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パラジウム触媒組成物 実績あり

国内特許コード P110003432
整理番号 B14P21
掲載日 2011年6月21日
出願番号 特願2004-535894
登録番号 特許第4773722号
出願日 平成15年9月1日(2003.9.1)
登録日 平成23年7月1日(2011.7.1)
国際出願番号 JP2003011131
国際公開番号 WO2004024323
国際出願日 平成15年9月1日(2003.9.1)
国際公開日 平成16年3月25日(2004.3.25)
優先権データ
  • 特願2002-267798 (2002.9.13) JP
発明者
  • 小林 修
  • 佐野 淳典
  • 大野 桂二
出願人
  • 和光純薬工業株式会社
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 パラジウム触媒組成物 実績あり
発明の概要 1)架橋型有機高分子化合物とパラジウム触媒とからなり、該触媒が当該架橋型有機高分子化合物に物理的に担持された触媒組成物、2)架橋性官能基を有する直鎖型有機高分子化合物と、パラジウム触媒とを、当該直鎖型有機高分子化合物を溶解する溶媒中で均一化させ、次いで生じた組成物を析出させ、当該析出物中の架橋性官能基を架橋反応させることを特徴とする、上記1)の触媒組成物の製造方法、3)上記1)の触媒組成物の存在下、アリル炭酸エステルと求核剤とを作用させることを特徴とするアリル位置換反応方法、及び4)上記1)の触媒組成物をアルコールに作用させることを特徴とするアルコールの酸化反応方法、を開示する。本発明の触媒組成物は、自然発火等の心配をすることなく、安全且つ容易に取り扱うことができ、種々の化学反応の触媒としても極めて有用であり、また、繰り返しの使用によってもその活性が低下せず、金属触媒が、担体である高分子化合物から漏れることがない。
従来技術、競合技術の概要


パラジウムは、有機合成に於いて種々の変換反応を起こすことから、有用性の高い触媒として知られている。この金属は高価である上、空気との接触によりその活性が低下したり、繰り返しの使用が出来ないことから、これを触媒としてそのまま使用するには多くの問題があった。これらの問題を解決する技術として、パラジウムを高分子に固定化するという試みがなされ、過去、高分子固定化パラジウムを用いた種々の反応についても多くの報告がなされているが、従来の高分子固定化パラジウムは触媒自体の安定性は向上しているものの、何れも触媒の回収率が悪く、繰り返しの使用によってその活性が低下するという共通の問題を有していた。



即ち、例えば、本発明者等は、芳香環を有する高分子化合物であるポリスチレン系高分子化合物に、例えばパラジウム錯体化合物、有機パラジウム化合物、無機塩、有機塩等のパラジウム化合物を固定化させて得られるマイクロカプセル化金属触媒を創製した(例えば、特願2001-59742号明細書参照)。しかし、ここで担体として用いられている高分子化合物は何れも非架橋型であることから、一般的な有機反応に使用される有機溶媒、例えば塩化メチレン、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン等に溶解し易いという難点があるため、該マイクロカプセル化金属触媒は一般的な有機溶媒を使用する反応に利用することが困難であった。また、該マイクロカプセル化金属触媒の担体である高分子化合物は非架橋型であることから、該金属触媒組成物が容易に塊状となり、結果として該金属触媒組成物の表面積が小さくなるため、高分子担体に担持されている金属の量に対して実際に機能している触媒が少なくなって、非常に触媒効率が悪いという問題があり、更にはこれら金属触媒を用いた反応に於いて、原料や反応生成物が触媒を構成する担体高分子へ取り込まれるといった問題もあった。



そこで、本発明者等は、これらの問題を解決すべく、上記ポリスチレン系高分子化合物としてジビニルベンゼン等で架橋して得られる架橋型高分子担体を用いることを検討した。しかしながら、金属を高分子上へ物理的に担持させるには、高分子担体を一旦溶媒に溶解する必要があるため、一般的な有機溶媒に不溶であるジビニルベンゼンで架橋されたポリスチレンでは金属の固定化が不可能であった。



一方、この様な架橋型高分子担体に金属触媒を担持させる方法としてイオン交換基を導入した架橋型高分子に金属触媒を担持させる方法(例えば、特開昭59-27840号公報参照)も知られているが、この様な方法で得られた担体担持金属触媒は、その使用時の液性によっては担持された金属触媒が漏れ出し、繰り返しの使用が困難な場合もあった。



このような状況から、高分子担体が有機溶媒に対して不溶であり、繰り返しの使用によっても担持されている金属の漏れが少なく、その活性が低下しない、より汎用性の高い新規架橋型高分子担持金属触媒の創製が望まれている。

産業上の利用分野


本発明は、耐溶剤性に優れ、繰り返し使用してもその活性が低下しない、架橋型有機高分子化合物に担持されたパラジウム触媒から成る触媒組成物に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
(1)エポキシ基及び重合性二重結合を有するグリシジル化合物、
(2)スチレン系モノマー、及び
(3)アクリル酸系モノマー又は鎖中或いは末端に1個以上の酸素原子を含むヒドロキシアルキル基及び重合性二重結合を含有するモノマーの共重合体と、パラジウム触媒とを、当該共重合体を溶解する溶媒中で均一化させ、次いで生じた組成物を析出させ、当該析出物を架橋反応させることにより得られる、
架橋型有機高分子化合物とパラジウム触媒とからなり、当該触媒が当該架橋型有機高分子化合物に物理的に担持された、オレフィンの水素添加反応用、アリル位置換反応用、又はアルコールの酸化反応用触媒組成物。

【請求項2】
触媒組成物中のパラジウム触媒が、Pd(0)又はPd(II)塩である請求項1に記載の組成物。

【請求項3】
Pd(0)が、配位子を有さないものである請求項2に記載の組成物。

【請求項4】
(1)エポキシ基及び重合性二重結合を有するグリシジル化合物が、下記一般式[1]又は[2]で示されるグリシジルエーテル又はグリシジルエステル




(式中、R2、R3、R5及びR6は夫々独立して水素原子又は炭素数1~6のアルキル基を表し、X及びYは夫々独立して炭素数1~6のアルキレン基を表し、R2はR3或いはXの炭素原子と、R5はR6或いはYの炭素原子と夫々3~6員の環を形成していてもよい。R1及びR4は夫々独立して下記一般式[3]


[式中、R7及びR8は夫々独立して水素原子又は炭素数1~6のアルキル基を表し、R9は結合手、炭素数1~6のアルキレン基、炭素数6~9のアリーレン基、炭素数7~12のアリールアルキレン基又は炭素数7~15のアリーレンアルキレン基を表す。また、上記したアリール基又はアラルキル基に於ける芳香環は、炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4のアルコキシ基及び/又はハロゲン原子を置換基として有していてもよい。]で示される基を表す。)であり、
(2)スチレン系モノマーが、一般式[6]


(式中、R16及びR17は夫々独立して水素原子又は炭素数1~6のアルキル基を表し、R19は水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1~6のアルキル基を表し、R18は炭素数6~10のアリール基を表し、上記したアリール基に於ける芳香環は、更に炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4のアルコキシ基及び/又はハロゲン原子を置換基として有していてもよい。)で示されるものであり
(3)のアクリル酸系モノマーが、下記一般式[4]


(式中、R10は水素原子又は炭素数1~6のアルキル基を表し、R11は水素原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数6~10のアリール基又は炭素数7~12のアラルキル基を表し、上記したアリール基又はアラルキル基に於ける芳香環は、炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4のアルコキシ基及び/又はハロゲン原子を置換基として有していてもよい。また、R12は結合手、炭素数1~6のアルキレン基、炭素数6~9のアリーレン基、炭素数7~12のアリールアルキレン基又は炭素数7~15のアリーレンアルキレン基を表す。)で示されるものであり、
(3)の1個以上の酸素原子を含むヒドロキシアルキル基及び重合性二重結合を含有するモノマーが、下記一般式[5]


(式中、R13は水素原子又は炭素数1~20のアルキル基を表し、R14はその鎖中或いは末端に酸素原子を含んでいてもよい直鎖状の炭素数1~50のヒドロキシアルキル基を表し、R15は水素原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数6~10のアリール基又は炭素数7~12のアラルキル基を表し、これらアリール基又はアラルキル基に於ける芳香環は、炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4のアルコキシ基及び/又はハロゲン原子を置換基として有していてもよい。)で示されるものである、
請求項1に記載の組成物。

【請求項5】
一般式[1]、[2]、[4]、[5]及び[6]で示される化合物又はモノマーの少なくとも一種以上が、芳香環を有するものである請求項4に記載の組成物。

【請求項6】
一般式[1]、[2]、[4]、[5]及び[6]で示される化合物又はモノマー全てが、芳香環を有するものである請求項4に記載の組成物。

【請求項7】
架橋型有機高分子化合物に於いて、重合性二重結合由来のアルキレン鎖と、重合性二重結合由来の別のアルキレン鎖との間に存在する架橋部分の最短原子数が、1~400個である請求項1に記載の組成物。

【請求項8】
(3)のモノマーが、鎖中或いは末端に1個以上の酸素原子を含むヒドロキシアルキル基及び重合性二重結合を含有するモノマーである請求項1に記載の組成物。

【請求項9】
(1)エポキシ基及び重合性二重結合を有するグリシジル化合物がビニルベンジルグリシジルエーテル又はビニルフェニルグリシジルエーテルであり、(2)スチレン系モノマーがスチレン又はメチルスチレンであり、(3)のアクリル酸系モノマーがアクリル酸又はメタクリル酸であり、(3)の鎖中或いは末端に1個以上の酸素原子を含むヒドロキシアルキル基及び重合性二重結合を含有するモノマーがテトラエチレングリコール モノメタクリロイルエステル又はテトラエチレングリコール モノ-2-フェニル-2-プロペニルエーテルである請求項4に記載の組成物。

【請求項10】
共重合体と均一化するパラジウム触媒が、トリフェニルホスフィン、トリt-ブチルホスフィン、トリエチルホスフィン又はトリメチルホスフィンとの錯体である請求項1に記載の組成物

【請求項11】
請求項1~10のいずれかに記載の組成物の存在下、アリル炭酸エステルと求核剤とを作用させることを特徴とするアリル位置換反応方法。

【請求項12】
請求項1~10のいずれかに記載の組成物をアルコールに作用させることを特徴とするアルコールの酸化反応方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) SORST 平成13年度採択課題
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