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円形内面の接合層形成方法

国内特許コード P110003394
整理番号 V329P002
掲載日 2011年6月21日
出願番号 特願2004-296212
公開番号 特開2006-102803
登録番号 特許第4160036号
出願日 平成16年10月8日(2004.10.8)
公開日 平成18年4月20日(2006.4.20)
登録日 平成20年7月25日(2008.7.25)
発明者
  • 篠田 剛
  • 村上 秀樹
  • 南部 圭司
出願人
  • 独立行政法人科学技術振興機構
  • 村上 秀樹
  • 篠田 剛
  • 南部 圭司
発明の名称 円形内面の接合層形成方法
発明の概要

【課題】焼付きの問題を起すことなく良好に機能材料をコーティングすることができる円形内面へのコーティング方法を提供する。
【解決手段】外側構造体10の円形内面12に予めパイプ状となした機能材料を内側パイプ26として嵌合状態に挿入しておき、内側パイプ26の軸方向端面に対して、円盤状の回転加圧部16を有する回転加圧工具14のテーパ面18を回転させつつ加圧下に押し付けて内側パイプ26を摩擦発熱により加熱軟化させ、更に回転加圧部16を回転させつつ軸方向に進行させて、内側パイプ26を軸方向及び半径方向外側に塑性流動させ、円形内面12に接合層28を形成及び接合する。
【選択図】 図1

従来技術、競合技術の概要


従来、例えば自動車のエンジンは鋳鉄製とされており、シリンダの内面は主として熱処理によって特定の機能が付与されて来た。
これに対し、近年自動車の軽量化の要請からアルミエンジンが用いられるようになって来ており、この場合アルミ製のシリンダ内面、即ちその円柱孔内面に高温強度付与等、特定の機能を付与する手法として鋳鉄ライナ,硬質アルミライナ等のスリーブ鋳込み,圧入が主として採用されている。
またその他シリンダ内面にメッキ,表面溶融合金化としての溶射,肉盛、更には表面処理として窒化,拡散浸透等が実用化されている。



しかしながらスリーブ鋳込み,圧入方式ではスリーブ自身の薄肉化に限度がある他、シリンダ内面との間に微小間隙が生じ、シリンダ性能への悪影響が出るなどの問題がある。
またシリンダ内面の機能性の接合層の厚みはシリンダ完成状態で1mmもあれば良いが、このスリーブ鋳込み,圧入方式では薄いスリーブを形成することが困難で、厚肉スリーブを加工で一部除去し薄肉化しているのが実情である。



一方メッキや拡散浸透等の処理方法は、非常に薄い膜にすることが可能であるものの、下地としてのシリンダ内面の性状による影響を受け、特に0.3mm程度のピンホールがあっても密着性が悪くなる。
またこの処理方法の場合、機能性の接合層の厚みを1mm程度に厚くすることが困難で薄膜とならざるを得ず、そのため耐久性が劣る外、特にメッキの場合には剥離を起し易いといった問題もある。



他方溶射や肉盛は1mm程度の厚みを有する接合層の形成方法としては有効であるが、溶射はメッキと同様シリンダ下地に欠陥があると密着性が悪くなる。また溶射は下地と融合していないので、剥離強度は低い。
また厚くすると熱影響が大きくなり、残留歪等の不具合も発生する傾向が強い。
以上シリンダ内面に機能性の接合層を形成する場合の問題点を述べたが、こうした問題は円形内面を有する外側構造体の円形内面に機能性の接合層を形成する場合において共通して生じ得る問題である。



このような事情の下において、下記特許文献1には新規な接合層の形成方法が開示されている。
図6はその具体例で、図中200は円形内面、202は加圧ロッド(回転加圧工具)、204は機能性の接合層210を形成するための機能材料である。
この接合層210の形成方法では、円形内面200を有する外側構造体206の底部208上に機能材料204をセットしておき、そして加圧ロッド202を回転させながら円形内面200の内部に挿入するとともに、図中下向きの前進移動によって機能材料204を加圧し、そして加圧ロッド202の回転に伴う摩擦発熱によって、機能材料204を加熱軟化して塑性流動させ、そしてこれを加圧ロッド202と円形内面200との間の隙間に沿って底部208側から上向きに押し上げて(這い上がらせて)、円形内面200に接合層210を形成するものである。



しかしながらその後の研究で、この接合層の形成方法の場合、接合層210の形成はできるものの、加熱軟化し、塑性流動化した機能材料204が円形内面200に沿って上向きに塑性流動する過程で、加圧ロッド202の外面或いは円形内面200との摩擦等による抵抗が働いて、加圧ロッド202と円形内面200との微小な隙間に沿って円滑に上向きに塑性流動せず、またその間に温度も低下して益々抵抗は大きくなり、これがため十分な高さ(軸方向長)に亘って接合層210を形成することが難しい場合もある他、下部において接合層210が厚く、上部で接合層が薄くなるなど接合層210の厚みが不均等となり易く、更には半径方向に強い圧力が働くことによって外側構造体206、特にシリンダ等その厚みが10mm程度以下の肉厚の小さいものの場合、その半径方向の圧力によって割れを生じるなどの問題のあることが判明した。



そこで本発明者等は、図7に示すような円形内面への接合層の形成方法を開発した(下記特許文献2に開示)。
この図7に示す方法は、円形内面200の内側に、円形内面200より外径の小さな加圧ロッド202と、加圧ロッド202よりも大径で且つ円形内面200と実質同等外径を有するバックアップロッド211とを軸方向に対向する状態に挿入して、円形内面200の内側にセットした機能材料204を、それら加圧ロッド202とバックアップロッド211とで軸方向に挟み込んで加圧し、その加圧下で機能材料204のバックアップロッド211との接触部を実質的に塑性流動させない状態に保ちつつ、加圧ロッド202の回転により、機能材料204の加圧ロッド202の軸端面との接触部を摩擦発熱により加熱軟化して半径方向外方に、次いで加圧ロッド202と円形内面200との間の隙間に塑性流動させつつ、加圧ロッド202を機能材料204,バックアップロッド211とともに円形内面200に対して軸方向に相対的に前進移動させることで、円形内面200に機能材料204を前進方向と同方向に順に接合して行くものである。



しかしながらその後の研究でこの方法の場合、回転加圧工具としての加圧ロッド202の外周面全体が広い面積に亘って機能材料204の内面と摩擦接触するため、その際の発熱で焼付きが生じてしまって、必ずしも円滑に機能材料204を接合できず、更に改良の余地のあることが判明した。



尚、特許文献1には図8に示しているように回転加圧工具としての加圧ロッド202を、大径部212と小径部214とそれらの間のテーパ部216とを有する構成とした点が開示されているが、この接合方法においても回転加圧工具がロッドを成していて軸方向に沿って広い面積に亘り機能材料204に摩擦接触することから、上記と同じように機能材料204との間で焼付きを起してしまう問題を生じる。




【特許文献1】特開2000-312981号公報

【特許文献2】特開2004-174593号公報

産業上の利用分野


この発明は円形内面を有する外側構造体の円形内面に所定の機能を有する接合層を形成する方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
円形内面を有する外側構造体の該円形内面の内側に、予め該円形内面に対応した断面形状の円筒体となした、該円形内面に付与すべき機能を有する機能材料を内側部材として嵌合状態に挿入セットしておき、該内側部材の軸方向端面に対して、外径が該円形内面の内径よりも小且つ該内側部材の内径よりも大であって軸方向且つ進行方向端部の外周面を実質的にテーパ面となした、直径Dに対して厚みTがT/D=0.3以下の且つ該テーパ面の小径側の直径が該内側部材の内径よりも小径である円盤状の回転加圧部を有する回転加圧工具の該テーパ面を回転及び加圧下に押し付けて該内側部材を摩擦発熱により加熱軟化させ、更に該回転加圧部を回転させつつ且つ該回転加圧工具の該回転加圧部以外の部分を該内側部材に接触させることなく軸方向に進行させて、該進行に伴い前記機能材料から成る内側部材を該進行方向と同じ軸方向及び半径方向外側に塑性流動させ、前記外側構造体の円形内面に前記機能材料から成る接合層を形成することを特徴とする円形内面の接合層形成方法。
産業区分
  • 加工
  • 内燃機関
  • 機械要素
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2004296212thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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