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免疫賦活化作用を有する合成化合物不応答性モデル非ヒト動物 実績あり

国内特許コード P110003269
整理番号 B02P05
掲載日 2011年6月17日
出願番号 特願2003-545269
登録番号 特許第4493336号
出願日 平成14年11月22日(2002.11.22)
登録日 平成22年4月16日(2010.4.16)
国際出願番号 JP2002012234
国際公開番号 WO2003043588
国際出願日 平成14年11月22日(2002.11.22)
国際公開日 平成15年5月30日(2003.5.30)
優先権データ
  • 特願2001-358295 (2001.11.22) JP
発明者
  • 審良 静男
  • 富澤 秀行
  • 山岡 隆
出願人
  • 独立行政法人科学技術振興機構
  • 大日本住友製薬株式会社
発明の名称 免疫賦活化作用を有する合成化合物不応答性モデル非ヒト動物 実績あり
発明の概要

イミダゾキノリン系化合物等の免疫賦活化作用を有する合成化合物を認識するTLR7をコードする遺伝子機能が染色体上で欠損した、合成化合物不応答性モデル非ヒト動物を提供するものである。マウス遺伝子ライブラリーから得られたTLR7遺伝子の細胞内領域及び膜貫通領域を含む遺伝子部位の全部又は一部の遺伝子フラグメントを、ポリAシグナルとマーカー遺伝子をもつプラスミドに置換してターゲッティングベクターを構築し、該ターゲッティングベクターを線状化した後胚幹細胞に導入し、TLR7遺伝子機能を欠損した標的胚幹細胞を、マウスの胚盤胞中にマイクロインジェクションしキメラマウスを作製し、このキメラマウスと野生型マウスとを交配させてヘテロ接合体マウスを作製し、かかるヘテロ接合体マウスをインタークロスすることによってTLR7ノックアウトマウスを作製する。

従来技術、競合技術の概要
【0002】
トール(Toll)遺伝子は、ショウジョウバエの胚発生中の背腹軸の決定(Cell52,269-279,1988、Annu.Rev.Cell Dev.Biol.12,393-416,1996)、また成体における抗真菌性免疫応答に必要であることが知られている(Cell86,973-983,1996)。かかるTollは、細胞外領域にロイシンリッチリピート(LRR)を有するI型膜貫通受容体であり、この細胞質内領域は、哺乳類インターロイキン-1受容体(IL-1R)の細胞質内領域と相同性が高いことが明らかとなっている(Nature351,355-356,1991、Annu.Rev.Cell Dev.Biol.12,393-416,1996、J.Leukoc.Biol.63,650-657,1998)。
【0003】
近年、Toll様受容体(Toll-like receptor;TLR)と呼ばれるTollの哺乳類のホモログが同定され、TLR2、TLR3、TLR4、TLR6、TLR7、TLR8、TLR9、TLR10など現在までに10個のファミリーが報告されている(Nature388,394-397,1997、Proc.Natl.Acad.Sci.USA95,588-593,1998、Blood91,4020-4027,1998、Gene231,59-65,1999)。このTLRファミリーは、上記IL-1Rと同様にアダプタータンパク質であるMyD88を介し、IL-1R結合キナーゼ(IRAK)をリクルートし、続いて下流のマイトジェン活性化タンパク質(MAP)キナーゼ及び核因子であるNF-κBを活性化することが知られている(J.Exp.Med.187,2097-2101,1998、Mol.Cell2,253-258,1998、Immunity11,115-122,1999)。また、哺乳類におけるTLRファミリーの役割は、細菌の共通構造を認識するパターン認識受容体(PRR:pattern recognition receptor)として、先天的な免疫認識に関わっているとも考えられている(Cell91,295-298,1997)。
【0004】
上記PRRにより認識される病原体会合分子パターン(PAMP:pathogen-associated molecular pattern)の一つは、グラム陰性菌の外膜の主成分であるリポ多糖(LPS)であって(Cell91,295-298,1997)、かかるLPSが宿主細胞を刺激して宿主細胞にTNF-α、IL-1及びIL-6等の各種炎症性サイトカインを産生させること(Adv.Immunol.28,293-450,1979、Annu.Rev.Immunol,13,437-457,1995)や、LPS結合タンパク質(LBP:LPS-binding protein)により捕獲されたLPSが細胞表面上のCD14に引き渡されることが知られている(Science249,1431-1433,1990、Annu.Rev.Immunol.13,437-457,1995)。本発明者らは、TLR4のノックアウトマウスを作製し、TLR4ノックアウトウスが上記グラム陰性菌の外膜の主成分であるLPSに不応答性であること(J.Immunol.162,3749-3752,1999)や、TLR2ノックアウトマウスを作製し、TLR2ノックアウトマウスのマクロファージがグラム陽性菌細胞壁やその構成成分であるペプチドグリカンに対する反応性が低下すること(Immunity,11,443-451,1999)や、TLR2及びMyD88シグナル伝達経路を介して生体反応を引き起こしていること(J.Immunol.164,554-557,2000)を報告している。
【0005】
また、本発明者らは、TLR6ノックアウトマウスと野生型マウスとTLR2ノックアウトマウスとを比較・解析することにより、TLR6がマイコプラズマ由来リポタンパク/リポペプチドを特異的に認識する受容体タンパク質であることや、TLR9について完全長cDNAを見い出し(GenBank登録番号AF245704)、TLR9が非メチル化CpG配列を有する細菌DNAを特異的に認識する受容体タンパク質であることを明らかにしている。その他、TLR7及びTLR8の新たな2つのメンバーがGenBankに登録されている(登録番号AF240467及びAF246971)。
【0006】
他方、イミキモド(imiquimod)は、抗ヘルペスウィルス活性をスクリーニングする際に見い出された免疫応答修飾剤であり、モデル動物における抗ウィルス活性及び抗腫瘍活性を示す。種々の細胞タイプにおけるIFN-γの二次誘導によるのと同様に、この薬剤は、IFN-α、IL-6、及びIL-12のようなサイトカインを誘導することにより抗ウィルス活性、抗増殖活性を示すこと(J.Leukoc.Biol.58,365-372,1995、J.Interferon Res,1989,S2115、Antimicrob.Agents Chemother.38,2059-2064,1994、Am.J.Clin.Pathol.102,768-774,1994)や、イミキモドがNF-κB及びMAPキナーゼを刺激することも明らかにされている(J.Immunol.165,5552-5557,2000、Mol.Cell.Biol.15,2207-2218,1995)。また、イミキモド及びその関連化合物は、タイプ2ヘルペスシンプレックスウィルス及びサイトメガロウィルスの複製を阻害することが知られている(J.Infect.Dis.183,844-849,2001、Antimicrob.Agents Chemother.32,678-83,1988)。そして、実際の治療において、イミキモドがヒトパピローマウィルスにより生じた外陰部疣贅(尖圭コンジローマ)の治療に対して有効であるとの報告(Sex.Transm.Infec.76,162-8,2000)や、イミキモドの誘導体であるR-848と略称されるレジキモド(resiquimod))が生殖器ヘルペスの治療にも有効であるとの報告(JAMA285,2182-2183,2001)がなされている。これらイミダゾキノリン(imidazoquinoline)系化合物であるイミキモドとR-848の構造式を以下に示す。
【0007】
【化1】
【0008】
TLRファミリーは、病原体の構成成分の認識に関わる受容体として知られており、上記のように、種々の細菌、真菌由来の構成成分がTLRファミリーによって認識されることが本発明者らにより明らかにされている。すなわち、本発明者らは既に、TLR2,TLR4,TLR6及びTLR9欠損マウスを作製し、TLR4はリポ多糖(LPS)に対して応答し、TLR2はグラム陽性菌由来のペプチドグリカン及びリポタンパク質に応答し、TLR2と同様に、TLR6はマイコプラズマのポリペプチドに応答し、TLR9は非メチル化CpG配列を有する細菌DNAに応答する受容体であることを明らかにした。しかしながら、TLR3、TLR7、TLR8、TLR10等のその他のTLRファミリーメンバーが、いかなる物質を認識するかは未だ知られていない。加えて、免疫賦活化作用を有する合成化合物を認識しうるタンパク質は知られていなかった。
産業上の利用分野
【0001】
本発明は、イミダゾキノリン系化合物R-848等の合成化合物を特異的に認識するTLR7をコードする遺伝子機能が染色体上で欠損した、イミダゾキノリン系化合物R-848等の合成化合物不応答性モデル非ヒト動物や、またこれらモデル非ヒト動物を用いたイミダゾキノリン系化合物R-848等の合成化合物に対する応答の抑制物質又は促進物質のスクリーニング方法や、免疫賦活化作用を有する合成化合物のスクリーニング方法等に関する。
特許請求の範囲 【請求項1】以下の(1)及び(2)の特徴を有するTLR7をコードする遺伝子の機能が染色体上で欠損したマウスを、イミダゾキノリン系化合物による免疫賦活化作用に対して不応答性のモデル動物として使用する方法。
(1)TLR7遺伝子のロイシンリッチリピートの一部をコードしている1.8kbの遺伝子フラグメントが、ポリAシグナルとネオマイシン耐性遺伝子をもつプラスミドに置換されている;
(2)上記(1)の置換のホモ接合型である;
【請求項2】マウスが、マウス遺伝子ライブラリーからマウスESTクローン由来のプローブを用いてスクリーニングすることにより得られたTLR7遺伝子のロイシンリッチリピートの一部をコードしている1.8kbの遺伝子フラグメントを、ポリAシグナルとネオマイシン耐性遺伝子をもつプラスミドに置換してターゲッティングベクターを構築し、該ターゲッティングベクターを線状化した後胚幹細胞に導入し、TLR7遺伝子機能を欠損した標的胚幹細胞を、マウスの胚盤胞中にマイクロインジェクションしキメラマウスを作製し、このキメラマウスと野生型マウスとを交配させてヘテロ接合体マウスを作製し、かかるヘテロ接合体マウスをインタークロスすることによって得られるTLR7ノックアウトマウスであることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】以下の(1)及び(2)の特徴を有するTLR7をコードする遺伝子の機能が染色体上で欠損したマウス由来の細胞を、イミダゾキノリン系化合物による免疫賦活化作用に対して不応答性のモデル細胞として使用する方法。
(1)TLR7遺伝子のロイシンリッチリピートの一部をコードしている1.8kbの遺伝子フラグメントが、ポリAシグナルとネオマイシン耐性遺伝子をもつプラスミドに置換されている;
(2)上記(1)の置換のホモ接合型である;
【請求項4】マウスが、マウス遺伝子ライブラリーからマウスESTクローン由来のプローブを用いてスクリーニングすることにより得られたTLR7遺伝子のロイシンリッチリピートの一部をコードしている1.8kbの遺伝子フラグメントを、ポリAシグナルとネオマイシン耐性遺伝子をもつプラスミドに置換してターゲッティングベクターを構築し、該ターゲッティングベクターを線状化した後胚幹細胞に導入し、TLR7遺伝子機能を欠損した標的胚幹細胞を、マウスの胚盤胞中にマイクロインジェクションしキメラマウスを作製し、このキメラマウスと野生型マウスとを交配させてヘテロ接合体マウスを作製し、かかるヘテロ接合体マウスをインタークロスすることによって得られるTLR7ノックアウトマウスであることを特徴とする請求項3記載の方法。
【請求項5】細胞が免疫細胞であることを特徴とする請求項3又は4記載の方法。
産業区分
  • 畜産
  • 有機化合物
  • 薬品
  • 微生物工業
  • 治療衛生
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
参考情報 (研究プロジェクト等) SORST 平成12年度採択課題
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