TOP > 国内特許検索 > 無機化合物複合体、および、その製造方法、並びに、医療用材料

無機化合物複合体、および、その製造方法、並びに、医療用材料

国内特許コード P110003352
整理番号 K020P38
掲載日 2011年6月20日
出願番号 特願2004-138813
公開番号 特開2005-319022
登録番号 特許第4806166号
出願日 平成16年5月7日(2004.5.7)
公開日 平成17年11月17日(2005.11.17)
登録日 平成23年8月19日(2011.8.19)
発明者
  • 古薗 勉
  • 岸田 晶夫
  • 安田 昌司
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
  • 財団法人ヒューマンサイエンス振興財団
発明の名称 無機化合物複合体、および、その製造方法、並びに、医療用材料
発明の概要 【課題】 基材の物性を損なわせることなく、生体適合性がより一層高い無機化合物複合体を提供する。
【解決手段】 生体活性を有する無機化合物が、基材粒子が有する官能基と化学結合してなる無機化合物複合体の製造方法であって、上記無機化合物と化学結合可能な官能基を有し、かつ、基材粒子と反応可能な官能基含有化合物を、基材粒子と反応させることにより、上記基材粒子に、上記官能基を導入する導入工程と、上記導入工程にて官能基が導入された基材粒子と未反応の官能基化合物とを分離する分離工程と、上記基材粒子に導入された官能基と、上記無機化合物とを反応させる反応工程とを行う。これにより、基材における無機化合物の結合量が5重量%以上である無機化合物複合体を得ることができる。
【選択図】 なし
従来技術、競合技術の概要


シリコーンゴムや、ポリウレタン等の高分子基材は、生体不活性、長期安定性、強度および柔軟性等の特性を有しており、例えば、経皮カテーテルのような医療用材料として広く用いられている。しかし、上記例示の高分子基材は生体不活性であるために、上記例示の高分子基材を医療用材料として用いる場合には、経皮部において生体組織との接着が起こらず、皮膚のダウングロース(上皮組織がカテーテル表面に沿って内部へ陥入していく現象)、および、陥入部位における細菌感染の危険性が常に問題となっている。



一方、例えば、ハイドロキシアパタイト等のリン酸カルシウムは、生体活性材料として医療分野において広く用いられている。そして、リン酸カルシウムは、具体的には、単独または無機材料や有機材料と複合化させたものが広く用いられている。上記リン酸カルシウムは、例えば、経皮カテーテル等の部材として使用されている。



しかし、上記リン酸カルシウムは、脆く、成形性が悪く、金属性部材との結合性がない。従って、例えば、上記リン酸カルシウムを経皮カテーテルとして用いた場合には、金属性部材とリン酸カルシウム端子との間隙から細菌感染が起こる可能性がある等の問題がある。



そこで、このような問題を解消する手法の一つとして、例えば、上記高分子基材の表面にハイドロキシアパタイト等のリン酸カルシウムを修飾したリン酸カルシウム複合体を用いることが提案されている。



そして、上記高分子基材の表面に、リン酸カルシウムを修飾する方法としては、具体的には、例えば、スパッタリングイオンビームを用いて修飾する方法(特許文献1参照)、プラズマ処理法を用いて修飾する方法(特許文献2参照)、ガラスとの複合化により修飾する方法(特許文献3参照)、生体模倣反応を利用して修飾する方法(特許文献4参照)、および、交互浸漬法を利用して修飾する方法(特許文献5参照)等の方法が提案されている。



しかしながら、上記特許文献1~5に開示の修飾法に用いられるリン酸カルシウムは、結晶構造がアモルファスであり、生体内で溶解し易いので、生体活性の持続が十分でない。従って、例えば、上記リン酸カルシウムを、生体内で溶解させる用途(例えば、骨置換材料)においては、好適に使用することができるが、経皮端子等の上記リン酸カルシウムを長期間、体内で保持する用途等においては、好適に用いることができない。また、上記特許文献1~5に開示の修飾法では、リン酸カルシウムを高分子基材に物理的に固着させており、接着強度が弱いという問題点がある。



そこで、上記リン酸カルシウムを長期間、体内で保持する用途に使用する場合における、高分子基材の表面を上記リン酸カルシウムで修飾する方法が求められており、例えば、特許文献6や、特許文献7に開示されている方法等が挙げられる。



上記特許文献6には、接着剤を用いてセラミック多孔質粒子を高分子基材の表面に固着する方法や、高分子基材を溶融してセラミック多孔質粒子を固定する方法によって得られる腹腔内留置カテーテルが開示されている。
【特許文献1】
特開平8-56963号公報(公開日;1996年3月5日)
【特許文献2】
特開平7-303691号公報(公開日;1995年11月21日)
【特許文献3】
特開昭63-270061号公報(公開日;1988年11月8日)
【特許文献4】
特開平7-306201号公報(公開日;1995年11月21日)
【特許文献5】
特開2000-342676公報(公開日;2000年12月12日)
【特許文献6】
特開平10-15061号公報(公開日;1998年1月20日)
【特許文献7】
特開2001-172511公報(公開日;2001年6月26日)
【特許文献8】
特開2004-051952公報(公開日;2004年2月19日)

産業上の利用分野


本発明は、生体適合性および生体組織に対する密着性、接着性が向上された無機複合体およびその製造方法、医療用材料に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
生体活性を有する無機化合物が、有機高分子からなる粒子形状の基材粒子の表面に化学結合してなる無機化合物複合体であって、
上記基材粒子に対する無機化合物の結合量が5重量%以上であることを特徴とする無機化合物複合体。

【請求項2】
上記基材粒子は、長軸方向の長さが1μm~1cmの範囲内であり、短軸方向の長さが1nm~1mmの範囲内である柱状または球状の粒子形状であることを特徴とする請求項1記載の無機化合物複合体。

【請求項3】
上記生体活性を有する無機化合物が、リン酸カルシウム焼結体、酸化チタンから群より選ばれる少なくとも1種類の化合物であることを特徴とする請求項1または2記載の無機化合物複合体。

【請求項4】
上記基材粒子が、シルクフィブロインであることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の無機化合物複合体。

【請求項5】
上記無機化合物と化学結合可能な官能基を有し、かつ、基材粒子と反応可能な官能基含有化合物を、上記基材粒子と溶媒中で反応させることにより、上記基材粒子の表面に、上記官能基を導入する導入工程と、
上記導入工程にて官能基が導入された基材粒子と未反応の官能基含有化合物とを分離する分離工程と、
上記基材粒子に導入された官能基と上記無機化合物とを反応させる反応工程とを含み、
上記分離工程は、導入工程後の反応溶液をろ過して官能基が導入された基材粒子を得た後、上記ろ過で得られた当該官能基が導入された基材粒子に超音波を照射して高分子化した官能基含有化合物をさらに分離する工程である方法によって得られたことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の無機化合物複合体。

【請求項6】
上記官能基が、イソシアネート基、アルコキシシリル基、カルボキシル基、および4‐メタクリロキシエチルトリメルリテートアンハイドライド基からなる群より選ばれる少なくとも一つの官能基であることを特徴とする請求項5に記載の無機化合物複合体。

【請求項7】
生体活性を有する無機化合物が、有機高分子からなる粒子形状の基材粒子が有する官能基と化学結合してなる無機化合物複合体の製造方法であって、
上記無機化合物と化学結合可能な官能基を有し、かつ、基材粒子と反応可能な官能基含有化合物を、基材粒子と溶媒中で反応させることにより、上記基材粒子に、上記官能基を導入する導入工程と、
上記導入工程にて官能基が導入された基材粒子と未反応の官能基化合物とを分離する分離工程と、
上記基材粒子に導入された官能基と、上記無機化合物とを反応させる反応工程とを含み、
上記分離工程は、導入工程後の反応溶液をろ過して官能基が導入された基材粒子を得た後、上記ろ過で得られた当該官能基が導入された基材粒子に超音波を照射して高分子化した官能基含有化合物をさらに分離する工程であることを特徴とする無機化合物複合体の製造方法。

【請求項8】
基材を粒子状に形成する形成工程を含むことを特徴とする請求項7記載の無機化合物複合体の製造方法。

【請求項9】
上記官能基が、イソシアネート基、アルコキシシリル基、カルボキシル基、および4‐メタクリロキシエチルトリメルリテートアンハイドライド基からなる群より選ばれる少なくとも一つの官能基であることを特徴とする請求項7記載の無機化合物複合体の製造方法。

【請求項10】
請求項1~6のいずれか1項に記載の無機化合物複合体を用いてなる医療用材料。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) さきがけ ナノと物性 領域
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、問合せボタンを押してください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close