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板状リン酸カルシウムおよびその製造方法、ならびにそれを用いた医療用材料およびリン酸カルシウム複合体

国内特許コード P110003208
整理番号 A121P250
掲載日 2011年6月17日
出願番号 特願2003-307549
公開番号 特開2005-075679
登録番号 特許第4265946号
出願日 平成15年8月29日(2003.8.29)
公開日 平成17年3月24日(2005.3.24)
登録日 平成21年2月27日(2009.2.27)
発明者
  • 古薗 勉
  • 田中 順三
  • 岸田 晶夫
  • 安田 昌司
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
  • 国立研究開発法人物質・材料研究機構
  • 国立研究開発法人国立循環器病研究センター
発明の名称 板状リン酸カルシウムおよびその製造方法、ならびにそれを用いた医療用材料およびリン酸カルシウム複合体
発明の概要 【課題】生体組織や高分子基材等に対する結合性に優れる、広い接触面を有する板状リン酸カルシウムおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】
リン酸塩とカルシウム塩と水とを含んでおり、リン原子に対するカルシウム原子のモル比Ca/Pが1.67未満である混合物を混合攪拌する混合工程、および含まれている水の少なくとも一部を乾燥させて上記混合物を板状構造体とする乾燥工程により、非晶質ハイドロキシアパタイト以外のものを含む板状構造体を形成し、この板状構造体を焼結することにより、板状構造体の形状を保持したままの板状リン酸カルシウムを製造することができる。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


従来より、β-リン酸三カルシウムおよびハイドロキシアパタイト等のリン酸カルシウムは、生体親和性や機械的強度が高いことより、インプラント材料などの医療用材料として使用されている。一般に、β-リン酸三カルシウムやハイドロキシアパタイトの合成法としては、湿式法、熱水法および乾式法と呼ばれる方法が用いられており、工業的に大量合成するためには、これらの方法のうち主に湿式法が用いられている。この湿式法としては、常温下にて水酸化カルシウムスラリーにリン酸を滴下して合成する沈殿法や、リン酸水素カルシウム二水和物と炭酸カルシウムとを反応させる加水分解法などが知られている(例えば、非特許文献1参照)。



また、リン酸カルシウムを製造する方法としては、リン酸塩とカルシウム塩と水とをカルシウム原子のリン原子に対する原子比が1.3~2.0であるように混合して非晶質リン酸カルシウムを含む水性スラリーを生成させ、次に、前記水性スラリーに脂肪族アミンを添加した後にその生成物を固-液分離する方法により、a面を優先的に成長させた板状のリン酸カルシウムを製造する方法(特許文献1参照)、リン酸塩とカルシウム塩とから非晶質リン酸カルシウムの水性スラリーを水熱処理する際に、該水性スラリーに対してアルコールを添加することによりa,c軸方向に成長した板状の水酸アパタイトを製造する方法(特許文献2参照)等が挙げられる。ナノレベルのサイズの微粒子ハイドロキシアパタイトの製造方法としては、エマルジョン法により板状ハイドロキシアパタイト粒子の大きさを制御し、截頭形構造のナノ微粒子を製造する方法(特許文献3参照)が挙げられる。



ハイドロキシアパタイトセメントを調製する方法としては、炭酸カルシウム、リン酸一カルシウム一水和物(Ca(HPO・HO、MCPM)、およびリン酸一酸素四カルシウム(Ca(POO、TCPM)の反応により調整された、リン酸二カルシウム二水和物(CaHPO・2HO、DCPD、ブルシャイト)およびリン酸一酸素四カルシウム(TCPM)からなる、泡沫状の混合物(セメント)構造体を模擬体液に浸漬することによって、ハイドロキシアパタイト多孔体(非特許文献2、非特許文献3参照)を製造する方法などが挙げられる。
【特許文献1】
特開平10-45405号公報(公開日:1998年2月17日)
【特許文献2】
特開平6-206713号公報(公開日:1994年7月26日)
【特許文献3】
特開2002-137910号公報(公開日:2002年5月14日)
【非特許文献1】
Inorganic Materials, Vol.2 No.258,(1995), p.393-400
【非特許文献2】
D. Walsh, J. Tanaka, "Preparation of a bone-like apatite form cement" Journal of Materials Science : Materials in Medicine 12 (2001) p.339-343
【非特許文献3】
Dominic Walsh, Tsutomu Furuzono, Junzo Tanaka, "Preparation of porous composite implant materials by in situ polymerization of porous apatite containing ε-caprolactone of methyl methacrylate" Biomaterials 22 (2001) p.1205-1212

産業上の利用分野


本発明は、医療用材料として有用な板状リン酸カルシウムおよびその製造方法、ならびにその用途に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
リン酸塩とカルシウム塩と水とを含んでおり、リン原子に対するカルシウム原子のモル比Ca/Pが1.67未満である混合物を混合攪拌する混合工程と、
含まれている水の少なくとも一部を当該混合物から取り除くことによって当該混合物を乾燥させることにより、上記混合物を板状構造体とする乾燥工程と、
上記板状構造体を加熱して、2つの接触面を有し一方の接触面から他方の接触面に連通する孔を備える板状リン酸カルシウムとする加熱工程と、を含み、
上記混合工程では、上記混合物が、リン酸一酸素四カルシウムと炭酸カルシウムとビス(リン酸二水素)カルシウム一水和物と混合攪拌したものに、水を添加したものであることを特徴とする板状リン酸カルシウムの製造方法。

【請求項2】
リン酸塩とカルシウム塩と水とを含んでおり、リン原子に対するカルシウム原子のモル比Ca/Pが1.67未満である混合物を混合攪拌する混合工程と、
含まれている水の少なくとも一部を当該混合物から取り除くことによって当該混合物を乾燥させることにより、上記混合物を板状構造体とする乾燥工程と、
上記板状構造体を加熱して、2つの接触面を有し一方の接触面から他方の接触面に連通する孔を備える板状リン酸カルシウムとする加熱工程と、を含み、
上記混合工程では、上記混合物が、リン酸一酸素四カルシウムと炭酸カルシウムとビス(リン酸二水素)カルシウム一水和物と混合攪拌したものに、リン酸二水素ナトリウム水溶液を添加したものであることを特徴とする板状リン酸カルシウムの製造方法。

【請求項3】
上記混合工程では、上記混合物として、リン原子に対するカルシウム原子のモル比Ca/Pが、1.4以上1.6以下の範囲内のものを用いることを特徴とする請求項1または2記載の板状リン酸カルシウムの製造方法。

【請求項4】
上記板状リン酸カルシウムがβ-リン酸三カルシウムとハイドロキシアパタイトとからなるものであり、
上記加熱工程では、板状リン酸カルシウム中のβ-リン酸三カルシウムの含有率が95%以下となるように加熱することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項記載の板状リン酸カルシウムの製造方法。

【請求項5】
複数の加熱条件で加熱を行い、各加熱条件で得られた板状リン酸カルシウム中のβ-リン酸三カルシウムとハイドロキシアパタイトとのモル比と、加熱条件と、の関係を求める加熱条件決定工程を、上記加熱工程の前に有していることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の板状リン酸カルシウムの製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2003307549thum.jpg
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) CREST 分子複合系の構築と機能 領域
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