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直流安定化電源装置 実績あり

国内特許コード P110003234
整理番号 Y03-P169
掲載日 2011年6月17日
出願番号 特願2003-368919
公開番号 特開2005-137085
登録番号 特許第4268013号
出願日 平成15年10月29日(2003.10.29)
公開日 平成17年5月26日(2005.5.26)
登録日 平成21年2月27日(2009.2.27)
発明者
  • 井森 正敏
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 直流安定化電源装置 実績あり
発明の概要 【課題】 精度よく安定化されかつ周波数応答の優れた直流高電圧を提供する簡単な回路構成を導入し、コンパクトで低廉な直流安定化高圧電源を提供する。
【解決手段】 バッファ回路1は、出力高電圧をバッファ充電電圧とオフセット電圧との和として生成するフローティング特性を備える。誤差増幅器3は、出力高電圧とこれを設定する参照電圧との間の電圧の誤差を検出する。バッファ駆動回路4は、検出された誤差により振幅の制御された高周波交流を生成する。この高周波交流の振幅に従い、バッファ回路1のバッファ充電電圧が定められる。高速電力増幅器2は、検出された誤差をもとにオフセット電圧を制御する。
【選択図】 図1
従来技術、競合技術の概要


従来の直流高圧電源では、高電圧を得るために電磁トランスが使用されている場合が多い。電磁トランスを使って高電圧を発生する直流高圧電源の場合、電源は電磁トランス、インバータ回路、コンバータ回路、誤差検出回路を備える。電磁トランスの一次側入力と二次側出力の電圧比は電磁トランスの巻線比によって決まる。出力される高周波交流の振幅は、入力された高周波交流の振幅の巻線比に比例して昇圧された電圧となる。直流高電圧電源では巻線比の大きい電磁トランスが使用される。



電磁トランスの一次側に入力される高周波交流の電源は外部から供給される直流電圧である。この直流電圧は、インバータ回路により高周波交流に変換され、電磁トランスに入力される。インバータ回路は高周波交流の振幅を制御する。電磁トランスの出力である高周波交流をコンバータ回路により倍圧整流することにより電源の出力となる出力高電圧を得る。



出力高電圧を安定化するために、出力高電圧は誤差検出回路を通してインバータ回路に入力され、高周波交流の振幅にフィードバックされる。出力高電圧は分割抵抗により分割され、誤差検出回路により出力高電圧を設定するために外部より供給されている参照電圧と比較される。誤差検出回路の出力はインバータ回路に入力され、電磁トランスに入力される高周波交流の振幅を制御する。



出力が短絡されると高周波交流の振幅を拡大して出力電圧を保つ方向にフィードバックが働く。高電圧出力の短絡に備えるために、出力電流を監視してあらかじめ設定された値以上の出力電流を禁止することが必要になる。電磁トランスを使用した高電圧電源装置では出力電流を監視して短絡による過大電流から回路を保護する回路を備えている。



図17に、従来の圧電トランスを使った直流高圧電源のブロック図を示す。この直流高圧電源は、直流電源101、インバータ回路102、圧電トランス103、コンバータ回路104、誤差検出回路105および周波数変調回路106を備える。圧電トランス103は入力である高周波交流によって駆動され、同じ周波数の高周波交流を出力する。(特許文献1、2参照)



圧電トランス103は内部に共振回路を含むため、鋭い周波数特性や大きな負荷依存性を示す。圧電トランス103の出力に負荷抵抗を接続し、高周波交流の入力振幅と出力振幅の電圧の比である昇圧比を駆動周波数の関数として測定すると、圧電トランス103は共振周波数の付近で大きな昇圧比を示すことが分かる。圧電トランス103を使用した高圧電源ではこのことを利用して高電圧を発生する。また昇圧比が駆動周波数に依存することを利用して、出力高電圧を周波数に帰還することにより出力高電圧を安定化する。



圧電トランス103はあらかじめ分極された圧電セラミックが持つ圧電効果を利用したものである。圧電セラミックに外力を加えて変形させれば電圧が発生し、逆に電圧を加えれば応力が発生し変形する。圧電トランス103ではこの効果を利用して、1次側で電気振動をいったん機械振動に変換して二次側に伝送し、二次側でこれを再び電気振動に戻すことにより、電気エネルギーを伝送する。従来の電磁トランスが磁気を用いてエネルギーの伝送を行うのにたいして、圧電トランス103は機械的エネルギーにより伝送が行われる。



圧電トランス103の二次側はキャパシタンスであり、ここに機械的振動を通して電荷が注入されることにより電圧が発生する。 機械的振動は負荷によるエネルギーの散逸のため次第に減衰する。減衰の時定数は負荷とともに大きくなる。出力が高電圧の場合、負荷の抵抗値は一般に大きい。このため、機械的振動でエネルギーを蓄える圧電トランス103は負荷抵抗が大きい直流高電圧電源に適している。



インバータ回路102は外部より供給される直流電圧を、周波数変調回路106の出力する矩形波と同一の周波数を持つ固定振幅の高周波交流に変換し、この高周波交流を圧電トランス103に供給する。圧電トランス103は印加された高周波交流を高電圧の高周波交流に昇圧する。コンバータ回路は、圧電トランス103の出力である高周波交流を倍圧整流することにより電源の出力となる出力高電圧を得る。



出力高電圧を安定化するために、出力高電圧は誤差検出回路105を通して周波数変調回路106に入力され、高周波交流の周波数にフィードバックされる。出力高電圧は分割抵抗により分割されたうえ誤差検出回路105に入力され、参照電圧と比較される。誤差検出回路105の出力は周波数変調回路106に入力され、圧電トランス103に入力される高周波交流の周波数を制御する。周波数変調回路106は入力によって決まる周波数を持つ矩形波を出力し、インバータ回路102を制御する。



誤差検出回路105は、出力高電圧と参照電圧とを比較することにより電圧差を検出し、周波数変調回路106の出力であるパルス列の周波数を通して、圧電トランス103を駆動する高周波交流の周波数をこの電圧差が少なくなるように変化させ、直流出力高電圧が一定に保たれるように制御する。



コンバータ回路104は、高周波交流電圧を倍圧整流する。倍圧整流の倍率を変えると、圧電トランス103の出力より見た負荷のインピーダンスが変化する。コンバータ回路は、圧電トランス103から見た負荷のインピーダンスが圧電トランス103の最適抵抗に近似的に等しくなる倍率を備えることにより、圧電トランス103の電力変換効率を改善する。



出力電圧は圧電トランス103を駆動する高周波交流の周波数にフィードバックされ、安定化される。過大な負荷電流が流れると、圧電トランス103を駆動する周波数が共振周波数を超えて移動する。共振周波数を超えた時点で、フィードバックは出力高電圧を下げる方向に働くので、出力高電圧は自動的に低下する。このため負荷電流を制限する保護回路は不必要となる。



従来の直流高電圧電源装置では、電磁トランスあるいは圧電トランスにより高周波交流を昇圧することにより高電圧の高周波交流を発生し、これを整流することにより直流高電圧を生成している。トランスの一次側に入力される交流の振幅と二次側から出力される交流の振幅の比が昇圧比であり、当該電源装置では昇圧比の高いトランスが使用される。このためトランスの二次側の出力インピーダンスは高くなり、二次側から出力される高電圧の高周波交流のソースインピーダンスは高くなる。直流高電圧の生成に必要な整流に伴う直流高電圧に重畳したリップルと、当該電源装置に接続された負荷による負荷電流の変化に伴う直流高電圧の変化の減少させるため、直流高電圧は出力キャパシタによってバッファされる。



出力高電圧は、電磁トランスの場合、これを一次側に入力される高周波交流の振幅にフィードバックすることにより安定化される。圧電トランスを用いた場合、出力高電圧は一次側の高周波交流の周波数にフィードバックされることにより安定化される。高電圧高周波交流のソースインピーダンスと出力キャパシタによって決まる遅れによってフィードバックの有効な周波数帯域が制約される。



出力電圧は、目標とされる参照電圧によって設定される。フィードバックは出力電圧と参照電圧との電圧差を検出し、これを小さくするように働く。電圧差を検出するために、出力電圧は分割抵抗により分割されて参照電圧と比較される。出力高電圧が高電圧であるため、この分割比が大きくなり、このことによりフィードバックのループゲインの大きさが制約される。



高圧電源装置の出力には、遅れによる周波数帯域への制約と、分割比によりループゲインへの制約がある。高圧電源装置の出力を、これらの制約の少ない低電圧電源装置の出力と比較すると、安定性の精度あるいは周波数応答の速度等において性能の差が見られる。
【特許文献1】
特開2002-359967号公報
【特許文献2】
特許第2961851号公報

産業上の利用分野


本発明は、高電圧を発生する直流安定化電源装置に係り、特に、出力電圧を安定化する帰還について、高電圧に伴う遅れの大きい帰還とは独立な遅れの少ない帰還を実装することにより、安定化の精度の向上と応答の高速化を実現した、直流安定化電源装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
オフセット電圧とバッファ充電電圧との加法的関数である出力高電圧を生成し、バッファ充電電圧がオフセット電圧に依存しないように接地電圧を独立としたフローティング特性を近似的に実現し、入力された高周波交流を直流の高電圧に変換して出力するバッファ回路と、
前記バッファ回路からの出力高電圧と予め設定されている参照電圧とを比較して、電圧差を検出する誤差増幅器と、
検出された電圧差に基づき前記バッファ回路のオフセット電圧を制御する電圧を出力し、バッファ駆動回路と比較して時間遅れの小さい高速電力増幅器と、
検出された電圧差に基づき振幅の制御された高周波交流を生成し、前記バッファ回路のバッファ充電電圧を制御するための、前記高速電力増幅器と比較して時間遅れの大きい前記バッファ駆動回路と、
を備え、
前記バッファ回路は、前記高速電力増幅器からの出力によりオフセット電圧へ、及び、前記バッファ駆動回路からの出力によりバッファ充電電圧へ、出力高電圧を並列かつ独立に帰還することで、出力高電圧と参照電圧との電圧差を調整し、出力高電圧の安定性と周波数応答を改善する直流安定化電源装置。

【請求項2】
前記バッファ駆動回路は、入力から出力までの伝達関数に原点に位置する極を導入され、出力高電圧と参照電圧との間の電圧差の定常偏差をゼロに移動し、
これにより、該電圧差が定常状態ではゼロにあるので、前記高速電力増幅器は、その出力の電圧振幅を出力高電圧の調節に利用する請求項1に記載の直流安定化電源装置。

【請求項3】
前記バッファ駆動回路は、入力から出力までの帰還回路の伝達関数が原点に位置する極を含み、
前記高速電力増幅器は、入力から出力までの帰還回路の伝達関数が原点に位置する極を含まない請求項1に記載の直流安定化電源装置。

【請求項4】
前記誤差増幅器が、前記バッファ回路からの出力高電圧が基準とするグランドと異なるグランドを出力の基準とし、このグランドを前記高速電力増幅器の出力の電圧振幅の範囲内で出力高電圧のグランドと独立なグランドとして設定した請求項1乃至3のいずれかに記載の直流安定化高電圧電源装置。

【請求項5】
前記バッファ回路は、コックロフトウォルトン回路を含み、
第1及び第2の入力ノードと出力ノードとを備え、第1のノードを前記バッファ駆動回路の出力によって、第2のノードを前記高速電力増幅器の出力によって駆動し、出力ノードより出力高電圧を出力する請求項1乃至4のいずれかに記載の直流安定化電源装置。

【請求項6】
前記バッファ駆動回路は、
高周波交流を高電圧の高周波交流に昇圧し、この昇圧された高周波交流を出力する圧電トランスを備えた請求項1乃至5のいずれかに記載の直流安定化電源装置。

【請求項7】
前記バッファ駆動回路は、
入力から出力までの伝達関数に原点に位置する極と2個のゼロ点を有し、前記誤差増幅器からの電圧差に従い電圧を出力する位相補償回路と、
前記位相補償回路の出力に従い出力周波数を設定する電圧制御周波数変調回路と、
外部より供給される直流電源を、前記電圧制御周波数変調回路の出力する矩形波と同一の周波数を持つ高周波交流に変換し、この高周波交流により前記圧電トランスを駆動するドライバー回路と、
をさらに備えた請求項6に記載の直流安定化電源装置。

【請求項8】
その入力と出力とをそれぞれ入力キャパシタンスと出力キャパシタンスを介して出力高電圧に接続された反転増幅器によって、入力キャパシタンスを通して増幅器に入力されたリップルを反転増幅して出力キャパシタンスを通して出力高電圧に帰還することにより、リップルを低減するリップル低減回路をさらに備えた請求項1乃至7のいずれかに記載の直流安定化電源装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2003368919thum.jpg
出願権利状態 登録
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