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光パルス発生方法および光パルス圧縮方法、光パルス発生器および光パルス圧縮器 コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P110003242
整理番号 Y03-P257
掲載日 2011年6月17日
出願番号 特願2003-387563
公開番号 特開2005-148512
登録番号 特許第4676143号
出願日 平成15年11月18日(2003.11.18)
公開日 平成17年6月9日(2005.6.9)
登録日 平成23年2月4日(2011.2.4)
発明者
  • 中沢 正隆
  • 廣岡 俊彦
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 光パルス発生方法および光パルス圧縮方法、光パルス発生器および光パルス圧縮器 コモンズ 新技術説明会
発明の概要 【課題】 高いSN比を有する二次関数型光パルスを発生させる。
【解決手段】 正常分散減少ファイバ3は、分散値の絶対値が長手方向に減少する光ファイバである。光パルス送信器1により発生し、光増幅器2で増幅された任意形状の非線形光パルスをファイバ3に伝搬させ、等価的に光増幅効果を形成させることにより、形状が放物型で広帯域にわたって線形なチャープをもつ二次関数型光パルスを発生させる。ファイバ3の長手方向の座標zにおける分散値D(z)は、ファイバ3における正常分散の大きさの減少の比率Γに基づき、D(z)=1/(1+Γz)で表される。このようなファイバ3は、コア径を長手方向に連続的に変化させることで実現される。また、分散値が一定あるいは長手方向に線形に変化する複数種類の光ファイバを縦続接続することにより、分散値の連続的な変化を区間ごとに離散的に近似することでも実現できる。
【選択図】 図1
従来技術、競合技術の概要


よく知られているように、広帯域な線形チャープをもつパルスを発生する方法として、正常分散を有する光ファイバ中にある強度の光パルスを入射させ、その非線形波動伝搬を利用する方法がある。さらにこのような広帯域線形チャープパルスを逆分散媒質を通過させることによってチャープ補償することで、パルス圧縮を実現することができる。逆分散媒質として例えば回折格子対を用いて人工的に作り出すことのできる異常分散を用いて矩形パルスの線形チャープを補償することによってパルスを圧縮する方法は、可視光領域での高出力超短パルスの発生に広く用いられている(例えば、非特許文献1、2を参照)。しかし、正常分散ファイバ中を高強度パルスが伝搬すると、パルスの裾野に振動成分が発生することが知られており、逆分散媒質によってチャープを補償しパルス圧縮を行なう際に圧縮率を制限する要因となる。また、これらの振動成分は圧縮後のパルスの裾野にペデスタルとして残り、圧縮パルスの品質を劣化させてしまう。このようにパルスの裾野に振動成分が発生する現象はオプティカル・ウェーブ・ブレーキング(optical wave breaking)と呼ばれている。



一方、利得をもつ光ファイバ中の正常分散と非線形光学効果とを利用して、パルス全体にわたって線形にチャープした二次関数型(放物型)光パルスを発生することができることが知られている。正常分散ファイバにおける光増幅によって二次関数型光パルスを生成できることは1993年にAndersonらによって最初に理論的に示された(例えば、非特許文献3を参照)。またFermannらは、利得をもつ正常分散ファイバ中で、任意の形状の入力パルスから二次関数型光パルスが生成されることを理論的に示し、イッテルビウム(Yb)を添加したファイバ中での光増幅を用いた実験により解析結果の検証を行なっている(例えば、非特許文献4を参照)。またTamuraとNakazawaはこの方法を実際にパルス圧縮に適用し、エルビウム(Er)添加ファイバによる光増幅を用いて生成した二次関数型光パルスの線形チャープを補償することによって、パルス幅350fsの光パルスを77fsに圧縮することに成功している(例えば、非特許文献5を参照)。この正常分散媒質を用いる方法では、パルスの形状が放物型であることから、パルス波形にoptical wave breakingが発生しないということが大きな特徴である。



【非特許文献1】
E.Treacy, “Optical pulse compression with diffraction gratings,”IEEE J. Quantum Electron., Vol.QE-5, pp.454-458, 1969.
【非特許文献2】
W.J.Tomlinson, R.J.Stolen, and C.V.Shank, “Compression of optical pulses chirped by self-phase modulation in fibers,”J. Opt. Soc. Am. B, Vol.1, pp.139-149, 1984.
【非特許文献3】
D.Anderson, M.Desaix, M.Karlsson, M.Lisak,and M.L.Quiroga-Teixeiro,“Wave-breaking-free pulses in nonlinear-opticalfibers,” J. Opt. Soc. Am. B Vol.10, pp.1185-1190, 1993.
【非特許文献4】
M.E.Fermann, V.I.Kruglov, B.C.Thomsen,J.M.Dudley, and J.D.Harvey, “Self-similar propagation and amplification of parabolic pulses in optical fibers,”Phys. Rev. Lett. Vol.84, pp.6010-6013, 2000.
【非特許文献5】
K.Tamura and M.Nakazawa,“Pulse compression by nonlinear pulse evolution with reduced optical wave breaking in erbium-doped fiber amplifiers,”Opt. Lett. Vol.21, pp.68-70, 1996.

産業上の利用分野


本発明は、光パルス発生方法および光パルス圧縮方法、光パルス発生器および光パルス圧縮器に係り、特に、光通信波長帯において高品質、高効率な光パルス圧縮を実現するために必要な、広帯域な線形チャープをもつ光パルスの発生を可能にする、二次関数で表される光パルス発生方法およびそれを用いた光パルス圧縮方法、光パルス発生器および光パルス圧縮器に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
正常分散を有する光ファイバにおいて、該正常分散の分散値の絶対値を長手方向に減少させることによって、該光ファイバ内を該正常分散の分散値の絶対値が比較的大きい一端部から比較的小さい他端部へ伝搬する非線形光パルスに等価的に光増幅効果を形成することにより、形状が放物型又は二次関数型で広帯域にわたって線形なチャープをもつ光パルスを、正常分散ファイバ中の光増幅を利用せずに発生させる、二次関数型光パルス発生方法。

【請求項2】
請求項1に記載の二次関数型光パルス発生方法において、
光ファイバに利得を与えるための励起光源及び利得を一定に保つための制御を必要とせずに前記光パルスを発生させることを特徴とする二次関数型光パルス発生方法。

【請求項3】
請求項1に記載の二次関数型光パルス発生方法において、
正常分散の分散値の絶対値が長手方向に減少する光ファイバを、正常分散の分散値が一定あるいは長手方向に線形に変化する、分散値の変化が複数種類のファイバを複数縦続接続することにより、分散値の変化を区間ごとに離散的に近似することで実現することを特徴とする二次関数型光パルス発生方法。

【請求項4】
請求項1に記載の二次関数型光パルス発生方法において、
あらゆる形状をもつ入力光パルスに対して、該光パルスのエネルギーの値で一意に決まる放物線形状でかつ線形チャープをもつ光パルスが出力で得られることを特徴とする二次関数型光パルス発生方法。

【請求項5】
請求項1に記載の二次関数型光パルス発生方法において、
正常分散の分散値の絶対値が長手方向に減少する光ファイバを、コア径を長手方向に連続的に変化させることで実現する二次関数型光パルス発生方法。

【請求項6】
請求項1に記載の二次関数型光パルス発生方法において、
光ファイバの長手方向の座標zにおける光ファイバの正常分散の分散値D(z)は、予め定められた光ファイバにおける正常分散の大きさの減少の比率Γに基づき、次式で表される又は次式で近似される二次関数型光パルス発生方法。
【数1】



【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載の二次関数型光パルス発生方法において得られた二次関数型光パルスの線形チャープを、逆チャープをもつ異常分散媒質を通過させることによって補償し、入力パルスよりも短い時間幅のパルスを発生させる光パルス圧縮方法。

【請求項8】
請求項7に記載の光パルス圧縮方法において、
異常分散媒質として、1.3μmの波長帯域付近に零分散が存在する単一モード光ファイバ、または、回折格子又はファイバグレーティングを含む異常分散をもつデバイスが用いられる光パルス圧縮方法。

【請求項9】
光パルスを発生する光パルス送信器と、
正常分散を有し、該正常分散の分散値の絶対値が長手方向に減少する光ファイバと
を備え、
前記光ファイバ内を該正常分散の分散値の絶対値が比較的大きい一端部から比較的小さい他端部へ伝搬する非線形光パルスに、等価的に光増幅効果を形成することにより、形状が放物型又は二次関数型で広帯域にわたって線形なチャープをもつ光パルスを、正常分散ファイバ中の光増幅を利用せずに発生させる、二次関数型光パルス発生器。

【請求項10】
請求項9に記載の二次関数型光パルス発生器において、
前記光ファイバに利得を与えるための励起光源及び利得を一定に保つための制御を必要とせずに前記光パルスを発生させることを特徴とする二次関数型光パルス発生器。

【請求項11】
請求項9に記載の二次関数型光パルス発生器において、
前記光ファイバは、正常分散の分散値が一定あるいは長手方向に線形に変化する分散値の変化が複数種類の光ファイバを有し、
前記複数種類の光ファイバを複数縦続接続することにより、分散値の変化が区間ごとに離散的に近似された二次関数型光パルス発生器。

【請求項12】
請求項9に記載の二次関数型光パルス発生器において、
あらゆる形状をもつ入力光パルスに対して、該光パルスのエネルギーの値で一意に決まる放物線形状でかつ線形チャープをもつ光パルスが出力で得られることを特徴とする二次関数型光パルス発生器。

【請求項13】
請求項9に記載の二次関数型光パルス発生器において、
前記光ファイバは、コア径を長手方向に連続的に変化させることで実現される二次関数型光パルス発生器。

【請求項14】
請求項9に記載の二次関数型光パルス発生器において、
前記光ファイバの長手方向の座標zにおける正常分散の分散値D(z)は、予め定められた光ファイバにおける正常分散の大きさの減少の比率Γに基づき、次式で表される又は次式で近似される二次関数型光パルス発生器。
【数2】



【請求項15】
請求項9乃至14のいずれかに記載の二次関数型光パルス発生器と、
得られた二次関数型光パルスの線形チャープに対する逆チャープをもつ異常分散媒質と
を備え、
前記光パルス発生器により得られた二次関数型光パルスを前記異常分散媒質を通過させることによって該パルスの線形チャープを補償し、入力パルスよりも短い時間幅のパルスを発生させる光パルス圧縮器。

【請求項16】
請求項15に記載の光パルス圧縮器において、
前記異常分散媒質は、1.3μmの波長帯域付近に零分散が存在する単一モード光ファイバ、または、回折格子又はファイバグレーティングを含む異常分散をもつデバイスが用いられる光パルス圧縮器。
国際特許分類(IPC)
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