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電磁波周波数フィルタ

国内特許コード P110003080
整理番号 A112P62
掲載日 2011年6月16日
出願番号 特願2002-378438
公開番号 特開2004-212416
登録番号 特許第3692354号
出願日 平成14年12月26日(2002.12.26)
公開日 平成16年7月29日(2004.7.29)
登録日 平成17年6月24日(2005.6.24)
発明者
  • 野田 進
  • 浅野 卓
  • 高野 仁路
出願人
  • 独立行政法人科学技術振興機構
  • パナソニツク電工株式会社
発明の名称 電磁波周波数フィルタ
発明の概要

【課題】2つの導波路間で所定の周波数の電磁波を高い効率で授受することができる電磁波周波数フィルタを提供する。
【解決手段】入力導波路13と出力導波路14との間に、両導波路に近接して、所定の周波数の電磁波に共振する共振器15を設ける。出力導波路14は、共振器15近傍の所定範囲18においては入力導波路と平行とし、それ以外の範囲では入力導波路13の間の距離が所定範囲18内におけるそれよりも長くなるようにする。これにより、所定周波数の電磁波が共振器15を介して入力導波路13と出力導波路14との間で授受される。一方、所定範囲18以外の範囲において、所定周波数以外のノイズとなる電磁波が入力導波路13と出力導波路14との間で授受されることは抑制される。この電磁波周波数フィルタは、2次元フォトニック結晶を用いて好適に構成することができる。
【選択図】 図1

従来技術、競合技術の概要
光通信においては、単位時間に送信できる情報量を増大させるために、一本の伝送路に複数の波長(周波数)の光を伝播させ、それぞれに別個の信号を乗せる波長分割多重方式が用いられている。この波長分割多重方式においては、伝送路の入口側で各波長の光を混合し、混合された光を出口側で各波長ごとに取り出す。そのために、光の合波器及び分波器、あるいは波長フィルタ(周波数フィルタ)が必要となる。
【0003】
そのような分波器として、現在はアレイ導波路回折格子が用いられている。しかし、アレイ導波路回折格子では通常、石英系光導波路を用いており、光の損失を小さくするために現状では数cm角程度の大きなものを用いざるを得ない。そこで、分波器の小型化を図るために、フォトニック結晶を用いた周波数フィルタが検討されている。
【0004】
フォトニック結晶とは周期屈折率分布をもった光学機能材料であり、光子のエネルギーに対してバンド構造を形成する。特に、光の伝播が不可能となるエネルギー領域(フォトニックバンドギャップ)が形成されることが特徴である。このフォトニック結晶中に適切な欠陥を導入することにより、フォトニックバンドギャップ中にこの欠陥によるエネルギー準位(欠陥準位)が形成される。これによって、上記フォトニックバンドギャップ中のエネルギーに対応する周波数範囲のうち、欠陥準位のエネルギーに対応する周波数の光のみが存在可能になる。結晶中の上記欠陥を線状にすれば所定の周波数の光を伝播する光導波路となり、結晶中の欠陥を点状にすれば所定の周波数の光に共振する光共振器となる。
【0005】
特許文献1には、円柱孔を三角格子状に周期的に配列することによって周期屈折率分布を設けた2次元フォトニック結晶において、この円柱孔を線状に欠損させることによって導波路を形成し([0025]、図1)、導波路近傍に点欠陥を形成する([0029]、図1)ことが記載されている。特許文献1においては、実施例として周期的に配列された円柱孔の径を大きくすることによって形成される点欠陥について検討している。この構成によって、導波路を伝播する光のうち点欠陥の共振周波数を有する光を外部に取り出す分波器、及び点欠陥の共振周波数を有する光を外部から導波路に導入する合波器が作製される。
【0006】
【特許文献1】
特開2001-272555号公報([0025]、[0029]、図1)
【0007】
また、本願発明者らは、特願2002-086221号出願において、周期屈折率分布を形成する異屈折率領域のうち隣接する2個以上の異屈折率領域を欠陥とすることによってクラスタ欠陥を形成することを提案している。ここで異屈折率領域の欠陥は、その異屈折率領域の屈折率を他の異屈折率領域の屈折率と異なるものとすることによって形成する。他の異屈折率領域よりも屈折率が高いものをドナー型欠陥、低いものをアクセプタ型欠陥と呼ぶ。前記特許文献1に記載の、円柱孔を大きくすることによって形成する欠陥はアクセプタ型欠陥であり、異屈折率領域を設けないことによって形成する欠陥はドナー型欠陥である。クラスタ欠陥と、1個の異屈折率領域のみを欠損させて形成される点欠陥とを総称して「点状欠陥」と呼ぶ。
【0008】
前記特願2002-086221号出願において、本願発明者らは更に、それぞれ異なる周期で異屈折率領域を配置した複数の禁制帯領域を有し、それぞれの禁制帯領域に点状欠陥を設けた面内へテロ構造2次元フォトニック結晶を提案している。これにより、各禁制帯領域に同じ形状の点状欠陥を設けた場合にも、異屈折率領域の周期の違いにより、各点状欠陥はそれぞれ異なる周波数の光に共振する。
【0009】
特許文献1及び特願2002-086221号出願の波長分合波器においては、点状欠陥を介して導波路と外部との間で光の導入及び取り出しを行っている。一方、特許文献2には、2次元フォトニック結晶内に2つの直線導波路を設け、この2つの直線導波路の間に点状欠陥を設ける(特許文献2の図3及び図8参照)ことが記載されている。この構成によって、点状欠陥の共振周波数を有する光を一方の導波路から他方の導波路に導入する。これは合波器となる。また、一方の導波路に複数の周波数が重畳した光を伝播させ、そこから所定の周波数の光のみを他方の導波路に取り出す分波器ともなる。
【0010】
【特許文献2】
特表2001-508887号公報(図3、図8)
産業上の利用分野
本発明は、所定の周波数の光や電磁波を導波路から取り出す周波数フィルタに関する。この周波数フィルタは光通信の分野等において用いられる。
特許請求の範囲 【請求項1】 a)スラブ状の本体内に2以上の禁制帯領域を設け、各禁制帯領域内において、各禁制帯領域毎に異なる周期で周期的に本体に配列された複数の、本体とは屈折率の異なる領域を設けた面内ヘテロ構造2次元フォトニック結晶と、
b)各禁制帯領域内において前記異屈折率領域の欠陥を線状に設けることにより形成され、全禁制帯領域を通過する入力導波路と、
c)各禁制帯領域毎に前記異屈折率領域の欠陥を線状に設けることにより形成される導波路であって、その長手方向の所定の範囲における前記入力導波路との距離が前記所定範囲外における前記入力導波路との距離よりも小さくなるように配置される出力導波路と、
d)前記入力導波路と出力導波路との間の前記所定範囲内に配置され、所定の周波数の電磁波に共振する点状欠陥から成る共振器と、
を備え、
各禁制帯領域における入力導波路の透過周波数帯域の一部が、その禁制帯領域の一方の側にある全ての禁制帯領域の入力導波路透過周波数帯域に含まれず、それとは反対側にある全ての禁制帯領域の入力導波路透過周波数帯域に含まれ、各禁制帯領域に設けられる前記共振器における共振周波数が、前記一部の透過周波数帯域に含まれる、
ことを特徴とする電磁波周波数フィルタ。
【請求項2】 前記各禁制帯領域において、前記一方の側の隣接禁制帯領域との境界面とその禁制帯領域に属する共振器の間の距離を、その禁制帯領域の共振器の共振周波数を有しこの共振器で反射される電磁波と、同周波数でこの点状欠陥を通過し禁制帯領域境界面で反射される電磁波との位相差がπとなるように、設定したことを特徴とする請求項1に記載の電磁波周波数フィルタ。
【請求項3】 a)スラブ状の本体に周期的に配列された複数の、本体とは屈折率の異なる領域を設けた2次元フォトニック結晶と、
b)前記異屈折率領域の欠陥を線状に設けることにより形成される入力導波路と、
c)前記異屈折率領域の欠陥を線状に設けることにより形成される導波路であって、その長手方向の所定の範囲における前記入力導波路との距離が前記所定範囲外における前記入力導波路との距離よりも小さくなるように配置される出力導波路と、
d)前記入力導波路と出力導波路との間の前記所定範囲内に配置され、所定の周波数の電磁波に共振する点状欠陥から成る共振器と、
e)前記出力導波路に設けた、前記共振器の共振周波数を有する電磁波を反射する反射部であって、該共振器から出力導波路に導入される電磁波と該反射部により反射される電磁波との位相差が0になるように、共振器との間の距離を設定した反射部と、
を備えることを特徴とする電磁波周波数フィルタ。
【請求項4】 a)スラブ状の本体に周期的に配列された複数の、本体とは屈折率の異なる領域を設けた2次元フォトニック結晶と、
b)前記異屈折率領域の欠陥を線状に設けることにより形成される入力導波路と、
c)前記異屈折率領域の欠陥を線状に設けることにより形成される導波路であって、その長手方向の所定の範囲における前記入力導波路との距離が前記所定範囲外における前記入力導波路との距離よりも小さくなるように配置される出力導波路と、
d)前記入力導波路と出力導波路との間の前記所定範囲内に配置され、所定の周波数の電磁波に共振する点状欠陥から成る共振器と、
e)前記出力導波路に設けた、前記共振器の共振周波数を有する電磁波を反射する反射部であって、該共振器により反射される電磁波と該反射部により反射される電磁波との位相差がπになるように共振器との間の距離を設定した反射部と、
を備えることを特徴とする電磁波周波数フィルタ。
【請求項5】 前記反射部が、出力導波路の端部、前記所定範囲の端に設けた屈曲部、所定範囲の端以外の位置に設けた屈曲部、及び前記一方の側の隣接禁制帯領域との境界面のいずれかから成ることを特徴とする請求項3又は4に記載の電磁波周波数フィルタ。
【請求項6】 前記入力導波路及び出力導波路のいずれか一方又は両方が前記所定範囲の端に屈曲部を有することを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の電磁波周波数フィルタ。
【請求項7】 前記共振器の共振周波数が、前記屈曲部の高透過率周波数帯域に含まれることを特徴とする請求項6に記載の電磁波周波数フィルタ。
【請求項8】 前記屈曲部における異屈折率領域が屈折率、周期、形状又は大きさの少なくともいずれかにおいて他の異屈折率領域と異なることを特徴とする請求項7に記載の電磁波周波数フィルタ。
【請求項9】 前記点状欠陥が異屈折率領域を欠損させることにより形成されるドナー型点状欠陥であることを特徴とする請求項1~8のいずれかに記載の電磁波周波数フィルタ。
【請求項10】 前記点状欠陥が直線状に隣接する3個の異屈折率領域を欠損させることによって形成される直線状ドナー型クラスタ欠陥であることを特徴とする請求項9に記載の電磁波周波数フィルタ。
【請求項11】 少なくとも1つの前記共振器の一部又は全部が、外部からの作用により屈折率が変化する材料から成ることを特徴とする請求項1~10のいずれかに記載の電磁波周波数フィルタ。
【請求項12】 少なくとも1つの前記共振器が、共振する電磁波の一部を外部へ放射することを特徴とする請求項1~11のいずれかに記載の電磁波周波数フィルタ。
産業区分
  • 光学装置
  • 伝送方式
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2002378438thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
参考情報 (研究プロジェクト等) CREST 電子・光子等の機能制御 領域
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