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気体センシングシステムとこれに用いる温度センサ 実績あり

国内特許コード P110003140
整理番号 Y02-P476
掲載日 2011年6月16日
出願番号 特願2003-076619
公開番号 特開2004-286492
登録番号 特許第4172697号
出願日 平成15年3月19日(2003.3.19)
公開日 平成16年10月14日(2004.10.14)
登録日 平成20年8月22日(2008.8.22)
発明者
  • 木村 光照
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 気体センシングシステムとこれに用いる温度センサ 実績あり
発明の概要 【課題】200℃以上の周囲温度でも計測できる水蒸気などの気体の成分と濃度や流速、真空度などの物理量を容易に検出できる気体センシングシステム及びそのための温度センサを提供する。
【解決手段】センサチップには、半導体の基板1を用い、この基板から熱分離した薄膜4に、薄膜のヒータ6と、1個または2個の温度センサとを集積化させ、2個の温度センサTSa、TSbを用いた場合は、これらの温度差を検出し、必要に応じ基板に周囲温度Tcを測定する温度センサTScを設けて、これらの温度情報を利用する。また、更に必要に応じ、薄膜4に薄膜触媒300を形成して、反応熱を利用する。
【選択図】 図4
従来技術、競合技術の概要


これまで、本願発明者は、極めてコンパクトで、消費電力が小さく、高速応答の熱伝導式の絶対湿度センサを開発し報告してきた(例えば、特許文献1、特許文献2、非特許文献1参照。)。しかし、従来の熱伝導式の絶対湿度センサは、薄膜ヒータの抵抗体として白金薄膜を利用し、かつ、温度センサとしても、この白金薄膜の抵抗の抵抗温度係数を利用しており、ヒータと温度センサとを兼用していた。そこでは、周囲温度の影響を除いて、絶対湿度を計測するために、パルス電圧を薄膜ヒータに印加して、周囲温度よりも高い異なる2つの温度(温度Taと温度Tb)になるように制御し、水蒸気の量により湿潤空気の熱伝導率が左右されない温度Taとして120から150℃を選び、実際の水蒸気の量による湿潤空気の熱伝導率の変化を検出する温度Tbとして、300℃以上の温度を選んでいた。



また、本願発明者は、特定ガスを水蒸気とした「ガス濃度測定装置」を発明してきた(例えば、特許文献3参照。)。そこでは、ヒータと温度センサとを分離し、ヒータは金属よりも抵抗が大きく、製作が簡便なシリコンの拡散抵抗を利用し、温度センサとして高感度な半導体ダイオードを用いるもので、どちらもIC化に適するものであった。



また、従来、フローセンサとして、基板から熱分離した薄膜上に、白金ヒータとその白金ヒータを挟み上流側と下流側にやはり白金細線による電気抵抗変化を利用する温度センサを配置し、上流側と下流側の流れによる温度差を検出して気流を計測するフローセンサが「流速センサ」として報告されていた(例えば、特許文献3参照。)。そこでは、基板から熱分離した薄膜上に、異方性エッチングで空洞3部を製作しやすくするために、多数のスリットが設けられていた。



【特許文献1】
特開平8-184575号公報
【特許文献2】
特開平8-184576号公報
【特許文献3】
特願2001-295032
【特許文献4】
特開平4-5572号公報
【非特許文献1】
「Sensors and Actuators」M.Kimura、eTal.;“Application of the air-bridge microheater to gas detection”,B24-25(1995)、pp857-860

産業上の利用分野


本発明は、基板から熱分離した薄膜に形成したヒータと温度センサとを備えた気体センシングシステム及びそのための高感度でIC化可能な温度センサに関するもので、気体中の湿度も含むガス成分の検出および分析、気体のフローセンサや真空センサなどに利用できるものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
基板(1)から熱分離した一続きの薄膜(4)に、少なくとも1個のヒータ(6)と該ヒータ(6)の場所Aの温度Taを検出する温度センサTSaと、熱抵抗を有するようにヒータ(6)から距離を隔てた場所Bに配置されてあり、その場所Bの温度Tbを検出する温度センサTSbとを備え、場所Aの温度Taもしくは場所Bの温度Tbが一定値になるようにヒータ(6)の温度を制御してあり、薄膜(4)に接する周囲気体への熱伝導の変化により、場所Aと場所Bに温度差が生じるように構成し、温度センサTSaと温度センサTSbとの出力と、該出力による場所Aと場所Bの温度差情報と、周囲気体の温度Tcを検出する温度センサTScからの出力とを利用して周囲気体の物理量を計測するものであって、周囲気体の温度が、温度Tc以上の所定の温度Tlと、この温度Tlを越えた所定の温度Thとになった時、周囲気体の熱伝導率の差が、周囲気体中の被検出気体の含有量に直線関係であることを利用するものであり、場所Aの温度Taもしくは場所Bの温度Tbが、上記所定の温度Tlと温度Thとの一定値になるようにヒータ(6)の温度を制御してあり、この温度Tlと温度Thにおける周囲気体の熱伝導率の差を求めるようにして、物理量としての被検出気体の含有量を計測するようにしたことを特徴とする気体センシングシステム。

【請求項2】
湿潤空気を周囲気体、被検出気体を水蒸気とした請求項1に記載の気体センシングシステム。

【請求項3】
一個のヒータ(6)に一定時間内に異なる2つのパルス電圧を印加することにより、場所Aもしくは場所Bのうち、一定値になるように制御した一方の場所の温度が周囲気体の温度Tcを越える所定の温度Tlと、この温度Tlを越えた所定の温度Thとになるように切り替えて制御し、温度Tlと温度Th、温度Taと温度Tbに設定した時のそれぞれの場所Aの温度Taと場所Bの温度Tb、および周囲気体の温度Tcを利用して、被検出気体の含有量を算出できるようにした請求項もしくは請求項2に記載の気体センシングシステム。

【請求項4】
基板(1)から熱分離し独立した2個の一続きの薄膜(4)のそれぞれに、1個のヒータ(6)と、該ヒータ(6)のそれぞれの場所Aの温度Taを検出する温度センサTSaと、熱抵抗を有するようにヒータ(6)から距離を隔てた場所Bに配置されてあり、その場所Bの温度Tbを検出する温度センサTSbとを備え、一方の薄膜(4)の場所Aの温度Taもしくは場所Bの温度Tbが、所定の温度Tl、他方の薄膜(4)の場所Aの温度Taもしくは場所Bの温度Tbが所定の温度Thの一定値になるようにヒータ(6)の温度を制御した請求項もしくは請求項2に記載の気体センシングシステム。

【請求項5】
温度センサTScを基板に形成した請求項から請求項のいずれかに記載の気体センシングシステム。

【請求項6】
物理量として気体の流量もしくは流速とした請求項もしくは請求項5に記載の気体センシングシステム。

【請求項7】
物理量として真空度とした請求項もしくは請求項5に記載の気体センシングシステム。

【請求項8】
場所Aと場所Bとの間の薄膜(4)にスリット(45)を設けて熱抵抗を大きくさせた請求項から請求項のいずれかに記載の気体センシングシステム。

【請求項9】
所定の基準状態での温度センサTSaもしくは温度センサTSbの出力を調節して、その基準状態で温度センサTSaの出力と温度センサTSbの出力の差動増幅出力値がゼロになるように構成し、このゼロ出力を基準にして周囲気体の物理量、成分もしくは気体の濃度を計測するようにした請求項1から請求項8のいずれかに記載の気体センシングシステム。

【請求項10】
基板(1)から熱分離した一続きの薄膜(4)に、少なくとも1個のヒータ(6)と該ヒータ(6)の場所Aの温度Taを検出する温度センサTSaと、熱抵抗を有するようにヒータ(6)から距離を隔てた場所Bに配置されてあり、その場所Bの温度Tbを検出する温度センサTSbとを備えた構造を有する気体センシングシステムの温度センサにおいて、温度センサTSaおよび温度センサTSbをバイポーラトランジスタもしくは半導体ダイオードとしたことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載の気体センシングシステムに用いる温度センサ。

【請求項11】
場所Aと場所Bとの間の薄膜(4)にスリット(45)を設けて、場所Aと場所B間の熱抵抗を大きくさせた構造体に形成した請求項10に記載の気体センシングシステムに用いる温度センサ。
国際特許分類(IPC)
Fターム
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出願権利状態 登録
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