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高活性光触媒およびその製造方法

国内特許コード P110003027
整理番号 A062P94
掲載日 2011年6月15日
出願番号 特願2002-184748
公開番号 特開2004-025032
登録番号 特許第4357801号
出願日 平成14年6月25日(2002.6.25)
公開日 平成16年1月29日(2004.1.29)
登録日 平成21年8月14日(2009.8.14)
発明者
  • 田路 和幸
  • 岸本 章
  • 新子 貴史
出願人
  • 日鉄鉱業株式会社
  • 独立行政法人科学技術振興機構
発明の名称 高活性光触媒およびその製造方法
発明の概要

【課題】触媒活性が高く、毒性がなく、寿命が長く、可視光をそのまま光触媒反応に利用することができ、特に水素発生用に有用な光触媒およびその製造方法を提供する。
【解決手段】カドミウム化合物を含有してなり、カプセル構造を有し、平均粒径が100nm以下であり、ナトリウム化合物溶液にカドミウム塩溶液を滴下投入することにより、または、カドミウム化合物粒子の懸濁液にナトリウム化合物溶液を添加混合することによって製造できる。
【選択図】  なし

従来技術、競合技術の概要
太陽エネルギーから化学エネルギーを得る、すなわち、無限かつクリーンな水素エネルギーの利用は、人類が描いている一つの夢である。21世紀が抱えるエネルギー問題や化石エネルギーがもたらした二酸化炭素による地球の温暖化や酸性雨などの環境汚染もこのエネルギーの実用化により解決できる。
【0003】
A.Fujishima et.al, Nature, 238, 37(1972)に発表された本田・藤島効果は、光エネルギーを用いて水を酸素と水素に分解できることを示した最初の試みであった。その後、石油危機が全世界で問いただされた頃、この原理に基づいた光エネルギーを化学エネルギーに変換するための数多くの研究が活発に行われた。しかし、可視光領域での光エネルギー変換効率の改善がなされないまま現在に至っている。1980年から1990年にかけての活発な研究の成果は、光励起により生成した電子と正孔(ホール)が、水を分解する反応サイトに到達する前に、再結合することが、変換効率を決定することを示したことである。この結論に基づき反応サイト分離のために、層間化合物を利用する試みもなされた(S.Ikeda et. al., J. Mater. Res., 13, 852(1998))。しかし、徐々に変換効率の改善が成されたが、未だ、満足できる可視光領域での変換効率は達成されていない。それは、完全な反応サイトの分離、すなわち電子とホールの分離が達成されていないためである。
【0004】
先のような研究と同時に、溶液中のイオンの光吸収を利用した水素を生成する反応系の研究もなされた。J.Jortner, et. al., J. Phys. Chem., 68, 247(1964)において、ヨウ素イオンを含む酸性溶液中で、またK.Hara, et. al., J. Photochem. PhotoBiolo. A128, 27(1999)において、硫黄イオンを含むアルカリ溶液中で、高い量子効率で水素を生成することが示された。しかし、これらの反応は全て、光の波長250nm以下というエネルギーの高い紫外光により可能である。
【0005】
また、光触媒技術の応用は、環境汚染物質や悪臭成分・雑菌などの分解などの様々な化学反応を促進する特性を持つことから、抗菌効果のあるタイルや空気清浄機の抗菌・脱臭フィルターなどへの実用化が始まっている。さらに、有害物質に光触媒を作用させて有用な化学物質を得ることも可能である。例えば、原油の脱硫工程に応用することが考えられる。
【0006】
現在、一般的に行われている原油の脱硫工程は、原油を蒸留する際に、重質ナフサを水素化生成して原油に含まれるイオウ成分を全て硫化水素にして回収する。この硫化水素はクラウス法と呼ばれるプロセスを経て、イオウを酸化して回収する。クラウス法は、硫化水素の3分の1を酸化して亜硫酸ガスとし、これと残りの硫化水素とを反応させて元素イオウとするプロセスである。
【0007】
このプロセスでは、亜硫酸ガスと硫化水素の触媒反応だけではなく、加熱や凝縮を繰り返すために、膨大なエネルギーを要している。また、亜硫酸ガスの管理にコストがかかるなどの問題を有している。
硫化水素が溶解したアルカリ水に光触媒を加え、紫外線を照射し、その紫外線の光エネルギーを吸収して光触媒が発生する自由電子及び自由ホールにより、硫化水素が溶解したアルカリ水を酸化還元し、水素とイオウを得る方法、すなわち、光触媒により硫化水素を分解し、水素及びイオウを生成する方法が実用化できれば、より少ないエネルギーで有害物質である硫化水素を分解し、有用物質である水素及びイオウを生産することが可能になる。すなわち、環境問題の解決に寄与し、かつ、有用物質を安く生産できることになる。
【0008】
しかしながら、従来の光触媒は、以下に述べる解決すべき課題があった。第1に、触媒活性が低い。第2に、光触媒に毒性がある。光触媒に光照射すると、自由電子と自由正孔(ホール)が生じるが、再結合してしまう確率が高く、また、酸化還元反応により分解された化学物質が再び再結合して元の化合物に戻ってしまう確率も高く、触媒活性が低くなってしまう。
第3に、触媒の寿命が短い。光触媒に光照射すると、自由電子と自由正孔が生じるが、その強い酸化還元反応により、目的とする化学物質以外に触媒それ自身が酸化還元され、溶解してしまい、触媒作用を失うといった光溶解の問題がある。
【0009】
これに対して、特開2001-190964号公報では、触媒活性が高く、毒性がなく、寿命が長い光触媒を開示し上記3つの問題を解消した。
産業上の利用分野
本発明は、光触媒およびその製造方法に関し、詳細には、触媒活性が高く、毒性がなく、寿命が長く、可視光をそのまま光触媒反応に利用することができ、特に水素発生用等に有用な光触媒およびその製造方法に関する。
特許請求の範囲 【請求項1】 カドミウム化合物を含有してなり、カプセル構造を有し、且つ白金を担持している平均粒径が100nm以下である光触媒であって、前記カプセル構造は、少なくともカドミウムとイオウを構成元素として含む超微粒子無機層からなる外殻と空洞からなり、該超微粒子無機層は粒径1~10nmの光触媒活性を有する粒子からなることを特徴とする光触媒。
【請求項2】 平均粒径が50nm以下である請求項1記載の光触媒。
【請求項3】 前記カドミウム化合物が硫化カドミウムである請求項1記載の光触媒。
【請求項4】 表面から内部にかけて貫通した孔を有していることを特徴とする請求項1記載の光触媒。
【請求項5】 前記孔を多数有していることを特徴とする請求項記載の光触媒。
【請求項6】 亜硫酸ナトリウム溶液と硫化ナトリウム溶液との混合液に硝酸カドミウム溶液を添加混合し、生成した粒子懸濁液の粒子に白金を担持させることにより、請求項1に記載の光触媒を得ることを特徴とする光触媒の製造方法。
【請求項7】 水酸化ナトリウムを含有する溶液に硝酸カドミウム溶液を混合することにより水酸化カドミウム粒子の懸濁液を調製し、この水酸化カドミウム粒子の懸濁液にイオウを含むナトリウム化合物溶液を添加混合し、生成した粒子懸濁液の粒子に白金を担持させることにより、請求項1に記載の光触媒を得ることを特徴とする光触媒の製造方法。
【請求項8】 前記水酸化ナトリウムを含有する溶液に塩化物を含有させることを特徴とする請求項記載の光触媒の製造方法。
【請求項9】 前記塩化物が塩化ナトリウムであることを特徴とする請求項記載の光触媒の製造方法。
【請求項10】 前記ナトリウム化合物が硫化ナトリウムであることを特徴とする請求項記載の光触媒の製造方法。
【請求項11】 得られた光触媒粒子を更に亜硫酸ナトリウムを含有する溶液に懸濁し、光を照射することを特徴とする請求項または記載の光触媒の製造方法。
【請求項12】 前記光が可視光であることを特徴とする請求項1記載の光触媒の製造方法。
【請求項13】 前記光が太陽光または擬似太陽光であることを特徴とする請求項1記載の光触媒の製造方法。
産業区分
  • その他無機化学
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
参考情報 (研究プロジェクト等) CREST 極限環境状態における現象 領域
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