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煉瓦壁の施工計画方法 コモンズ

国内特許コード P110003428
整理番号 B35P04
掲載日 2011年6月21日
出願番号 特願2004-524321
登録番号 特許第4173135号
出願日 平成15年7月31日(2003.7.31)
登録日 平成20年8月22日(2008.8.22)
国際出願番号 JP2003009730
国際公開番号 WO2004011734
国際出願日 平成15年7月31日(2003.7.31)
国際公開日 平成16年2月5日(2004.2.5)
優先権データ
  • 特願2002-223353 (2002.7.31) JP
発明者
  • 松藤泰典
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 煉瓦壁の施工計画方法 コモンズ
発明の概要 本発明は、DUP工法の煉瓦、金属プレート、ボルト及びナットを割付けるための煉瓦壁施工計画方法、煉瓦割付用プログラム及び煉瓦割付システムを提供する。本発明では、正方形グリッドを構成する格子状のXY座標が規定され、X方向及びY方向に交互に奇数段締付グリッド(α)及び偶数段締付グリッド(β)が設定される。ボルト挿通孔(30)を備えた煉瓦の第1正方形半部が奇数段又は偶数段締付グリッドに整合するように壁体端部の煉瓦(10)が基準グリッド(γ)上に位置決めされる。奇数段又は偶数段煉瓦は、基準グリッドから順次配列され、金属プレートは、各段の金属プレート(50)の少なくとも1つのボルト穴(53)が奇数段又は偶数段締付グリッドに位置するように、配置される。
従来技術、競合技術の概要

木造、鉄筋コンクリート構造、鉄骨構造、ブロック組積構造等の各種の建築構法が知られている。建築構法の一種として、煉瓦(レンガ)を組積して壁体を構築する煉瓦組積構法が知られている。粘土を高温焼成してなる煉瓦は、テクスチュア、重厚感、風合い及び色彩等の意匠的又は美観的効果において高い評価を受けているばかりでなく、耐久性、遮音性、耐火性及び蓄熱性等の物理的性能においても優れており、世界各国で古くから親しまれ、建築物の壁材として広く使用されてきた。
本発明者は、乾式工法の煉瓦組積構法として、DUP(Distributed and Unbonded Prestress:分散型アンボンドプレストレス)工法を提案している。この構法は、金属ボルトの締結力によりプレストレスを導入しながら煉瓦を多層に積層する耐震性煉瓦組積構法として知られており、その実用化研究は、現在も継続的に実施されている(特願平4-51893号(特開平5-255982号)、特願平5-91674号(特開平6-299621号)、特願平6-20659号(特開平7-229215号)、特願平7-172603号(特開平9-21199号)、特願平8-43014号(特開平9-235801号))。
このような煉瓦組積構法に関し、本発明者は、ボルト挿通孔、大径中空部及び端面半円溝を煉瓦の所定位置に形成し、共通の煉瓦により、複雑且つ多様な壁体各部を構築するようにした煉瓦組積構法を特願2000-270219号(特開2002-81152号公報)及び特願2002-61227号において提案している。
上記乾式工法の煉瓦組積構法は、ボルト・ナットの締結力により煉瓦壁を構築する乾式工法であり、従来の湿式工法の煉瓦組積工程と対比すると、工期全体を大幅に短縮するなど、所期の目的を達成したが、反面、金属プレートを介して各煉瓦に応力伝達したボルト・ナット締結トルクに壁体耐力を依存した構造を有することから、煉瓦の割付のみならず、煉瓦の各段毎にプレート及びボルト・ナットの割付を最適に計画する必要がある。このため、平面的及び立面的に煉瓦、プレート及びボルト・ナットの割付及び配列等を施工前又は施工時に的確且つ迅速に決定し、煉瓦割付立面図、各段毎の煉瓦割付平面図及びプレート割付平面図等を作成しなければならない。しかしながら、DUP工法の煉瓦、金属プレート、ボルト及びナットの配置を規則化し且つ最適化する割付則が未だ確立しておらず、これを確立する施工計画法の開発が要望される。
また、建築物の壁は、規則的且つ直線的な壁体ばかりでなく、壁体端部、壁体コーナー部、壁体接続部、建具開口部、間仕切壁出隅部・入隅部等の特異形状部分や、不規則な変形部分を含むことから、このような変則的部分を考慮し、多種多様のプレートを製作する必要が生じる。このため、プレートを予め用意し又は在庫し難い事情があり、建築現場の工期が、プレート製作日数及びその発注時期等により影響を受ける懸念がある。
更には、従来の煉瓦組積構法では、煉瓦の縦目地部分にもボルト・ナットを配置していたので、ボルト・ナットを外気から確実に遮断するとともに、ボルト・ナット及びその周辺構造に確実に防錆措置、耐候措置、耐火処理等を施す必要が生じる。このような付加的な措置を省略し又は簡略化するには、ボルト・ナットを縦目地部に配置せず、完全に煉瓦内に収容し、しかも、ボルト・ナットの締付力の効果を均等に壁面全体に分散して、構造上の弱点を回避し得る設計を採用することが望まれる。しかしながら、このような設計は、前述の如く、煉瓦割付平面図及びプレート割付平面図を煉瓦の各段毎に作成する必要がある煉瓦組積構法にあっては、容易に実行し難く、従って、このような設計を簡易・迅速且つ規則的に実施可能にする施工計画法の開発が要望される。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、DUP工法の煉瓦壁の施工計画方法において、煉瓦、プレート及びボルト・ナットの割付等を施工前又は施工時に的確、簡易迅速且つ規則的に決定し、規格化した数種のプレートにより任意の煉瓦壁を構築可能にするとともに、ボルト・ナットを煉瓦内に収容し且つボルト・ナットの締付力の効果を壁面全体に均等に分散することを可能にする煉瓦壁の施工計画方法を提供することにある。
本発明は又、このような施工計画方法を実現する煉瓦割付用プログラム及び煉瓦割付システムを提供することを目的とする。

産業上の利用分野

本発明は、煉瓦壁の施工計画方法に関するものであり、より詳細には、プレストレス下に上下の煉瓦を一体化する乾式煉瓦組積構法の煉瓦壁を施工するための施工計画方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】煉瓦、ボルト、ナット及び金属プレートにより構築され、前記ボルト及びナットの締結力によってプレストレス下に煉瓦を一体化する乾式工法の煉瓦壁の施工計画方法において、
前記煉瓦は、縦横比1:2の平面寸法比を有し、前記ナットの外径よりも小さい直径を有するボルト挿通孔が、前記煉瓦の第1正方形半部の中心を垂直に貫通し、ナットを収容可能な中空部が、前記煉瓦の第2正方形半部の中心を垂直に貫通し、前記ボルトは、上下2段の煉瓦を締結可能な全長を有し、
前記煉瓦の正方形半部の平面寸法に実質的に一致する多数の正方形グリッド単位を構成する格子状のXY座標を規定し、X方向及Y方向に交互に奇数段締付グリッド(α)及び偶数段締付グリッド(β)を設定し、
煉瓦壁の端部を割り当てたXY座標上の任意のグリッド単位を基準グリッド(γ)として設定し、
奇数段の煉瓦割付において、第1正方形半部が奇数段締付グリッドに整合するように壁体端部の煉瓦を前記基準グリッド上に位置決めし、該基準グリッドの煉瓦から奇数段の各煉瓦を順次配列し、偶数段の煉瓦割付において、第1正方形半部が偶数段締付グリッドに整合するように壁体端部の煉瓦を前記基準グリッド上に位置決めし、該基準グリッドの煉瓦から偶数段の各煉瓦を順次配列し、
奇数段煉瓦上のプレート割付において、前記金属プレートの少なくとも1つのボルト穴が前記奇数段締付グリッドに位置するように、該金属プレートを配列し、偶数段煉瓦上のプレート割付において、前記金属プレートの少なくとも1つのボルト穴が前記偶数段締付グリッドに位置するように、該金属プレートを配列することを特徴とする煉瓦壁施工計画方法。
【請求項2】前記金属プレートは、前記正方形半部の平面寸法だけ相互離間した2乃至5個の前記ボルト穴を有することを特徴とする請求項1に記載の煉瓦壁施工計画方法。
【請求項3】前記奇数段締付グリッドに位置する前記金属プレートのボルト穴に対して、奇数段煉瓦の前記ナットを割り当て、前記偶数段締付グリッドに位置する前記金属プレートのボルト穴に対して、偶数段煉瓦の前記ナットを割り当てることを特徴とする請求項1又は2に記載の煉瓦壁施工計画方法。
【請求項4】煉瓦壁の角部を前記グリッドに割り当てることにより、前記基準グリッド(γ)を設定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の煉瓦壁施工計画方法。
【請求項5】煉瓦壁に沿って位置するグリッド数より前記煉瓦、ボルト、ナット及び金属プレートの数量を積算することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の煉瓦壁施工計画方法。
【請求項6】請求項1乃至5のいずれか1項に記載された煉瓦壁施工計画方法により決定した煉瓦割付及びプレート割付に従って施工され、前記ボルト及びナットを前記ボルト挿通孔及び前記中空部に収容したことを特徴とする建築物の煉瓦壁。
【請求項7】煉瓦、ボルト、ナット及び金属プレートにより構築され、前記ボルト及びナットの締結力によってプレストレス下に煉瓦を一体化する乾式工法の煉瓦壁に関し、煉瓦壁施工用の煉瓦割付図を作成するようにコンピュータを機能させるための煉瓦割付用プログラムであって、
煉瓦の正方形半部の平面寸法に相応する正方形グリッドにより構成した格子状のXY座標を画面表示するグリッド座標表示手段、
XY座標に入力された建築設計図の壁体情報及び開口情報に基づき、前記グリッドに適合した奇数段及び偶数段の煉瓦割付モデルデータを生成する煉瓦割付モデル生成手段、
前記煉瓦割付モデルデータより煉瓦割付図データを自動生成する煉瓦割付図データ生成手段、及び
前記煉瓦割付図データを施工用図面として出力する図面データ出力手段としてコンピュータを機能させるための煉瓦割付用プログラム。
【請求項8】前記煉瓦割付モデルデータより前記ボルト、ナット及び金属プレートの割付図データを自動生成するボルト、ナット及び金属プレート割付用の割付図データ生成手段として前記コンピュータを更に機能させることを特徴とする請求項7に記載の煉瓦割付用プログラム。
【請求項9】前記グリッド座標表示手段は、前記建築設計図の平面図を前記XY座標上に画面表示するように前記コンピュータを更に機能させることを特徴とする請求項7又は8に記載の煉瓦割付用プログラム。
【請求項10】前記煉瓦割付モデルデータより前記煉瓦、ボルト、ナット及び金属プレートの数量を集計する資材数量集計手段として前記コンピュータを更に機能させることを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載の煉瓦割付用プログラム。
【請求項11】前記煉瓦割付図データ生成手段における煉瓦割付図データの自動生成の規則に適応しない特殊部位を表示し、該特殊部位における前記煉瓦、ボルト、ナット及び金属プレートの割付をマニュアル修正又はマニュアル入力可能にする個別編集手段として、前記コンピュータを更に機能させることを特徴とする請求項8に記載の煉瓦割付用プログラム。
【請求項12】煉瓦、ボルト、ナット及び金属プレートにより構築され、前記ボルト及びナットの締結力によってプレストレス下に煉瓦を一体化する乾式工法の煉瓦壁に関し、煉瓦壁施工用の煉瓦割付図を作成する煉瓦割付システムであって、
煉瓦の正方形半部の平面寸法に相応する正方形グリッドにより構成した格子状のXY座標を画面表示するための表示装置と、
建築設計図の壁体情報及び開口情報を前記XY座標に入力するための入力装置と、
前記グリッドに適合した奇数段及び偶数段の煉瓦割付モデルデータを生成するとともに、前記煉瓦割付モデルデータより煉瓦割付図データを自動生成するデータ処理装置と、
前記煉瓦割付モデルデータ及び煉瓦割付図データを記憶する記憶装置と、
前記煉瓦割付図データを施工用図面として出力するための出力装置とを有することを特徴とする煉瓦割付システム。
【請求項13】前記データ処理装置は、前記煉瓦割付モデルデータより前記ボルト、ナット及び金属プレートの割付図データを自動生成し、
前記記憶装置は、ボルト、ナット及び金属プレートの割付図データを記憶し、
前記出力装置は、ボルト、ナット及び金属プレートの割付図データを施工用図面として出力することを特徴とする請求項12に記載の煉瓦割付システム。
【請求項14】前記データ処理装置は、前記煉瓦割付モデルデータより前記煉瓦、ボルト、ナット及び金属プレートの数量を集計し、
前記記憶装置は、煉瓦、ボルト、ナット及び金属プレートの数量を記憶し、
前記出力装置は、煉瓦、ボルト、ナット及び金属プレートの数量データを出力することを特徴とする請求項12又は13に記載の煉瓦割付システム。
【請求項15】前記データ処理装置は、X方向及Y方向に交互に奇数段締付グリッド(α)及び偶数段締付グリッド(β)を設定し、煉瓦壁の端部を割り当てたXY座標上のグリッド単位を基準グリッド(γ)として設定し、ボルト挿通孔を有する煉瓦の第1正方形半部が奇数段締付グリッドに整合するように基準グリッドの煉瓦から奇数段の各煉瓦を順次配列し、前記第1正方形半部が偶数段締付グリッドに整合するように基準グリッドの煉瓦から偶数段の各煉瓦を順次配列することを特徴とする請求項12乃至14のいずれか1項に記載の煉瓦割付システム。
【請求項16】前記データ処理装置は、前記金属プレートの少なくとも1つのボルト穴が奇数段締付グリッドに位置するように奇数段の金属プレートを配列するとともに、前記金属プレートの少なくとも1つのボルト穴が偶数段締付グリッドに位置するように偶数段の金属プレートを配列することを特徴とする請求項13又は14に記載の煉瓦割付システム。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2004524321thum.jpg
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) SORST 平成14年度採択課題
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