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抗ペプチド抗体測定法とペプチドワクチンのワクチン候補選択方法

国内特許コード P110003376
整理番号 V339P002
掲載日 2011年6月21日
出願番号 特願2004-240269
公開番号 特開2005-099001
登録番号 特許第3960614号
出願日 平成16年8月20日(2004.8.20)
公開日 平成17年4月14日(2005.4.14)
登録日 平成19年5月25日(2007.5.25)
優先権データ
  • 特願2003-348853 (2003.8.31) JP
発明者
  • 小松 誠和
  • 中川 政美
  • 七條 茂樹
  • 伊東 恭悟
出願人
  • 独立行政法人科学技術振興機構
  • 株式会社グリーンペプタイド
発明の名称 抗ペプチド抗体測定法とペプチドワクチンのワクチン候補選択方法
発明の概要

【課題】一度に担持体を作製することができ、免疫応答を短時間でモニターすることができる抗ペプチド抗体測定法とペプチドワクチンのワクチン候補選択方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の抗ペプチド抗体測定法は、相互に識別可能で別種のペプチド2が固相化された複数の担持体1を同時調製処理で一括して調製し、調製後の各担持体1に検体を注いで該検体に含まれるペプチド認識抗体4をペプチド2と特異的に反応させ、該反応でペプチド2に結合したペプチド認識抗体4に対して更に二次抗体5を結合するとともに、該二次抗体5に標識6を結合して、該標識6の結合量の測定と担持体1の種類の識別を行い、ペプチド認識抗体2の結合量と種類とを測定することを特徴とする。また、ペプチド認識抗体の結合量が感染症陰性基準値を越えた場合のペプチドをワクチン候補とする。
【選択図】図1

従来技術、競合技術の概要


ペプチドワクチンは、種々の疾患の予防ならびに処置に対して大きなポテンシャルを持っている。かかるペプチドワクチンのペプチド抗体は従来からELISA法によって測定されてきた。そして、最近の免疫学や分子生物学の進歩によって、感染症、アレルギー、癌疾患、自己免疫疾患などの疾患に関与する数多くの抗原やエピトープペプチドが同定できるようになってきた(非特許文献1参照)。



これらのペプチドのうち、癌疾患ならびに自己免疫疾患に関与しているいくつかのペプチドがペプチド療法による臨床試験に用いられたこともある。しかしながら、かかるペプチドを用いたペプチドワクチンに対する臨床的応答が稀にしかなかったり、またはその免疫応答レベルが明白でなかったりして失敗してきた(非特許文献2参照)。このような結果に終わったのは、ELISA法による測定を前提にせざるをえず、抗ペプチド免疫応答を測定する適正なモニターシステムがなかったことが一因と考えられる。



すなわち、ペプチドに対する免疫測定に利用されているELISA法は、1つのウェル中で1種類のペプチドを測定するものであり、多種類のペプチドを連続的且つ一度に測定することはできず、ウェルが形成された多数のマイクロプレート、多量の血清、過剰量の試薬を必要とし、高コストで、長時間の作業時間を必要とするものである。このため本発明者の中の1人は、複数の抗原ペプチドに対する特異的な細胞性免疫能の簡便な検出方法を提案した(特許文献1参照)。しかし、この方法でも培養時間だけでも2週間もの時間を要するものであった。このように、上述したペプチド療法では、多量のペプチドワクチンを投与して素早く適正にモニターする必要があるが、従来のELISA法あるいは、細胞性免疫能測定法は、これに不向きであった。



最近、マルチプレックス・フローメトリー技術が急速に発展してきて、1本のマイクロチューブまたはマイクロプレートウェル中で多数の標的を急速に測定することができるようになってきている(非特許文献3参照)。これによってマイクロチューブやマイクロプレートウェル中で複数種類のペプチドが測定でき、1種類のペプチド抗体しか測定できなかったELISA法の改良がなされた。



かかるマルチプレックス・フローメトリーアッセイ技術を利用しているシステムとしては蛍光フローメトリーシステム(一例として、Luminex(登録商標)システム)が知られている(特許文献2、非特許文献4参照)。この蛍光フローメトリーシステムは、100種類のビーズが用意されていて、それぞれの色のビーズに個別の解析対象物を固定することにより一度に100種類を同時に解析できるようになっている。この蛍光フローメトリーシステムは、免疫アッセイ、レセプターアッセイ、核酸アッセイ、酵素アッセイによる解析をサポートすることができるといわれている。



しかし、この従来の蛍光フローメトリーシステムはプラスチックのマイクロチューブ(例えばエッペンドルフ(登録商標)チューブ)等内にビーズを収容し、1本若しくは数本ずつ遠心分離してビーズと反応液を分離するため、多数種類の固定化されたビーズを用意するためには少なくともマイクロチューブ等の数(またはその数分の1)の回数と遠心分離の実行回数の積だけ遠心分離を繰り返さねばならず、どうしても多量の解析対象物を必要とし、長時間の作業が必要なものであった。繰り返し、遠心分離機にマイクロチューブを1本1本着脱するのは耐え難い作業であった。



そして、本発明者の中の2人は、マルチプレックス・フローメトリーアッセイ技術を応用して、ペプチドに対する細胞性免疫応答を測定するための新規な高スループット蛍光微量アッセイ技術を提案した(特許文献3参照)。これにより、インターロイキンやインターフェロンなどのサイトカインを検出することができるようになった。




【特許文献1】特開2002-365286号公報

【特許文献2】特開2002-311027号公報

【特許文献3】特開2004-150997号公報

【非特許文献1】Cancer Resarch,59(1999),Damu Yang et al , p.4056- p.4063

【非特許文献2】Clin.Cancer Res.,7(2001), Miyagi Y et al, p.3950- p.3962

【非特許文献3】J.Immunol.Meth.,227(1999)Richard et al, p.41- p.52

【非特許文献4】“Luminex(登録商標) レポート-アレルギーテスト”、[online]、日立ソフトウェアエンジニアリング株式会社、[平成16年6月22日検索]、インターネット<URL:http://bio.hitachi-sk.co.jp/luminex/index2.html>

産業上の利用分野


この発明は、複数種類のペプチドを複数種類の担持体にそれぞれ固相化し、患者から得た検体を注いでこのペプチドとペプチド抗体を抗原抗体反応させ、このペプチド抗体の結合量と種類とを測定する個々の人ごとに有効な医療を行うための抗ペプチド抗体測定法と、測定したペプチド抗体の結合量からワクチン候補を決定する個々の人ごとに有効な医療を行うためのペプチドワクチンのワクチン候補選択方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
相互に識別可能でそれぞれに別種のペプチドが固相化された複数種類の担持体を調製し、調製後の複数種類の担持体に患者から得た検体を注いで該検体に含まれるペプチド認識抗体を前記ペプチドと特異的に反応させ、該反応で前記ペプチドに結合したペプチド認識抗体に対して更に二次抗体を結合するとともに、該二次抗体に標識を結合して、該標識の結合量の測定と前記担持体の種類の識別を行い、前記ペプチド認識抗体の結合量と種類とを測定する個々の人ごとに有効な医療を行うための抗ペプチド抗体測定法であって、プレート上に配列した複数のウェル内のフィルター上に未調製の複数種類の担持体をそれぞれ収容し、前記フィルターを介して接続された減圧室を吸引することにより前記担持体のそれぞれにこれを均一の分布状態に整然と配列させることができる吸引力を共通に作用させて、前記複数のウェルで各担持体にそれぞれのペプチドを時間的に並行して同一の条件で固相化し、前記複数のウェルにおける各担持体の調製を一括して同時に行うことを特徴とする個々の人ごとに有効な医療を行うための抗ペプチド抗体測定法。

【請求項2】
前記ペプチドが癌組織由来のペプチドであって、癌の症例ごとに異なった数の担持体を調製することを特徴とする請求項1記載の個々の人ごとに有効な医療を行うための抗ペプチド抗体測定法。

【請求項3】
前記担持体が複数の蛍光色素を使って種類を識別する微小ビーズであることを特徴とする請求項1または2に記載された個々の人ごとに有効な医療を行うための抗ペプチド抗体測定法。

【請求項4】
前記標識が前記二次抗体に対する蛍光色素による染色であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載された個々の人ごとに有効な医療を行うための抗ペプチド抗体測定法。

【請求項5】
前記調製を行うとき、前記フィルター上にそれぞれ別種で未調製の担持体を収容し前記フィルターを介して同時に吸引する第1の工程と、緩衝液を注いで各ウェルを前記フィルター側から同時に吸引する第2の工程と、各ウェルに結合試薬を注いだ後前記ペプチドの溶液を添加し反応させる第3の工程と、さらに結合試薬を添加して反応を促進させる第4の工程と、前記フィルターを介して余剰液を各ウェルから同時に吸引する第5の工程と、を行うことを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載された個々の人ごとに有効な医療を行うための抗ペプチド抗体測定法。

【請求項6】
前記調製を行うとき、前記第2の工程と前記第4の工程を少なくとも2回以上繰り返して行うことを特徴とする請求5記載の個々の人ごとに有効な医療を行うための抗ペプチド抗体測定法。

【請求項7】
相互に識別可能でそれぞれに別種のペプチドが固相化された複数種類の担持体を調製し、調製後の複数種類の担持体に患者から得た検体を注いで該検体に含まれるペプチド認識抗体を前記ペプチドと特異的に反応させ、該反応で前記ペプチドに結合したペプチド認識抗体に対して更に二次抗体を結合するとともに、該二次抗体に標識を結合して、該標識の結合量の測定と前記担持体の種類の識別を行い、前記ペプチド認識抗体の結合量と種類とを測定し、前記ペプチド認識抗体の結合量に基づいてペプチドを選んで前記検体に対するワクチン候補とする個々の人ごとに有効な医療を行うためのペプチドワクチンのワクチン候補選択方法であって、前記ペプチドワクチンの投与後に採取した検体のペプチド認識抗体の結合量が、前記感染症陰性基準値を越えると共に、投与前ペプチド認識抗体の結合量より増加している場合のペプチドだけをワクチン候補とすることを特徴とする個々の人ごとに有効な医療を行うためのペプチドワクチンのワクチン候補選択方法。

【請求項8】
前記ペプチドが癌組織由来のペプチドであって、癌の症例ごとに異なった数の担持体を調製することを特徴とする請求項7記載の個々の人ごとに有効な医療を行うためのペプチドワクチンのワクチン候補選択方法。

【請求項9】
前記感染症陰性基準値が抗HIVペプチド抗体陰性基準値であることを特徴とする請求項7または8に記載された個々の人ごとに有効な医療を行うためのペプチドワクチンのワクチン候補選択方法。

【請求項10】
前記ペプチド認識抗体の結合量の増加からワクチン候補を決定するとき、前記ペプチドワクチンを所定回数投与し、前記ペプチド認識抗体の結合量が投与前より一度も増加しなかったペプチドを除いて、ワクチン候補とすることを特徴とする請求項7~9のいずれかに記載された個々の人ごとに有効な医療を行うためのペプチドワクチンのワクチン候補選択方法。

【請求項11】
請求項7~10のいずれかに記載された個々の人ごとに有効な医療を行うためのペプチドワクチンのワクチン候補選択方法において、相互に識別可能でそれぞれに別種のペプチドが固相化された複数種類の担持体を調製するのに代えて、プレート上に配列した複数のウェル内に同時に共通の吸引力を作用させて、相互に識別可能でそれぞれに別種のペプチドが固相化された複数種類の担持体を一括して同時に調製することを特徴とする個々の人ごとに有効な医療を行うためのペプチドワクチンのワクチン候補選択方法。
産業区分
  • 試験、検査
  • 薬品
  • 治療衛生
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 権利存続中
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