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ロボット指関節等に応用できる高感度トルクセンサ調整方法 コモンズ

国内特許コード P110003025
整理番号 Y02-P075
掲載日 2011年6月15日
出願番号 特願2002-175438
公開番号 特開2004-020368
登録番号 特許第4390126号
出願日 平成14年6月17日(2002.6.17)
公開日 平成16年1月22日(2004.1.22)
登録日 平成21年10月16日(2009.10.16)
発明者
  • 余 永
  • 石塚 喬
  • 辻尾 昇三
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 ロボット指関節等に応用できる高感度トルクセンサ調整方法 コモンズ
発明の概要 【課題】センサの材質および寸法を調整してアクチュエータトルクに存在するセンシングに必要なトルクを小さく調整する方法および、センサの感度拡大率とセンサの材質、寸法および上述した諸トルクの間の関係を明確にし、これらの関係を適当に調整して大きな感度拡大率を持たせるセンサを提供することを目的とする。
【解決手段】センサ機構1は、関節回転部2に装着し、モータ3と第1指リンク9の間にセンサ5と回転軸6が機構的に並列につながっている。指関節トルクを正確にセンシング及び制御するために、アクチュエータからのトルク=関節軸にかかるトルク+センサにかかるトルク、の関係からその三者中の任意の二者がそれぞれ線形関係を有し、それによってセンサ設計の時に三者間の関係を作業要求に応じて調整可能にしたことを特徴とするトルクセンシングを行う方法である。
【選択図】    図2
従来技術、競合技術の概要


ロボットの多指ハンドが性能を十分発揮するためには、ハンドの汎用性や操作性の良いことが重要な条件である。操りや協調作業を意識した場合に、指リンクの中間、つまり指の腹や背の部分をうまく使うことが有効であることは、我々人間の操り、包み込み把持や持ち替えなどを見ても明白である。このような指の協調操作を行うとき、ロボット多指ハンドにおける指関節のトルクをセンシングすることは、操作時の力情報を得るために必要であると考えられる。
機構的に見ると、回転1自由度をもつ関節において2本のリンクは関節軸によってつながっている。一般に、リンクの1つを関節軸に固定して、もう1つを関節軸の周りに回転させることが多い。この場合、アクチュエータなどから直接的にあるいは歯車やワイヤ、べルトなどを経由して間接的に関節軸を駆動すればリンク間の相対回転が生成できる。また、駆動されたリンクが負荷を受けるとき、関節軸、伝動装置またはアクチュエータのある表面部分に歪み変形などが発生し得る。



これまでの、回転関節トルクのセンシングを大きく2つに分類してみると、モータへの入力電流を計る間接的方法と、歪みゲ-ジなどを使用してトルク負荷を受けた部分の変形をトルクへ変換して計測する直接的方法とがある(浅田:計測自動制御学会論文集、vol.22、no.8、pp.75~80、1986)。前者の間接的方法では、計測精度が電磁気的な特性に依存してしまうので、使用環境によって精度が低下することがある。また、あらかじめ入力電流と出力トルクの関係を出しておきその関係と入力電流からトルクを計測するため、正確なトルクを決定するのは難しい。後者においては、トルク負荷を受けることにより歪み変形を起こす関節軸に直接歪みゲ-ジを貼るトルク計測法(塩田、谷口:実践メカトロニクス 「センサ」.産業図書、1983 他)が基本的な方法として知られているが、感度を上げようとすると軸の剛性を犠牲にしなければならない。このため、ロボットとしての動的影響が問題になる。これを改善するために、浅田のダイレクト・ドライブモ-タと関節軸の間に弾性体を取り付け、歪みゲ-ジを貼ってトルクを計測する方法や、Hashimotoのハ-モニックドライブのフレクスピラインに歪みゲ-ジを貼ることによるトルクセンサ(M.Hashimoto,T.Ishitsuka,I.Godler anndM.Horiuchi:“Velocity Dependence of the Characteristics of Harmonic Drive Bult-inTorque Sensing ,”Proc.of IEEE Int.Conf.on Robotics and Automation, vol.2,pp.1334-1339,May 2000)が提案されている。浅田らはダイレクト・ドライブア-ムにおいて入出力側のロ-タ慣性を調節しやすいことに注目し、その調節によって被計測部の剛性を低めても慣性比が十分小さい限り動的影響は無視できるとしてそのための条件を明らかにしている。Hashimotoらもハ-モニックドライブ減速機に含まれる既存の弾性体に歪みゲ-ジを貼り軸の剛性を低下させることなく関節トルクの計測に成功している。ただし、これらの方法は、サイズの大きなロボットア-ム関節には適用できるが、サイズの小さな指関節に応用することは困難であると考えられる。また、関節軸に固定したリンクの根元部分に弾性体を取り付け歪みゲ-ジを貼ってトルクを計測する方法(羅:“歪みフィ-ドバックによるフレキシブルロボットア-ムの制御の理論的実験的考察”,計測自動制御学会論文集,vol.28,no1,pp.67-76,1992 他)も提案されているが、このように導入された弾性体によりリンクの剛性を低下させることは避けられない。



一方、指関節でのトルク計測という目的に対して、金子らは腱駆動による指関節機構に対し、張力差動型トルクセンサを提案し(M.Kaneko,K.Yokoi and K.Tanie :“On a New Torque Sensor for Tendon Drive Finger,”IEEE Transaction on Robotics and Automation,vol.6,no.4,pp.501-507,1990.)、腱張力の変化からトルクを計測している。
指関節軸のトルク計測の難しい理由として、関節のサイズが小さいため、トルク負荷を受けた部分の歪み変形が小さくなったり、歪みゲ-ジを貼る十分なスペ-スが確保できないなどの問題が生ずる。このため、関節の剛性を低下させることなく、トルク負荷を受けた部分の歪み変形からトルクを直接計測することは困難である。



そこで、本発明者は、関節軸にトルクが加わったときの軸のねじり変形に注目し、関節軸にはり状のものを固定しておくことでねじり変形の影響を拡大して抽出することによって、トルクをセンシングする方法と高感度センサを発明した。この高感度センサはモ-タ駆動などの回転関節軸が存在する場合において、現在まで計測不可能なサイズの小さな関節でもトルクを計測可能にし、また、軸の剛性などに影響せずに高感度なトルクセンシングを実現することができることを示した(平成12年9月12日:日本ロボット学会学術講演会)。しかし、そこではセンサからの測定値とアクチュエータからのトルク間の関係については明確にされていない。したがって、センシングに必要なトルクがアクチュエータトルクの何割を占めるのは不明であり、関節トルクなどのセンサ値によるフィ-ドバック制御への実用は困難であった。
また、前記発明では、センサの感度拡大の可能性を示したが要求によってその感度拡大率が調整できるか、どのようにして高感度のセンサが得られるかについては明らかにされていない。

産業上の利用分野


本発明は、ロボット指関節などのようなサイズの小さい関節軸及びロボット以外のあらゆる関節軸において、高感度のトルクセンシングを行うことができるトルクセンシングに用いる高感度トルクセンサの調整方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
第1リンクと第2リンク間の回転関節にモータ駆動などの回転関節軸を有し、第2リンクに設けたモータの回転軸に回転可能に第1リンクを連結し、さらに前記回転軸に軸と直交的に、途中にくびれ部分を有し前記くびれ部分が変形可能な梁状をしたセンサ弾性体の一端を固定し、さらに前記センサ弾性体の他端を前記第1リンクに形成した対向する突起によって挟持することにより、前記センサ弾性体の他端側が回転可能でかつ前記弾性体の長手方向に変位可能で前記長手方向と直交方向には変位出来ないように拘束して構成した高感度トルクセンサの調整方法であって
モータからのトルク
=第1リンクを連結した関節軸にかかるトルク+センサ弾性体にかかるトルク
の式に基づき
センサの形状、材料を変えることにより、センサ弾性体にかかるトルクおよびセンシング感度に関わるセンサ弾性体歪変形を調整できることを特徴とする高感度トルクセンサの調整方法。

【請求項2】
前記センサは、形状、材料を変えることにより、センサ弾性体にかかるトルクおよびセンサ弾性体歪変形の調整で、一つの前記モータトルクに対して関節軸歪変形より弾性体歪変形を大きく調整してセンシング感度を高めることができるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の高感度トルクセンサの調整方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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