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cmサイズのコロイド結晶の製法 コモンズ

国内特許コード P110003201
整理番号 Y03-P164
掲載日 2011年6月17日
出願番号 特願2003-288684
公開番号 特開2004-089996
登録番号 特許第4484469号
出願日 平成15年8月7日(2003.8.7)
公開日 平成16年3月25日(2004.3.25)
登録日 平成22年4月2日(2010.4.2)
優先権データ
  • 特願2002-232624 (2002.8.9) JP
発明者
  • 山中 淳平
  • 若林 奈央
  • 米勢 政勝
  • 伊藤 研策
出願人
  • 独立行政法人科学技術振興機構
発明の名称 cmサイズのコロイド結晶の製法 コモンズ
発明の概要

 【課題】  イオン性コロイド系から比較的簡単にコロイド結晶を製造する。
 【解決手段】  表面電荷を有するコロイド粒子が極性溶媒に分散されたコロイド分散液にpH勾配又はイオン濃度勾配を設け、このpHを徐々に上げること、又はこのイオン濃度を徐々に下げることにより、コロイド粒子から成る3次元結晶を製造する。そのために、例えば、このコロイド分散液に塩基を含有させた高分子ゲルを静置したり、コロイド分散液に塩基若しくは塩基を含む溶液を添加したり、又はコロイド分散液を高分子ゲルを介して塩基溶液に接触させたり、又はイオン交換樹脂を静置する。
【選択図】  なし

従来技術、競合技術の概要


近年、コロイド粒子が液体中で形成する結晶構造(コロイド結晶)に着目した応用展開が検討されている。コロイド結晶は粒子が三次元的に規則正しく配列した集合体であり、1)表面に電荷を持つイオン性コロイド粒子(シリカ、イオン性高分子ラテックス等)が水等の極性液体中において、粒子間の強い静電的相互作用により安定化され形成する場合と、2)非イオン性コロイド粒子がパッキングして形成する場合があるが、本発明が対象とするのは、前者のイオン性コロイド粒子系である。
コロイド結晶の結晶面間隔は、原子・分子系結晶の場合よりはるかに大きく、しばしば用いられる実験条件(イオン性粒子系の場合、粒径0.1~1μm、粒子の体積分率10-3~10-1)において、可視光の波長のオーダーとなる。このため、コロイド結晶は可視光のBragg回折により、イリデセンスと呼ばれる虹色の光を発し、また、可視光に対する特異的な吸収帯(フォトニックバンドギャップ)を持つ。これらの特性に基づき、コロイド結晶を用いて新規な特性を持つ光学素子を作製する試みが近年盛んに行われている。



例えば、本発明者らは、シリカコロイドを用い、塩基(NaOH)を添加したpHが均一の系で、粒子表面電荷数を増加させることにより、コロイドの結晶化が生じることを見出した(非特許文献1)。更に、本発明者らは、この実験を拡張し、pHが均一の系で、NaOH濃度、添加塩(NaCl)濃度に加えて、粒子濃度も変数とした、結晶化の3次元相図を決定し、既存の理論と比較した(非特許文献2,3)。また、顕微鏡法によりこのコロイド結晶グレインを観察して、グレインの合体による成長過程や、粒子濃度によるグレインサイズの変化を検討した(Langmuir, vol.15, No.8, 1684-2702 (1999))。しかし、これらの論文には、相図上で液体-結晶相境界に近いほど、結晶グレインサイズは大きいことは示されているが、系統的な調査にもかかわらず、数cmの単結晶は常法では得られていなかった。
また、本発明者らは、このような課題を解決するために、既にイオン性コロイドの分散液に、温度変化と共に解離度が変化する弱電離物質を加えて温度を変化させることにより、このコロイドを結晶化することができることを見出している(特許文献1)。




【非特許文献1】Phys. Rev. E. 53, R4314 (1996)

【非特許文献2】Physical Review Letters vol.80, No.26, 5806-5809 (1998)

【非特許文献3】Langmuir, vol.15, No.8, 1684-2702 (1999)

【特許文献1】特許第3025233号

産業上の利用分野


この発明は、表面電荷を有するコロイド粒子から成るcmサイズの3次元単結晶を製造する方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
表面電荷を有するコロイド粒子が極性溶媒に分散されたコロイド分散液にpH勾配を設け、このpHを徐々に上げることにより、該分散液に該コロイド粒子から成る3次元結晶を製造する方法であって、該コロイド分散液中のコロイド濃度が0.01~70体積%であり、該コロイド分散液の初期pHを(等電点+2)以下として、該pH勾配を(等電点+2)から(等電点+6)の範囲のpHを含んだものとする方法。

【請求項2】
前記コロイド粒子がシリカ粒子又は表面をシリカで被覆したコロイド粒子であり、極性溶媒が水である請求項1に記載の方法。

【請求項3】
前記コロイド溶液中に塩基又は塩基の弱酸塩を含有させた高分子ゲルを静置することにより、pH勾配を設けpHを徐々に上げる請求項1又は2に記載の方法。

【請求項4】
前記コロイド溶液に塩基若しくは塩基の弱酸塩又はこれらを含む溶液を添加することにより、pH勾配を設けpHを徐々に上げる請求項1又は2に記載の方法。

【請求項5】
前記コロイド溶液を高分子ゲルを介して塩基又は塩基の弱酸塩の溶液に接触させることにより、pH勾配を設けpHを徐々に上げる請求項1又は2に記載の方法。

【請求項6】
表面電荷を有するコロイド粒子が極性溶媒に分散されたコロイド分散液にイオン濃度勾配を設け、このイオン濃度を徐々に下げることにより、該分散液に該コロイド粒子から成る3次元結晶を製造する方法であって、該コロイド分散液中のコロイド濃度が0.01~70体積%であり、該コロイド分散液の初期イオン濃度を10μM以上とし、該イオン濃度勾配を1μM~10mM範囲のイオン濃度を含んだものとする方法。

【請求項7】
前記コロイド粒子がシリカ粒子又は高分子ラテックス粒子であり、極性溶媒が水である請求項6に記載の方法。

【請求項8】
前記コロイド溶液中にイオン交換樹脂を静置することにより、イオン濃度勾配を設け、イオン濃度を徐々に下げる請求項6又は7に記載の方法。
産業区分
  • 処理操作
  • 高分子化合物
  • 光学装置
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
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