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細胞計測および分離チップ 実績あり

国内特許コード P110003415
整理番号 V246P001
掲載日 2011年6月21日
出願番号 特願2004-379327
公開番号 特開2006-180810
登録番号 特許第4601423号
出願日 平成16年12月28日(2004.12.28)
公開日 平成18年7月13日(2006.7.13)
登録日 平成22年10月8日(2010.10.8)
発明者
  • 安田 賢二
  • 服部 明弘
  • 岡野 和宣
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
  • 株式会社オンチップ・バイオテクノロジーズ
発明の名称 細胞計測および分離チップ 実績あり
発明の概要 【課題】基板上に形成する流路を用いる細胞分離用の安価で試料毎に取替えが可能なチップを用いた細胞分析分離装置を提供すること。
【解決手段】細胞を含む緩衝液を流下させるための第1の流路、該第1の流路を挟み該第1の流路の両側から細胞を含まない緩衝液を流下させる第2及び第3の流路、前記第1の流路の緩衝液と第2および第3の流路の緩衝液が合流して1本の流路となって緩衝液を流下させる第4の流路、前記第4の流路に前記緩衝液とともに流下する細胞を検出する細胞検出領域および検出した細胞に応じて細胞を分離する細胞分離領域をカスケードに設け、該細胞分離領域の下流に分離された細胞を流下させる二つの流路を設けるとともに、前記第1の流路から第4の流路を流下する緩衝液が共通の液面位置を有するリザーバから供給され、前記第1の流路と第4の流路の幅あるいは断面積が実質的に等しい構造を有する。
【選択図】 図1
従来技術、競合技術の概要


多細胞生物における生体組織は種々細胞が役割を分担して全体として調和の取れた機能を維持している。あるいは、細胞の一部ががん化(ここでは腫瘍も含め、一括してがんと呼ぶことにする)すると、周辺領域と異なる新生物となるが、がん領域とそこから遠く離れた正常組織部分とはある境界を持って必ずしも区切れるものではなく、がん周辺領域も何らかの影響を受けている。したがって、臓器組織における機能を解析するには狭い領域に存在する少数の細胞を分離する必要がある。



あるいは医療分野において、正常組織中のがんが疑われる領域を調べるには、バイオプシーで分離した組織片からがんが疑われる部分を分離する必要がある。このような特定細胞の分離には、細胞を固定し、種々細胞染色を施し、目的の部分を切り出すのが一般的で、最近ではレーザーマイクロダイセクションと呼ばれるレーザーをあてた領域のみの細胞を分離する方法が考案されている。



あるいは、再生医療の分野では、組織の中から幹細胞を分離し、これを培養して分化誘導し目的の組織、ひいては臓器を再生しようとする試みがなされている。



細胞を識別したり分離したりしようとすると、何らかの指標に従い区別する必要がある。一般に細胞の区別には、
1)目視による形態学的な細胞分類:これはたとえば尿中に出現する異型細胞検査による膀胱がんや尿道のがんなどの検査や血中の異型細胞分類、組織中における細胞診によるがん検査などをあげることができる、
2)蛍光抗体法による細胞表面抗原(マーカー)染色による細胞分類:一般にCDマーカと呼ばれる細胞表面抗原を、それに特異的な蛍光標識抗体で染色するもので、セルソーターによる細胞分離やフローサイトメーターや組織染色によるがん検査などに用いられている。もちろんこれらは、医療面のみならず、細胞生理研究用や、工業的な細胞利用の上でも多用されている。
3)あるいは、幹細胞の分離に関しては、細胞内に取り込まれる形の蛍光色素をレポーターとして幹細胞を含む細胞を大まかに分離し、更にその後で実際に培養を行うことで目的の幹細胞を分離する例がある。これは、幹細胞の有効なマーカーがまだ確立されていないので、実際に培養し、分化誘導したもののみを利用することで、実質的に目的細胞を分離しているのである。



このように培養液中の特定の細胞を分離し回収することは生物学・医学的な分析においては重要な技術である。細胞の比重の違いで細胞を分離する場合には速度沈降法によって分離することができる。しかし、未感作の細胞と感作した細胞とを見分けるような、細胞の比重の違いがほとんど無い場合には、蛍光抗体で染色した情報あるいは目視の情報を基に細胞を1つ1つ分離する必要がある。この技術については、例えば、セルソーターがある。セルソーターは、蛍光染色処理後の細胞を電荷を持たせた液滴中に1細胞単位で単離して滴下し、この液滴中の細胞の蛍光の有無、光散乱量の大小を基に、液滴が落下する過程で、落下方向に対して法平面方向に高電界を任意の方向に印加することで、液滴の落下方向を制御して、下部に置かれた複数の容器に分画して回収する技術である(非特許文献1:Kamarck,M.E., Methods Enzymol. Vol.151, p150-165 (1987))。



しかし、この技術は高価であること、装置が大型であること、数千ボルトという高電界が必要であること、試料が多量に必要であること、液滴を作成する段階で細胞に損傷を与える可能性があること、直接試料を観察できないことなどの問題がある。これらの問題を解決するため、近年、マイクロ加工技術を用いて微細な流路を作成し、流路内の層流中を流れる細胞を直接顕微鏡観察しながら分離するセルソーターが開発されている(非特許文献2:Micro Total Analysis, 98, pp.77-80 (Kluwer Academic Publishers, 1998);Analytical Chemistry, 70, pp.1909-1915 (1998))。しかし、このマイクロ加工技術を用いて作成するセルソーターでは観察手段に対する試料分離の応答速度が遅く、実用化するためには、試料に損傷を与えず、かつ、より応答の速い処理方法が必要であった。



本発明者らは、このような問題点を解消するため、マイクロ加工技術を活用して、試料の微細構造と試料中の蛍光分布に基づいて試料を分画し、回収する試料に損傷を与えることなく、簡便に細胞試料を分析分離することのできる細胞分析分離装置を出願している(特開2003-107099、特開2004-85323、WO2004/101731)。これは実験室レベルでは十分に実用的なセルソーターであるが、汎用的に使用するには、液搬送法や回収法、試料調製について新たな技術開発が必要である。



【非特許文献1】
Kamarck,M.E., Methods Enzymol. Vol.151, p150-165 (1987)
【非特許文献2】
Micro Total Analysis, 98, pp.77-80 (Kluwer Academic Publishers, 1998);Analytical Chemistry, 70, pp.1909-1915 (1998)
【特許文献1】
特開2003-107099号公報
【特許文献2】
特開2004-85323号公報
【特許文献3】
国際公開第2004/101731号パンフレット

産業上の利用分野


本発明は、細胞分離装置(セルソーター)に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
基板、該基板上に構成される、細胞を含む試料液を供給する試料液リザーバとそれに接続されて該試料液を流下させる第1の流路、細胞を含まない緩衝液を供給する緩衝液リザーバと、それに接続し該緩衝液を該第1の流路を挟み該第1の流路の両側から流下させるための第2及び第3の流路、前記第1の流路の試料液と第2および第3の流路の緩衝液が合流して1本の流路となって緩衝液を流下させる第4の流路、前記第4の流路に前記緩衝液とともに流下する細胞を検出する細胞検出領域および検出した細胞に応じて細胞を分離する細胞分離領域を設け、該細胞分離領域の下流に分離された細胞を流下させる複数の流路を設けたことを特徴とする細胞分離チップ。

【請求項2】
前記四つの流路に加えて、第4の流路に合流する緩衝液を流下させる第5の流路を有し、前記第1の流路と第4の流路を加えた流路長と第5の流路長が実質等しく、前記第5の流路を流下する緩衝液が前記共通のリザーバから供給され、前記細胞検出領域および細胞分離領域が前記第5の流路の緩衝液合流位置より下流に設けられるとともに、前記第2及び第3の流路長が実質等しい請求項1記載の細胞分離チップ。

【請求項3】
基板、該基板上に構成される細胞を含む緩衝液を流下させるための試料液リザーバとそれに接続した第1の流路、
該第1の流路を挟み該第1の流路の両側から細胞を含まない緩衝液を流下させるためのシース液リザーバとそれに接続した第2及び第3の流路、
前記第1の流路の緩衝液と第2および第3の流路の緩衝液が合流して1本の流路となって緩衝液を流下させる第4の流路、
前記第4の流路に前記緩衝液とともに流下する細胞を検出する細胞検出領域および検出した細胞に応じて細胞を分離する細胞分離領域を設け、該細胞分離領域の下流に分離された細胞を流下させる複数の流路を設けた細胞分離チップを用いて、前記第4の流路の前記細胞検出領域において該流路中を流れる細胞の所定区間を撮像して細胞検出領域に連続して流れ込む細胞画像を所定時間毎に連続して取得し、各細胞が最初に現れる画像上において各細胞のサイズや形状などの画像で得られる指標を画像処理で取得し、この指標によって細胞分離を行うことを特徴とする細胞分離方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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