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マスキング機構及びそれを備えた成膜装置

国内特許コード P110003381
整理番号 N071P30
掲載日 2011年6月21日
出願番号 特願2004-251151
公開番号 特開2006-063433
登録番号 特許第4766416号
出願日 平成16年8月30日(2004.8.30)
公開日 平成18年3月9日(2006.3.9)
登録日 平成23年6月24日(2011.6.24)
発明者
  • 鯉沼 秀臣
  • 松本 祐司
  • 伊高 健治
  • 片山 正士
出願人
  • 独立行政法人科学技術振興機構
発明の名称 マスキング機構及びそれを備えた成膜装置
発明の概要

【課題】 簡単な構成により、容易に小型化に対応することができるようにした、マスキング機構及びそれを備えた成膜装置を提供する。
【解決手段】 真空チャンバーの開口部を密閉して取り付ける真空フランジ11と、真空フランジ11に対して回転可能にそして軸方向に移動可能に支持され、その外端に回転運動及び直線運動が加えられる駆動軸12と、駆動軸12の内端に取り付けたマスク部13とを備え、マスク部13が、駆動軸12に対して垂直に固定保持された円板状のマスク支持円板13aと、マスク支持円板13aの外周縁に沿って軸方向内側に延びるように、全体としてほぼ多角柱状に配置された複数個のマスク支持板13bと、各マスク支持板13aに取り付けられた所定形状のマスク孔を備えたマスク13cとを含むように、マスキング機構10を構成する。
【選択図】 図1

従来技術、競合技術の概要


近年、種々の組成の材料チップを作製するための成膜装置や、コンビナトリアル成膜装置などが使用されている。このようなコンビナトリアル成膜装置を使用することによって、同一真空工程で、種々の組成を備えた物質群のライブラリーを同一基板上に一度に形成でき、ライブラリーから新物質、新組成の発見、あるいはライブラリーの特性から理論的予測を得ることができる。これにより、従来法では100年かかる物質探査を、コンビナトリアル成膜装置を用いれば一ヶ月程度に短縮することができるといわれている。



コンビナトリアル成膜装置は、基板上の所望の部分のみに物質供給を限定する手段、種類の異なる薄膜の成膜手段及び基板上の所望の部分の構造を解析する構造解析手段を必須としており、例えば複数のマスク装置,ターゲット切替装置,アブレーション・レーザ光導入装置,基板加熱用レーザ装置や、RHEED装置等の膜厚モニタを有している(例えば、特許文献1参照)。



そして、従来、複数のマスク装置として、非特許文献1には、図11に示すような構成のマスキング機構が開示されている。図11において、マスキング機構50は、真空チャンバー52内に配置された円板状のマスク支持板53と、このマスク支持板53の中心に取り付けられた駆動軸54と、から構成されている。



マスク支持板53は、その同一円周上に沿って、種々の形状のマスク孔53aを備えている。駆動軸54はその外端が真空チャンバー52を貫通して外部に突出しており、図示しない駆動源に連結されることにより、回転駆動されるようになっている。これにより、駆動軸54が回転駆動されると、マスク支持板53は、矢印で示すように、その中心の周りに回動して、各マスク孔53aが所定位置付近に持ち来たされ、さらにマスク板53の回転速度が制御される。



このような構成のマスキング機構50によれば、まずマスキング機構50を真空チャンバー52内にセットすると共に、成膜すべき基板55を、マスキング機構50のマスク支持板53の所定位置の上方にセットし、さらにその下方にターゲット(図示せず)をセットして、この真空チャンバー52内を真空排気する。そして、真空チャンバー52の外側に突出している駆動軸54の外端を回転駆動することにより、マスク支持板53の所望のマスク孔53aが、所定位置に隣接して配置される。



この状態から、ターゲットに対して、例えば、アブレーション・レーザ光を照射することにより、ターゲットの材料を蒸発させる。同時に、マスキング機構50の駆動軸54を駆動制御することにより、マスク支持板53を適宜の回転速度で回転駆動する。
このようにして、ターゲットの材料の蒸発流が、マスキング支持板53のマスク孔53aを介して基板55の表面に蒸着される。その際、所定位置に隣接して配置されたマスク孔53aが円周方向に移動することによって、基板55の表面の各所におけるマスク孔53aを通過する蒸発流に曝される時間が、マスク孔53aの形状に基づいて制御され、基板55の表面に成膜される膜厚が制御されることになる。かくして、各マスク孔53aを適宜の形状に形成することにより、所謂三元組成傾斜膜が形成される。



また、非特許文献1及び非特許文献2には、図12に示すような構成のマスキング機構が開示されている。図12において、マスキング機構60は、真空チャンバー52内に配置された細長い板状のマスク支持板57と、このマスク支持板57の一端から長手方向に延びるように取り付けられた駆動軸58と、から構成されている。



マスク支持板57は、その長手方向に沿って、種々の形状のマスク孔57aを備えている。駆動軸58は、その外端が真空チャンバー52を貫通して外部に突出しており、図示しない駆動源に連結されることにより、軸方向に沿って直線的に駆動される。こうして、駆動軸58が往復して駆動されると、マスク支持板57は、矢印で示すように、その長手方向に沿って移動して、各マスク孔57aが所定位置付近に持ち来たされ、さらに、マスク板57の直線運動速度が制御される。



このような構成のマスキング機構60によれば、まずマスキング機構60を真空チャンバー52内にセットすると共に、成膜すべき基板55を、マスキング機構60のマスク支持板57の所定位置の上方にセットし、さらにその下方にターゲット(図示せず)をセットして、この真空チャンバー52内を真空排気する。そして、真空チャンバー52の外側に突出している駆動軸58の外端を往復駆動することにより、上記マスク支持板57の所望のマスク孔57aが、所定位置に隣接して配置される。



この状態から、図示しないターゲットに対して、例えば、アブレーション・レーザ光を照射して、ターゲット材料を蒸発させる。同時に、マスキング機構60の駆動軸58を駆動制御して、マスク支持板57を適宜の移動速度で直線的に移動させる。これにより、ターゲット材料の蒸発流が、マスク支持板57のマスク孔57aを介して基板55の表面に蒸着される。その際、所定位置に隣接して配置されたマスク孔57aが長手方向に移動することによって、基板55の表面の各所における当該マスク孔57aを通過する蒸発流に曝される時間が、マスク孔57aの形状に基づいて制御され、基板55の表面に成膜される膜厚が制御される。このようにして、同様に各マスク孔57aを適宜の形状に形成することによって、所謂三元組成傾斜膜が形成される。




【特許文献1】特願2000-259777号

【非特許文献1】R. Takahashi 他6名,"Development of a new combinatorial mask for addressable ternary phase diagramming: application to rare earth doped phosphors",Applied Surface Science, Vol.223, pp.249-252 (2004)

【非特許文献2】M. Lippmaa 他5名,"Design of compact pulsed laser depos-ition chambers for the growth of combinatorial oxide thin film li-braries",App-lied Surface Science, Vol.189, pp.205-209 (2002)

産業上の利用分野


本発明は、成膜装置に用いるマスキング機構とこのマスキング機構を備えた成膜装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
真空チャンバーの開口部を密閉するように取り付けられる真空フランジと、
上記真空フランジを貫通して外部に延びると共に、この真空フランジに対して回転可能にそして軸方向に移動可能に支持され、その外端に回転運動及び直線運動が加えられる駆動軸と、
上記駆動軸の内端に取り付けられたマスク部と、を備えており、
上記マスク部が、
上記駆動軸に対して垂直に固定保持された円板状のマスク支持円板と、
このマスク支持円板の外周縁に沿って軸方向内側に延びるように、全体としてほぼ多角柱状に配置された複数個のマスク支持板と、
各マスク支持板に取り付けられた所定形状のマスク孔を備えたマスクと、
を含んでいることを特徴とする、マスキング機構。

【請求項2】
前記各マスクは、互いに形状の異なるマスク孔を備えていることを特徴とする、請求項1に記載のマスキング機構。

【請求項3】
前記駆動軸を回転駆動したとき、前記マスク部が駆動軸と共に回転することにより、前記マスク支持板に取り付けられた前記マスクが順次に所定位置に持ち来たされ、所望のマスクが選択されることを特徴とする、請求項1又は2に記載のマスキング機構。


【請求項4】
前記駆動軸が軸方向に直線駆動されたとき、前記マスク部が駆動軸と共に軸方向に移動して、前記所定位置に位置するマスク支持板に取り付けられた前記マスクのマスク孔がマスキングのために所定速度で軸方向に移動することを特徴とする、請求項に記載のマスキング機構。


【請求項5】
前記各マスクが、それぞれ互いに異なる方向の濃度勾配を与えるように、互いに異なる方向に延びるマスクエッジを備えていることを特徴とする、請求項1~4の何れかに記載のマスキング機構。

【請求項6】
請求項1~5に記載のマスキング機構を備えた成膜装置であって、前記真空チャンバー内に配設される成膜用材料の供給源と、基板ステージと、を含み構成されることを特徴とする、マスキング機構を備えた成膜装置。

【請求項7】
真空チャンバーと、該真空チャンバー内に配設される成膜用材料の供給源と、基板ステージとマスキング機構とを有するマスキング機構を備えた成膜装置であって、
上記マスキング機構が、
真空チャンバーの開口部を密閉するように取り付けられる真空フランジと、
上記真空フランジを貫通して外部に延びると共に、この真空フランジに対して回転可能にそして軸方向に移動可能に支持され、その外端に回転運動及び直線運動が加えられる駆動軸と、
上記駆動軸の内端に取り付けられたマスク部と、を備えており、
上記マスク部が、
上記駆動軸に対して垂直に固定保持された円板状のマスク支持円板と、
このマスク支持円板の外周縁に沿って軸方向内側に延びるように、全体としてほぼ多角柱状に配置された複数個のマスク支持板と、
各マスク支持板に取り付けられた所定形状のマスク孔を備えたマスクと、を含んでいることを特徴とする、マスキング機構を備えた成膜装置。

【請求項8】
前記成膜用材料の供給源は、少なくとも、前記成膜用材料を気相状態で供給する供給源であることを特徴とする、請求項6又は7に記載のマスキング機構を備えた成膜装置。
産業区分
  • 表面処理
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2004251151thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
参考情報 (研究プロジェクト等) CREST エネルギーの高度利用に向けたナノ構造材料・システムの創製 領域
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