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電気泳動用ゲルおよびその利用 実績あり

国内特許コード P110003307
整理番号 RX03P16
掲載日 2011年6月20日
出願番号 特願2004-052519
公開番号 特開2005-241477
登録番号 特許第4465209号
出願日 平成16年2月26日(2004.2.26)
公開日 平成17年9月8日(2005.9.8)
登録日 平成22年2月26日(2010.2.26)
発明者
  • 和田 芳直
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
  • 地方独立行政法人 大阪府立病院機構
発明の名称 電気泳動用ゲルおよびその利用 実績あり
発明の概要 【課題】 簡便に作製でき、かつ、タンパク質等の試料を高効率で回収することが可能な電気泳動用ゲル、およびその利用を提供する。
【解決手段】 電気泳動によって分離された試料をゲルから抽出回収するために用いられる電気泳動用ゲル10であって、試料を投入するための試料投入部11と、分離した試料を回収するための試料回収部12と、が形成されており、試料回収部12におけるゲルの厚みD2が、試料投入部11におけるゲルの厚みD1に比べて、薄く形成されている電気泳動用ゲル10によれば、タンパク質等の試料を高効率で回収することができる。
【選択図】 なし
従来技術、競合技術の概要


従来、分子生物学の分野において、ゲル電気泳動法が常用されている。ゲル電気泳動法とは、一種の分子篩効果によって、生体分子を分離させる分析手段である。すなわち、適当なゲル濃度のものを用いて電気泳動を行うと、分子の大小により移動速度が異なるため、優れた分離が得られることになる。このため、例えば、タンパク質その他生体高分子等の混合物の分析・精製試料の純度検定に常用される。



このゲル電気泳動法のなかでも、ポリアクリルアミドゲルを支持体(担体)とする一種のゾーン電気泳動法であるアクリルアミドゲル電気泳動法がよく利用されている。このアクリルアミドゲル電気泳動法について簡単に説明すると、ゲルはアクリルアミドに架橋剤N,N’-メチレンビスアクリルアミドを加え、重合させて作製する。これらゲルには平板状のものや細い円筒状のもの等が考案されているが、平板状のものが多用されている。以下、平板状のアクリルアミドゲル電気泳導法を例に挙げてより詳細に説明する。



2枚のガラス基板を所定の間隔を空けて配置し、これら2枚のガラス基板の間に注入したアクリルアミドを重合させて電気泳動用ゲルを作製することになる。ゲルの上端部には分析する試料を注入するためのくぼみがあり、このくぼみは一般的にウェルと称される。ウェルの形状、大きさはゲルを作製する際に使用するコーム(櫛)と呼ばれる「型」の形状、大きさによって決定される。アクリルアミドが重合することによってゲル化する前にコームをセットしておき、ゲル化した後、コームを引き抜くと、引き抜かれた部分にウェルが形成されることになる。



ゲルはガラス基板に挟んだまま、ウェルを形成したゲルの端部(上端部)とゲルのもう一方の端部(下端部)とを緩衝液に浸漬・接触させておく。分析する試料は溶液であるため、予め試料溶液の比重をゲルが浸漬されている緩衝液の比重より大きくしておくことで、試料溶液をウェルに沈めることができる。このようにして試料を添加した後に、緩衝液を介してゲルの両端に電圧を印加することで、試料溶液中のタンパク質をゲル内に導く。



また、アクリルアミドゲル電気泳導法の場合、ウェルに近いゲル部分はタンパク質試料が濃縮するように、アクリルアミド濃度と緩衝液pHを調整してある。このように調整したゲル部分のことを濃縮ゲル(スタッキングゲル)と称する。ウェルに注入されたタンパク質試料をこの部分で濃縮した後、分離ゲルと呼ばれる部分に導き、分子サイズによる泳動速度の違いによって分離する。最後に、泳動によってゲル内に分離したタンパク質を、染色などによって可視化する。



このようなアクリルアミドゲル電気泳動法に用いられるゲルの一般的な構成は、2枚のガラス基板の間に形成されるアクリルアミドゲルの厚さ:1~2ミリメートル、アクリルアミド溶液に挿入されてウェルを形成するコームの厚み:1~2ミリメートルである。また、一般的なウェルの大きさは、幅(泳動方向に対して直角方向)2~5ミリメートル、深さ(泳動方向に対して平行)3~15ミリメートルである。分析する試料溶液の注入量は、数マイクロリットル~数十マイクロリットルと微量である。



さらに、上述の一般的なゲルの構成に改良を加え、様々に変形された電気泳動用のゲルが開発されている。例えば、特許文献1には、試料の分離効率を高めるために、厚さ50μm~350μmの濃縮ゲルと、厚さ50μm以下の分離ゲルとからなる平板の電気泳動用ゲルを用いる技術について開示されている。また、特許文献2には、染色と分離精製とを同一の泳動パターンに基づいて行うために、2つ以上の並列密着した電気泳動用平板ゲル層を有する電気泳動用分離ゲルを用いることが開示されている。また、特許文献3には、試料の注入を容易にするために、くさび形のコームを使用する電気泳動用ゲルについて開示されている。
【特許文献1】
特開2001-133438号公報(公開日:2001年5月18日)
【特許文献2】
特開平1-96550号公報(公開日:1989年4月14日)
【特許文献3】
特許公報第2620504号公報(登録日:1997年3月11日、対応公開公報:特開平6-229983号広報(公開日:1994年8月19日))

産業上の利用分野


本発明は、電気泳動用のゲルおよびその利用に関するものであり、より詳細には、タンパク質やペプチド等の生体試料の分析・回収用に好適な電気泳動用のゲルおよびその利用に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
電気泳動によって分離された試料をゲルから抽出回収するために用いられる電気泳動用ゲルであり、試料を投入するための試料投入部と、分離した試料を回収するための試料回収部と、が形成されており、上記試料回収部におけるゲルの厚みが、上記試料投入部におけるゲルの厚みに比べて、薄く形成されている電気泳動用ゲルの製造方法であって、
少なくとも2枚の基板が、所定の間隔を設けて、対向するように配置されており、
上記2枚の基板の間に設けられた間隙に、どちらか一方の基板に接し、もう一方の基板には接しないように、空間充填手段が設けられており、
上記2枚の基板の間隙に固化前ゲル組成物を注入することによって、上記空間充填手段に接しない基板と、上記空間充填手段との間隙に上記試料回収部を形成することを特徴とする電気泳動用ゲルの製造方法。

【請求項2】
上記電気泳動用ゲルは、濃縮ゲルと分離ゲルとを備えており、
上記試料回収部は、少なくとも分離ゲルの一部に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電気泳動用ゲルの製造方法。

【請求項3】
上記試料回収部の厚みは0.1mm以上0.75mm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の電気泳動用ゲルの製造方法。

【請求項4】
上記電気泳動用ゲルは2枚の基板の間に挟まれて保持されており、
上記試料投入部と試料回収部との厚みの差によって、上記基板と試料回収部との間に生じる間隙に、空間充填手段が設けられていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の電気泳動用ゲルの製造方法。

【請求項5】
上記空間充填手段は、平板状の薄層、または平板状の薄層が2枚以上積層されているものであることを特徴とする請求項4に記載の電気泳動用ゲルの製造方法。

【請求項6】
上記空間充填手段と試料回収部とは、固着されていることを特徴とする請求項4または5に記載の電気泳動用ゲルの製造方法。

【請求項7】
上記試料が、タンパク質、ペプチド、DNA、またはRNAであることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の電気泳動用ゲルの製造方法。

【請求項8】
上記空間充填手段は、平板状の薄層、または平板状の薄層が2枚以上積層されているものであることを特徴とする請求項1に記載の電気泳動用ゲルの製造方法。

【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の電気泳動用ゲルの製造方法によって製造されることを特徴とする電気泳動用ゲル。

【請求項10】
請求項1~8のいずれか1項に記載の電気泳動用ゲルの製造方法を実施するための製造キットであって、
以下の(a)~(d)を備えることを特徴とする製造キット。
(a)空間充填手段
(b)少なくとも2枚の基板
(c)2枚の基板を、所定の間隔を設けて対向するように配置するための間隙手段
(d)ゲル材料

【請求項11】
請求項9に記載の電気泳動用ゲルを支持体として有することを特徴とする電気泳動装置。

【請求項12】
請求項9に記載の電気泳動用ゲルを用いて電気泳動を行い、試料を分離した後、試料回収部から試料を抽出回収することを特徴とする試料回収方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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