術、競合技術の概要


トール(Toll)遺伝子は、ショウジョウバエの胚発生中の背腹軸の決定(Cell 52, 269-279, 1988、Annu. Rev. Cell Dev. Biol. 12, 393-416, 1996)、また成体における侵入病原体を検出する自然免疫に関与しており(Nature 406, 782, 2000; Nat. Immunol. 2, 675, 2001; Annu. Rev. Immunol. 20, 197, 2002)、かかるTollは、細胞外領域にロイシンリッチリピート(LRR)を有するI型膜貫通受容体であり、この細胞質内領域は、哺乳類インターロイキン-1受容体(IL-1R)の細胞質内領域と相同性が高いことが明らかとなっている(Nature 351, 355-356, 1991、Annu. Rev. Cell Dev. Biol. 12, 393-416, 1996、J. Leukoc. Biol. 63, 650-657, 1998)。



近年、Toll様受容体(TLR:Tool Like Receptor)と呼ばれるTollの哺乳類のホモログが同定され(Nature 388, 394-397, 1997、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 95, 588-593, 1998、Blood 91, 4020-4027, 1998、Gene 231, 59-65, 1999)、ヒトTLRファミリーについては、TLR2やTLR4などこれまでに10種が報告されている。TLRファミリーの役割は、細菌の共通構造を認識するパターン認識受容体(PRR:pattern recognition receptor)として、別々の病原体会合分子パターン(PAMPs:pathogen-associated molecular patterns)を識別し、転写因子であるNF-κBの核内への移行を導く同様の細胞内シグナル伝達経路の活性化を引き起こす。かかるシグナル伝達経路は、最終的には炎症性サイトカインを産生させ、宿主防衛反応を誘起し、さらに獲得免疫に対しても宿主防衛反応を誘起させる。また、近年多くのTLRリガンドが報告されている。



TLR2は、ペプチドグリカン(PGN)、細菌由来トリアシル化リポタンパク質、マイコプラズマ由来ジアシル化リポタンパク質、及びTrypanosoma cruzi(クルーズトリパノソーマ)のGPIアンカーなどのさまざまな細菌成分を認識する(Science 285, 732, 1999; Science 285, 736, 1999; J.Biol. Chem. 274, 33419, 1999; Immunity 11, 443, 1999; J. Immunol. 164, 554, 2000; Nature 401, 811, 1999; J. Immunol. 167, 416, 2001)。TLR4は、グラム陰性菌の細胞壁に特異的な糖脂質であるLPSに応答する際必須である。TLR5は、細菌の鞭毛のタンパク質成分であるフラジェリンを認識するとされている。さらに、病原体特異的なヌクレオチド、及びヌクレオチド類似体もTLRが認識する。つまり、TLR3、TLR7及びTLR9は、ウィルス二重鎖RNA、イミダゾキノリン、非メチル化CpGモチーフを有する細菌DNAの認識に、それぞれ関与している(Nature 406, 782, 2000; Nat. Immunol. 2, 675, 2001; Annu. Rev. Immunol. 20, 197, 2002; Nat. Immunol. 3, 196, 2002)。



TLRはヘテロ二量体を形成するので、リガンドの特異性をさらに明確にすることができる。特に、TLR6は、TLR2と相互作用してマイコバクテリア由来リポタンパク質を識別する独特の性質を有している(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 97, 13766, 2000; Int. Immunol. 13, 933, 2001)。TLR6欠損(TLR6-/-)マウスは、マクロファージ活性化リポペプチド2-kD(MALP-2)と呼ばれるジアシル化マイコプラズマ由来リポペプチドに応答し、炎症性サイトカインを産生しない。その一方、トリアシル化細菌由来リポペプチドに対しては、正常な応答を示す。TLR2-/-マクロファージは、前記リポペプチドのどちらにも応答しない(Int. Immunol. 13, 933, 2001)。つまり、TLR6は、細菌病原体に由来するリポペプチドのアシル化における僅かな相違を区別していることがわかる。また、TLR2が別のTLRとともにヘテロ二量体を形成し、かかるトリアシル化リポペプチド中の他のPAMPsを識別するという可能性が生じる。



他方、リポタンパク質は、マイコバクテリア、グラム陰性菌、及びマイコプラズマ種を含む多様な病原体によって産生される(Microbiol. Rev. 60, 316, 1996)。N末端アシル化リポペプチド領域は、細菌由来及びマイコプラズマ由来リポタンパク質の免疫活性化作用に関与している。細菌由来のリポタンパク質とマイコプラズマ由来のリポタンパク質とでは、N末端システインのアシル化の程度が異なっている。細菌由来のリポタンパク質ではトリアシル化されているのに対し、マイコプラズマ由来のものではジアシル化されている(Trends Microbiol. 7, 493, 1999)。N-アシル-S-ジアシルシステイン及びS-ジアシルシステインがパルミトイル化してなる合成リポタンパク質類似体は、それぞれ細菌由来及びマイコプラズマ由来のリポタンパク質に似た免疫活性化作用を示す(Immunobiology 177, 158, 1988; J. Exp. Med. 185, 1951, 1997)。



TLR1はTLR6と類似性が高い(Gene 231, 59, 1999)。TLR1の過剰発現により、Staphylococcus epidermidis(表皮ブドウ球菌)から分泌されるフェノール可溶性タンパク質であるモジュリンに対し、TLR2を介する応答が阻害されると報告されている(J. Immunol. 166, 15, 2001)。一方、Neisseria meningitides(髄膜炎菌)から放出される可溶性因子の識別にTLR1が関与しているとの報告もある(J. Immunol. 165, 7125, 2000)。しかし、TLR1のインビボでのリガンドはまだ解明されていない。

産業上の利用分野


本発明は、マイコバクテリア由来リポタンパク/リポペプチドを特異的に認識するTLR1等のタンパク質をコードする遺伝子の機能が染色体上で欠損した、マイコバクテリア由来リポタンパク/リポペプチド不応答性モデル非ヒト動物や、これらモデル非ヒト動物を用いたマイコバクテリア由来リポタンパク/リポペプチドに対する応答の促進物質又は抑制物質のスクリーニング方法等に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
マイコバクテリア由来リポタンパク/リポペプチドを特異的に認識するタンパク質TLR1をコードする遺伝子の機能が染色体上で欠損した非ヒト動物を、マイコバクテリア由来リポタンパク/リポペプチド不応答性モデル動として使用する方法

【請求項2】
非ヒト動物が齧歯目動物であることを特徴とする請求項1記載の方法

【請求項3】
齧歯目動物がマウスであることを特徴とする請求項記載の方法
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) SORST 平成12年度採択課題
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