TOP > 国内特許検索 > ハイドロキシアパタイト複合体およびその製造方法、ならびに、それを用いた医療用材料

ハイドロキシアパタイト複合体およびその製造方法、ならびに、それを用いた医療用材料

国内特許コード P110003160
整理番号 K020P17
掲載日 2011年6月17日
出願番号 特願2003-122961
公開番号 特開2004-051952
登録番号 特許第3836444号
出願日 平成15年4月25日(2003.4.25)
公開日 平成16年2月19日(2004.2.19)
登録日 平成18年8月4日(2006.8.4)
優先権データ
  • 特願2002-158278 (2002.5.30) JP
発明者
  • 古薗 勉
  • 岸田 晶夫
  • 田中 順三
  • 松田 篤
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
  • 国立研究開発法人物質・材料研究機構
  • 国立研究開発法人国立循環器病研究センター
発明の名称 ハイドロキシアパタイト複合体およびその製造方法、ならびに、それを用いた医療用材料
発明の概要 【課題】ハイドロキシアパタイト複合体の製造方法を提供する。
【解決手段】ハイドロキシアパタイト焼結体が、イソシアネート基およびアルコキシシリル基からなる群より選ばれる少なくとも1つの官能基を有する高分子基材に化学結合してなるハイドロキシアパタイト複合体の製造方法であって、上記高分子基材の官能基と、上記ハイドロキシアパタイト焼結体とを反応させる。これにより、ハイドロキシアパタイト焼結体に化学的前処理をすることなく、ハイドロキシアパタイト複合体を製造することができる。
【選択図】 なし
従来技術、競合技術の概要


シリコーンゴムや、ポリウレタン等の高分子基材は、生体不活性、長期安定性、強度および柔軟性等の特性を有しており、例えば、経皮カテーテルのような医療用材料として広く用いられている。しかし、上記例示の高分子基材は、生体不活性であるために、経皮部において生体組織との接着が起こらず、皮膚のダウングロース(上皮組織がカテーテル表面に沿って内部へ陥入していく現象)、および、陥入部位における細菌感染の危険性が常に問題となっている。



一方、ハイドロキシアパタイト等のリン酸カルシウムは、生体活性材料として、単独または無機材料や有機材料と複合化させて、医療分野において広く用いられている。上記リン酸カルシウムは、例えば、経皮カテーテル等の部材として使用されている。しかし、上記リン酸カルシウムは、脆く、成形性が悪く、および、金属性部材との結合性がない。従って、例えば、上記リン酸カルシウムを経皮カテーテルとして用いた場合には、金属性部材と、このリン酸カルシウム端子との間隙から細菌感染が起こる可能性がある等の問題があった。



そこで、上記高分子基材の表面に、ハイドロキシアパタイト等のリン酸カルシウムを修飾したハイドロキシアパタイト複合体が提案されている。



そして、上記高分子基材の表面に、リン酸カルシウムを修飾する方法としては、具体的には、例えば、スパッタリングイオンビームを用いて修飾する方法(特許文献1参照)、プラズマ処理法を用いて修飾する方法(特許文献2参照)、ガラスとの複合化により修飾する方法(特許文献3参照)、生体模倣反応を利用して修飾する方法(特許文献4参照)、および、交互浸漬法を利用して修飾する方法(特許文献5参照)等の方法が提案されている。



しかしながら、上記公報に開示の修飾法に用いられるリン酸カルシウムは、結晶構造がアモルファスであり、生体内で溶解し易いので、生体活性の持続が十分でない。従って、上記リン酸カルシウムを生体において、溶解させる用途(例えば、骨置換材料)においては、好適に使用することができるが、上記リン酸カルシウムを長期間、体内で保持する用途(例えば、経皮端子)等においては、好適に用いることができない。また、上記公報に開示の修飾法では、リン酸カルシウムを基材に、物理的または静電的に固着しており、接着強度が弱いという問題点がある。



そこで、上記リン酸カルシウムを長期間、体内で保持する用途に使用する場合における、高分子基材の表面を上記リン酸カルシウムで修飾する方法が求められており、例えば、特許文献6や、特許文献7に開示されている方法等が挙げられる。



上記特許文献6の腹腔内留置カテーテルでは、接着剤を用いてセラミック多孔質粒子を高分子基材の表面に固着する方法や、高分子基材を溶融してセラミック多孔質粒子を固定する方法が開示されている。



【特許文献1】
特開平8-56963号公報(公開日;1996年3月5日)



【特許文献2】
特開平7-303691号公報(公開日;1995年11月21日)



【特許文献3】
特開昭63-270061号公報(公開日;1988年11月8日)



【特許文献4】
特開平7-306201号公報(公開日;1995年11月21日)



【特許文献5】
特開2000-342676公報(公開日;2000年12月12日)



【特許文献6】
特開平10-15061号公報(公開日;1998年1月20日)



【特許文献7】
特開2001-172511公報(公開日;2001年6月26日)

産業上の利用分野


本発明は、生体適合性および生体組織に対する密着性(接着性)を有する、医療用に好適なハイドロキシアパタイト複合体およびその製造方法、ならびに、この複合体を用いてなる医療用材料に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
ハイドロキシアパタイト焼結体が、イソシアネート基およびアルコキシシリル基からなる群より選ばれる少なくとも1つの官能基を有する高分子基材に化学結合してなるハイドロキシアパタイト複合体の製造方法であって、
上記高分子基材の官能基と、上記ハイドロキシアパタイト焼結体とを反応させる反応工程を含むことを特徴とするハイドロキシアパタイト複合体の製造方法。

【請求項2】
ハイドロキシアパタイト焼結体と高分子基材とが化学結合してなるハイドロキシアパタイト複合体の製造方法において、
上記高分子基材に、イソシアネート基およびアルコキシシリル基からなる群より選ばれる少なくとも1つの官能基を導入する導入工程と、
上記高分子基材の官能基と、上記ハイドロキシアパタイト焼結体とを反応させる反応工程とを含むことを特徴とするハイドロキシアパタイト複合体の製造方法。

【請求項3】
上記導入工程では、反応性官能基とイソシアネート基およびアルコキシシリル基からなる群より選ばれる少なくとも1つの官能基とを含む化合物を用いて、上記反応性官能基と高分子基材とを反応させることを特徴とする請求項2記載のハイドロキシアパタイト複合体の製造方法。

【請求項4】
さらに、導入工程の前に、高分子基材に、活性基を導入する活性基導入工程を含み、
導入工程では、反応性官能基とイソシアネート基およびアルコキシシリル基からなる群より選ばれる少なくとも1つの官能基とを含む化合物を用いて、該反応性官能基と上記活性基とを反応させることを特徴とする請求項2記載のハイドロキシアパタイト複合体の製造方法。

【請求項5】
上記化合物がシランカップリング剤であることを特徴とする請求項3または4記載のハイドロキシアパタイト複合体の製造方法。

【請求項6】
上記高分子基材が、医療用高分子材料であることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のハイドロキシアパタイト複合体の製造方法。

【請求項7】
上記医療用高分子材料が、シルクフィブロインであることを特徴とする請求項6記載のハイドロキシアパタイト複合体の製造方法。

【請求項8】
ハイドロキシアパタイト焼結体が、イソシアネート基および/またはアルコキシシリル基を有する高分子基材に化学結合してなるハイドロキシアパタイト複合体であって、
上記ハイドロキシアパタイト焼結体と、上記高分子基材が有するイソシアネート基および/またはアルコキシシリル基とが、直接、化学結合してなることを特徴とするハイドロキシアパタイト複合体。

【請求項9】
ハイドロキシアパタイト焼結体が、アルコキシシリル基を有する高分子基材に化学結合してなるハイドロキシアパタイト複合体であって、
上記ハイドロキシアパタイト焼結体と上記高分子基材とが、化学式(1)
【化1】


(ただし、上記Xは、高分子基材を示し、Yは、ハイドロキシアパタイト焼結体を示す)
で示される構造の分子鎖により結合してなることを特徴とするハイドロキシアパタイト複合体。

【請求項10】
請求項8または9記載のハイドロキシアパタイト複合体を用いてなる医療用材料。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) さきがけ ナノと物性 領域
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、問合せボタンを押してください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close