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基板に分子を固定する方法

国内特許コード P110003306
整理番号 N032P11
掲載日 2011年6月20日
出願番号 特願2004-050964
公開番号 特開2005-238380
登録番号 特許第4636466号
出願日 平成16年2月26日(2004.2.26)
公開日 平成17年9月8日(2005.9.8)
登録日 平成22年12月3日(2010.12.3)
発明者
  • 高見 知秀
  • 山下 正廣
  • 杉浦 健一
  • 高石 慎也
出願人
  • 独立行政法人科学技術振興機構
  • ヴイア-ルアイ株式会社
発明の名称 基板に分子を固定する方法
発明の概要

【課題】 基板と分子との親水的、あるいは疎水的相互作用を利用することにより、分子の配列を制御すること、および配列した分子を走査トンネル顕微鏡によって観測すること。また、(1)基板の清浄表面がえられること、(2)基板の電気抵抗がある程度小さい(106 Ω cm以下)こと、(3)基板分子において親水性官能基と疎水性官能基とが規則的に配列していること、の条件を満たす基板の提供を課題とする。
【解決手段】 分子の配列を制御して固定するための基板として、擬一次元ハロゲン架橋金属錯体結晶を利用する方法等により、上記課題を解決する。
【選択図】 図1

従来技術、競合技術の概要


近年ナノメートルスケールで基板上に分子配列を制御する技術(ナノテクノロジー)が注目されている。現在、基板として用いられている化合物に高配向焼結グラファイト(HOPG)、二硫化モリブデン(MoS2)などがある(例えば非特許文献1、2参照)。これらの技術は基盤と分子の間に働く分子間力(ファンデルワールス力)を利用して分子を基板上に固定している。



また、金結晶薄膜上にアルカンチオールを吸着させることにより自己組織化単分子膜を作製することが可能になっている(例えば非特許文献3、4参照)。この方法はアルカンチオールと金との間の結合力(20-50 kcal mol-1)を利用して、吸着したチオール分子が脱着することなく、表面を移動することができるという化学的性質を利用している。



しかしこれらの基板では、表面の化学的性質や格子間隔を自由に制御する事は困難である。



本出願に関連する先行技術文献情報としては次のものがある。

【非特許文献1】ギュンタロッド、ヴィーゼンダンガー(H.-J. Guntherodt and R. Wiesendanger)編,「走査トンネル顕微鏡I: 清浄表面と吸着物被覆表面への一般原理と応用(Scanning Tunneling Microscopy I: General Principles and Applications to Clean and Adsorbate- Covered Surfaces)」,(ドイツ),表面科学シュプリンガーシリーズ第20巻(Springer Series in Surface Sciences, Vol. 20),シュプリンガー社(Springer),平成6年(第2版改訂版),p.25-205,258-267

【非特許文献2】ヴィーゼンダンガー、ギュンタロッド(R. Wiesendanger and H.-J. Guntherodt)編,「走査トンネル顕微鏡II: 更なる応用と関連する走査手法(Scanning Tunneling Microscopy II: Further Applications and Related Scanning Techniques)」,(ドイツ),表面科学シュプリンガーシリーズ第28巻(Springer Series in Surface Sciences, Vol. 28),シュプリンガー社(Springer),平成5年(第2版改訂版),p.70-84,314-317

【非特許文献3】アブラハム ウルマン(Abraham Ulman)著,「有機薄膜序説:ラングミュア-ブロジェットから自己組織化まで(An Introduction to Thin Organic Films: From Langmuir-Blodgett to Self-Assembly)」,(米国),アカデミック プレス社(Academic Press, Inc.),平成3年,p.237-304

【非特許文献4】アブラハム ウルマン(Abraham Ulman),「自己組織化単分子膜の作製と構造(Formation and Structure of Self-Assembled Monolayers)」,(米国),化学総説(Chemical Review),アメリカ化学会(American Chemical Society),平成8年6月,第96巻,第4号,p.1533-1554

【非特許文献5】山下正廣(Masahiro Yamashita)、他9名,「疑似一次元臭素架橋ニッケル-パラジウム混合金属-ハロゲン鎖状化合物Ni1-xPdx(chxn)2Br3における,パラジウムII価とIV価の混合価電子状態の電子-フォノン相互作用と,ニッケルIII価状態の電子相関との間の競合による電荷密度波の強度の制御(Tuning of Charge Density Wave Strengths by Competition between Electron-Phonon Interaction of PdII-PdIV Mixed-Valence States and Electron Correlation of NiIII States in Quasi-One-Dimensional Bromo-Bridged Ni-Pd Mixed-Metal MX Chain Compounds Ni1-xPdx(chxn)2Br3)」,(米国),無機化学(Inorganic Chemistry),アメリカ化学会(American Chemical Society),平成11年10月14日(電子出版),第38巻,第22号,p.5124-5130

【非特許文献6】山下正廣(Masahiro Yamashita)、他18名,「コバルトIII価イオンのドーピングによる強電子相関を持つ疑似一次元臭素架橋ニッケルIII価錯体の電子構造の制御,[Ni1-xCox(Chxn)2Br]Br2(Tuning of Electronic Structures of Quasi-One-Dimensional Bromo-Bridged Ni(III) Complexes with Strong Electron-Correlation by Doping of Co(III) Ions, [Ni1-xCox(Chxn)2Br]Br2)」,(米国),無機化学(Inorganic Chemistry),アメリカ化学会(American Chemical Society),平成14年3月22日(電子出版),第41巻,第8号,p.1998-2000

【非特許文献7】松本章一(Akikazu Matsumoto)、他4名,「アルキルアミン分子の有機高分子結晶への(Intercalation of alkylamines into an organic polymer crystal)」,(英国),ネイチャー(Nature),ネイチャー出版グループ(Nature Publishing Group)平成12年5月18日号,第405巻,p.328-330

【非特許文献8】リー(S. H. Lee)、他3名,「ガリウムとアンモニアの直接反応で成長した,マグネシウムをドープした窒化ガリウム微結晶の同定(Characterization of Mg-Doped GaN Micro-Crystals Grown by Direct Reaction of Gallium and Ammonia)」,(ドイツ),固体状態物理(b):基礎研究(physica status Solidi (b): basic research),ジョンワイリー アンド サンズ社(John Wiley & Sons, Inc.),平成13年11月13日(電子出版),第228巻,第2号,p.371-373

【非特許文献9】リ(Jianye Li)、他4名,「窒化ガリウムのナノ-リボン環(gallium nitride nano-ribbon rings)」,(英国),物理学雑誌:凝集体(Journal of Physics: Condensed Matter),英国物理学会(Institute of Physics),平成13年4月9日,第13巻,第14号,p.L285-L289

産業上の利用分野


本発明は、分子の配列をナノメートルスケールで制御して固定するための基板として、擬一次元ハロゲン架橋金属錯体結晶を用いる方法に関し、ナノテクノロジーにおいて基板上に分子を配列させるための技術として応用されるものであり、分子デバイス構築のための基盤技術となる。

特許請求の範囲 【請求項1】
分子の周期間隔を制御して固定するための基板として擬一次元ハロゲン架橋金属錯体結晶を利用する、基板に分子を固定する方法であって、
[M(chxn)2Br]Br2を劈開して得たbc軸表面を基板表面とし、当該基板表面の結晶構造の周期を利用することによって、前記基板に固定される分子の周期間隔が制御される、基板に分子を固定する方法。

【請求項2】
請求項1において、擬一次元ハロゲン架橋Ni錯体およびPd錯体を基板として用いる、基板に分子を固定する方法。

【請求項3】
請求項2において、擬一次元ハロゲン架橋金属錯体[Ni(chxn)2Br]Br2、[Pd(chxn)2Br]Br2、または[Ni1-xPdx(chxn)2Br]Br2(0<x<1) (chxn: 1R, 2R- diaminocyclohexane) を基板として用いる、基板に分子を固定する方法。

【請求項4】
請求項2において、擬一次元ハロゲン架橋混合金属錯体[Ni1-xCox(chxn)2Br]Br2(chxn: 1R, 2R- diaminocyclohexane) を基板として用いる、基板に分子を固定する方法。
産業区分
  • その他機械要素
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
画像

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JP2004050964thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
参考情報 (研究プロジェクト等) CREST 高度情報処理・通信の実現に向けたナノ構造体材料の制御と利用 領域
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