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OTDM/WDM伝送方法及び装置 コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P110003299
整理番号 Y03-P249
掲載日 2011年6月20日
出願番号 特願2004-026211
公開番号 特開2005-223369
登録番号 特許第4252470号
出願日 平成16年2月3日(2004.2.3)
公開日 平成17年8月18日(2005.8.18)
登録日 平成21年1月30日(2009.1.30)
発明者
  • 中沢 正隆
  • 廣岡 俊彦
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 OTDM/WDM伝送方法及び装置 コモンズ 新技術説明会
発明の概要 【課題】 時間波形歪みがなく、かつ、高速OTDM信号の多重分離が簡便な高速光伝送を実現する。
【解決手段】 時間軸上の光パルス波形をそのパルスの周波数スペクトルの形状(包絡線)に変換する光フーリエ変換装置2は、光パルスの送信側において、光時分割多重(OTDM)信号の時間領域パルス列を、時分割チャネルに対応する波長チャネルを有する波長分割多重(WDM)信号スペクトル列に、少なくとも1フレームを一括して変換する。変換されたWDM信号スペクトル列を光ファイバ3に入射し、受信側において、光ファイバ3中を伝搬したWDM信号スペクトル列をWDM光分岐回路4により各波長チャネルに分波する。スペクトル形状をそのパルスの時間軸上の光パルス波形に変換する光逆フーリエ変換装置2’は、各波長チャネルに対してそれぞれ、分波されたスペクトル列を波長チャネルに対応した時分割チャネルの時間信号波形に変換する。
【選択図】 図1
従来技術、競合技術の概要


パルス幅が数ピコ秒からサブピコ秒の超短パルスを用いた超高速OTDM伝送の実現には、波長分散や偏波分散などの光ファイバの線形効果による信号波形歪みの低減、ならびに伝送後の超高速信号の多重分離が重要な課題となる。超高速OTDM伝送としては、これまでに160Gbit/s-480km、640Gbit/s-100km、1.28Tbit/s-70kmといった実験結果が報告されている(例えば、非特許文献1、2、3参照)。これらの実験では、分散補償ファイバや分散スロープ補償ファイバを用い伝送ファイバ全体の二次および三次分散がほぼゼロになるよう極めて正確に制御することによって伝送信号の時間波形歪みを抑えている。



一方、100Gbit/s以上の超高速OTDM信号光の多重分離は電気的な信号処理速度の限界を超えるため、応答時間が極めて速い光ファイバ中の非線形光学効果を利用する方法が検討されている。具体的には、多重分離に用いる制御光のタイミングを基本繰り返し周波数の信号光に同期させて、制御光と信号光の間の四光波混合成分を用いる方法、あるいは制御光との相互位相変調によって信号光をスイッチングする方法などがある。このような手法により、光ファイバ中の四光波混合や非線形光ループミラーにおける相互位相変調を用いて、500Gbit/sや640Gbit/sOTDM信号光の10Gbit/sへの多重分離に成功している(例えば、非特許文献4、5参照)。



これらの方法では制御光に同期した1チャネルの信号光しか多重分離されないが、1つの多重分離装置で全てのチャネルを一括して多重分離する方法として、波長が線形にチャープした基本繰り返し周波数の制御光とOTDM信号光との間の相互位相変調を用いたOTDM多重分離技術が提案されている(例えば、非特許文献6を参照)。この方法では、該OTDM信号光のパルス列の時間位置で該制御光の線形チャープが相互位相変調により局所的にキャンセルされるため、該OTDM信号の各ビットがそれぞれ該制御光のスペクトルの異なる中心波長(WDM信号)に転写され、その結果として波長領域で各スペクトルを光フィルタで切り出すことにより一括多重分離を行なうことができる。



また、複数の波長分割多重化(WDM)光信号が、分散器としての光学的フーリエ変換素子に入力され、光学的フーリエ変換素子は波長全体にわたって各チャネルの情報ビットを分散してWDM分散光信号を搬送し、信号強度の劣化及び拡散を抑える方法及び装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。



また、本発明者は、任意の分散ならびに偏波モード分散、タイミングジッタを有する光ファイバに伝送される信号の波形歪みをフーリエ変換により同時にかつ完全に補償する新たな光伝送方法および光伝送装置(参考文献1:特願2003-23973「光伝送方法および光伝送装置」)、超高速光通信ならびに光計測などに用いられる超短パルス技術において、パルス光源から出力された光パルスの時間幅を任意の比率で圧縮するとともに、さらには任意のパルス波形を得ることができる光パルス圧縮器および光関数発生器(参考文献2:特願2003-109708「光パルス圧縮器および光関数発生器、光パルス圧縮方法および光関数発生方法」)、OTDM伝送において、伝送速度を高速化したときに問題となり得る光ファイバ伝送路の分散および偏波モード分散による信号の時間波形歪みを完全に(又はほとんど完全に)除去することを可能にする新たなOTDM伝送方法及び装置(参考文献3:特願2003-181964「OTDM伝送方法及び装置」)、光パルスの時間波形をその周波数スペクトルの形状(包絡線)に、及び/又は光パルスの周波数スペクトルの形状をその時間波形に変換する光フーリエ変換装置及び方法(参考文献4:特願2004-464「光フーリエ変換装置及び方法」)について出願している。なお、これら出願の内容は、参照により本明細書に組み込むことができる。



【特許文献1】
特開2002-314508号公報
【非特許文献1】
J.L.Auge, M.Cavallari, M.Jones, P.Kean, D.Watley, and A.Hadjifotiou, “Single channel 160Gb/s OTDM propagation over 480km of standard fiber using a 40GHz semiconductor mode-locked laser pulse source,” Optical Fiber Communication Conference(OFC), 2002, Paper TuA3.
【非特許文献2】
山本貴司、吉田英二、田村公一、中沢正隆、「フェムト秒パルスを用いた640Gbit/s OTDM信号の100km伝送」、信学論(C)、Vol.J83-B, pp.625-633, 2000.
【非特許文献3】
山本貴司、田村公一、中沢正隆、「位相変調器による3次、4次分散同時補償を用いた1.28Tbit/s-70kmフェムト秒パルスOTDM伝送」、信学論(B)、Vol.J84-B, pp.1587-1597, 2001.
【非特許文献4】
T.Morioka, H.Takara, S.Kawanishi, T.Kitoh, and M.Saruwatari, “Error-free 500Gbit/s all-optical demultiplexing using low-noise, low-jitter supercontinuum short pulses,” Electron. Lett. Vol.32, pp.833-834, 1996.
【非特許文献5】
山本貴司、吉田英二、中沢正隆、「超高速非線形ループミラーによるサブテラビットTDM光信号の多重分離」、信学論(C-I)、Vol.J82-C-I, pp.109-116, 1999.
【非特許文献6】
K.Uchiyama, S.Kawanishi, and M.Saruwatari, “Multiple-channel output all-optical OTDM demultiplexer using XPM-induced chirp compensation (MOXIC),” Electron. Lett. Vol.34, pp.575-576, 1998.

産業上の利用分野


本発明は、OTDM(光時分割多重、optical time division multiplexing)/WDM(波長分割多重、wavelength division multiplexing)伝送方法及び装置に係り、特に、光時分割多重(OTDM)伝送において、伝送速度を高速化したときに課題となる光ファイバ伝送路の分散および偏波モード分散による信号の時間波形歪みを完全に(又はほとんど完全に)除去することを可能にし、かつ、伝送速度より低速な信号処理技術で高速OTDM信号の多重分離を実現する新たなOTDM/WDM伝送方法及び装置に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
時間軸上の光パルス波形をそのパルスの周波数スペクトルの形状に変換するための光フーリエ変換装置を用いて、光フーリエ変換装置に入力される光時分割多重(OTDM)信号の時間領域パルス列を、各時分割チャネルに対応した波長チャネルを有する波長分割多重(WDM)信号スペクトル列に、複数の時分割チャネルを含むフレームを一括して変換し、
変換されたWDM信号スペクトル列を光ファイバに伝搬させ、
光ファイバ中を伝搬したWDM信号スペクトル列をWDM光分岐回路により各時分割チャネルに対応した各波長チャネルに分波し、
WDM光分岐回路により分波された各波長チャネルに対応して設けられ、スペクトル形状をそのパルスの時間軸上の光パルス波形に変換するための、時分割チャネル数の複数の光逆フーリエ変換装置を用いて、分波された各波長チャネルのスペクトルを、その波長チャネルに対応した時分割チャネルの時間信号波形に変換し、
伝送された光パルスが光ファイバ中でいかなる線形時間歪みを受けてもスペクトルの形状が保存されることから、受信側の各光逆フーリエ変換装置の出力で、送信側における時間信号を多重分離して再生するためのOTDM/WDM伝送方法。

【請求項2】
請求項1に記載のOTDM/WDM伝送方法において、
光フーリエ変換のための駆動周波数は、光時分割多重化前の光パルス列の繰り返し周波数Rの信号に基づいてN倍の多重化により得られるOTDM信号の繰り返し周波数NRに対して、多重化前の光パルス列の繰り返し周波数Rであることを特徴とするOTDM/WDM伝送方法。

【請求項3】
請求項1に記載のOTDM/WDM伝送方法において、
多重化数Nで光時分割多重化された、1フレームにNビット又はNチャネルを有するOTDM信号パルス列を、Nビット又はNチャネルを一括してフーリエ変換することにより、OTDM信号パルス列の各時分割チャネルに対応したNチャネルのWDM信号スペクトル列に変換することを特徴とするOTDM/WDM伝送方法。

【請求項4】
請求項1に記載のOTDM/WDM伝送方法において、
繰り返し周波数Rの信号に基づいて多重化数Nで光時分割多重化された伝送速度NRのOTDM信号パルス列を、WDM光分岐回路及び繰り返し周波数Rで動作する光逆フーリエ変換装置によって多重分離することを特徴とするOTDM/WDM伝送方法。

【請求項5】
請求項1に記載のOTDM/WDM伝送方法において、
光フーリエ変換装置及び光逆フーリエ変換装置は、光パルスに群速度分散を与えるための分散要素と、線形チャープを与えるための位相変調器とをそれぞれ備え、
受信側における光逆フーリエ変換装置の分散要素の群速度分散、及び、位相変調器のチャープ率の各符号は、送信側の光フーリエ変換装置のそれらと完全に反転したものを用いることを特徴とするOTDM/WDM伝送方法。

【請求項6】
請求項1に記載のOTDM/WDM伝送方法において、
前記光フーリエ変換装置及び/又は前記光逆フーリエ変換装置は、光パルスに群速度分散を与えるための分散要素と、線形チャープを与えるための位相変調器とをそれぞれ備え、
位相変調器のチャープ率Kと分散要素の群速度分散Dとが、K=1/Dの関係を満たすことを特徴とするOTDM/WDM伝送方法。

【請求項7】
請求項1に記載のOTDM/WDM伝送方法において、
OTDM信号パルス列としてフーリエ変換限界のパルスを用いることを特徴とするOTDM/WDM伝送方法。

【請求項8】
光時分割多重化された光パルス列を出力する光時分割多重(OTDM)信号送信器と、
前記OTDM信号送信器から出力されたOTDM信号パルス列に対して、時間軸上の光パルス波形をそのパルスの周波数スペクトルの形状に変換するための光フーリエ変換装置と、
前記光フーリエ変換装置から出力され、光ファイバを伝搬した光パルス列を分波するWDM光分岐回路と、
前記WDM光分岐回路により分波された各波長チャネルに対応して設けられ、スペクトルの形状を時間軸上の光パルス波形に変換するための、1フレームに含まれる時分割チャネル数の複数の光逆フーリエ変換装置と
を備え、
前記光フーリエ変換装置は、前記OTDM信号送信器からのOTDM信号の時間領域パルス列を、各時分割チャネルに対応した波長チャネルを有する波長分割多重(WDM)信号スペクトル列に、複数の時分割チャネルを含むフレームを一括して変換して、変換されたWDM信号スペクトル列を光ファイバ中に伝搬させ、
前記WDM光分岐回路は、前記光ファイバ中を伝搬したWDM信号スペクトル列を、各時分割チャネルに対応した各波長チャネルに分波し、
前記光逆フーリエ変換装置は、分波された各波長チャネルのスペクトルを、その波長チャネルに対応した時分割チャネルの時間信号波形に変換し、
伝送された光パルスが光ファイバ中でいかなる線形時間歪みを受けてもスペクトルの形状が保存されることから、受信側の各前記光逆フーリエ変換装置の出力で、送信側における時間信号を多重分離して再生するためのOTDM/WDM伝送装置。

【請求項9】
請求項8に記載のOTDM/WDM伝送装置において、
前記光フーリエ変換装置による光フーリエ変換のための駆動周波数は、
光時分割多重化前の光パルス列の繰り返し周波数Rの信号に基づいてN倍の多重化により得られるOTDM信号の繰り返し周波数NRに対して、多重化前の光パルス列の繰り返し周波数Rであることを特徴とするOTDM/WDM伝送装置。

【請求項10】
請求項8に記載のOTDM/WDM伝送装置において、
前記光フーリエ変換装置は、
多重化数Nで光時分割多重化された、1フレームにNビット又はNチャネルを有するOTDM信号パルス列を、Nビット又はNチャネルを一括して光フーリエ変換することにより、OTDM信号パルス列の各時分割チャネルに対応したNチャネルのWDM信号スペクトル列に変換することを特徴とするOTDM/WDM伝送装置。

【請求項11】
請求項8に記載のOTDM/WDM伝送装置において、
前記光逆フーリエ変換装置は、繰り返し周波数Rの信号に基づいて多重化数Nで光時分割多重化されたOTDM信号の伝送速度NRに対して、繰り返し周波数Rで動作し、
伝送速度NRのOTDM信号パルス列を、前記WDM光分岐回路及び周波数Rで動作する前記光逆フーリエ変換装置によって多重分離することを特徴とするOTDM/WDM伝送装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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