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n型熱電特性を有する複合酸化物 新技術説明会

国内特許コード P110003200
整理番号 N072P09
掲載日 2011年6月17日
出願番号 特願2003-282552
公開番号 特開2005-051103
登録番号 特許第4292390号
出願日 平成15年7月30日(2003.7.30)
公開日 平成17年2月24日(2005.2.24)
登録日 平成21年4月17日(2009.4.17)
発明者
  • 寺崎 一郎
  • 小林 航
  • 舟橋 良次
  • 三上 祐史
出願人
  • 独立行政法人科学技術振興機構
  • 独立行政法人産業技術総合研究所
発明の名称 n型熱電特性を有する複合酸化物 新技術説明会
発明の概要

【課題】高温の空気中において優れた熱電特性を発揮できるn型物質からなる熱電変換材料であって、毒性が少なく存在量の多い元素により構成され、耐熱性、化学的耐久性等に優れた新規な材料を提供する。
【解決手段】 組成式:Ca1-xMn7-yM’
(式中、Mは、Sr,Ba,La,Pr,Nd,Sm,Na及びKからなる群から選ばれた少なくとも一種の元素、M’は、Cu及びCaからなる群から選ばれた少なくとも一種の元素であり、0≦x≦1;0≦y≦1.5;11≦z≦13である。)で表される組成を有し、一定温度以上において負のゼーベック係数を有する複合酸化物。
【選択図】図3

従来技術、競合技術の概要


我が国では、一次供給エネルギーからの有効なエネルギーの得率、は30%程度しかなく、約70%ものエネルギーを最終的には熱として大気中に廃棄している。また、工場やごみ焼却場などにおいて燃焼により生ずる熱も、その殆どが他のエネルギーに変換されることなく大気中に廃棄されている。このように、我々人類は、非常に多くの熱エネルギーを無駄に廃棄しており、限りある化石燃料の燃焼などの行為からは僅かなエネルギーしか獲得していない。



エネルギーの得率を向上させるためには、大気中に廃棄されている熱エネルギーを利用できるようにすることが有効である。そのための有効な一つの技術手段として、熱エネルギーを直接電気エネルギーに変換する熱電変換がある。この熱電変換とは、ゼーベック効果を利用したものであり、熱電変換材料の両端に温度差を発生させることにより、電位差を生じさせて発電を行うエネルギー変換法である。熱電発電では、熱電変換材料の一端を廃熱により生じた高温部に配置し、もう一端を大気中(室温部)に配置して、それぞれの両端に導線を接続するだけで電気が得られるので、一般的な発電に必要なモータやタービンなどの可動装置は不要である。このため、設備コストも安く、燃焼などによるガスの排出もなく、熱電変換材料が劣化するまで継続的に発電を行うことができる。



このように、熱電発電は今後予測されるエネルギー資源の枯渇という重大な問題に対する解決策の一端を担う技術して期待されているが、熱電発電を実現するためには、高い熱電変換効率を有し、耐熱性、化学的耐久性などに優れた熱電変換材料を大量に供給することが必要となる。



現在、高い熱電変換効率を有する物質としては、金属間化合物が知られている。しかしながら、金属間化合物の熱電変換効率は最大でも10%程度であり、空気中では約300℃(573K)以下の温度でしか利用できない。また、金属間化合物は、その種類によっては毒性元素や希少元素を構成元素とするものもある。このため、廃熱を利用する熱電変換は未だ実用化されるには至っておらず、毒性が少なく現存量の多い元素により構成され、耐熱性、化学的耐久性などに優れ、しかも高い熱電変換効率を有する材料の開発が要望されている。



近年、400℃(673K)以上の温度で高い熱電変換効率を有する材料として、Ca、Bi、Sr、Naなどを含有するCo系複合酸化物が報告されている(例えば、下記非特許文献1,2等参照)。これらの複合酸化物は、全て電荷担体が正孔であるp型物質であり、金属イオンは一般に高酸化数の状態である。このため、これらのp型酸化物は、高温の空気中において安定であり、優れた熱電特性を発揮することができる。



一方、一般にn型物質では、電荷担体は電子であり、金属酸化物の場合、負のゼーベック係数を有するn型物質の金属イオンは低酸化数状態にあることが多い。このため、n型酸化物は、高温の空気中で用いると酸化により金属の酸化数が増加しやすく、特性が劣化しやすいという欠点がある。このため、400℃(673K)以上の高温の空気中で優れた性能を発揮できるn型酸化物は、未だ見出されるには至っていない。



従って、高温廃熱からの熱電発電を実現するためには、耐熱性、化学的耐久性に優れ、しかも高い熱電変換効率を有するn型物質の開発が必要不可欠である。

【非特許文献1】I. Terasakiら、Phys. Rev. B 56, R12685 (1997).

【非特許文献2】R. Funahashiら、Jpn. J. Appl. Phys. 39, L1127 (2000).

産業上の利用分野


本発明は、一定温度以上において負のゼーベック係数を有する複合酸化物、該複合酸化物からなるn型熱電変換材料、及び熱電発電モジュールに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
組成式:Ca1-xMn7-yM’
(式中、Mは、Sr,Ba,La,Pr,Nd,Sm,Na及びKからなる群から選ばれた少なくとも一種の元素、M’は、Cu及びCaからなる群から選ばれた少なくとも一種の元素であり、0≦x≦1;0≦y≦1.5;11≦z≦13である。)で表される組成を有し、一定温度以上において負のゼーベック係数を有する複合酸化物。

【請求項2】
低温域において正のゼーベック係数を有し、温度上昇とともにゼーベック係数が負に反転する特性を有する請求項1に記載の複合酸化物。

【請求項3】
973K(絶対温度)において、絶対値20μV/K以上の負のゼーベック係数を有する請求項1又は2に記載の複合酸化物。

【請求項4】
973K(絶対温度)において、150mΩcm以下の電気抵抗率を有する請求項1~3のいずれかに記載の複合酸化物。

【請求項5】
一般式:(Ca1-xMn(III)3-yM’)(Mn(III+δ))O
(式中、Mは、Sr,Ba,La,Pr,Nd,Sm,Na及びKからなる群から選ばれた少なくとも一種の元素、M’は、Cu及びCaからなる群から選ばれた少なくとも一種の元素であり、0≦x≦1;0≦y≦1.5;11≦z≦13である。また、Mn(III)は、3価のマンガン元素を示し、Mn(III+δ)は、平均原子価が3+δ(0.2≦δ≦1.0)のマンガン元素を示す。)で表される請求項1~4のいずれかに記載の複合酸化物。

【請求項6】
請求項1~5のいずれかに記載の複合酸化物からなるn型熱電変換材料。

【請求項7】
請求項6に記載のn型熱電変換材料を含む熱電発電モジュール。
産業区分
  • 固体素子
  • 無機化合物
  • 発電、電動
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2003282552thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
参考情報 (研究プロジェクト等) CREST エネルギーの高度利用に向けたナノ構造材料・システムの創製 領域
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