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真空紫外光用蛍光体の製造方法、および真空紫外光用蛍光体

国内特許コード P110003371
整理番号 K053P89
掲載日 2011年6月21日
出願番号 特願2004-217898
公開番号 特開2005-060679
登録番号 特許第4320442号
出願日 平成16年7月26日(2004.7.26)
公開日 平成17年3月10日(2005.3.10)
登録日 平成21年6月12日(2009.6.12)
優先権データ
  • 特願2003-201781 (2003.7.25) JP
発明者
  • 陳 丹平
  • 赤井 智子
出願人
  • 独立行政法人科学技術振興機構
  • 独立行政法人産業技術総合研究所
発明の名称 真空紫外光用蛍光体の製造方法、および真空紫外光用蛍光体
発明の概要

【課題】 ガラス母材が高い紫外光透過率を有し、化学的・機械的に優れていると共に、特に真空紫外領域の照射により強い蛍光を発する真空紫外光用蛍光体の製造方法および当該真空紫外光用蛍光体を提供する。
【解決手段】 本発明に係る真空紫外光用蛍光体の製造方法は、重金属または希土類元素を含んでなるアルカリホウケイ酸塩ガラスに熱処理を施して分相する分相工程と、分相された上記アルカリホウケイ酸塩ガラスに酸処理を施して金属、アルカリおよびホウ酸を溶出することにより多孔質ガラスを得る酸処理工程と、上記酸処理工程により得られた多孔質ガラスに、少なくとも1種の金属原子を吸着させる吸着工程と、上記吸着工程により得られた金属原子吸着多孔質ガラスを、大気中あるいは還元雰囲気中にて焼成させる焼成工程とを有する。
【選択図】 なし

従来技術、競合技術の概要


従来より、波長200nm以下の紫外光、すなわち真空紫外領域の紫外光で励起される真空紫外光用蛍光体が種々提案されている。このような真空紫外光用蛍光体としては様々な種類のものが知られているが、ほとんどは無機物質から構成されている。これら各種真空紫外光用蛍光体は、希ガスランプ等の照明装置やプラズマディスプレイ等の表示装置に広く用いられている。



上記真空紫外光用蛍光体のうち、いくつかの種類のものは水銀線用蛍光体を改良することによって得られる。水銀線用蛍光体とは、水銀線(254nm)の波長域を有する紫外光で励起される蛍光体であり、これを改良して得られる真空紫外光用蛍光体としては、たとえば、緑色に発光するBaAl1219:Mn2+やZn2SiO4:Mn2+、赤色に発光する(Y.Gd)BO3:Eu3+あるいはY23:Eu3+、青色に発光するBaMgAl1019:Eu2+などが一般的に良く用いられている。その他にも、真空紫外領域で励起されやすい工夫を凝らした、アルカリ土類金属のアルミノケイ酸塩蛍光体(特許文献1)、希土類酸化物蛍光体(特許文献2)、希土類リン酸蛍光体(特許文献3)、などの真空紫外光用蛍光体が知られている。



しかし、これらの蛍光体は、一般に母材が紫外光をあまり透過しないため、まず粉体状に加工する必要があり、また、発光に寄与するのが粉体の最表面層(数十nm)程度となっている。したがって、通常の水銀線の紫外光を照射した場合と比較して、真空紫外領域の紫外光を照射した場合に、輝度が著しく低いという問題があった。また、母材が照射された紫外光を吸収するため、蛍光体の照射欠陥などを生じやすく、材料劣化が激しいという問題もあった。特に、上記の蛍光体をプラズマディスプレイで使用した場合、イオン衝撃が大きいため、材料劣化がさらに激しくなっていた。そのため、プラズマディスプレイの寿命が短くなるなどの問題を生じさせていた。



さらに、上記した従来の蛍光体は、真空紫外光によって励起されると、温度消失しやすいという欠点を有していた。特に、青色蛍光体であるBaMgAl1019:Eu2+は劣化しやすい。この劣化の原因は、有機バインダーを300℃~500℃でベーキング処理する際に表面のEu2+(二価ユーロピウムイオン)が酸化されることにあった。



そこで、上記従来の蛍光体における問題点の解消を図るべく、様々な新規蛍光体が提案されている。具体的には、上記のような照射欠陥、材料劣化および温度消失等の不具合を防ぐことを目的として、(1)表面に酸化物皮膜をした真空紫外光用蛍光体がいくつか提案されている(特許文献4~6)。また、蛍光の輝度を根本的に増加させることを目的として、(2)母材に紫外光透過率の高いフッ化物を使用した真空紫外光用蛍光体(特許文献7)も提案されている。

【特許文献1】特開2002-294230号公報(公開日:平成14年(2002年)10月9日)

【特許文献2】特開2002-256262号公報(公開日:平成14年(2002年)9月11日)

【特許文献3】特開2002-212553号公報(公開日:平成14年(2002年)7月31日)

【特許文献4】特開平8-319483号公報(公開日:平成8年(1996年)12月3日)

【特許文献5】特開平10-330746号公報(公開日:平成10年(1998年)12月15日)

【特許文献6】特開平10-298548号公報(公開日:平成10年(1998年)11月10日)

【特許文献7】特開2002-020745号公報(公開日:平成14年(2002年)1月23日)

【特許文献8】米国特許第2106774号

【非特許文献1】著者:赤井智子、陳丹平、増井大二、三由洋、矢澤哲夫、「新しい廃ガラスのリサイクル方法」、Journal of Ecotechnology Research、152-153頁、発行元:エコテクノロジー研究会、発行日:2002年12月5日

産業上の利用分野


本発明は、ガラス母材が高い紫外光透過率を有し、化学的・機械的に優れていると共に、特に真空紫外領域(波長200nm以下)の光を照射することにより強く蛍光を発する真空紫外光用蛍光体の製造方法と、この製造方法により得られる真空紫外光用蛍光体とに関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
真空紫外領域の波長を有する紫外光の照射により蛍光を発する真空紫外光用蛍光体の製造方法であって、
セリウムを含んでなるアルカリホウケイ酸塩ガラスに熱処理を施して分相する分相工程と、
分相された上記アルカリホウケイ酸塩ガラスに酸処理を施して金属、アルカリおよびホウ酸を溶出することにより多孔質ガラスを得る酸処理工程と、
上記酸処理工程により得られた多孔質ガラスに、銅、イットリウム、ガドリニウム、ユーロピウム、セリウムおよびテルビウムから選ばれる少なくとも1種の金属原子を吸着させる吸着工程と、
上記吸着工程により得られた金属原子吸着多孔質ガラスを、大気中あるいは還元雰囲気中にて焼成させる焼成工程とを有することを特徴とする真空紫外光用蛍光体の製造方法。

【請求項2】
上記アルカリホウケイ酸塩ガラスは、セリウムの酸化物を0.1重量%以上2.0重量%以下の割合で含むことを特徴とする請求項1に記載の真空紫外光用蛍光体の製造方法。

【請求項3】
上記アルカリホウケイ酸塩ガラスは、原料を加熱して溶融する溶融工程を2回実施して作製されたものであることを特徴とする請求項1または2に記載の真空紫外光用蛍光体の製造方法。

【請求項4】
上記アルカリホウケイ酸塩ガラスに含まれるホウ酸は、2回実施される上記溶融工程のうちの第2回目の工程において添加されることを特徴とする請求項3に記載の真空紫外光用蛍光体の製造方法。

【請求項5】
上記酸処理工程と上記吸着工程との間で、上記アルカリホウケイ酸塩ガラスに対して、熱処理と酸処理とが繰り返し行われ、さらに、エチレンジアミン四酢酸を含有する酸を用いてさらなる酸処理が施されることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の真空紫外光用蛍光体の製造方法。

【請求項6】
上記吸着工程は、上記金属原子を有する化合物を含む溶液に上記多孔質ガラスを含浸させる工程であることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の真空紫外光用蛍光体の製造方法。

【請求項7】
上記吸着工程では、さらに、上記多孔質ガラスに増感剤を吸着させることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の真空紫外光用蛍光体の製造方法。

【請求項8】
上記焼成工程における焼成温度は、900℃以上、1600℃以下であることを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の真空紫外光用蛍光体の製造方法。

【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の真空紫外光用蛍光体の製造方法により製造され、真空紫外光の照射により蛍光を発する真空紫外光用蛍光体。
産業区分
  • その他無機化学
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
参考情報 (研究プロジェクト等) さきがけ 変換と制御 領域
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