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高集中度電鋳工具およびその製造方法

国内特許コード P110003217
整理番号 RX05P04
掲載日 2011年6月17日
出願番号 特願2003-314663
公開番号 特開2005-081473
登録番号 特許第4208676号
出願日 平成15年9月5日(2003.9.5)
公開日 平成17年3月31日(2005.3.31)
登録日 平成20年10月31日(2008.10.31)
発明者
  • 仙波 卓弥
  • 竹内 恵三
出願人
  • 独立行政法人科学技術振興機構
  • 学校法人福岡工業大学
  • 株式会社ノリタケカンパニ-リミテド
発明の名称 高集中度電鋳工具およびその製造方法
発明の概要

【課題】回転式電鋳法により高い砥粒集中度の電鋳棒状体を安定して得ることのできる電鋳技術を確立し、耐摩耗性に優れ平滑な研削加工面を創成することのできる高集中度電鋳工具を得る。
【解決手段】電鋳棒状体形成治具2と陽極3とをメッキ液Mに浸漬して、電鋳棒状体形成治具2を一定時間で回転と静止とを繰り返しながら通電するか、または、一定時間で回転と回転振動と静止とを繰り返しながら通電するかして、電鋳棒状体形成治具2の棒状体形成空間22aに堆積する砥粒Dをメッキ金属により固着して棒状体を製造し、この電鋳棒状体を工具素材として成形加工することによって、砥粒密度が35~50体積%の高集中度電鋳工具を製造する。
【選択図】図1

従来技術、競合技術の概要


工業製品の高集積化、小型化、高性能化に伴い、これらの工業製品を製作するための金型や構成部品も小型化、精密化し、これらの部品類に対する精密加工が増大している。このような精密加工に使用する工具は、工具自体の寸法が微小で、かつ製造の際に高い寸法精度および形状精度が要求される。



このような微小加工用工具として、微小径の鋼製あるいは超硬合金製の棒状シャンクの先端部にダイヤモンド砥粒やcBN砥粒などの超砥粒を電着により固着した電着工具がある。この電着工具では、砥粒層を多層に形成しようとすると、メッキ金属層の偏析が大きくなって均一な厚さの砥粒層の形成が困難であるうえ、その内部の砥粒の分布も不均一になる。また、砥粒層を多層にすると、シャンク本体部と砥粒層形成部の境界部付近の径が小さいために当該部分の剛性が低下してしまう。このような点を考慮して、従来は微小径の電着工具として単層の砥粒層を形成した工具が使用されてきた。
しかし、上記のような微小径電着工具は、シャンクの径が微小であることおよび砥粒層が単層であることから、(a)電着時にシャンク先端に電流が集中して正確な形状の砥粒層の創成ができにくい、(b)砥粒の均一安定な電着が難しい、(c)微小径のシャンクの電着部の加工が難しい、(d)砥粒層が単層であるので、工具を工作機械に取り付けたときの振れを除去するツルーイングができない、(e)シャンクの電着部と砥粒層の接合が弱く、使用時に剥離しやすい、(f)工具自体が微小径であるために強度、剛性が小さく破損しやすい、砥粒保持力が不十分で寿命が短い、という問題がある。



このような問題に対処した電着砥石の製造方法として、基材上に砥粒を沈降させるとともに、通電メッキをすることにより基板上に微粒の砥粒を多層に高密度でかつ均一に電着皮膜を形成させる方法が、特許文献1、特許文献2に開示されている。
特許文献1、特許文献2に記載の製造方法では、ニッケルメッキ液が一定温度に保たれたメッキ浴槽内に配置された基材に、メッキ液内に分散された微粒の砥粒が沈降して堆積し、砥粒が多層に電着された電鋳皮膜が形成される(本明細書においては、この電着方法を沈降式電鋳法という)。この電鋳皮膜を工具材料として成形加工し、微小加工用工具とすることができる。



また、微小加工用電鋳工具の製造方法が特許文献3に開示されている。
この特許文献3に記載の微小加工用電鋳工具の製造方法は、電鋳棒状体形成治具と陽極とをメッキ金属液に浸漬して電鋳法により電鋳棒状体を製造し、この電鋳棒状体を工具材料として成形加工して微小加工用工具とする方法である。電鋳棒状体形成治具は、メッキ金属液槽内に回転可能に水平配置された棒状の陰極と、この陰極を包囲して陰極とともに回転し、周方向の複数箇所に電鋳棒状体形成空間が形成された非電導体製の型枠と、この型枠と同期回転可能に同型枠の外側に配置され、メッキ金属液が浸透する孔を有する非電導体製の筒状体とを備えた構成としたものである。
上記の電鋳棒状体形成治具のなかの型枠と筒状体の間のメッキ金属液に砥粒を分散させ、電鋳棒状体形成治具を回転させながら電鋳棒状体形成治具のなかの陰極と陽極との間に通電して、電鋳棒状体形成空間に堆積する砥粒をメッキ金属により固着して電鋳棒状体を製造する(本明細書においては、この電着方法を回転式電鋳法という)。この電鋳棒状体形成工程において、砥粒は型枠と筒状体の間のメッキ金属液に分散させるだけであるので、砥粒の使用量は最小限ですみ、また、型枠と筒状体は同期回転しているので、型枠と筒状体の間のメッキ金属液中の砥粒が効率的に電鋳棒状体形成空間に堆積し、緻密な電鋳棒状体が形成される。



電鋳材を工具材料として成形加工して微小加工用工具を製作する具体的な成形加工方法としては、特許文献4に開示された方法がある。
この成形加工方法は、電鋳によって製造した工具材料を回転させながらその先端部を所望の微小径を有する回転体形状に成形し、回転体形状に成形した工具材料をドレッシングして微小加工用工具とする方法である。

【特許文献1】特開2000-254866号公報

【特許文献2】特開2001-157968号公報

【特許文献3】特開2002-264019号公報

【特許文献4】特開2002-264017号公報

産業上の利用分野


本発明は、回転式電鋳法を利用して砥粒集中度の高い電鋳工具を製造する技術に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
電鋳棒状体形成治具のなかの型枠と筒状体の間のメッキ金属液に砥粒を分散させ、前記電鋳棒状体形成治具を一定時間で回転と回転振動と静止とを繰り返しながら前記電鋳棒状体形成治具のなかの陰極と陽極との間に通電して、電鋳棒状体形成空間に堆積する砥粒をメッキ金属により固着して電鋳棒状体を製造する回転式電鋳法により形成され、砥粒密度が35~45体積%である電鋳棒状体を素材として成形加工された高集中度電鋳工具。

【請求項2】
電鋳棒状体形成治具のなかの型枠と筒状体の間のメッキ金属液に砥粒を分散させ、電鋳棒状体形成治具を回転させながら電鋳棒状体形成治具のなかの陰極と陽極との間に通電して、電鋳棒状体形成空間に堆積する砥粒をメッキ金属により固着して電鋳棒状体を製造する回転式電鋳法において、前記電鋳棒状体形成治具を一定時間で回転と回転振動と静止とを繰り返しながら通電することで、前記電鋳棒状体形成治具の電鋳棒状体形成空間に堆積する砥粒をメッキ金属により固着して電鋳棒状体を製造することを特徴とする電鋳棒状体の製造方法。

【請求項3】
前記電鋳棒状体形成空間が真上の位置で前記電鋳棒状体形成治具を一定時間で回転と回転振動と静止とを繰り返しながら通電することを特徴とする請求項2記載の電鋳棒状体の製造方法。

【請求項4】
請求項2または3記載の製造方法により製造した電鋳棒状体を工具素材とし、この工具素材を成形加工して加工用工具とする高集中度電鋳工具の製造方法。
産業区分
  • 切削
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2003314663thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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