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ヒドロキシケトン化合物の製造方法 コモンズ

国内特許コード P110003127
整理番号 B12P08
掲載日 2011年6月16日
出願番号 特願2003-054697
公開番号 特開2004-262826
登録番号 特許第3883972号
出願日 平成15年2月28日(2003.2.28)
公開日 平成16年9月24日(2004.9.24)
登録日 平成18年11月24日(2006.11.24)
発明者
  • 斎藤 進
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 ヒドロキシケトン化合物の製造方法 コモンズ
発明の概要 【課題】生理活性を有し、医薬や、液晶材料等の合成において重要な原料となり得るヒドロキシケトン化合物を、金属を含有しない触媒を用いて環境破壊を抑制し、反応系の脱水処理を不要として、カルボニル基質が水溶性であっても、直接的にヒドロキシケトン化合物を製造することができ、ジアステレオ選択的、エナンチオ選択的に高収率で、過酷な条件を必要とせず効率よく製造できるヒドロキシケトン化合物の製造方法を提供し、種々の生理活性物質等の中間体となるβ-ヒドロキシケトン化合物を直接的に、ジアステレオ選択的、エナンチオ選択的に高収率で得ることにより、これらの化合物の合成を可能とする。
【解決手段】テトラゾール環と、テトラゾール環の炭素原子のβ位に窒素原子を有する複素環を有するテトラゾール誘導体を含有する触媒を用い、2つのカルボニル基質を結合させる。
従来技術、競合技術の概要


従来から、ヒドロキシケトン化合物は、生理活性物質の天然物の部分骨格構築のために最も重量な炭素、炭素結合を有する化合物であり、特に、β-ヒドロキシケトン化合物は、α-ヒドロキシカルボン酸やα-アミノ酸の合成等価体であり、種々の生理活性物質や、医薬、液晶材料の合成の中間体となり得る極めて重要な合成ビルディングブロックである。かかるヒドロキシケトン化合物は2種のカルボニル基質を混ぜ合わせて、直接クロスカップリングさせることにより、効率的に炭素、炭素結合を生成する不斉アルドール反応によって生成される。かかる不斉アルドール反応に用いられる触媒として、不斉ランタニド触媒(例えば、非特許文献1参照。)や、2核亜鉛触媒(例えば、非特許文献2参照。)等の金属触媒が挙げられるが、いずれも、反応系の脱水処理が不可欠であり、環境上も問題がある。これに対し、今後ますます重要性が増加することが予測される環境調和型の非金属触媒として、プロリン触媒がある(例えば、非特許文献3参照。)。また、液体二酸化炭素または超臨界二酸化炭素中、特定の一分子内にエーテルユニット及びアルコールユニットを有する化合物と酸触媒下でアルドール化合物を製造する方法(例えば、特許文献1参照。)等があった。しかしながら、プロリンは触媒活性が比較的低いため基質適用範囲が狭く、水を加えた反応ではその量に応じて不斉収率が減少することが報告されている(例えば、非特許文献4参照。)。
一方、アルドール反応は水の存在により進行が妨げられるため、水溶性アルデヒドはアルドール反応によって製造することができず、また、アルドール反応を適用したアルドール化合物の製造においては、使用される原料、触媒、溶媒等は脱水処理により精製された後に使用されている。これらの脱水処理等の精製を回避することができれば、有利にアルドール化合物の合成を行うことができ、更に、水溶性アルデヒドを出発物質として水中で反応を進行させることができれば、製造上極めて有利であるところから、アルドール反応において水中で進行させることが長い間懸案事項とされていた。このような水中で行うアルドール反応として、不斉銅触媒を使用する方法(例えば、非特許文献5参照。)や、ホウ素酸、界面活性剤、ブレーンステッド酸の存在下、水媒体中で反応を行う方法(例えば、特許文献2参照。)や、トリフルオロメタンスルホン酸ランタニドとキラルなクラウンエーテル触媒を使用する方法(例えば、特許文献3参照。)等が明らかにされている。



【特許文献1】
特開2002-284729号公報
【特許文献2】
特開2002-275120号公報
【特許文献3】
特開2002-200428号公報
【非特許文献1】
Shibazaki、et all著「Angew.Chem.35」1996年p.1668
【非特許文献2】
Trost著「J.Am.Chem.Soc.122」2000年p.12003
【非特許文献3】
List、Barabs、Lerner著「J.Am.Chem.Soc.122」2000年p.2396
【非特許文献4】
List、Barabs、Lerner著「J.Am.Chem.Soc.3」2001年p.573
【非特許文献5】
Kobayashi著「Tetrahedron 55」1999年p.8739
【非特許文献6】
「Synlett」2001年p.1245



しかしながら、水中で行うアルドール化合物の製造方法としては金属触媒を使用し、あるいは金属触媒を使用しない環境負荷に有利な方法でも反応温度、圧力等の反応条件が過酷であり、また、これらはいずれの場合もシリルエノールエーテルとカルボニル化合物を用いる向山アルドール反応を使用しており、金属触媒を使用せずに、穏やかな条件で水のもつ正の効果を証明し、水を積極的に使用して、直接的にアルドール化合物を製造する方法は知られていない。

産業上の利用分野


本発明は、医薬や、生理活性を有する有機材料や、液晶等の鍵原料となるヒドロキシケトン化合物の製造方法や、これに使用する触媒に関し、詳しくは、反応系の脱水操作を不要とすることができるヒドロキシケトンの製造方法や、これに使用する触媒に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
一般式(I)
【化1】


(式中、Zは、未置換又は置換基を有する員環を表す。)で示されるテトラゾール誘導体を含有する触媒を用い、二つのカルボニル基質を結合させることを特徴とするヒドロキシケトン化合物の製造方法。

【請求項2】
テトラゾール誘導体が、式(II)
【化2】


で示される化合物であることを特徴とする請求項1記載のヒドロキシケトン化合物の製造方法。

【請求項3】
少なくとも一つのカルボニル基質が、一般式(III)
【化3】


(式中、R、Rは、独立して水素原子、又は、未置換若しくは置換基を有するアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基若しくはアリール基を表し、相互に結合して環を形成していてもよい。)で示される化合物であることを特徴とする請求項1又は2記載のヒドロキシケトン化合物の製造方法。

【請求項4】
カルボニル基質が、水和物形成容易性及び/又は水溶性であることを特徴とする請求項1~3記載のヒドロキシケトン化合物の製造方法。

【請求項5】
一つのカルボニル基質が、一般式(IV)
【化4】


(式中、Rは水素原子、アルキル基、アルケニル基又はアリール基を表し、Rはパーハロゲノアルキル基を表す。)で示される化合物であることを特徴とする請求項1~4のいずれか記載のヒドロキシケトン化合物の製造方法。

【請求項6】
一つのカルボニル基質が、一般式(IV)で示される化合物の水和物であることを特徴とする請求項5記載のヒドロキシケトン化合物の製造方法。

【請求項7】
一般式(IV)で示される化合物の水和物が、一般式(V)
【化5】


(式中、Rはパーハロゲノアルキル基を表す。)で示されるアルデヒド・一水和物であることを特徴とする請求項6記載のヒドロキシケトン化合物の製造方法。

【請求項8】
一つのカルボニル基質が、一般式(V)で示されるアルデヒド・一水和物のモノエーテル化合物であることを特徴とする請求項7記載のヒドロキシケトン化合物の製造方法。

【請求項9】
ヒドロキシケトン化合物が、β-ヒドロキシケトン化合物であることを特徴とする請求項1~8のいずれか記載のヒドロキシケトン化合物の製造方法。

【請求項10】
β-ヒドロキシケトン化合物が、γ-トリハロゲノ-β-ヒドロキシケトン化合物であることを特徴とする請求項9記載のヒドロキシケトン化合物の製造方法。

【請求項11】
溶媒が、水を含有することを特徴とする請求項1~10のいずれか記載のヒドロキシケトン化合物の製造方法。

【請求項12】
水の含有量を変化させることにより、アンチ体とシン体の収率比又はエナンチオ選択率を調整することを特徴とする請求項1~11のいずれか記載のヒドロキシケトン化合物の製造方法。

【請求項13】
溶媒が、アセトニトリルを含有することを特徴とする請求項1~12のいずれか記載のヒドロキシケトン化合物の製造方法。

【請求項14】
カルボニル基質、触媒及び/又は溶媒の脱水処理工程を含まないことを特徴とする請求項1~13のいずれか記載のヒドロキシケトン化合物の製造方法。

【請求項15】
空気中で行うことを特徴とする請求項1~14のいずれか記載のヒドロキシケトン化合物の製造方法。

【請求項16】
0~60℃の温度で行うことを特徴とする請求項1~15のいずれか記載のヒドロキシケトン化合物の製造方法。

【請求項17】
2つのカルボニル基質を結合させるヒドロキシケトン化合物製造用触媒であって、一般式(I)
【化6】


(式中、Zは、未置換又は置換基を有する員環を表す。)で示されるテトラゾール誘導体を含有することを特徴とするヒドロキシケトン化合物製造用触媒。

【請求項18】
テトラゾール誘導体が、式(II)
【化7】


で示される化合物であることを特徴とする請求項17記載のヒドロキシケトン化合物製造用触媒。

【請求項19】
少なくとも一つのカルボニル基質が、一般式(III)
【化8】


(式中、R、Rは、独立して水素原子、又は、未置換若しくは置換基を有するアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基若しくはアリール基を表し、相互に結合して環を形成していてもよい。)で示される化合物であることを特徴とする請求項17又は18記載のヒドロキシケトン化合物製造用触媒。

【請求項20】
カルボニル基質が、水和物形成容易性及び/又は水溶性であることを特徴とする請求項17~19のいずれか記載のヒドロキシケトン化合物製造用触媒。

【請求項21】
一つのカルボニル基質が、一般式(IV)
【化9】


(式中、Rは水素原子、アルキル基、アルケニル基又はアリール基を表し、Rはパーハロゲノアルキル基を表す。)で示される化合物であることを特徴とする請求項17~20のいずれか記載のヒドロキシケトン化合物製造用触媒。

【請求項22】
一つのカルボニル基質が、一般式(IV)で示される化合物の水和物であることを特徴とする請求項21記載のヒドロキシケトン化合物製造用触媒。

【請求項23】
一般式(IV)で示される化合物の水和物が、一般式(V)
【化10】


(式中、Rはパーハロゲノアルキル基を表す。)で示されるアルデヒド・一水和物であることを特徴とする請求項22記載のヒドロキシケトン化合物製造用触媒。

【請求項24】
一つのカルボニル基質が、一般式(V)で示されるアルデヒド・一水和物のモノエーテル化合物であることを特徴とする請求項23記載のヒドロキシケトン化合物製造用触媒。

【請求項25】
ヒドロキシケトン化合物が、β-ヒドロキシケトン化合物であることを特徴とする請求項17~24のいずれか記載のヒドロキシケトン化合物製造用触媒。

【請求項26】
β-ヒドロキシケトン化合物が、γ-トリハロゲノ-β-ヒドロキシケトン化合物であることを特徴とする請求項25記載のヒドロキシケトン化合物製造用触媒。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) SORST 平成12年度採択課題
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